もし、ムコーダ御一行がGGGとファイナルフュージョン!

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勇者王、異世界メシに舌鼓?

沖縄のどこまでも青い海と空。

ゾンダー軍団との命をかけた激闘から3ヶ月。幾度となく人類の存亡を背負って戦い抜いてきた機動部隊隊長・獅子王凱は、久しぶりの休暇を満喫していた。傍らには笑顔を浮かべる卯都木命。渚には、楽しそうに波と戯れる初野華や天海護、そしてそれを嬉しそうに見守る大河幸太郎長官や火麻激参謀、猿頭寺耕助、牛山一男といったGGGの面々が揃っている。

「いやあ、凱兄ちゃん! 海風が気持ちいいね!」

「ああ、護。本当に……平和ってのはいいもんだな」

凱はサイボーグの身体に心地よい潮風を感じながら、静かに目を細めた。しかし、その平穏は唐突に打ち破られる。

突如としてビーチの中央空間が歪み、巨大な光の亀裂が生じた。

「……ッ!? 空間歪曲反応! ゾンダーか!?」

火麻参謀が叫び、大河長官が即座に鋭い視線を送る。凱は護を庇うように前に出ると、全身のハイパーモジュールを緊張させ、ファイナルフュージョンをいつでも発動できるよう構えた。

だが、光の中から転がり出てきたのは――異様な異色の組み合わせだった。

巨大な銀色の毛並みを誇る伝説の魔獣・フェンリルのフェル。

プルプルと揺れる愛らしいスライムのスイ。

素早く飛び回る小さなピクシードラゴンのドラちゃん。

そして、エプロン姿で頭を抱えて悲鳴を上げている情けない男、ムコーダである。

「うわあああ! ニンリル様ぁぁぁ! 『甘いもののお供に南国のドリンクを寄こせ』って言われて献上しようとしただけなのに、なんでワープしちゃうのーー!?」

「おいムコーダ、騒ぐな。ここには怪しい奴らがおるぞ……ぬう」

フェルが低く唸りを上げ、その巨体から溢れ出る圧倒的な神獣の威圧感(プレッシャー)がビーチ全体を支配した。その殺気にも似た気圧に、GGGの面々に緊張が走る。

(な……なんだ、この巨大な生き物は!? 生体反応が測定不能だと……!?)

猿頭寺がオペレーションシートもないまま携帯端末の数値を二度見する。

凱は一歩前へ踏み出し、鋭い眼光でムコーダを見据えた。

(あの巨大な獣の放つ覇気……タダ者じゃない。それを従えているあの男……一体何者だ!?)

一方、フェルもまた、鋭い金色の瞳で凱を凝視していた。

「む……? おいムコーダ、あの男の体、妙だぞ。肉体の大半が金属と機械でできている。ふむ……己の身体そのものを高位のアーティファクトに改造しているのか? ほう、人間にしてはなかなか興味深い試みではないか」

「えっ!? あ、いやフェル、落ち着いて! 喧嘩しに来たんじゃないから!」

ムコーダは胃の痛みに耐えかねて叫びつつ、目の前の威厳あふれる男たち(GGG)と、全身から尋常じゃないオーラを放つメカメカしい青年(凱)を見て、冷や汗をダラダラと流した。

(やばいやばいやばい! なんかすごい軍人っぽい人たちと、めっちゃ強そうなサイボーグっぽい人がいるー!! 殺される! 刺激しちゃダメだ!!)

パニックになりかけたムコーダは、咄嗟に【ネットスーパー】の画面を空中に呼び出した。

「あ、あの! 敵意はありません! これ、喉が渇いてるならどうぞ! 南国っぽい美味しいジュースです!!」

ムコーダが画面から取り出したのは、キンキンに冷えた缶の**「タマリンドジュース」**。

甘酸っぱく、独特のコクと爽やかさが特徴のオリエンタルなドリンクである。

「む……毒味は俺がする」

火麻参謀が前に出ようとするが、大河長官が手で制し、自らジュースを受け取った。凱も警戒を解かないまま缶を受け取る。

「……いただく」

プシュッ!

