目が覚めたら、プイになっていた。グレゴールのような挨拶ですまない。あっ、原作の方だったか。まぁ、それは置いておくとして、今直面している最大の問題に向きわないといけない。
「……シーシュポス……どこ?」
生まれた先にヘアクーポン泥棒が居ることも、時 • ヅが居ることもない。何の変哲もない路地に、それもシーシュポスシステムが当てはまらない世界に居た。空は青く澄み渡り、生徒たちが姦しい談義に明け暮れ、路地の先を通っている。そこで、思う。生まれたところ間違えてね?ここキヴォトスだよね?……と。
一瞬、どこかの翼の巣の可能性も考慮したが、ダウト。みんなに天使の輪、つまるところヘイローがついている。そして、路地にある水溜まりに反射するプイにも……それが浮かんでいた。尤も、それがル・ルージュ特製、赤い神のトッピングでなければの話だが。黄金の死装束も付いてきた。
そして、悲しきかな。この体はどうやら、象徴界を飛び出してて、影界に根を張ってしまったようだ。つまり、ビュッフェになる前のプイ君、飢餓に飢えすぎてサルトルの著作を技名にするド直球な意思表明をしたあのプイ君。これって、キヴォトス当局からすれば厄ネタでは?
「……おわった」
しかも、うにょりが居ない。非常食が無くなったので抗議したいが、そもそもなんでプイ君に、それもブルーアーカイブに居るかに疑問を呈したい。いや、薬指身体派監修の百貨店ブランドを見に行く趣味は一切無い。だが、ここは少女版GTA、都市が倫理観GTAなら、ここは世界が終わるトリガーが軽すぎる都市並にヤバい場所である。
学籍は……当然ない。ワクワクシーシュポス学園に所属しているなんてことはなく、普通にヘルメット団と同じ括り、下手したらそれより酷い。いつ、く • へされるか、わかったものではない。
「……腹減った」
それでも、動かなければ名誉うにょり君が誕生しかねないので、ブルーアーカイブから不純物判定なんて笑えない冗談。
さらにここは生徒が行き交うトリニティ総合学園の自治区。現代的な銃と歴史的建造物のギャップについて語るなら、おそらく一時間ほど語れるが問題はそこではない。
トリニティには宗教がある。トリニティには宗教がある。大事なので二回言った。そこにプイ君、もといビュッフェ君、もとい赤い神君が出てくれば……どうなるか。想像に容易い。
歯車の教団ごっこも事実上封じられたということだ。プイ君は賢いのでトリニティがどれだけヤバいかを知っています。少なくとも、ここが原因で世界の滅び方が最低二通りある。
「あら……随分と目立つ格好を為されますのね」
あっ、また終わった。ロールケーキの人だ。最初に出会った生徒がナギサちゃんと来た。都市の意思とやらはよっぽどプイ君を殺したいらしい。いや、プイ君は未だ中編に取り残されているから……正確にはプイ(偽)を殺したいのかな??
「……腹、減った」
思考が煩くても、腹は鳴る。しょうがないね、だって実際に飢えが凄く強い。常に腹が減っている状態の数倍と思ってもらって良い。実存は本質に先立つが、プイ君は飢えが先立つのだ。
「ふふ、どこの学園からいらっしゃって?トリニティでは見かけないファッションに……お腹が減っているようですし」
ワクワクシーシュポス学園って言えないかなぁ。いけそうか……いや、無理だな。あのナギサなら、爆速で特定作業をするだろうし、適当についた嘘は後になって苦しめるって九章で学んだ。ここは素直に。
「赤い……か……」
あっぶねぇ、赤い神って口が勝手に言おうとした。プイ君にそこまで自我が無いだろ!あいつ、赤い神になったの黒服が好きそうな服作る人らのルートじゃん。なんで、勝手に神宣言しようとしてるんだ。よりよって、トリニティで!リス君みたいに出オチになる可能性が!
「赤い……なんです?」
「いえ……ない」
家無いですね。これで大体、伝わるだろう。ヘルメット団が野宿してるっぽい感じあるし、不思議ではない。格好は奇抜だが、変なヘルメット団くらいだと思って流してくれ。
「ふむ、言えないですか。なら、お名前を聞きましょう」
「……ぅ……プイ」
「プイちゃんですか。随分と可愛らしいお名前ですね」
プイちゃんです(性別不明)。中編までしか見てないから、性別はわからん。プイとビュッフェって声が変わりすぎている。さて、うにょり君が出てきそうなので、勘違いされていることを良いことに飯を乞いましょう。履歴書にキヴォトスに来て、最初にやったことは三大校のトップの一人に物乞いしたと書けます。これで、L社には入れるな!
「めし……ない」
「なら、良いロールケーキの店があるのでそこで食事を取りましょうか。お金も……その服以外は持っていなさそうですので」
はい(敗北宣言)、無いです。目玉も眼もないです。奢られる時は奢れろって中指ヒースが言ってた、多分。
自然と手を握られて、パーソナルスペースが消えたが、もしかして影界って象徴界みたいにちょっと後ろに控えるとか出来ない?
あっ、お手て柔らかい。特に反論も出来ずにトリニティの校舎へ当たり前のようにお持ち帰りされる。あの視線が痛いんですが、赤い視線みたいなのが沢山あるのですが、あのお店ってティーパーティーだったんです!?(錯乱)。
「では、座ってください。手配は済ませてありますので」
豪華爛漫な校舎を通り抜けて、ティーパーティーの区画へ。不幸中の幸いとばかりに残りの二人が居ないが、これで逃げられないことが確定してしまった。あの今からL社に入社できませんかね……あっ、幻想体になるからダメですか、そうですか。
とりあえず、うにょりするか。机に沢山置かれているロールケーキを絶えず、口に放り込んでいく。行儀は最悪だと思う。でも、体が勝手にうにょりを求めているから。ナギサもなんか微笑ましそうに見てるし、セーフ。ここは親指でもない。
「食べ終わるのが早いですのね」
「おいしかった」
「召し上がれと言う暇も無い食べっぷりでした。それで……本題になるのですが、プイちゃん」
トリニティ総合学園に興味はありませんか。そう告げられた先に舞っていたのは本当か、嘘か、わからないナギサの笑みと食い荒らされた食卓だった。
プイ君ってヘイローあるよねと思ったので書きました。あとなんか、太陽が眩しかったというか。
判決、シーシュポス刑。