ウホッ良いヴィラン。ヤらないか。 作:お前達も執筆をヤらないか
授業が始まり、ヒーローになるための授業が通常授業のカリキュラムに追加され、さらに1枠の密度が高くと進行速度かなり早い。
そして一般授業が終わればヒーローの法律や歴史学のように軽い物ではなく体力や精神力、最悪保健室送りになるヒーローの基礎学であり実技が午後の授業で行われる。
初めてのヒーロー実技が行われる午後、A組の面々はワクワクしながら待っていると。
「わ~た~し~がぁぁぁ! 普通にドアからきたぁぁぁ!」
オールマイトが教室にドアから普通と言いつつ身を乗り出すようにしながら入ってきた。
「あれシルバーエイジの服装ね!」
「すげぇぇ! 本当に教師をしてくれるんだ!」
「画風が違い過ぎて鳥肌が!」
これから行われる授業の概要と、もっともヒーローとしてカリキュラムが多い基礎学を担当するとの言葉にさらにクラスは盛り上がる。
「良いねぇ。 凄くイイ男だ」
そんな中でも阿部はうっとりとしながらオールマイトの全身をじっと見つめる。オールマイトは何か物理的とは異なり、貞操の危険を感じ身震いしそうになりながらもぐっと堪える。
「阿部さん 自制するザコよ」
「だめザコ」
「一回気絶しておくザコ?」
ザコソルジャー達が最悪な事態を想定するも、阿部は首を横に振った。
「色々事情もありそうだし、いまのオールマイトとヤるのはやめておくさ。 体調も悪そうだし な」
阿部の眼には、オールマイトがかなり体に対して無理をしているように見ている。お互いを楽しませるプレイを望むため、体調が悪いなんて状況で誘うつもりなどなかった。
「さっそくだが、初回の授業は戦闘訓練! かつそれに伴い! 入学前に提出してもらった個性届と要望を加味しつつ製作したコスチュームだ! これに着替えて指定戦闘訓練場に集まるんだ!!」
ヒーローコスチュームをそれぞれ受け取り、更衣室に荷物をもって移動して着替えていく。
舘紙絵筆の服、絵筆がずっと前に見たルカというキャラクターを模した物、色合いを黒と銀色にした上で右腕に本を固定できるサポート道具が付いている。
着替えを終えたあと、女子は揃って指定戦闘訓練場へと歩いてい向かう中でそれぞれのコスチュームが話題となり、絵筆も必然にその中に入っていた。
「舘紙さんは、服装と合わせてアイドルみたいですわね」
「黒髪も光を反射してる~。 天使の輪って奴だよね」
「スタイルも・・・・・・くっ」
「ありがとう。 中学校でも外見の事で色々言われたけれど、良い事は、あまりなかったよ。 怖い事とか、嫌がらせばっかりで」
A組クラスメイトから可愛いやアイドル並と評されるも、絵筆はあんまりよいとは思っていなかった。
絵筆は中学を3回転校している。2度は周囲に住んでいた変質者から付き纏われ、阿部とザコソルジャーに守られて危ういことは起きなかったものの安全のために引っ越しをした。
1回は中学のクラスメイトの女子の嫌がらせ、女子トイレで個室に居たところ上から水を掛けられ、教科書を刃物で切り裂かれ、髪につけていたバンドはハサミで切られ、机にはブスやキモイなどが刃物で抉られて消せず、ある日は登校したら机が誰かに壊されていた。
平均よりもずっと外見良く、男性が怖くて怯えてしまう姿が男子の庇護欲を誘ってしまい、優れる同性排除しようとする心理が過剰に働いた。
クラスの男子や女子の中に居たヒーロー志望の面々はいじめる側とぶつかって守ろうとするも、それがますます嫌がらせを加速させ、下駄箱を壊された段階で相手側がどうあっても止まる事はないと判断し両親が引っ越しを選んだ。
ザコソルジャーと阿部さんのサポートで実害は防がれ、ちゃんと味方になってくれたクラスメイトも居たので、女子に忌避感も恐怖も感じないものの、綺麗な恰好やアクセサリーなどを身につけた事はなかった。
「ごめんなさい。 知らなかったとはいえ」
「ごっごめんね」
「やっぱり、そういうのって起きるんだ・・・・・・。 酷いよね」
ヒーローを目指す卵、雄英に合格できるため根幹部分の倫理観は他者を思いやれる人が多い。みんな察して謝罪してくれるも、絵筆にとって中学の頃のことはすでに過ぎ去った事なのでそこまで気にはしていない。ヒーローを目指していたので、中学校でもしっかり抵抗はしていたしビンタ合戦をして勝利もしている。絵筆は男性が怖いだけで無抵抗で弱いわけではない。
訓練場の集合場所に集まったのは、それぞれ自らデザインしたコスチューム案を元に製作されたヒーローコスチュームを着用している。