爽やかな炭酸と、タマリンド特有の甘酸っぱい香りが広がった。凱が大口で飲み干す。

「――――ッ!?」

凱の目が大きく見開かれた。サイボーグ化された味覚センサーを通して、脳内にダイレクトに駆け巡る芳醇な甘みと絶妙な酸味。ゾンダーとの戦いで疲弊しきっていた全身の細胞が、まるでエネルギーを再充填(リチャージ)されるかのように歓喜している!

「うま……美味い!! なんだこの爽快感は! 熱くなったGストーンの冷却機能すら加速するような……身体の芯からエネルギーが湧き上がってくるぞ!!」

「なに!? 凱、そんなに美味いのか!?」

火麻参謀と牛山も一気に飲み干す。

「うんまあああい!! なんだこの甘酸っぱさは! 沖縄の暑さに完璧にマッチしているぞ!!」

「はぁ〜〜〜! スッキリして最高だコラァ!」

スイも「スイも飲むー!」とプカプカ跳ね、ドラちゃんも「美味いなこれ!」と空を舞う。タマリンドジュース一本で、一触即発だったビーチの空気は一気に和やかなピクニック状態へと変貌した。

「ふう……助かった……」

胸を撫でおろすムコーダ。しかし、本当の波乱はここからだった。

凱がグッと顔を近づけてきたのだ。サイボーグの超至近距離にムコーダは引きつった笑みを浮かべる。

「ムコーダと言ったな。お前が空中に描いたあの光の画面……あそこからこのジュースを取り出したのか? 一体どんなテクノロジーなんだ……? まさか未知の物質転送システムか!?」

「え、ええと……これは【ネットスーパー】っていう僕の固有スキル(能力)でして……お金を払えば異世界の品物が一瞬で届くんです……」

「何だと……!?」

大河長官と猿頭寺の目が輝いた。

「異世界の食材や物資を即座に補給できるシステムだと……! 素晴らしい! GGGの兵糧補給線としても極めて魅力的だ!」

大河長官が熱弁を振るう。

「ムコーダ殿!」火麻参謀がガシッとムコーダの肩を掴んだ。

「実は今日、俺たちはビーチで大バーベキュー大会をやる予定だったんだ! だが、ゾンダー戦の余波で物資の輸送が遅れていてな、肉も酒も全然足りんのだ! 頼む、お前のその『ネットスーパー』で、俺たちの晩飯を調達してはくれないか!?」

「ええっ!? 僕がGGGのみなさんの晩ごはんを!?」

困惑するムコーダ。しかし、目の前には空腹で目を輝かせる男たちと、美味しそうな匂いを察知して「ムコーダ、肉か!? 肉なのだな!?」と肉食獣の目を光らせるフェル。

「わ、わかりました……! 大人数ですし、ガッツリ買い込むなら……アレを開放するしかないですね」

ムコーダが決意を固め、ネットスーパーの画面を操作する。

「よし……コストココーナーの年会費10年分、一括で支払います!!」

チャリン、という虚しい効果音とともに、ムコーダの所持金からドカンとゴールドが吹き飛んだ。しかしその瞬間、画面には果てしない大容量・超巨大サイズの食材リスト――「コストコ・特別メンバーシップエリア」が鮮やかに解禁されたのである!

「よし……! 大容量のUSAサーロインブロックに、プルコギバキュームパック、巨大ディナーロールにハイローラー……! GGGのみなさん、そしてフェルたちの胃袋を満足させる、超巨大コストコ飯の宴の始まりだ!!」

ムコーダの叫びとともに、沖縄のビーチに異次元の大食いパーティーの幕が切って落とされようとしていた――!

「よーし、食材の準備は完璧だ……!」

コストココーナーの10年分会員権という大奮発によって解禁された、見たこともない大容量食材の山。ビーチに並べられた巨大なクーラーボックスやダンボールの山を前に、GGGの面々は目を丸くしていた。

