これは前書きにでも任せよう。
せっかく短編なのでね。

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それは機械仕掛けの神、事態を勝手に収束させる絶対的な奇跡にして、
物語を救済する身勝手な不条理である。


Deus ex machina

「とまぁ、大層な書き方をしたけどもね」

 

目の前の存在は私に語りかけていた。

 

「実際のところは作者と呼ばれる存在が作りたくて作った存在に過ぎないのだよ、私もね」

 

そう言う目の前のやつは青い竜の姿をしていた。

発達した上半身の筋肉とゴツゴツとした拳がいやでも目に入る。

 

「都合の良い存在というのは便利でね、どんな見た目でも許されるらしい」

 

目の前の存在は女子高生に姿を変えた。

黒く長い髪が特徴的な美少女だ。

 

「実際、見た目が変わることが重要なんじゃない。

 相手や世界にとってどれだけ自然で、どれだけ問題ないのかが重要なんだろうな、知らんけど」

 

目の前のそれは背中に赤い大剣を背負う女性になった。

大剣の目がこちらを見ている。

 

「例えば君にとってはどんな見た目が自然だい?」

 

目の前の彼女は黒い怪獣になっていた。

見上げるほど高い身長に、背鰭が特徴的だった。

 

「機械仕掛けの神はなぜ機械仕掛けなんだろうな?」

 

目の前の彼は鋼鉄の鎧を着ていた。

赤と金のカラーリングが光の反射で輝いている。

 

「機械仕掛けなわけでもあるまいし、何が機械なのやら」

 

目の前のこれは白髪の少女になっていた。

身長とそこまで変わらないように見える刀を背中に携えている。

 

「例えそれが存在のないあやふやなものでも人はそれを機械仕掛けの神、という」

 

目の前の貴方は赤いワイバーンになっていた。

くちばしのような構造が頭にある、明らかな捕食者の姿をしている。

 

「そもそも、Deus ex machinaというのは、ギリシア語のἀπὸ μηχανῆς θεός……

 アポ・メーカネース・テオスをラテン語に直したものだ」

 

目の前のこいつは深緑色の仮面を被った鎧を着た男になった。

黒いコートが光を吸い込んでいるように真っ暗だ。

 

「なんでも、古代ギリシアで複雑化した挙句解決困難な局面になってしまった時、

 その劇を強引に終わらせて収束させる技法のことだそうだ」

 

目の前の対象は赤と青の目立つロボットになっていた。

よく見ると車のパーツらしきものがロボットになっているように見える。

 

「まさに神……しかし人間の作り出した紛い物、そういう意味で機械なのかもな」

 

目の前の何かは茶色の巨大な肉食恐竜になっていた。

強力そうな顎以外では、全身の古傷が目立つ。

 

「さて、長々とこうやって話してきたわけだがね。

 私が、僕が、俺が、我が、自分が、言いたいことが分かるかい?」

 

私は首を振った。

所詮私は劇中劇……物語の中の物語の存在だ。

それよりもワンランクどころか何ランクも上の存在の言いたいことなど分かるはずもない。

 

「まぁ、そうだろうね。

 むしろ分かるなら君は自分と同じ次元の世界ぐらいなら滅ぼせる存在だ」

 

彼女はケラケラ笑って元の姿に戻った。

 

「続きは後書きでな」




で、結局何がしたいの?

「続きというほどでもないけどね、まぁ、また今度暇があれば出会おう」

あっそ
じゃあ適当に待つよ

「ぜひそうしてくれ」

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