―――其れは、終わり。
―――其れは、始まり。
―――其れは、続き。
―――其れは、続き。

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この物語は「幻想の現実≠東方空界霊(https://syosetu.org/novel/147600/)」の後日譚と言うか、後全譚となります。
程良いネタバレとまぁまぁの伏線回収を含みますので、本編閲覧を推奨します。気張ってください。


夢幻ノ章-夢- 全ての内の、幻の総て

「はじめまして、久しぶり―――」

 ―――。

「存在は「全」、名を“森羅(もりあみ)干支是(えとぜ)”だよ。宜しくね」

 ………。

「アレ? 聴こえてるよね? 見ていたよね? もしもーし? ここぞとばかりに寝キャラに味を占めて空寝するの止めてくれなーい? 眠り姫じゃないんだよー君はー?」

 ZZZ…

「眠っている音をセルフで発するのも最早空寝を認めて居るよね?」

 …いや、第一声の初対面とご対面を混ぜ合わせた挨拶の脈絡の無さと一人称と名前からして明らかに関わってはいけないタイプの奴に出会したから、狸寝入りするのが正しいと想いました。

 後、眠り姫は絶対に無い。

「酷いなぁ、全てに関わらないって、後は生命活動停止させる事も、いや君は儘ならないね、君は実質不死身だから」

 そんな事は無いだろ。俺も斬られる撃たれるは早々無いが、経験は在るし、アイツとの戦いで得た負傷も有れば、能力向上に於ける身体への負担はちゃんと致死レベなのも天才さんからのお墨付きだ。

「そうとも。お医者さんの言う事は絶対聞く事だ。聞くからこそ完治は早く、お大事に、だ。だけどねぇ、先のお医者さんの話に背いたりするような事、即ち人との関係性を拗らせる様な、幾重にも行われた、戦いや争いを起こす事……残念乍ら君の性格は万人受けするとは到底想えないし、抑、知的生命体の十色足る性格に於いて有り得ず、実際全員が君に対しての高度の好感度、高位の好意とも言えるね。巫山戯た。とりま其れに達してる理由でも無く、君自身各々の好感度には模写したが如く同位の高低差が存在して居る。まぁ結果が如何有れ、向こうのルールやそれ以前の倫理や道徳を軽んじれば何時だって、一触即発だったろうさ。それでも君が不死身と言える根拠は、実は彼の”歴史殺し”との戦いで俄に示唆されて居たんだよ」

 ……あの戦いが? 俺はちゃんと馬鹿みたいに殴られ蹴られ、刺されて瀕死に至る程に打っ倒されたが、アレは守髪神の加護在っての芸当じゃないのか?

「そう、その数多有る君の能力……否、運命の内で、「守り」に於ける最強のカード。おまけに事象の因果を『過去』に置き換え『護った』と定義し、受けた攻撃を再生或いは回復或いは無効の結果で守る、鳳凰と妖狐のハーフ神獣。然しそのハーフ神獣の加護を以てしても、残念乍ら君にも死は存在する」

 だろうな。彼奴が逆理の力を使わなければ、’チョコ’との接続(リンク)を果たせず、正に死に直面して居たろうさ。あの時マジで真っ暗だったからな。

「まぁ君の守髪神に関しては只の自分語りだよ。君の不死身である根拠は、そのリンクを実行出来た切っ掛けが暗に物語って居たんだよ」

 …解らねぇな。矢っ張あの逆理の力が原因としか想えないな。

「……やれやれ、存在は如何も含みやら回り諄さで物事を語りたいらしい。或いは出題者と言う、答えを解って居るが故の優越感、達観気分を味わいたかったとも。片や彼は臭い物には蓋をする主義なのか、全く点で思考を巡らせず、放棄に順守して居る。其れも仕方が無いのか、言わば他者から思考を無理やり送り込まれた物だからね。言い方を変えれば、記憶とも」

 ……お前、あの不快な黒い波が答えだって言いたいのか?

「そうだよ? アレが全てを物語っている、文字通り。あの逆理状態で以て行われた精神攻撃は、起き上がる事の無い記憶と意識と感覚を掘り起こした、君の実体経験だ」

 まさか、アレが全部現実だったって言いたいのか?

