ヒーロー名「エターナル」 作:オンドゥル太郎
雄英高校、会議室
雄英高校の教師陣が集まった会議室では、入試試験の合格者についての話し合いが行われていた。
「以上42名を合格とします。」
「今年は全体的にポテンシャルが高いな。」
「3位がレスキューポイント0、10位がヴィランポイント0、そして1位はヴィラン143pレスキュー80p、2位もほぼ僅差。プロヒーローでも紛れ込んだのか?」
「1位はともかく、問題は2位です。」
それと同時に全員の視線がスクリーンに映し出された1人の資料に向けられる。
「園咲永太、個性、【エターナル】。まさかあの園咲家の人間が来るとは。どうしますか?」
「それに関しては心配しなくていいよ。彼はしっかり、雄英ヒーロー科が受け持とう!」
校長の根津がそう答えると、議題は別の事へと移っていく。
しばらく経ち、一般教員が立ち去り、ヒーロー科の教師のみで、会議が開かれる。
そこでの議題もやはりまた、
「園咲永太の事です。」
永太だった。まあ当然と言えば当然なのだが。
「あの件に関しては、情報統制によって外部には漏れていません。それに、諸々の事情はガイアメモリの副作用が原因とされています。表向きには受け入れる事自体は問題ないのですが、問題は…」
「彼があの風都事件の主犯の1人、「エターナル」ということよね。」
「事前にわかっていたとはいえ、入試会場で見かけた時は左頬が疼いたぜ。」
「実際、彼が暴れ出した場合どう対応すべきでしょうか?三年には彼らが今すが、生徒を駆り出すのは…」
「ワタシのスマッシュすら耐えますからね。ただ、彼自身の以前戦った時の、殺意や敵意のような物は見られませんでしたよ。」
「受け入れよう。彼もまた、ある意味では被害者なんだから。」
その十数分後に会議は終了した。
入試からしばらく経ち、
風都、園咲邸
「永太様、雄英高校から書類が届いていましたよ。」
「ありがとう。」
お昼過ぎ、特にすることも無かった俺は、応接室のソファーでミックと戯れていた所、うちで働くメイドの1人がポストから書類を持ってくる。
「そうだ、父さんは部屋にいるよね?」
「ええ、琉兵衛様は自室に、文音様は地下室にいます。およびしましょうか?」
「大丈夫、一度目を通したら、夕食後に自分で渡すよ。」
「そうですか。では失礼します。」
そう言ってメイドは自分の仕事へ戻った。
「さてさて中身はと。」
俺は身を起こし、ミックを膝に乗せて封筒をひっくり返す。
中からは、手のひらサイズの物体が出てくる。
「ミック、それはおもちゃじゃないぞ。」
落ちてきたそれを肉球でつつくミックを止め、物体を持ち上げる。
「これが、例の。話には聞いていたが、生徒に配るにはハイテクすぎないか?」
俺はそれをテーブルに置くと、スイッチを押す寸前で止めた。
俺はミックを担ぐと、自室のベットへと置いた。毛が落ちるが、しょうがないだろう。
一昨年は、あの機械に投影された校長を見てミックが暴れて大変だったのだ。
俺は応接室へと戻り、ソファに腰掛けると機械のスイッチを押した。
「とりあえず合格だな。」
俺は機械を封筒へ入れる。
今年は校長ではなく、オールマイトが出たのは驚いた。
面識があるとはいえ、一応はNo.1ヒーローなのだ。
「まだ学校が始まってもないのにこれか。こんな事なら、あいつのオタク語り、もっとちゃんと聞いとくんだったな。」
そう言うと、俺は自室のミックの元へと戻り、夕食までの2時間ほど戯れ続けた。
んだよ。猫が好きでもいいだろ別に。
にしても長かった。
3年前のあの日、全てが終わったあの日まで、俺は第二の人生を家族に捧げた。
恨んだりはしていない。
自分が決めたことであり、彼らのためなら今でも命を捧げる覚悟はある。
18歳。前世の俺はそこで死んだ。
死因は後ろからぐさりだ。あ、くれぐれもあの伊◯なんとかとは一緒にすんなよ?