個性の影響なのか一際小柄な峰田と稲妻模様のメッシュの入った金髪の上鳴、女子を見て親指をグッと立てた瞬間、目の前に阿部さんが立つと二人の肩を掴み顔を寄せた。
「少年、女子の気持ちを読み取ってアクションとらないと駄目だぜ。 その必要性を“体”で少し理解してみるかい?」
阿部さんはとても良い笑顔を向けて二人をじっと、他の皆には分からないよう至近距離でじっくりと体を嘗め回す見つめ、軽く自身の唇を舌で舐める。
「ひぃっ! 気を付けます!」
「はいぃぃぃ!」
「分かってくれてよかった」
それだけ言うと阿部さんは二人を振り返らせ、尻を軽くたたいて前に押し出す。
オールマイトは全員が集まったことを確認し、無敵の笑顔で鼓舞する。それぞれの姿を確認しグッと拳を握り腕を上げる。
「自覚するのだ。 今日から君達はヒーローなのだと! みんないいじゃないか! 中々に格好いいぞ!! それでは始めようじゃないか!!!」
オールマイトは書類を片手に説明を始め、これからヴィラン役とヒーロー役に別れチーム対抗戦を行うと発表をした。
ヴィラン側の敗北条件は模擬核爆弾に触れられる事、もしくは捕縛テープを体に巻き付けられる事。勝利条件はヒーロー全員をギブアップさせるかタイムアップ。
ヒーロー側の敗北条件は全員が戦闘不能となる事、タイムアップになる事、勝利条件は全員の捕縛するか模擬核爆弾に触れる事。
第一回戦は酷い物、爆豪のヴィランと言うより加害者が弱者に暴力を振るっているようにしか見えない。ヴィランらしいと言えるかもしれない。
絵筆のクラスメイトも若干やり過ぎだと感じているようで何かを話していた。
「あの少年、素直になれてないな」
「ヴィランというより、ただ暴力ザコね」
「一方的な因縁があるザコよ」
「自分で解決する問題ザコ」
阿部さんとザコソルジャー達は違う視点で見ていた。二人の間に何かが起き、片方は憧れとその行動への辛さを、片方は憧れてしまった事への拒否を、絵筆はわからないためにじっと状況を見守っていた。
それから順に授業が進められるも絵筆は最後となる。21人の為1組だけ3人にはせずである。
“数の暴力”という力もある為、どうしても対するのが2名や3名では不足してしまう。しかしほぼ全力でやらなければ授業に、正確には現状での戦闘能力を自ら理解し伸ばしていく方向を当人も、また教師陣も把握することができない。
「質問です! 舘紙さんの個性は分かりましたが、1人相手に多数を相手にするのは如何な物でしょうか!」
「うん。 それについては戦ってみればわかるかな。 ヒーローになったらかならず直面する事態だからね。 さて、それでは舘紙少女はヴィラン側、ヒーロー側で自薦し参加できる子はいるかな」」
オールマイトの言葉に何人かが納得しながら、それぞれ自薦すべく挙手した。尾白・障子・葉隠・八百万の4人が自薦しヒーロー側として捕縛と模擬核爆弾奪還に映る。
先に移動した絵筆は最上階に模擬核兵器を設置し、皆と相談していた。
「みんな、防衛と妨害に別れて頑張ろう」
「それじゃ隠すザコね」
「偽物用意ザコよ」
「罠を用意するザコ」
以前から似たような事が起き場合について、ザコソルジャーが絵筆に話し策を練っていた事案に近い為、それに従って次々と準備を進めながらゲートから次々と出てくる。
ヒーローside
開始前の5分の相談と準備時間。
「僕が前に出るよ」
「俺も戦える。 警戒しながらになるが」
「私が隠れて偵察に行ってくる!」
「では、私が皆に捕縛用の道具を用意しましょう」
尾白と障子が主に戦えると志願し、八百万が捕縛にも使えるサスマタを自分用に作り出し、葉隠は先行して居場所を探ってくるとそれぞれすべきことを分担していく。
「では、スタート!」
オールマイトの開始の合図と共にヒーロー4人組はビルに入った途端、二階と三階の窓から緑色の小柄な兵士が窓から溢れるように次々と飛び出してくる。一方で着地を失敗し積み上げられた荷物のようにザコソルジャーが山になり始める。
「みんな急いで!」
「僕が時間を稼ぐから早く!」
尾白がビルの入り口で足止めをすると立ちはだかり、捕縛しようと迫ってくるザコソルジャーを体を回転させ尻尾で簡単に薙ぎ払い弾き飛ばすも、その直後に他のザコソルジャーに取りつかれ床に引き倒されそうになる。なんとか踏ん張っては居るものの、長くはもたないことは障子たちヒーローチームから見てもすぐにわかった。
「尾白さん!」
