Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
【現在の試作品】
相手の動きを見て、道を開き合う二人用の遊び。
三部屋の操作とヒントをそろえ、試遊で確認できた。
それから二日、四人はほとんど部室にいた。発表前日の夕方。鐘を鳴らした瞬間、ロボットが床の下へ消えた。
モモイ「ラスボス!?」
ミドリ「バグだよ、お姉ちゃん」
別々に作った部分を合わせると、思いがけない隙間ができる。画面には細い梁があるのに、ロボットの足はすり抜けた。
さらに説明画像は昨日のもの。発表用の紹介文には、もう削った仕掛けまで載っている。
ユズは修正画面を開き、ミドリは画像を開き、モモイは紹介文を閉じた。
アリスが四人分の椅子を寄せた。
アリス「緊急クエストです! 作戦会議をしましょう!」
どの問題も、明朝までに何らかの手当てが要る。最初に四人で取りかかることを決める。
ロボットの姿が消えた後も、クリアの音だけは明るく鳴っていた。モモイはその不釣り合いな音に、机へ額を付けた。
モモイ「せめて、落ちる前に鳴って……」
ミドリ「順番の問題じゃないよ」
アリス「モモイ、まだゲームオーバーではありません! もう一回、同じところまで行ってみます!」
アリスは真剣だった。さっきまで歩いていた二人が揃って出口へ入るところを見たい。その気持ちは、画面を作っている三人と同じだった。
ユズは不具合の一覧を開いた。赤い印を見て一瞬固まったが、一つずつ読むうちに、いままでに直したものと似ている項目もあると分かった。
ユズ「全部が新しい問題じゃない。順番に見てみるね」
モモイ「私にもできること、言って!」
ミドリ「こっちの画像も、どれがいまのものか確かめないと」
画面の外でも、少しずつ食い違いが起きていた。紹介文に書かれた操作は前の版のものだったし、ミドリの綺麗な画像には、まだ名前のない二人が別の場所に立っている。
アリスが展示用の文章を読んだ。
アリス「……ここには、いつでも相手を呼べると書いてあります」
モモイ「あっ。それ、付けたかった機能……!」
ミドリ「遊べるものと、作りたいものが混ざってるよ」
モモイは慌てて一文を消した。嘘をつくつもりはなかった。いつか入れたいと思っていたことが、いつの間にか自分の中で完成していた。
ユズも、直したことを誰にも言っていなかった箇所を見つけた。一人ずつは仕事を進めていた。その結果が同じゲームになっているか、もう一度合わせなければならない。
ミドリ「まず一つ、みんなで見るところを決めよう。ばらばらに始めると、また変わっちゃう」
モモイ「うん。……今度は消したところも言う」
アリス「アリスも、困ったところを教えます! 分からないまま進んだところも、ありますから」
ユズは顔を上げた。できたところだけを見せようとしなくていい。いまは、分からないことを教えてもらえる方が助かる。
三部屋の操作とヒントは、一度試遊まで通してある。今夜見るのは、この隙間だけでいいはずだった。
机の上には三つの問題が並んだ。不具合の再現、紹介の食い違い、通しで遊んだ時の迷い。最初にどれへ四人の目を集めるか、開いた画面を見比べる。
▶ モモイとミドリの発表準備から取りかかる [NODE 077]