俺の場合は、反社と揉めた結果、夜道でぐさりだ。
バイトやらなんやらで食い繋ぎ、高校にも行き、後少しで卒業だったが、楽しい人生を送っていた。主に後半は、だが。
そんな俺にも大好きな物があった。
「特撮」だ。
色々あって、偶然目にした特撮に俺はのめり込んだ。
そして、死んだ俺が気づくと、赤ん坊だ。
それからしばらくして、兄貴が発掘現場で、穴の中に落ちて行った。
そこはかなり深く、はっきり言って助からないだろうとされた。
だが、その直後、兄貴は戻ってきた。
記憶を失い、データ人間になった兄貴が。
そこで俺は気づいた。
この世界は、仮面ライダーWの世界なんだと。
だが、おかしな点も多かった。
【個性】と呼ばれる異能力を誰もが当たり前のように持っていたり、それを使って悪事を働くヴィランが存在し、ヴィランと戦い市民を守るヒーローという職業が存在した。
ほんと、これのせいで、この世界がなんなのかよくわかんなくなって、しばらくオンドゥル語で喋ってたからな。
そこで俺は、前世の唯一まともな友達の須々木田の言っていた事を思い出した。
「世界総人口の8割がなんらかの異能力を持っていて、それを悪用するヴィランに立ち向かい、市民を守るヒーローが職業になっている世界。それが、【僕のヒーローアカデミア】、略してヒロアカだよ!」
そう、ここはヒロアカの世界だったのだ!
とはいえ、まだ問題がある。
俺は特撮は大好きだが、アニメはさっぱりなのである!
一応、風都探偵は漫画とアニメどっちも見たが、それはそれ。
まあ、それからの日々は大変だった。
ガイアインパクトを企画する父さんをあれこれ言いくるめて、計画を遅らせたり、出て行った母さんに密かに接触して二重スパイ?のような事をしたり、例の毒素大好きドクターをさっくり暗殺したり、ビギンズナイトがうまくいくように調節したり、尻彦捕まえて姉さんとうまい感じにくっつけたり、父さんの計画遅らせたり、母さんを誘導したり…
その後も色々あったが、幸いにも、この風都で怒る事はW原作と同じだったため、最終的にプロヒーロー巻き込んで一悶着あったが、なんとか丸くおさまった。
ガイアメモリがばら撒かれる前に事が終わったのもあり、なんとか家族がバラバラになることはなく、事態は収集した。
「コイツが無けりゃ、今頃どっかで死んでたかもな?」
俺は手元のエターナルメモリを見つめる。
俺に最も適したメモリがこれだった時は、めちゃくちゃ驚いた。
【エターナルメモリ】
仮面ライダーW劇場版2作品に登場する、設定実績含めて最強のガイアメモリだ。
こいつで変身する仮面ライダーエターナルは基礎スペックが高いだけでなく、変身者の大道克己の戦闘技術も相まって、W作中の最強のライダーだった。
その能力は、使用されたエターナルメモリが従来のメモリより性能が上のT2ガイアメモリだったため、Eのエターナルを含めたA〜ZのT2ガイアメモリより下のメモリは全て使用不可になるという驚異の性能を披露した。
この使用不可は、余程のことがない限り、永遠に続く。
俺は、それを使えないが、それでもエターナルの力はそれを補っても余りあるものだった。
あの戦い、園咲家とライダーの戦いでは、俺が勝てていただろうに。
風さえ吹かなければ。
そして今だが、俺が関われる範囲の問題を全て片付けた上で、この力を使えないかと考え、園咲の汚名返上も兼ねて、雄英高校へ入学することにした。
これから、俺の知らない物語が始まる。
個性を奪う個性だの、5本指で触れたものを崩壊させる個性だの、割とライダー作品のラスボスに採用できそうな力を持ったヴィランがいると聞いている。
永遠の力が、最強のライダーの力がどこまで通用するのかはわからない。だが、
「うちの家族を壊すなら、容赦はしない。例外なく、地獄を楽しませてやるよ。」
こうして、永遠のガイアメモリを握った男が、雄英高校へと紛れ込んだ。
この先の物語がどうなるのかは、誰もわからない。
この先の物語がどうなるのかはわからない。(作者にも)
園咲永太
17歳、男。
身長185cm体重「言ったら殺す。」とのこと。
ヒロアカ世界とWの世界が繋がった奇妙な世界に、園咲家の次男として生まれた男。
前世は特撮オタクであり、よく登下校は友人の須々木田とお互いの好きなものについて語り合っていた。
ちょっとした事情があり、最終的にやのつく職業の人に背後からグッサリ行かれた。
前世関係のこともあり、かなり家族を大事にしており、園咲家がガイアインパクトを目的にしていた頃は、エターナルとして、青い炎を宿し戦いつつ、全てが終わった後に園咲家と家族を救えるように行動していた。
園咲家
風都で博物館をはじめ、多くの企業を持つやんごとなきお家。
かつての風都事件では、犯人として拘束されたものの、永太が持っていた証拠で、執行猶予付きで釈放となった。
世間には、混乱を控えるため、公表はされていない。
風都事件。
風都で特殊な個性増強剤を売っていた組織と、オールマイトを含めたプロヒーローが激戦を繰り広げた事件。
現場にいた人の中には、仮面を被ったヴィジランテがヴィランと戦っていたという証言がある。