なお楽しめるかは不明。
バーサス(ONE)の二次創作です。
面白いのにSSがあまりにも少ないので書きました。
なーんか、死んだと思ったら生まれ変わってた。
しかも化け物の身体で。
人型の蜘蛛って感じかな。
生まれてすぐ兄弟たちが殺し合いを始めたので、めちゃんこ頑張って生き延びて・・・親蜘蛛は子供を産んだら子供の餌になるらしいので、価値観の相違に頭が痛くなりながらも親も食べた。
ちなみに今生の体はメスみたいだった。
絶対親にはならないと決めた。
親から伝わった情報によると、私は魔族らしい。
大魔王軍に所属していて、大魔王に仕える47体の魔王のどれかに戦闘幹部として重用されれば魔族は栄光の道を歩けるとのこと。
いや47体て。
多すぎだろ。
なにこの世界観。ドラクエ?やったことないからわかんないや。
とりあえず命が軽い世界だということは理解したので、必死こいて強くなった。
魔法も勉強したし、体も鍛えまくった。
人間との戦いもしなくちゃならなかったけど、生き残るのに必死だった私は特に罪悪感とかなく人間を殺した。
ごめん戦いは間違いだわ。一方的な蹂躙な。
ま、そうこうしているうちに私の地位は徐々に上がっていき―――。
気付いたら魔王にまでなってた。
第8魔王:タランガ。
それが今の私の立場と名前。
大魔王ビャクオウ様にへこへこしなきゃいけないのはめんどいけど、大魔王様はめっちゃ強いので従っていれば勝ち組だ。
強くなるのに苦労したからわかる。
大魔王様マジですごい。
ま、私は優秀な自覚があるので、待遇もいい。従うだけでいいなら、全然オッケーって感じだ。
ぶっちゃけ、滅茶苦茶楽しいです。
魔法楽しい。なんでもできるの最高!
目は八つあるし、手足も八つ。
本を二つくらい同時に読みながらティーカップを持ち、お菓子を食べながら新しい魔法を編める。
便利すぎて元には戻れない。
でも、最近なんか妙な情報が出回ってるんだよね。
なんでも、47魔王それぞれに勇者ってのが討伐しに向かってるらしい。
人間雑魚過ぎて脅威に感じないけど、勇者ってのはめっちゃ強くて魔王を討伐するのが定番だ。
一応警戒しとこかなー。
なんて、思ってた時期が私もありました。
頼りになる側近、吸血鬼みたいな戦闘幹部ことキヴィラちゃんが勇者の首持ってきました。
「タランガ様!勇者の首です!お納めください!」
「いらん!畑の肥料にでもしろ!でもよくやったぁ!」
やっぱ心配は無用だったみたいだね。
もう一人の戦闘幹部、侍っぽい格好のムカデ風魔族であるムカディラ君も弱かったって言ってたし、やっぱ人間弱いな。
もともと人間だった身としては積極的に殺めるつもりはないけど、配下が食いたがる分にはどうぞ?って感じ。
ま、私は充実した魔族ライフを送っているというわけですよ。
それなのに、それなのにぃ!
どういうわけか朝起きたら、周囲の地形が全然変わってた。
ナニコレ?
窓の外を見る。
一旦閉める。
もう一度開けて見る。
やっぱり山がない。
昨日まで、あそこには山があった。
そこそこ高くて、夕方になると城に影を落とすので、いつか崩そうとは思ってたんだ。
代わりに変な四角い建物がいっぱいある。
……ビルかな?
いやいやいや。
文明が違うだろ。でも、自慢の八つの目をどう凝らしてもビルにしか見えない。
「大変ですよタランガ様!世界が変です!」
キヴィラちゃんが玉座のある私の部屋に駆け込んできた。
「そりゃ見たらわかる。具体的に何がどう変なの?」
「今から調べてきます!」
「はいいってら~」
さて、私の方でも調べなきゃ。
「ムカディラ〜、兵集めて君も調査に出てくれる?私もちょっと調べるわ」
「承知しました」
部屋の外に控えていたムカディラにも調べさせる。
キヴィラちゃんは強いけど、どっか抜けてるところがあるからね。
調べ物させても成果はないだろう。
こういうのは真面目なムカディラがいい。
私は私で外に出ると、飛行魔法で空に飛び景色を睥睨する。
土地が区切られ、バラバラに入れ替えられたみたいに別々な景色が乱立している。
これは……召喚魔法で物体を移動させた時の事象と似てるね。
わずかに残る空間の歪みもそれっぽい。
ただ、規模がおかしい。
見渡す限りが全て同じように混沌としている。
ちなみに、私はすごく目がいいので私の見渡す限りは地平線までだ。
つまりすっごい広い範囲がそうなってる。
これどうすっかなー。
召喚魔法つったって、これは明らかに度を超えてるし。
私の魔力でも、ここらを転移させるだけで精一杯だろう。
大魔王様ならいけるか?
