Fate/Grand Order Way Of The Sword 作:dark9486
未定でしたが更新しました。ただ長編までいける程ではないので短くはなると思いますがご容赦下さい。
主はついこの間鬼殺クリアしました。巌流で10回は散華しましたね…逆に義経は2~3回でいけました。あっちの方がなんというか動きが素直というかやりやすいんですよね
「先生…!目をお開けくだされ!先生ッ!」
「………ふっ」
狭い部屋に敷かれた布団の中で数人の門下生に囲まれている一人の老いた男は薄れる意識の中僅かに首を動かし、棚に飾ってある『籠手』を見つめながら笑う…あれから無数の幻魔を斬り、かつての因縁も断ち斬り、全てを終わらせた後は退屈凌ぎにと開いた道場で弟子にも恵まれそれなりの人生を送ることが出来た…
「(……『静』…もうそろそろ俺もそっちへ行けそうだ。久しぶりにお前の声を聞きてえ…『篁』……あんたの言う通り…我武者羅に生きることが出来た……けどまだ足りねえ…せっかくなら地獄で逢えたらまた…稽古に付き合ってくれよ……ハハッ…『一切皆苦』それなりに…楽しめた…ぜ……)」
その言葉を最後に男の心の臓の鼓動や呼吸も完全に止まり何時以来か徐々に身体が冷たくなっていく感覚を味わいながら闇の中へと堕ちていくのだった……
チャプッ…
「ん……ってうおっ!?」
ザパァッ!
男が目を覚ますとそこは血のように真っ赤な空の下を流れる巨大な川のような場所で、下流の先にはぽっかりと巨大な穴があり、男はこの場所に見覚えがあった…
「ここは…『地獄』の手前か……なんか前にもこんなことあったな…というかなんかやけに『身体が軽い』気がするが……」
男は濡れた髪を軽く纏めながら水面を覗き込むとそこには皺一つない顔が写りこんでいた
「なんじゃあこりゃああああ!!!!!?『若返って』やがる!?」
「そりゃあお主が『英霊』となったからじゃ、英霊とは『その者にとって最も良いと思える姿』を元に魂の形をとるからのお」
「……!」
かつて初めて鬼の力を得てから京を駆け回ることになった切っ掛けとなった相手…その懐かしい声に若返った男…『宮本武蔵』は振り返る
「『篁』…!」
「久しぶりじゃのう武蔵よ、年をとったというのにちっとも変わっとらんな!ハッハッハ!」
「……うるせえよ…というかあんたも若返ってるし…なんだその眼に着けてるやつは?」
『小野篁』武蔵と同じく、彼よりも700前に閻魔大王より『鬼の籠手』を譲り受け、『六道珍皇寺』にある『地獄の門』を守護を務め、武蔵にとっては自身の目指す剣の道の道標となった恩人である…が目の前にいるのは彼が知る首まで髭を伸ばした老人ではなくサングラスをかけ前髪を隠した上裸のイケメンであった
「これか?どうだ!イカすだろ?これが当世のファッションというやつじゃ!」
「ふぁっ…しょん……?」
「おっと、今のお主は死んだばかりだから知識がないんじゃったな。『静』よ、世間知らずなこやつに色々と教えてやってくれ。あとこやつをここに呼んだわけもな」
『ええ……お久し振りですね武蔵殿』
篁がそう言うといつの間にか武蔵の右手には死の間際に見つめていた籠手が嵌めこまれており、そこから優しさのこもった声が聞こえ、それを聞いた武蔵は僅かに口角を上げる
「……ああ、久しぶりだな静。それで…話ってのは……」
『それについては話が長くなりますので一度籠手の光を見つめて下さい』
キイイイイィィィィィンッ……
「おいお前いきなりすぎるだろうが…ってうおおおおおお!!!!?」
武蔵は懐かしさに浸る間もなく右手の籠手から発する光を浴び、『英霊』や『サーヴァント』、『聖杯戦争』といった知識を始め彼が生きた時代より先の時代の知識や文明といった大量の情報も一度に浴びることになり、やがて落ち着いた彼は篁と籠手から出てきた静の二人から説明を受ける
「……相変わらず急だったが…まあ事情はわかった。それで?なんで俺なんだ?」
「……英雄…サーヴァントには英雄のあらゆる側面のうち一つのみが前面に出ることは知ったな?」
「ああ…確か『クラス』だったな?それがどうしたんだ?」
篁は暫く言葉を濁すが、やがて決心した様子で話始める
「閻魔に聞いた所によるとだな……あいつが…『我らの知る義経』もサーヴァントとして座に刻まれておるのだ。お主と同じ『セイバー』としてな」
「何!?だがあいつの魂は…!」