「立ち止まってはだめだ!」
立ち止まろうとする八百万を急かすも、障子はビル内部から聞こえてきた足音に階段近くで立ち止まる。
「中からも足音が。 それも」
言葉を終える間に、二階の階段が見える位置までいたことに視線に映ったのは、天井まで埋め尽くすように大量の小柄な緑の物体。
「これを使ってください!」
八百万の個性は創造、非生物物体で構造をしっかりと理解したのなら、自ら蓄えた脂質で作り上げる事が出来る。すぐに警察が使用する暴徒鎮圧用防護盾を二枚作りだし障子に渡す。
両手に持ちながら障子は身構え、前進してくるザコソルジャーをぶつかり合った。
「ぐうぅぅぅ!!」
突撃してくるザコソルジャーの集団をなんとか押し留めるも、力押しに負け徐々に足元が滑り押し込まれる。
「だっだめだ! はやく横の部屋に退避してくれ!」
障子は個性を利用した4本の腕で防護盾を支えながら、さらに二本の腕を壁まで伸ばして時間を稼ごうとしたが。
「はい。 残念ザコ」
「正面と後ろだけに警戒し過ぎザコ」
「視界は広く持つもの ザコよ」
横の部屋からもザコソルジャー達が現れ障子と八百万を完全に包囲してしまう。残るは葉隠だけとなるはずだが。
「終了! ヴィランチームWIN!」
オールマイトの言葉から葉隠も掴まっていたと分かり、唖然としている3人。特別何かをできた実感もなくただビルの内側に逃げたら捕らえられてしまった。
「透明な子なら、ザコ達は熱源が見えるから光学偏向は意味がないザコよ?」
「入口付近で隠れていたので捕まえた ザコ」
それだけいうとザコソルジャー達は足早に絵筆の元に戻っていった。
待機室side
クラスの面々は唖然としていた。1人で4人を相手にということに疑問を思っていたし、大きな差があるとは思えなかった。
それでも行われたのは数による一方的状況、尾白の尻尾によって軽々と吹き飛ばされても、それを補う圧倒的数で取り押さえられ、障子が両手に持った防護盾で侵攻を抑えても、迂回しながら取り囲み動きを封じてしまった。葉隠さんは元々熱源が見えるということで、透明でも意味がないという。
「さてと。 舘紙少女は一人でヴィラン側になるよう指定した意味が分かったかな? それでは総評に移るけれど、誰か意見を述べられる人」
オールマイトの言葉に轟と八百万の2人が挙手し、順に発言していく。
「あれだけの数です。 普通にやって居たら、俺の氷でも押し切られたかもしれません。 “ヒーローになったら必ず直面する”っていうのはこちらの数を上回るヴィランの相手をすることがあると考えました」
「舘紙さんの大よその個性については個性把握テストで確認していました。 しかしあれだけの数になるとは想定してなかった作戦のミスです。 強行突破、もしくは、どうすればよかったのでしょうか」
「では舘紙少女、君側の意見はあるかな?」
オールマイトに促され舘紙は、男子たちの視線が集まったことで極度に緊張してしまっていた。
「それは、あの、とくに。 あの阿部さん、お願いします」
「準備時間が5分もあれば絵筆は十分な仲間を呼び出せたし、広範囲か強行突破できる個性や技能がないなら、もう手がないんだぜ。 A組なら轟少年・緑谷少年・爆豪少年・砂藤少年なら現状の個性でも散らしながら強行突破出来たが、数の暴力を相手にするっていうのはこういうことなんだぜ」
「ここからはザコが引き継ぐザコ」
「まとめてあるから4人とも聞くザコよ」
阿部なりにA組の面々の個性や特徴を把握し、対処できるだろう人間のピックアップはしていた。それから細かい注意点や動きについてザコソルジャー達から兵士としての視点から補足が入り、オールマイトは特に何も言うことがなく頷くだけだった。
「くっ、全部言われてしまった。 その通りだよ。 では、今日の授業はここまで、私は緑谷少年に総評を伝えなくてはならないから、みんなは速やかに教室にお戻り~!」
オールマイトは持ち前の脚力で一瞬で視界から離れていく。
教室に全員が戻り、帰りのHRが終わった。初めて行った実技授業についてみんなで振り返りと反省会をやろうと、帰りのHRのあとで集まるので絵筆も声をかけられたのだが。
「ごめんなさい。 ちょっと疲れてしまって、今日は帰って休もうと」
絵筆は個性を使って疲れたのではなく、まだ慣れない男子生徒が近くにいた為普段よりも疲れていた。恐怖が無くなったわけではないし、何かがあった時抗えないわけでもない。それでも体は緊張し普段よりも疲れてしまう。