「如何だろうね。「幻想」とあの「世界の片隅」が壮語している分、おまけに他の皆も知らない分、現実と表すのも、君自身不死身と言う非現実的特性を持ち得ている分、何もかもが不確定だね」

 待て待て、不死身なら死んで生き返るが鉄則なのだから、誰も彼もが知らないと話が合わないだろう。記憶ってのは―――――――――………………………おい、まさか。

「ハハハ、漸く頭が回って来たか。相変わらずその眠った態勢で良くもその答えに辿り着いたなぁコノ野郎流石だ。君は案外インテリジェンスキャラクターがお似合いなんじゃないかい?」

 対して馬鹿言え。こんな考えは妄想ならではでしか至らない愚図の思考だ。

 

 何だってお前、【世界の時空間軸を巻き戻す能力】なんて能力がこの世に存在するんだよ。

「そうとも。君の運命は、【文房具を武器とした怨念の塊】と、【神獣候補を宿した人類同士にて産まれた新たなる新神獣の御加護】と、君の生みの親である者が長らく苦悩させられ、御せなかった、【花の呪い】…………と、想い込んで居た物は只の【人の才能】に過ぎず、即ち、嚏を放ち、ブレスユーと啓示を告げられた君の能力の正体は」

 ……都市伝説級で噂された伝説の最上位階能力、『不破氷華(プリザーブド・フラワー)』、その類だって言うのか?

「差し詰め、【輪廻の種”アップル”】、と言った所か。禁忌の果実を食らいて得た心に、恥を凌いでと言うか、強くてニューゲームも無く、始まりが何時も無情の君には、終わりの見えない、正に、実のなる樹木の成長過程連鎖循環。何時如何なる時に君が命を絶てば、世界の進行は回帰復元し、繰り返す。凄い様だが、生きとし生ける万物生命体にとって先無き地獄な様で、然し呪いの名は【楽園の果実】の名を著し、永久を手にした天国とも言える。果たして、君の物語にエンドロールは訪れ、皆の物語に続きが綴られるのだろうか」

 ………ハァ、生き方を決めれたかと想えば、何故俺はそんな世界の命運を担うみたいな激重TUEEE系スキルを得ているんだよ。

「そうだね。君が何故其処迄物を得て、存在と対話して居るのか。君の親の思考と、出自させた因果は本物の呪いだね」

 此れ等が全てと言いたいのか。アンタ「全」ってのは。

「さて、全てと言うのは個にして大なり小なり、多少と持って居る者だ。君は或る意味、存在に近付ける程『持って居た』と言うだけだ。其れを扱えるか如何かは、君の腕次第。だが目指すものじゃないよ。「概念」なんて物目指せば、君は本当に生命として死ぬと言う事になる。存在としては、それは止めて欲しい」

 へぇ、全てが個人に執着するってのは、自棄じゃないか?

「何も、「全」は「全て」と言って無い。或いは「完全」とも、言って無い。故に、此れは君の全てだろうし、存在の全て」

 ハッ、到頭自分が自分を愛するとかそんな馬鹿みたいな話になるのか。

「いや、でも案外他の全てかも知れないし、君の言う妄想の力による者かも知れない」

 何だお前めんどくせーな。

「当然だとも。全てを語るのは面倒と言うし、少し長くなるぞとか、先ず此処からだとか、色々じゃないか」

 だから俺の能力って言うか運命事に対して嫌に長ったらしく話すって理由か?

「其れも有るし、無いし」

 まぁ見渡すに何も無さそうな真っ白な世界だからな。退屈をお察しするよ、話し相手が欲しかったと。

「そうだし、そうかもだし、其れは無いし、無いかもだし」

 肯定の肯定、肯定の否定、否定の否定、否定の肯定、四論。

「一寸話を戻して、入念に話をさせて貰って、「概念」を目指すのは止めてね? 言っちゃえば、君たちの言う「神」と言う思考を、真実としてその一端を担う行いを永久に求められたり求められなかったりする事だからね」

 良く分からん。

「例えば『愛』の「概念」に成れば、云十億人或いは云兆体の生命の、愛だとかを叶えたり叶えなかったり、切っ掛けだったり、雰囲気を作ったりとか。そう言うのを延々と続けさせられるって事だよ」

 なにそれこわい。

「まぁ、君の現状も大概狂気に満ちて居るけどね。君、今何回輪廻転生して居るか想えるかい?」

 知らん。

「想えって話だよ。即ち予想、或いはお得意の妄想を使いたまえよ」

 想い付かんよ、宝籤でも在るまいし。まぁ、俺が死んだ回数って事なら、そうだな……狂気が満足レベルでって前座言ってた事から予測するに、一万は越えてるんじゃねーの?