『ええ……無へと還る筈でした。ですが抑止『アラヤ』は彼の実力を評価したのでしょう『汎人類史とは異なる歴史を辿った存在』として彼を座に刻んだのです。汎人類史を守る為…『人理修復』を成す為に…』
「……そんだけやべえ状況なのか?」
「ああ、かつて我らが陥った時よりも遥かに不味い状況だ。しかもそれに加え、あやつはあろうことか先ほど起きた聖杯戦争において自らを召喚したマスターを殺め、特異点を生成した。故に抑止力はやつに対抗する新たなサーヴァントを必要としておる。だから武蔵よ……無茶は承知だが…」
篁は気まずそうに武蔵を見つめるが武蔵は何も言わず立ち上がると篁を見て笑う
「……またあいつをぶった斬ればいいんだろ?簡単な話じゃねえか…」
「……やってくれるか…武蔵」
「ああ、それに俺としちゃあまたこうやって若返った身体で剣の道を歩むことが出来るんだ…俺からすりゃ棚ぼたもいいとこだ。」
『ふふっ…篁殿の言う通り武蔵殿はちっとも変わりませんね……であればこの静も再び貴方と共に行きましょう。』
静は武蔵の姿を見て優しく微笑みながら光となって再び彼の籠手へと戻る…
「『一切皆苦』……今度も面白可笑しく楽しんでやる!……いってくるぜ篁」
「ふふ……おうとも…!もう一度義経のやつをたたっ斬って参れ!」
彼の一言を背負い、武蔵は地獄の門を潜りその中へ消えていくのだった……
───────────────────────
「…っとまあこれが俺が今ここにいる経緯ってやつだ。」
『成る程ねえ…しかしそっちでは『静御前』が鬼の一族だったなんてね…それに『幻魔』という存在にも中々興味を引かれるよ』
「ダ・ヴィンチちゃん…今はそんなこと気にしてる場合じゃないでしょ…」
「ヨシツネ……確か『ヨシナカ』と関係があるのではなかったか?イオリ」
「ああ、確か本来は九郎判官殿によって討ち取られたのだが…」
『此方での義仲殿は義経を討つ為我々鬼の一族に尽力して下さっていました……ですが彼の城は幻魔の襲撃を受け、彼は奥方にして我らの同胞であった巴御前様を庇うため単身で幻魔に挑んだのです…』
「巴さんはそっちでも鬼だったんだね……」
時は現在へと戻り、今や誰も居ない空き家を拠点としその中で藤丸一行は武蔵の話を聞きながら現状について語り合っていた……
《漸く来たか…待ちくたびれたぞ?武蔵……》
「「「………!」」」
『そんな…!防壁はつけていたはずなのに!?』
『武蔵殿…』
「……ああ、そろそろ来る頃だと思ったぜ」
突然知らぬ声が聞こえ一行が振り向くとその拠点の入り口からはいつの間にやら白装束に身を包んだ一人の男が佇んでおり、武蔵は彼を見据えながら脇に置いた刀に手を伸ばし鯉口に指をかける
「あんだけ恥晒したってのに性懲りもなくぶった斬られたいみたいだな……義経ぇ!!!」
《ふふふふ……そうだな…あれは実に痛かった。》
装束の男、『源義経』はかつて武蔵に斬られた両の脇腹をさすりながら妖しげに嗤う…
『……此度は何が目的なのですか』
《静……久しぶりだなぁ?会いたかったぞお?……っとそうそう、俺の目的についてだが…》
義経は一行の周りをうろうろと歩きながら一周すると武蔵の方を向き直る
《お前と…もう一度勝負がしたかったのだ。宮本武蔵……》
「……俺と?」
《そうだ…!あの時、俺の計略は成就した!俺は人と幻魔を内包した究極の存在となった……だが俺はそれでもお前に破れた…全ては俺の意のままだと思っていたが…ふふ……こんな形で平家どもの心情を知ることになるとはな?》
「要点だけ答えて源義経…貴方の目的は武蔵さんなの?彼に何をするつもり?」
二人の会話に立香が割って入ると義経は焦点の合わないどす黒く濁った瞳を彼女へと向けるとわざとらしくニコリと笑う
《お前が汎人類史のマスターか……まこと良い眼をしているなぁ…俺を前に臆すことのない据わった眼……その齡でどれ程の修羅場を潜ったのか…》
「………」
数多の英霊を従えてきた彼女であったが目の前の男からはそれまで接してきた者達とは明らかに違う雰囲気を纏う姿に思わず生唾を飲み込む
《おっと申し訳ない、怖がらせる気はなかった…許してくれ。さて……先ほども言ったが俺の目的はただ一つ…『武蔵と今一度立ち会いたい』だけだ。俺はその為に聖杯を奪いこの地を作った。そうすれば何れお前が来ると思ってな?俺もまた剣に生きる者……ならば強者との立ち会い以外に何があろう…?違うか武蔵よ?》
「……ハッ!そういうことかよ…要は『負けて悔しいからリベンジしたい』ってとこだろ?……いいぜ、受けて立とうじゃねえか…源義経!」
シャキンッ!
