Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
同じ場所で落ちることも、落ちないこともある。
ユズは操作を覚え、同じ手順を正確に繰り返した。
ユズ「わたしが……全部試した方が、早いかも」
彼女ならできそうだった。実際、モモイが十回かかった動きを、ユズは一回で再現した。
アリスは横でコントローラーを握り直す。
アリス「落ちる前に、発明家がジャンプしていました」
ミドリ「それも関係あるの?」
ミドリの問いに、ユズが少し考える。
いま必要なのは正確な一人か、違う動きをする何人かか。
相談していたケイから、『床の切り替わる瞬間、周りで何が起きているかよく観察してはどうですか』と短い返事が届いた。答えは、まだ四人で探す必要があった。
ユズが最初から操作すると、ロボットは落ちなかった。モモイが同じように走ると、途中の段差に引っかかる。もう一度やり直すと、今度は別の場所で遅れた。
モモイ「ちょっと待って。私、同じにやってるつもりなんだけど!」
ユズ「うん。少しだけ、止まった時間が違うのかも」
アリス「アリスは途中で、発明家の方を見ていました」
ミドリ「その間、ロボットは止まってた?」
アリス「はい。二人とも同時には見られなかったので」
ユズの指が止まった。慣れている自分なら、次に何が来るか覚えている。相手の画面を見るために足を止めることも、ほとんどなかった。
モモイ「それなら、私たちがやった方が見つかる?」
ユズ「見つかるかも。でも……同じところまで行くのに、時間がかかるよね」
モモイ「言い方! 事実だけど!」
ミドリは思わず笑い、ユズは慌てて両手を振った。
ユズ「ご、ごめん。そういう意味じゃ……!」
アリス「大丈夫です、ユズ! アリスはレベルが低くても、最後まで行きます!」
ユズはほっとしたように息をつき、ゲームを最初の位置へ戻した。彼女が一人で調べれば、既に分かっている場所は短時間で通れる。その間に、三人が展示の作業を済ませることもできる。
一方、四人の操作を比べれば、自分がしない動きも調べられる。問題は、どこで何をしたかを、修正するユズへきちんと伝えられるかだ。
ミドリは白紙へ三つの欄を作った。どちらを使ったか、どこにいたか、何を押したか。
モモイ「落ちた、としか書けなかったら?」
ミドリ「その前を思い出すの。だから、見てる人もいるといいんだけど」
アリスはうなずき、画面を見つめた。失敗しても、次に直すために役立つなら、何度でも試せる。
机の時計が進む。ユズの得意な操作を頼りに分担を急ぐか、違う操作を集めるために四人で時間を使うか。どちらを選んでも、ほかの作業は残っている。ユズは三人の返事を待ち、コントローラーを机の中央へ置いた。
ユズは落ちる直前へすぐ戻れるよう、確認用の位置でスナップショットを保存した。これなら何度も最初から進まなくていい。
モモイ「おおっ、それなら私もいっぱい試せる!」
ユズ「うん。試し方を決めたら、ここを使おう」
操作にかかる時間が少し減って、四人はようやく落ち着いて選択を比べられた。
▶ ユズが再現と修正を担当し、三人は他の作業を進める [NODE 058]
▶ 三人が操作を試し、ユズへ再現手順を集める [NODE 018]