「惜しいなーっ!」

 惜しいのか。

「気に病むことは無い」

 別に病んでねェよ。まぁ性格難は認めるけど。

「結構な事だよ、悟りへの第一歩だね」

 うぇーっ。

「ハハハ、お大事に。実際の答えは、九十九回だ」

 何も惜しくねぇじゃん。

「この回数は、君の居た世界での輪廻カウント。惜しいと言った回数分は、向こうの世界でのカウント。占めて19602回。その内の半分くらい君は死んだり、イフの結末を迎えて死んだりして、階段から遣り直したり、将又その前まで戻ったりしている」

 何なんだその妙に拘りが含まれた数値は………嗚呼、成程、九十九回に渡るコッチのやり直しの内、一回に付き198回遣り直してるって具合か。

 だとしても拘り過ぎだろ。付喪神に囚われ過ぎだろ。

 そんでもって結局死んでるんだな。と言うかコンティニューは向こうでセーブ可能なのな。

「そりゃあ君が言った一番の「呪い」を文字通り抱えた儘なんだもん、と言うか背負った儘なんだもん。肩から提げた儘なんだもん。其れを解決しない限りは、君の人生は一年こっ切りで事切れて、又元に戻るんだから」

 ハァ、まぁ、一番の難題は矢っ張の矢っ張其処だよなぁ…。

「―――序盤の話に戻すとさぁ、だからこそ君は向こうでの好感度が有ったり、後はそうだね……君の無意識の内での心境の変化だろうね。今回、物の見事にトゥルーエンドと言える帰還ルートを果たして……あ~………まぁ、今此の空間に居る訳だけど」

 何か意味有り気に含ませるじゃん此処に居る事。早く返せよ。

「落ち着きなよ。別に今起きてる事が夢感覚で時間が早まってるなんて事は一切無い。「全」が保証する」

 そりゃあ最高の保険だね。良くも悪くも。

「対価は如何しようかな」

 求めんな「全」。

「まぁ兎も角、君の万人受けしない難儀な性格が、先も言った君の無意識の心境変化で改善を施し、更には彼女たちも受容しようと、知る由も無い二万弱に渡る笑い有り涙有り、君が主の死別やら、他、生活に事情、矜持、信念、信条有りの付き合いの中で、程良い結果を見せた。その程良さは、第三者から見れば憤り甚だしい結果が多々有るだろうけどね」

 …………あぁ、まぁ。

「気障だね。ムカつく」

 お前マジに固執し過ぎじゃない?

「いやいやそんな事無いとも。総評を体現すれば絶対君は殺されて生き返らせる拷問の運命に当たる事間違い無し」

 皮肉ってんなぁ。

「ところで彼女たちのアプローチはアルコールに依る酔狂の勢いとは言え、猛烈だったねぇ。その後誰もアレについて話さなかったのは、一体如何言う神経? 君達其処迄気を遣う者同士の門番さんだったかな?」

 そんな訳無いだろ。と言うか此れは全が説明漏れを来す様な難解な問題では無いと想うけどなぁ…。

「あー今馬鹿にしたね? 全を馬鹿にしたね?」

事実に近しいと想われる予測を立てただけだ。感情は二の次だと俺の場合有り得るだろ?

「でも得ようとしたじゃないか。其れと同じで全にも解らない事、得られない事はあるよ。それが全だからね。全知全能であれば、無知無能も持ってなければそれは全ではない」

 丸で人だな。

「ハッハ、ならば存在は此処には居ないだろうね。それで、何故で行き交う者達は宴会の事には触れなかったんだい?」

 飲んで酔っ払ってその後の行動が記憶残らないタイプだとすれば、簡単な話だろうけど、あの百鬼夜行近しき襲撃を退陣させた技が、浄化の水と消失の月の属性だったなら、記憶は愚か、宴会事すら覚えて居たのか、曖昧な状況証拠しかないでしょうね。

「まぁそう言う事になるか。しっかしとても良い画なんじゃない? 想い人と寄り添って撃つ合体技って言うのは」

 ……………嗚呼、うん、そう…だ、な……

「あっ、えっ、割とそう言う反応するん、だ……。得てるねぇ、ハハハ……何がともあれ、遅ればせながら、無事帰還御目出度う」

 あぁ、ありがとう。

「ネタバレするけど、君は一年後と言うよりかは、来年の四月位にはまた向こうに行くよ」

 盛大なネタバレだな。

「まぁ其れが、君の身の上が解決したか、してないかはさて置きネ」

 まぁ確かに、一年以内なら、今際の内に会いに行くとかってのも、ネタバレ回避と行動原理にも辻褄は合う。

「何方にせよ、君には壮大な物語が待ってる。じゃあ、解決出来た前提で話させて貰うとして」

 もうネタバレだよ。

「可能性は在るんだよ。君が一万九千六百二回の循環の内、階段から始めるか―――更に戻って【運命の始まり】から始めるか、幾度となく渡り歩いた分岐に於いて、初めて君は前進した。残念乍ら、此れより先の成功例は一度として無い。未知だ。だけど何れ未来となる。だから進むんだ。君が描く最高の物語の結末へ」

 とても心温まる熱弁をどうもありがとう全概念様。

 だから御心配には及ばずだ。俺には夢が有るのだから、前進するのは当然だ。昔には無かった、目標へ辿り着く志を、俺は手に入れたのだから。

「さぁて、如何だろうね……」

 ?