武蔵は今日一番の笑みを浮かべながら片手で鯉口を抜き構える……
「あの目……本質は違えどかつてのイオリに近いな…世界は違えど君の師というわけか」
「……いや、俺の知る師匠は少なくともあのような顔はしていなかったな」
その光景にタケルは伊織をじとっと睨みつけるが記憶の無い彼は気まずそうに顔をそらす
《そう焦るな武蔵よ、どうせ戦うなら万全の方が良い…今の俺はサーヴァントとして現界したばかりで不十分でな。それはお前も同じだろう?だからこの地に幻魔を呼び出したのだ。俺が望むのは完全なお前との決着だ。それに俺以外にもお前と戦いたいやつもいるぞ?『あの兄弟』ときたら飛び付いてきたからなぁ》
「あいつらもいるのか……しかし相変わらず回りくどいことするじゃねえか…わかったよ。」
《ふふふ……楽しみにしているぞ宮本武蔵》
すると義経の足元から赤黒い血溜まりのようなものが出現しその身体は地面へと吸い込まれるように落ちていきやがて完全に消え去る……
『消えた……しかしあれが君の世界の源義経か~…此方とは大違いだね』
「『鬼一師匠』が見たら何て言うだろうね……はあ~怖かった」
立香が安心しきった様子でその場にへたり込む中、武蔵と静は
「俺ともう一度やりたいだけか…死んでから随分と丸くなったなあいつも…って一回死んでるか」
『……私としてもかつての面影はかなり薄れてるように感じました。彼も武蔵殿のおかげで変われたのでしょう』
「ええあれでぇ?めちゃくちゃ怖かったよ?私なんなら足震えてないか心配だったよ?」
「だとしてもあいつ相手によく啖呵切れたもんだ。よく頑張ったじゃねえか」
「うわっ!?もう急に撫でないでよお…!」
『……武蔵殿、年頃の女性にそれは駄目ですよ?』
「悪い…あれから道場開いて弟子も出来たからつい癖でな」
『じゃあ諸君!敵の目的はわかったわけだし、これからの目標を定めよう!何か意見がある人いる?』
ダ・ヴィンチは軽く咳払いをし、雑談に耽る他の皆を纏め今後についての話題を振る。
『でしたら『安井金比羅宮』へと向かいましょう。もし彼の作ったこの地がかつての京と同じなら…『頼政』殿の力を借りれるやもしれません』
「決まりだな。もしかしたら『八大力神』もいるかもしれねえしな」
『う~ん……なんだか色々と聞きたい単語が出てきたけど…まあそれは道中で聞くとしよう!立香ちゃんはどう思う?』
「私も賛成かな、二人はここに詳しいみたいだし頼りになると思う。」
『よしっ!では次の目標は安井金比羅宮だ!その為にも今日はしっかり休むんだよ?』
その後一行は近くにあった畑や商店の残骸から食料を調達し、腹を満たしてから立香は夜もそこそこに床へと就くのだった……
────────────────────────
「………」
その晩見張り役として選ばれた伊織は長屋の縁側に座りながら空に浮かぶ月を見上げていた…
「よう…辛気臭え顔してんな伊織?」
「……師匠、見張りなら俺一人で充分です。お休み下さい」
「俺もサーヴァントなんだ、いらねえよ。それより聞きたいことがあってな……」
武蔵は刀を置き、伊織の隣へとドカッとぶっきらぼうに座ると彼の瞳を見つめながら真剣な面持ちで問いかける
「お前……『色々と置いてきた』みたいだな?」
くそ雑にこの物語の前日譚として
抑止力
「こいつヤバいけど強いな、せっかくだしどうせ消えるなら人理の為働いてもらうか。試しに近い時代の聖杯戦争収めてもらお」
義経
「マジ?じゃあもう生前の計略とか関係なし武蔵にリベンジしたいからこの地改造しちゃえ。」
抑止力
「アカンこいつ好き勝手やり始めた。どうにかせな……」
篁
「じゃああいつ(武蔵)連れてこよか?そろそろ死ぬし」
抑止力
「頼むわ」
的な感じです。義経さんって最後の台詞の声色的に『未練はあるけど後悔はない』みたいな雰囲気だったのでこの物語では人理をどうこうする気はなくただ単純に武蔵さんともう一回戦いたいというサイヤ人的な思考にしてます。力には溺れてたけどあの人も多分武に生きる者でしょうし英霊になってからが一番生き生きしてそう
主はミクトランから引退してしまった為この話を書く為に調べてる間に篁さんが実装されてるのを初めて知りました。しかもかなりイケメンだった……