[ミリタリーSF]ビーム攪乱幕の原理、および対要塞戦における戦術使用 作:行言一朗
原作:ガンダム
タグ:ガンダム 1年戦争 ミリタリー ハードSF ミノフスキー粒子 メガ粒子砲 ソロモン ビーム攪乱幕
今回は、「機動戦士ガンダム」のソロモン戦において連邦軍が運用した「ビーム攪乱幕」
ミノフスキー粒子工学からの原理、メガ粒子ビームに対する作用、対要塞戦の長距離砲撃戦におけるの非対称化戦術に関する設定です。
※作者本人による外部ブログからのテキスト転載・マルチポスト作品。
そこで連邦軍が投入したビーム攪乱幕
ミノフスキー粒子工学によるその原理
メガ粒子ビームに対する拡散、偏向の作用
それを応用した対要塞戦における長距離砲戦で連邦軍を有利に導く戦術運用
を解説したレポートです。
※ブログ「パブリク突撃艇、ソロモン突入」とのマルチポスト
「長距離メガ粒子砲戦におけるビーム攪乱幕の非対称化戦術」
過冷却状態のミノフスキー粒子
ミノフスキー粒子は通常の空間で、正負の荷電による電気力(引力)とT(タウ)フォース(斥力)により、正負粒子が規則的に並んだ立方格子場-Iフィールドを形成する。
このIフィールドは、ミノフスキー粒子の密度、エネルギー準位、外部からの電磁的な圧縮で、より強固な場となっていく。
しかし、本来ならば結合し立方格子となって「安定」するミノフスキー粒子が、互いにつながりを保ち、特定の位置や速度を持たずランダムな状態で存在・運動しゆらぐ、「準安定」な高エネルギー状態が存在する。
この状態は、分子が結合し固体化する温度であるが分子が自由に移動する液体の状態を保ち続ける過冷却のイメージに近いと言える。
連邦軍はエネルギーCAPの開発過程で、ミノフスキー粒子のこの状態を生成、維持する技術的手段を取得した。
非格子化ミノフスキー粒子を通過するメガ粒子ビームに発生する現象
立方格子化してない高エネルギー準位のミノフスキー粒子が散布されたエリアをメガ粒子が通過すると、経路上のミノフスキー粒子は刺激を受け「準安定」が崩れ、連鎖的に立方格子を形成していく。
過冷却状態の水が一瞬で氷となるように。
安定の谷間へ転げ落ちる時にエネルギーを放出、それがメガ粒子と相互作用を引き起こしメガ粒子の軌道は形成した立方格子の方向へ沿うよう曲げられる。
ビーム収束の拡散
メガ粒子群を収束、同一方向へ加速したビームが非格子化ミフスキー粒子分布へ進入、通過する時の現象をメガ粒子単位で見る。
個々のメガ粒子は通過する経路に形成された立方格子と相互作用をするが、立方格子の方向は粒子状態の時に内包されており、その方向は粒子、粒子群ごとにランダムなためビームを構成するメガ粒子は同一方向へ偏向しない。
同一方向へ加速された収束メガ粒子群が同一方向へ偏向しないことは、通過後のメガ粒子ビームの収束径が時間と共に増大していくことであり、これはエネルギー密度の低下となる。
ビーム軸の偏向
次にビーム単位で現象を見る。
非格子化ミノフスキー粒子の分布は均一性、等方性を持たない。
エネルギー密度の粗密、立方格子の方向は、様々なスケールの分布で常にダイナミックに変動している。
個々の立方格子の方向はランダムと言えるが、一歩引いて見ると分布には滞留が存在し、その中の方向は偏ったものになる。
この分布を通過したビームは、収束を拡散しつつ、ビーム軸(ビームパス)はその分布の持つ偏った方向へ偏向させられる。
そして、一歩横を見ると異なるエネルギー密度、異なる格子方向の偏りの分布が混融している。
非格子化ミノフスキー粒子の分布エリアを通過する複数のメガ粒子ビームは、それぞれ異なる方向へ偏向する。
ビーム攪乱幕の原理
非格子化ミノフスキー粒子の分布を通過した直後のメガ粒子ビームの拡散、偏向の量はごく僅かなものである。しかし、目標への長距離空間を通過する間に拡散、偏向は拡大していくため、ビーム密度の低下、ビーム軸と照準線との乖離は、メガ粒子砲の効力の減少となって現れる。
連邦軍はこの非格子化ミノフスキー粒子分布を「ビーム攪乱器材」※1として、対要塞戦の長距離砲撃戦において自軍を有利にする支援兵器にすることを決定した。
※1.機体から数100メートルのエリアに高強度の制御された立方格子場(Iフィールド)を形成し、この数100mの通過でメガ粒子ビームを拡散、偏向させ機体へのダメージを軽減させるIフィールドバリアーは、同じミノフスキー粒子工学の産物であるが原理的に異なるものである。
ビーム攪乱幕の長距離メガ粒子砲戦における戦術使用
ビーム攪乱幕による現象はジオン軍、連邦軍、双方のメガ粒子ビームを等しく拡散、偏向させる。
ビーム攪乱幕を自軍の兵器として戦術的に有意性を持たせるにはどうすれば良いのか?
それは「ビーム攪乱幕から目標までの距離を非対称にする」、つまり「相手の目の前にビーム攪乱の幕を下ろす」ことである。
ソロモンのメガ粒子砲から発射されたメガ粒子のビームは、発射直後にビーム攪乱幕を通過、ビーム収束の拡散、ビーム軸の偏向が始まり、これを拡大しながら連邦軍艦隊へ向かう。
これに対し連邦軍艦隊のメガ粒子ビームは、ビーム攪乱幕の無い空間を進みソロモン到達の直前でビーム攪乱幕を通過する。ビーム収束拡散、ビーム軸偏向は同じように生じるが、その直後にソロモンへ着弾する。
ソロモンのメガ粒子ビームは効力、命中率を低減させられ、連邦軍のメガ粒子ビームの低減はわずかなものになる。
相対速度0
ビーム攪乱幕は何らかの手段でソロモンの至近へ敷設されなければならない。さらにビーム攪乱幕はミサイル、砲弾とは異なる運用を要求された。ビーム攪乱幕と目標とが相対速度を持っていると目標の至近へ敷設されたビーム攪乱幕は一過性のものとなってしまう、戦闘が継続する間、ビーム攪乱幕の効力を維持するためには、目標とビーム攪乱幕との相対速度を0にしなければならない。
ソロモン勢力圏の中を進み、ソロモンの玄関に到達したら、ゆったり漂うビーム攪乱幕を置かせてもらう。
ミノフスキー粒子の女神を微笑ませるのは容易ではなかった。
以下の解説図
図1.非格子化ミノフスキー粒子分布を通過するメガ粒子ビーム収束の拡散(概念図)
図2.非格子化ミノフスキー粒子分布群を通過するメガ粒子ビーム軸の偏向(概念図)
図3.ビーム攪乱幕による長距離メガ粒子砲戦の非対称化(概念図)
ホーム(ブログ)「パブリク突撃艇、ソロモン突入」
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に掲載しています。
※当初、連載としたパブリク突撃艇のソロモン突入パートは、短編として独立しました。