「あー………何でこうなったよ…」
俺はしがない高校生……でも無い、ただの社会不適合者だ。俺はいつもの様に学校行ってバイト行ってといつも通りに過ごしていた…けどある雨の日、アパートの
階段を踏み外してすっ転び、頭を打ち付けて死んだらしい。何故 らしい なのかって?それは目の前で起こってる事があまりにも現実離れしてるから死んで異世界にでも転生したのか?って思ったからだ。
一体何が起こってるのか、それは……
「女子高校生が銃でドンパチやってるって……あれか?サバゲー女子か?……んな訳ねぇよな、うん」
俺の目の前では頭に輪っかが浮いてる女子(多分)高校生が銃で撃ち合っているのだ。片方は何か以下にも柄の悪そうな不良っぽい集団、もう片っぽは学帽っぽいのを被ってて腕に何か巻いてる集団、アニメとかでしか見た事無いけど多分風紀委員の人か?が撃ち合っているのだ。
「マジで分かんねぇよ………グラセフじゃねぇんだぞ公でドンパチやりやがって……アメリカでもこんなじゃねぇだろ多分……」
俺はそれを建物の影に隠れて見ているのだが……まぁ訳がわからん、何で女子高校生が銃なんて持ってるのか、何で頭の上に輪っかが浮いてるのか、何で銃弾に当たっても死なない所か血も流さないのか、だって地面に銃痕出来てるし実銃だよなあれ?…まぁ上げだしたらキリがないぐらい分からん事があるんだよ。そんで一番の謎は…
「……俺も女子高校生になってるって事」
先に言っておくが俺は女子じゃない、バリバリ男だ。仮にここが異世界で俺が死んで転生したのだとして、面影のおの字も無い。俺は男だったしデブだったしこんな声高くなかったし、ガラスに映った顔を見たらまぁ元の面影の欠片も無いぐらい可愛いかったよ、しかも猫耳猫しっぽ付きの美少女。正直こんな美少女になれて悪い気はしないけども幾らなんでも良く分からん過ぎる。語彙が無いとか言わないでくれ、マジで意味不明過ぎて分からんのよホント。
「…とりあえず逃げよう、俺も撃たれて無事でいられる保証は無い訳だし」
そんな訳で俺はこの場を離れた、正直気が気じゃ無かったわ。意味分かんな過ぎて思考がショートしてて妙に冷静だったから逃げたけど、普段だったら絶対喚き散らかしてたわ、うん。
「……ここなら大丈夫そうだな…大丈夫だよな?」
俺はあの場所からそれなりに離れたアパートに来た。てかすげぇわ、俺の体力が無さすぎるだけだったけど元の体だったらこの距離でも息切れしてたわ。
「……どうっすかなぁ…冷静に考えて俺、家なし金なし根性なし、あと多分戸籍なし……生きていけないよぉぉ……じゃねぇよ!ふざけてる場合じゃねぇ……ヤベぇよぉ…ホンットにヤベぇよ…」
普通に考えて異世界来てチートで無双!とかある訳ねぇよ…元がカスの奴が転生した所で中身がカスのままだったら意味ねぇよ……カスだから負け組なんだから異世界来たぐらいで勝ち組とかある訳ねぇ……てか
「この体って何なんだろうな…」
それ所じゃ無い事は分かってるんだけどやっぱり気になるんだよなぁ……二次小説とか読み漁ってたけど、あれか?憑依もの的なやつか?でも財布も学生証とかも無さそうなんだよな………しかも俺あの場所で突然目が覚めたからな………そうじゃないならご都合主義のやつか?転生後の体がハッピーセットで着いてきました!ってか?んなご都合主義現実である訳ねぇだろ……
「あぁもう訳わかんねぇし…お先真っ暗過ぎるんだけどぉ……俺が何したってんだよ!…何もしてなかったからか………てかこのアパートボロ過ぎだろ…人住んでんのか?」
俺はアパートをよォく見てみた。そしたら屋根の壁は穴空いてるわガラスは割れてるわ荒れ放題、廃アパートっぽいな。……こんなにボロボロだったのに気付かないとか俺の目は節穴かよ…節穴だったわ、母さんにも良く言われてたし。
「………廃墟でも勝手に入ったり住んだら犯罪だよな……でもなぁ……」
銃をドンパチしてる様な奴らがいっぱい居る場所を必要以上に歩き回りたくねぇよ……てかスマホもねぇからここが何処なのかも分かんねぇし、何か市役所みてぇな所があるのかも分からん……
「…………………………お邪魔します」
結局俺は廃アパートに不法侵入する事にした。ホームレス同然でこれからを過ごしたくねぇ、バレたら豚箱行きかもしれんけど背に腹はかえられねぇよ
「中は思ったより綺麗だな」
ふざけないとやってらんねぇからもうふざけて行くことにしたけど、割と中は思ったよりは綺麗だった。それでも壁が剥がれてたりしてるけど。
