四方世界のモンスターマスター   作:寝心地

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王の最期

【小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)】とベテラン冒険者達が戦闘を始めた頃、ゴブリンロードは群れを離れ走っていた。

 

(あの群れはもう駄目だ、だが我が生き残ればそれで良い、今回も学んだ、生きていれば次がある、次はもっと上手くやる!!)

 

「そう考えるだろう事は、分かっていた」

 

そんな声が聞こえゴブリンロードの足が止まる。

 

やがて森の向こうから赤い瞳が近付いてくる。

 

「間抜けな奴め、大軍は囮にこそ使うべきだ」

 

そう言って現れたのは至る所に返り血を浴びたゴブリンスレイヤーだった。

 

「お前の故郷は、もう無い」

 

ゴブリンスレイヤーにそう言われゴブリンロードは激昂し持っていた手斧でゴブリンスレイヤーを襲う。

 

ゴブリンスレイヤーはそれを盾で冷静に受け持っていた剣でカウンターを決めるが鎧と筋肉に阻まれ致命傷には至らない。

 

その隙にゴブリンロードは斧を振り回しゴブリンスレイヤーの首を狙うがゴブリンスレイヤーは転がり回避行動を取る。

 

(膂力は圧倒的、と言うよりは武器の差か、あの斧、魔法は宿っていないが業物だな、当たれば無事では済まないだろう、最も当たればの話だが)

 

ゴブリンスレイヤーが走り出しゴブリンロードはカウンターで斧を振るう、完璧なタイミングで入る斧にゴブリンロードはニヤリと笑うが突如ゴブリンスレイヤーの速度が上がりゴブリンロードの懐に入り込む。

 

突き立てられた剣が半ばまで刺さり折れると言う悪運により命を奪われるまでには至らずゴブリンロードは蹴りを放ち無理矢理距離を取る。

 

「運が良いな」

 

そう言うゴブリンスレイヤーの肩には水色のスライムが乗っかっていた。

 

「守りを固める、防蟻の魔法だ」

 

ゴブリンスレイヤーが命じるとスライムはプルンと揺れゴブリンスレイヤーに【スカラ】を掛ける。

 

その隙にゴブリンロードが接近しゴブリンスレイヤーを蹴り飛ばす。

 

吹き飛ばされ動けなくなったゴブリンスレイヤーに止めを刺そうとゴブリンロードが斧を振り上げる。

 

後は勢いに乗せて斧を振り下ろすだけだったが、突如ゴブリンロードの前に透明な壁が現れ同時に神官も姿を表す。

 

「いと慈悲深き地母神よ、か弱き我らを、どうか大地の御力でお守り下さい【聖壁(プロテクション)】」

 

ゴブリンロードの前後に透明な壁が現れゴブリンロードの腹部に刺さっていた剣の破片が押し込まれゴブリンロードの内臓を傷付ける。

 

「ご、ごめん………なさい…………もう……2度としません……ごめん……なさい……」

 

ゴブリンロードは死を悟ったのか惨めに命乞いする。

 

「させるものかよ」

 

するとゴブリンスレイヤーが立ち上がりゴブリンロードの喉元に折れた剣を突き付ける。

 

「ロード?馬鹿馬鹿しい、お前はゴブリンだ、ただの薄汚いゴブリンに過ぎん、そして俺は【小鬼殺し(ゴブリンスレイヤー)】だ」

 

ゴブリンスレイヤーによって喉を切り裂かれた事でゴブリンロードは死んだ。

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