ミカ「ねえ、『先生を殺して私も死にます!』ってどういうこと?」 作:やきそばVer2
原作:ブルーアーカイブ
タグ:先生(ブルーアーカイブ) 天童ケイ 聖園ミカ 空崎ヒナ 才羽モモイ コメディ 衝撃のオチ 先殺私死 二次創作
思わず『先生を殺して私も死にます』と叫び、じゃれるつもりで先生を軽く殴った。
だが、彼女は力加減を間違えてしまった。
ケイの一撃で気絶する先生。
運悪くその様子をミカに見られてしまう。
「『先生を殺して私も死ぬ』ってどういうこと?」
先生をケイが殺したと勘違いしたミカは、ケイ本気で殺そうと追い回す。
かくして、ケイの絶望的な逃走劇が始まる。
本作は完全なコメディ作品です。
軽い気持ちで読んでいただけます。
最後のオチも工夫してみました。
よろしければ最後まで読んでいただけるとうれしいです。
※本作はpixivにも同じ内容のものを投稿しています。
【DU地区:シャーレ執務室】
「~~本当にこんなことしてくれるなんて。」
「ケイちゃんかわいい!」
いつものようにケイをからかう先生。
『ケイちゃんかわいい』と付け加えることも忘れなかった。
普段通りの日常の光景。
「もう~『ケイちゃん』って呼ぶのやめてください!」
「それにまた私を辱めて......今度こそ『先生を殺して私も死にます!』」
おふざけのつもりで、ケイは先生を軽く殴った。
だが、運悪く力加減を間違えてしまった。
「グハッ」
「先生、ふざけるのはいい加減......先生? 起きてください先生!」
ケイの一撃で気絶した先生は、その場に倒れ伏してしまった。
突然の出来事にケイの頭は真っ白になった。
不運は続く。
執務室のドアが吹き飛ばされて、一人の生徒が入ってきた。
「嘘......嘘......じゃんね。」
「あなた......なんてことしてくれたの......」
白い翼とピンク色の髪。
先生に若干依存気味の生徒、聖園ミカがそこにいた。
足下には、手土産と思われるお菓子が入った袋が落ちていた。
「天童ケイだっけ?私の王子様になんてことしてくれたの!!」
「それに、『先生を殺して私も死にます』ってどういうこと?」
「あなた、先生の後を追うつもりなんだよね? その望み......叶えてあげるじゃんね!先生の仇!」
「待ってください!これは......誤解なんです!」
「ごかい?『五回』も殴ったのね!?」
「違います!『誤解』です!」
「やっぱり『五回』も殴ったんだ。」
「へえ~そっか......そこまでして先生を殺したかったんだ。先生を血の海に沈めるなんて、ひどいことしてくれたね。」
「もう、あなたを殺すしかなくなっちゃったよ。」
ケイは必死になって弁明をした。
しかし、邪悪な魔女と化したミカの誤解を解くことはできなかった。
そんなケイにミカの怒りの弾丸が降り注ぐ。
ダダダ!
「ひいー!」
悲鳴を上げつつ、ケイは銃撃を紙一重で回避する。
彼女に当たるはずだった銃弾が、執務室の壁に多数の穴を開ける。
(何ですかあの無茶苦茶な威力。あんなのが直撃したらまずいです!)
「へえー、あれを躱すなんてなかなかやるじゃんね。」
「でも次はないよ!」
(このままでは......こうなったら!)
意を決したケイ。
先ほどの銃撃で開いた穴に飛び込んで、執務室から脱出する。
「どうにか逃げられ......あ、ここ高層階でした......」
重力には逆らえず、そのまま地面へと落ちていく。
ケイは、かろうじて受け身を取ることに成功した。
「なんとか......なりました。」
「キヴォトス人に近い身体になっていて助かりました。」
「何が何でも生き延びてやります!!」
【DU地区:シャーレビル前の大通り】
「はあ......はあ......ここなら、ひとまずは大丈夫でしょう。」
「でも、次見つかったら......今度こそやられます。一体どうしたら......」
追っ手を一時的にまいたケイ。
全力疾走で逃げ続けた疲労で、その場にへたり込んでしまう。
そんな彼女に救いの手が差し伸べられた。
「あなた大丈夫?ずいぶん怯えているようだけど。」
「それに、どうしたのその腕。赤く染まってるじゃない。」
(これは......先生の血?それにしては少し違和感があります。)
(いや、まずはミカさんから逃げないと!)