「な、なんだこの肉の塊は……! アメリカンサイズのビーフに、溢れんばかりのエビ……!?」

牛山が目を見開き、火麻参謀は「ガハハ! これぞ男のバーベキューだ!」と豪快に笑い声を上げる。

「ムコーダ、肉だ! 早く肉を焼くのだ!」

待ちきれない様子のフェルが尻尾をブンブンと振り、スイは「ご飯〜? スイもお腹すいたー!」とプカプカ跳ね、ドラちゃんは「俺はエビが食いたいぞ!」と空を飛び回る。

「はいはい、みんな落ち着いて! GGGのみなさん、最高のバーベキューフルコース、一気に行きますよ!」

ムコーダはネットスーパーで調達したプロ仕様の巨大BBQコンロと鉄板をセットすると、腕まくりをして調理を開始した。

### 一品目:のどぐろの炭火焼き

まずは前菜代わりに、日本の誇る高級魚からスタートだ。

備長炭の熱気が広がる網の上に、綺麗に脂の乗った「のどぐろ」が並べられる。じっくりと遠火で煽られた皮目がパチパチと音を立て、上質な脂が落ちるたびに香ばしい煙が立ち上った。

「シンプルな塩焼きですが、脂の乗りが違いますからね。どうぞ!」

焼き上がった皮はパリッと香ばしく、身は驚くほどふっくらとジューシー。大河長官が一口運ぶと、その目がカッと見開かれた。

「ふむ……! これは素晴らしい……! 口に入れた瞬間に溶けるような濃厚な脂の旨味、それでいてしつこくない。備長炭の香ばしさが魚本来の味覚を極限まで引き立てている!」

「うめえええ! 魚でこんなに脂が乗ってるのはじめて食べたぞ!」とドラちゃんも夢中で突っついている。

### 二品目:ほりにしのスパイスで仕上げた鉄板焼ガーリックシュリンプ

続いて、巨大な鉄板に大量のニンニクとバターが投入され、ジュワアアッと激しい音とともに香ばしい臭いがビーチ全体に広がった。そこに投入されるのは、ぷりっぷりの大ぶりなエビ!

「ここで隠し味……いや、主役のスパイス『ほりにし』をたっぷりと!」

万能調味料「ほりにし」のスパイシーな香りとハーブの風味がガツンと重なる。手際よく炒め合わされたガーリックシュリンプが、一人ひとりの皿に盛られた。

「ハフッ、ハフッ……! プリップリだコラァ!」

火麻参謀が殻ごと豪快に噛み砕く。

「ニンニクのパンチに、この謎の万能スパイスのコク! ビールが、ビールが止まらねえぇぇ!!」

「スイ、エビだーいすき! ぷりぷりしておいしーい!」

スイも大喜びでエビを丸ごと取り込み、満足そうに体を揺らした。

### 三品目:富士宮焼きそば

「お次はB級グルメの王道、富士宮焼きそばです!」

コシの強い特製の蒸し麺に、ジューシーな「肉かす」を加え、削り粉(削り節)をたっぷりと振りかける。ソースの焦げる甘辛い香りが食欲を激しく刺激した。

「この麺の歯ごたえ……ただの焼きそばじゃないぞ!?」

猿頭寺がメガネを押し上げながら猛烈な勢いで箸を動かす。

「肉かすのコクと削り粉の旨味が麺に絡みつき、複雑な旨味の計算式を叩き出している……おかわりだ!」

### 四品目:夏野菜のマーラータン・ほりにしのスパイスを隠し味に

ガッツリした料理が続いたところで、ムコーダは大きな鍋のフタを開けた。真っ赤なスープに、ナスやズッキーニ、パプリカといった鮮やかな夏野菜がたっぷり入ったマーラータンだ。

「四川風のシビ辛スープですが、ここにも『ほりにし』を隠し味に入れることで、旨味の奥行きを出しています!」

熱々のスープを口にした命が、はぁっと吐息を漏らした。

「辛い……! でも、辛さの中に野菜の甘みとスパイスの深い旨味がギュッと詰まっていて……クセになる味です! 汗が心地よく吹き出してきますね」

### 五品目:スタミナ源のタレで焼き上げたプライムビーフの炭火焼きブリスケット

そして、ここからが本番の肉ラッシュだ。

コストコで仕入れた超極厚の「プライムビーフ・ブリスケット(肩バラ肉)」。炭火でじっくり時間をかけて火を通し、表面はカリッと香ばしく、中はあふれんばかりの肉汁を蓄えている。

