元副部長が現副部長になってたり、ボッコボコに煽ったり、ボッコボコに煽られたり、真っ当(?)に青春したりするお話。
「おい、茂札」
澄んだ夕暮れに薄っすらと星が見え始める。
そんな帰宅路で、そうやって話しかけてきたのは元副部長だった。
「……あー久しぶりっすね。なんですか、元副部長」
「現副部長だわボケが」
「元だろ」
「現だっつってんだろ。丁度昨日、情報収集がてら再入部届け出してゴチャゴチャうるせぇ木っ端のモブ共から副部長の羽島、部長の湊手嶋まで順番にファイトで全抜きして黙らせてやったんだよ。部長の座はそもそも目的じゃねえしクソ程面倒くせぇから譲ったがな」
「───それで、だ。そんなことはどうでもいい、俺が言いたいのはあの件についてだ」
「あの件とは?」
「ああ……」
そう言葉を切り、副部長は懐に手を入れる。
何かを取り出すかと思いきやそういうわけでもなく、やや鬱陶しそうに眉をひそめている。
「───数日前に二度……天儀と、それから羽島、湊手嶋の二人と接触したな?」
「あー、三年でも話題になってんですか?」
「いんや?別の情報筋だ。で、その情報の真偽を確かめるためにわざわざ面倒な部活破りをしてやったってことだ」
「僕に直接聞けば良いのでは?」
「それに関してだが……まぁいい、ひとまずオレとファイトしろ───ボードは持ってるな?」
「?まぁ……」
「───だったら問題ねぇ。闇よ来い!」
懐から勢いよく、黒いデッキを引き抜く。
薄ら寒い霧のようなものが辺りに充満し始める。
「……」
「さぁ、ボードを展開しろ。状況説明は後でしてやる、今はこの茶番に付き合え」
「OK、あとでじっくりと聞かせてもらう」
ボードを展開しながら立ち位置を整える。
両者は見合い───互いに笑みを浮かべ、
「「ファイト!」」
同時に手札を引き抜いた。
副部長のボードが点灯する。
「オレのターン!───レディ、アップキープ、ドローフェイズに移行、メイン1、色彩をセットし、<黒染めの案山子>を召喚」
「……
「さぁな?お前相手に情報を垂れ流すほど舐め腐っちゃいねえよ。ターンエンドだ、自分のターンを進めろ」
油断なく相手を見据え、情報アドは渡さない。
徹底した警戒を見せる副部長。
「レディ・アップキープ・ドローフェイズ、メイン・ライフをドローする。……色彩をセット。ターンエンド」
コストとなる
「オレのターン。レディ、アップキープ、ドローフェイズに移行、メイン1、色彩をセットし、再度<黒染めの案山子>を召喚する。色彩とクリーチャーを一つずつ生贄に捧げて速攻魔法<弱肉浄化>を発動、四コスト追加」
「<黒染めの案山子>2体の常在効果で、お前に二枚分のライフロスが発生する」
「四コストを支払い、場に残った案山子もう一体を生贄に捧げて、来い!!」
「───<蝕みの
「フランシスの召喚コストは生贄に捧げたカードの数分マイナスされる。……さらに場に出たタイミングで場に配置・設定されたカード類一つを捧げるか、カードを一つ捨てることができる、どちらも行わなければライフを3失う」
「───手札のカード1枚を捨てる。カードを1枚捨てたため、そのライフロスは発生しない」
「そうか。フランシス登場時のもう一つの効果だ、【蝕み】カウンターが一つ乗る。これらは殴る際にも発動する。<黒染めの案山子>の効果で
「そのエンドフェイズに、瞬間魔法<考選>を発動します。通りますか」
「通るならデッキトップを1枚捲り、中身を確認する。そしたらそれを墓地においてもいい」
「通す」
「デッキトップを確認……それをキープして、そちらのターンは終了」
「俺のターン。レディ、アップキープ、ドローフェイズにメイン、ライフからカードを1枚ずつ引きます」
「そして、俺のメインフェイズを始める」
───ここから回せるメジャーコードは3つ、マイナーコードは2つ。
「───茂札、オレはお前を嫌と言うほど学んでいる」
さあ、さあ、さあ。
「恐れている」「妬んでいる」
デッキを回せ。
「恨んですらいる」
手札を回せ。
「そして同時に───他のボンクラ共の誰よりも、お前を、正当に、───評価している」
場を回せ。
「だからこそ、言い切れる。こんな程度なわけがねぇ」
「お前を正面からぶっ潰すのは」
───死ぬまでに解号まで辿り着け。
「このオレだ」
なんか勝手にモブくんの理解者ヒロイン面し始めてるんですけど、この三年。
まことによもぎ生えまする。(マジで草)
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