「ヒナさん!助けてください。追われているんです!」
「まだ死にたくありません!!」
「ずいぶん深刻な状況みたいね。」
「いいわ。私に任せなさい!ところで誰に追われているの?」
「白い羽がは」
ケイが説明しきる前に、近くの住宅街から轟音が鳴り響く。
すさまじい勢いでこちらに近づいてくる轟音。
ひときわ大きな音が鳴り響き、ケイたちの周囲に土煙と住宅の壁だった物体がまき散らされる。
そして、一人の少女が住宅だったがれきの山から歩み寄ってくる。
「ねえ、あなたを追いかけ回している生徒って......」
「あはははは!やっと見つけた!」
「もう逃がさないじゃんね。天童ケイ。」
シャーレから最短経路で追いかけてきた魔女は、邪悪な笑みを浮かべていた。
ケイを守るべく、ヒナはマシンガンの銃口をミカに向けた。
「何があったか知らないけど、あなたを止める!」
「この子に手を出すのはやめなさい。」
「ふーん、あなたも先生を殺すつもりだったんだ。」
「いいよ、そこの白い髪の子と一緒にあの世に送ってあげる。」
「二人とも折るね☆」
「......待ちなさい。『先生を殺すつもり』ってどういうことよ。」
「そのままの意味じゃんね。その子が『先生を殺して私も死にます!』って言ってるところ聞いちゃったもん。その直後に先生を殴り殺してるのも見たよ。」
「その子をかばう気なら、あなたにも消えてもらうよ。」
「......聖園ミカ。それは確かなんでしょうね。」
「その子の腕、先生の血で赤く染まってるじゃんね。」
「まだ疑う気なの?」
「確かにあの子の腕は赤く染まってたわね。」
「ケイ、ちょっと腕見せてくれる?」
「あれ、いないわね。逃げたってことは......本当に先生を殺したみたいね。」
「いいわ。あなたに協力する。先生を殺したやつは許さない。地獄の果てまで追ってやる!」
「ケイだったかしら。覚悟してちょうだいね。」
救いの手を差し伸べたはずのヒナは、復讐に燃える悪魔と化してしまった。
そんなヒナにミカはつぶやいた。
「ゲヘナと共闘するのは癪だけど、今回だけは例外じゃんね☆」
【DU地区:シャーレ執務室】
「いてて。ケイちゃんやり過ぎだよ。」
目が覚めた先生は、頭をさすりながらつぶやく。
服が真っ赤に染まっていることに先生は顔をしかめた。
「あーあ、やっちゃたよ。」
「袋が無かったから、上着の中にトマトたくさん入れてたの忘れてた。」
「せっかくフウカからもらったのに、台無しだよ。それに、クリーニングにも出さないとだ。」
「それに、誰か暴れたみたいだな。執務室がボロボロだ。」
「執務室が壊れるのはいつものことだけど、リンちゃんにまた怒られちゃうよ。」
「ここから入れる保険ってないのかな?」
「おーい、ケイちゃーん。ちょっと手伝ってー」
先生はケイを呼んだが、返事はなかった。
「帰っちゃったのかな?」
「片付いたら、またケイちゃんをからかうつもりだったのに。」
ケイが必死に逃げていることを知らない先生。
のんきなことばかり口にしていた。
~~~~
なんでモモトーク送らないんですか、先生?
このままじゃ私が危ないんですよ!
早くなんとかしてください、先生!!
【DU地区:中心街】
「早く誤解を解かないと。でも、どうすれば。」
遠くから轟音が鳴り響く。
どんどん近づいてくるその音にケイは焦りを募らせる。
「やばい!追いつかれる!」
「なんとかしないと。でもどうしたら。」
そんなケイの目の前を一人の生徒が通りかかった。
便利屋68のアル社長だ。
「はあー。今回の依頼もなんとか達成したけど、報酬額が低すぎるわ。」
「こんな調子じゃ食べていくのがやっとだわ。もっと報酬がいい仕事ないかしら?」
(あれは、アウトローで有名なアルさん!)