「あーくそ、スマホ中毒者の俺にはスマホが無いのが辛すぎる、てか時計もねぇから時間もわからん…まだ昼……だよな?外明るいし日ぃ出てるし……てか、俺金もスマホも何もねぇのに服は着てるんだよな…元の体で着てた奴じゃねぇけど」
そんなこんなで廃アパートでの生活を始めた俺、最低限雨風凌げるから野宿よりは絶対マシだ。ただ廃墟になってるもんだから当然水も電気もガスも通ってない。
水は良い、近くに公園があったからそこで水も飲めるしトイレも行ける。電気も良い、電気を使うもんを今の所持ってないから、ガスも同じだ。ただ一つ問題なのが……
「腹減った………」
食いもんだ、当たり前だが金のない俺が食べ物を買える訳が無い、万引きなんて論外だ。まぁ廃アパートに居着いてる時点で犯罪者ではあるけども…そんな訳で、俺が取った手段はゴミ漁りだった。いやゴミ漁りもダメって事は分かる、でも万引きするぐらいならまだこっちのがマシだと思ったんだよ。それにゴミ漁りしてる時に居た猫と仲良くなったし。
「うぅ……情けねぇし笑えねぇ…」
そんな廃アパートに住んでゴミ漁りを続けていたある日……
「……服がこれしかねぇから洗えねぇ………流石に臭ぇ…」
「………ん?」
「え?」
いつも通りゴミ漁りをしようとしていた俺、路地裏のゴミ箱を漁ろうとしていたら、先客が居た。目つきが悪いけどすげぇ綺麗な人が。
「あっスゥー………えぇ…あぁ……あの、通報だけはご勘弁を…」
「……何してんの、こんな所で」
「えっ!?いやぁそのぉ……ゴミ漁り、です…はい」
俺は正直にゴミ漁りをしていると話してしまった。だって怖いんだもん!いくら美少女でもあんな目で見られたらゲロっちまうってぇ!しかもよく見たら頭に角生えてるんですけど!?輪っかだけじゃなくて角生えてる人も居んのかよこの世界はぁ!?
「アンタ、ホームレスな訳?」
「えっと…まぁ、そんな感じです、はい…」
「………あの、貴女はこんな所で何を…?」
俺はつい気になって聞いてしまった。だってこんな美少女がこんな路地裏で何してるのか気になるじゃん!俺と違ってゴミ漁りしに来た訳じゃ無いだろうし…
「……ん?ケンタッキーじゃねぇか、何食ってんだよ…猫缶!?俺より上等なもん食いやがって…!」
「ケンタッキー?」
「あっいやっその、ですね……」
俺は近くに居たあの猫につい反応してしまった。ゴミ漁りをしていた時に仲良くなった猫のケンタッキーだ。名前の由来は俺がケンタッキーが好きだから。ケンタッキーはホームレス生活を送っている俺にとって唯一の友達だ、ゴミ漁り仲間としてな。
「…この子のこと?」
「アッハイ、ソウデス……俺の唯一の友達ですはい…」
「……貴女も食べる?猫缶」
「ヴェ!?」
つい変な声を出してしまった俺、そりゃ出したくなるだろ急に目つきの悪い美少女が猫缶食べるかどうか聞いてくるんだから。
「え、いやあの……何で?」
「…嫌なら良い」
「食べます!食べたいです!」
この際猫缶でも良い!廃棄弁当生ゴミより断然マシ!今ならドックフードだって美味しく食べれる自信がある!
そして俺は差し出された猫缶に貪り着いた。
「うぅ……うめぇ……うめぇよぉ……」
「……可愛い」
久しぶりの腐って無い飯、猫缶でもうめぇ……
俺は手も使わずに貪り着いている、犬食いで食ってる俺の姿は猫耳も相まって猫にしか見えないだろう。臭ぇし汚ぇ猫だけど…
「ありがとなぁホント、久しぶりに腐ってないもん食えたから嬉しさのあまりつい泣いちまって……」
「別に良いけど」
「なぁ、アンタなんて言うんだ?恩人の名前ぐらい知っておきてぇんだ」
「…鬼方カヨコ」
鬼方カヨコ、そう名乗った美少女に俺は思い切り頭を下げた。それはもうめちゃくちゃ深く、というか土下座した。
「ホンットにありがとう!ゴミクソみてぇな俺だけど、何か出来る事がありゃあ何でも言ってくれ!マジでそんぐらいは感謝してる!」
「…じゃあちょっと着いてきて、その子も一緒に」
「ゑ?」
そして俺達が連れてこられた場所は、何かの事務所っぽい場所だった。
「……なぁ、俺これから指詰められたりする?」
「しないよ」
ケンタッキーを抱え、扉を通され俺は事務所の中に入る。するとそこには、ゲームをしている何かメスガキっぽい白髪の美少女、何か白目を向いてる赤髪のポンコツっぽい美少女、植物の世話をしている暗い雰囲気の紫髪の美少女が居た。
「……あの、あの人達は…?」
「…ウチの社長と社員」
「はい?」
「にゃー?」
社長?社員?何言ってんだこの人……
この時の俺は知る由もなかった、この愉快なメンバーと共にロボットや幽霊みてぇな奴らとドンパチする事になるとは…
次話は分からんです、多分出ない