「言葉通り、幻想をユメと変換して、そして此れ迄と此の場で起きてる事も夢と仮定するなら、君の今迄は無駄だったんじゃないのかい? 只想い込みで何度も何度も覚める事が長らく無い、記憶を持ち越せない、都合の好い猿夢を見ていたに過ぎないんじゃない?」

 全く前半の発言とは裏腹の全否定だな。

「可能性は在るよ? 結局君の二万近くは君の思考、即ち妄想で何とでも片付くからね」

 いや、いやいやいやいやいやいやいやいや、お前の全否定意見なら、俺の輪廻転生も、乃至俺と言う存在も、何なら魔法露に成る世界その物も、否定の限りを尽くされるんじゃないのか? と言うか最早パラドックス回路に陥るだろ。

「そうだよ? それを君たちの間では「不条理」とかだと言うんだろう? 抗いもしたんだろう? 存在も又「全」を語るに辺り、一だの個だのと言われても、無とも否とも言われても可笑しくない…ああ、君の言い方では、『現実味の無くも無い話』と書いて『おかしくない』んだから、当然、有り得なくもない」

 おれは否定形でその言葉を使った覚えはない。

「否定話、滑稽話だとしても、『可能性は無限大』―――言葉はポジティブに聞こえるけど、其処にはネガティブも含まれて居る事も思慮して、此れからを過ごすと良い。其れは君の身の回りが片付く迄も、片付いた後も、何方かの内に再び赴いた幻想での生活も、君はあらゆる事を想定して過ごさなければ、また一万以上の地獄に全世界を巻き込んで回り行く事だろう。その重みを、背負って、担って、然し自信を持って、君の言う目標を基盤にした夢とやらに突き進め」

 全てを統べたアドバイスを全から頂戴致しまして、恐悦至極で御座いますれば。

「うむ、全てに委ねよ」

 だけどまぁ全身全霊全力を込めて熟せば、何とでもなると想うぞ。少なくとも、俺はマジでそれが出来るし、やっぱり、何かしら信じて続けて進めなきゃ、何も起こらないだろ?

「……いやはや、君は変わったね。19602回の内の最新の一つである五日間の向こうの暮らしがそれ程劇的だったとは。だけど言うは易しだよ? 行動は此れから見せ付けていけよ、■■■■」

 ……何だその名前、如何言った経緯で付くんだよ……。

「勿論、全てが終ったらね」

 本当良いネタバレだ。

「安心しなよ。マジに此処の話は忘れるし。あ、でも若し百回目の敗北を喫したなら、その時は一生此処で暮らそうね?」

 史上最悪の全告白だよ。

「長く共にするし、君の一回目の敗北譚から話そうかね」

 性格も最悪だわ。

「その後に良い感じの雰囲気になってお互い全裸に成る理由で」

 ムードも最悪だ。嫌だよそんな初夜。

 ていうか女なの?

「さて、全だから性別とか抑々性とか、有ったり無かったり」

 何方にせよ、お前とは寝ない。

「と、まぁそんな感じで、君の君に依る君の為の物語の伏線は、凡そ回収した。だが、異常足る番外編だけは、全て語らず、君が妄想い出した時に、語るとしよう」

 お前が?

「いや君が」

 俺が?

「君が」

 あぁ、そう。

「その点は自覚有りな様で助かるよ」

 もうそろそろ起きても良いかな?

「そうだね。全てを話す理由では無く、必要最低限の話をするのは、物語としては良い進め方だ」

 只の人生だよ。一日一日にサブタイトルは付けられない。

「記憶も維持出来ないね。劇的で有るなら別として」

 だから想い出すのか。

「夢物語だけにしては詰まらないからね」

 忘れる方が難しいな。

「ま、とは言え朧も有る。月(きみ)と龍で何故ぼんやりとしてるんだろうね」

 ―――遥か昔の大偉人だったんだろうな、俺にとっては。

「そうか。そうだね。彼も又、君を彩る始まりの存在だった。君が目指すのは、そんな感じなのかな?」

 その点は朧気だな。

「まぁ、凄い奴等秤だもんね。あの世界は。君も成れよ」

 多種多様多彩持ちだが、平凡で良いよ。

「其れも良いね。いや、それが良いね。じゃ―――そんな感じで、おはよう」

 嗚呼、又会おうな―――

 


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