(確かお金を払えば大抵のことはやってくれるんでしたよね。お金に困っているようですし......協力してもらいましょう。)
「すみません!火急の依頼があります!報酬もはずみます!」
ケイはアルに叫んだ。
その手には、どこからともなく取り出した札束が握られていた。
「今払えるのはこれだけです!うまくいったら、もっとあげます!」
「とにかく私を助けてください!この札束は前金です!」
「こんなに!?百万円以上あるじゃない!!いくら何でも多過ぎじゃない?」
「ひとまず受けるわ。で、何をすればいいの?」
「やることは簡単です。まずは」
説明の途中で轟音が鳴り響き、土煙が辺りに立ちこめる。
土煙とともにこちらに歩み寄る二人の生徒。
焦りながらも、ケイは彼女たちにこう告げた。
「二人とも聞いてください!」
「全部この人の命令なんです!脅されて仕方なくやったんです。それに......成功報酬とか言って、この札束を渡してきたんです!」
「え?え?ちょっと何言ってるのよ?これは私への報酬よね?」
「もしかして、あなた私を身代わりにする気!?」
(この子本気で言ってるの?それに......なんで風紀委員長とティーパーティーの偉い人がいるの?一体全体この子何をしでかしたの?)
(このままじゃ、この二人を相手取ることになるわ!?)
「無理無理無理!!化け物二人に勝てるわけないわ!あなた一体何をしたの!?」
「「あなたが黒幕だったのね。」」
突然、最強格二人ににらまれるアル。
突如として流れ出す『Unwelcome School』
唐突にそれまでのシリアス展開が消えて、コミカルな世界観に変わった。
「「許さん!許さんぞ陸八魔アル!」」
「「殺してやるぞ!覚悟しろ陸八魔アル!」」
「ななな!なんですってー!」
「私が何をしたって言うのよー!」
例の顔でアルは叫ぶ。
ひとまずその場を逃げ出そうとし
~~~~
【現実世界:ゲーム開発部部室】
「んあー!何ですかこのクソゲー!」
「却下!却下です!こんなの世に出すわけにはいきません!」
モモイの作成したシナリオにぶち切れるケイ。
手に持っていたゲーム機のコントローラーを投げ捨てて、モモイに怒鳴る。
「駄目だったかな?私にしてはいいシナリオが書けたと思ったんだけど。あと、途中で投げ出すのやめて。」
「それに、今回はケイちゃんが主役なんだよ、うれしくない?」
「うれしいわけありません!なんで私が追い回されてるんですか?」
「こんなクソゲー最後までやりたくありません。シナリオが酷すぎます!」
「先生も薄情すぎです。あの人ならちゃんと助けに来るに決まってます!先生の行動がおかしすぎて、途中でツッコミ入れちゃいましたよ!」
息を荒げながら怒鳴り散らすケイ。
途中の不自然なモノローグは、ケイによるツッコミだったようだ。
「はあ......はあ......それと、ゲヘナとトリニティの偉い人を敵に出すんじゃありません。これじゃ外交問題になりますよ!それに、私は他人に罪をなすりつけたりしません!モモイは私の何を見てきたんですか!」
「ノベルゲームなんだから、もう少しまともなシナリオにしてください!このゲームは作り直し、作り直しです!」
「あなたたちに全部任せるんじゃありませんでした!これからは全てのゲームを私が監修します!」
「お姉ちゃん。やっぱりこのシナリオはよくないよ。ケイちゃんもこういってることだし、一旦作り直そ。」
「ええーせっかく作ったのに。支離滅裂なシナリオよりはよくない?」
「それに、別にケイの監修なしでもよくない?」
不服そうな顔で返事をするモモイ。
ケイはそんなモモイに畳みかける。
「よくありません!そもそも支離滅裂な話を作っちゃ駄目です!」
「変なキャラ付けをするのもやめてください。ミカさんは『~じゃんね』なんて口癖じゃないですよね。なまものを扱うなら、もう少し登場人物の解像度上げてください!」
「アルさんの扱いもひどいです。もう少し敬意を持ってください。」
「モモイ!お説教の時間です!」
「あっやばい。こうなったら......戦略的撤退だー。」
「待ちなさいモモイ!」
いつも通りの騒がしさ。
ゲーム開発部の部室は今日も平和だった。
彼女たちの青春の一ページはこうして綴られていく。
モモイを追いかけながら、ケイはふと思った。
(『先生を殺して私も死にます!』って言葉を使うのは少し控えましょう。)
(あのクソゲーみたいな展開になるのは嫌ですし。)
おしまい