ムコーダは青森の至高の味「スタミナ源のタレ」をたっぷりと塗りたくり、何度も返しながら香ばしく焼き上げた。

「フェル、お待たせ! 最高級の牛肉だ!」

「むおん……! この匂い、待ちきれんぞ!」

フェルが巨大な口で肉塊にかぶりつく。

「――っぬおおお!? なんだこの柔らかさは! 噛むたびに溢れ出す肉汁と、このニンニクと生姜が効いた甘辛いタレの相性が抜群すぎる! うまい、美味いぞムコーダ!!」

「凱兄ちゃん、見て! お肉がすごく柔らかいよ!」

護も笑顔で肉を頬張る。凱はその肉を噛み締めながら、Gストーンが静かに輝くのを感じていた。

「すごいな……ただの栄養補給じゃない。作った者の情熱と食材の生命力が、ダイレクトに魂に響いてくるような味だ。体の底からパワーがみなぎってくる……!」

### 六品目:あぐー豚のテキサス風スペアリブ

宴の興奮は最高潮へ。

地元の名産「あぐー豚」の骨付きスペアリブを、テキサススタイルの濃密なBBQソースでじっくりと焼き上げる。骨から肉がほろりと外れるほどの柔らかさだ。

「豪快に骨ごとしゃぶっちゃってください!」

牛山が両手でスペアリブを持ち、豪快にかぶりつく。

「甘い……豚の脂がめちゃくちゃ甘いぞ! そこに濃厚なBBQソースが絡んで、骨の髄まで美味い!! ムコーダさん、あんた天才だ!」

### 七品目:さくらどりの北京ダック風炭火焼き

肉コースの締めくくりは、コストコの「さくらどり」を丸ごと使った贅沢な一品。炭火で皮目をパリパリの黄金色に焼き上げ、特製の甜面醤(テンメンジャン)と白髪ネギとともに、モチモチの皮(パオピン)で包んでいただく。

「鳥肉のパリッとした皮の香ばしさと、甘辛い味噌の風味が絶品……! 幾らでも食べられてしまうわ!」

命が嬉しそうに頬を緩め、ドラちゃんも「この皮のカリカリしたのがたまらん!」と夢中で食べ進める。

### デザート:ハーフカットメロンクリームソーダ〜器のメロンも頂きます〜

満腹になった一同の前に、ムコーダがとっておきのデザートを運んできた。

贅沢に真っ二つにカットした完熟メロン。その種をくり抜いた凹みに、シュワシュワのサイダーを注ぎ、大きなバニラアイスとチェリーをトッピングした「特製ハーフカットメロンクリームソーダ」だ。

「うわあああ! すごい! メロンがそのまま器になってる!」

華と護が大歓声を上げた。

ストローでサイダーを飲むと、メロンの果汁が溶け込んで極上のシュワシュワ感が広がる。さらにスプーンで甘い果肉を贅沢に削り取り、バニラアイスと一緒に口へ運ぶ。

「冷たくて、甘くて……最高に幸せな気分です……!」

命がうっとりと目を細め、凱もその贅沢な甘さに笑みをこぼした。

「……負けたよ。ゾンダーとの戦いとはまた違う、完全な敗北(敗北感のない満足)だ。こんなに心も体も満たされたのは、いつ以来だろうな」

「ふははは! 満足したぞムコーダ! やはりお前の作る飯は最高だ!」

フェルも大満足でゴロリと砂浜に横たわり、スイは「おいしかったー!」と空中でくるくると踊っている。

最高の宴が終わり、夕暮れ時の赤く染まる沖縄の海を眺めながら、大河長官がムコーダのもとへ歩み寄ってきた。その表情は、極めて真剣な「長官の顔」に戻っていた。

「ムコーダ殿。素晴らしい料理の数々、心より感謝する。……そして、ここからが本題だ」

「えっ……本題……?」

身構えるムコーダ。大河長官は胸ポケットから1枚の特製IDカードを取り出し、ムコーダに向かって差し出した。

「君の【ネットスーパー】という能力、そしてその異次元の調理技術……。我がGGG(ディビジョンパワー)の補給・福利厚生特別顧問として、正式に協力要請を行いたい!」

「ええええええっ!? GGGの顧問―――っ!?」

ムコーダの悲鳴が、夕暮れの沖縄の空に響き渡った。

元の世界に戻る方法を探すはずが、なぜか地球の防衛組織からスカウトされてしまったムコーダ御一行。彼の波乱に満ちた異世界(?)放浪記は、一体どこへ向かうのか――!?

 


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