でもこんなことするなら言って欲しいよね。
私の領地に張り巡らせてた監視網の糸が切れちゃってるよ。
そう思っていると、キヴィラちゃんがなんかを持って超スピードで飛んできた。
「タランガ様!変な人間がいました!」
キヴィラちゃんがコウモリのように足でむんずと掴んでいるのは、パワードスーツのようなものに身を包んだ二人の人間。
確かに変だね。
でも私の興奮はそれ以上だ。
なんで急にSFっぽくなってんの⁉︎
しかも手に持ってるのはやたらメカメカしい銃だし。
「なにそれ!めっちゃ欲しいんだけど!」
「献上します!」
「ナイス!」
キヴィラちゃんから二人の人間を受け取ると、城に戻って尋問を開始する。
キヴィラちゃんが高速で飛ぶから、負荷がかかりすぎて気絶しちゃってたみたいだ。
ついでにボロボロだったので、魔法で回復してあげた。
「へいへい、起きろー。起きないと殺すよー」
「ハッ⁉︎俺は…変な女に襲われて…」
それはキヴィラちゃんかな。
私はもっと別のことが知りたい。
銃。パワードスーツ。
科学があるんだ。
ぜひ欲しい。
「君はどこから来たのかな?その武器は何?使い方は?今の世界で何が起きてるか知ってる?」
「え、人間…?ヒッ!?」
私のことを人間と勘違いしてるみたいだから、そこは正しておく。
まあ確かに、私は他の魔族と比べても人間よりの見た目してるけどさ。
目を八つ見開き、背から生える二対の腕を見せびらかすと、兵士っぽい二人は分かりやすく怯えた。
「違うよー魔王様だよー。質問にさっさと答えなー」
脅しながら話を聞くと、こういうことだった。
こいつらは高度に発達したAIことロボットに滅ぼされそうになっている世界の人類で、『反機械戦線』とかいう組織に所属しているらしい。
そして滅亡の危機に瀕した人類は、異次元ゲート発生装置で別世界の人類に助けを求めた、と。
世界が繋がった理由はこれかな?
それでここまでのことができると思えないけど・・・。
そういえば、勇者がどうこうしている裏で人間の魔術師が何かをしているのを監視網で聞いたな。
もしかしてこちらの世界の人類も同じことしようとしてたとか?
双方向からの干渉なら、まだ納得がいくかもしれない。
でも明らかに、そうじゃない景色も混ざってるんだけど。
「ふーん。まあいいや。利用価値ありそうだし生かしておいてあげる」
兵器類はぜひとも再現したい。
私の魔法と組み合わせれば一体どれほどの相乗効果を発揮するのか……夢が広がるね!
けど、敵のロボットのほうが技術凄そうだし、そっちのほうが興味ある。
配下に二人を牢屋に入れるよう伝えると、未だ調査を続けているであろう戦闘幹部の元へ再び飛翔する。
キヴィラちゃんはまだ空中で右往左往してるね。
ムカディラはなんかと戦ってるし、行くならムカディラの方かな。
そう思って飛んでいくと、ロボット相手に私の兵士たちが戦っていた。
「おーいムカディラ。敵はどう?」
「大したことはありません。ただ、預かった兵を死なせてしまいました」
「そんぐらい別にいいけど。ムカディラもしかして
大魔王軍の戦闘幹部の中でも、ムカディラは強いほうだ。
普通は一つの師団につき4~5人いる戦闘幹部がうちには2人しかいないのも、2人で同等以上の戦闘能力があるからなんだよね。
キヴィラちゃんとかは、第11魔王ジャチのとこにいる兄のキヴァより数段強い。
その分頭が弱いけど。
そのムカディラが
ま、私みたいな強い魔王は、ムカディラの100倍以上強いけどね!
弱い魔王はムカディラでもわんちゃん勝てると私は思っている。
人型のロボットが、ムカディラの刀で切り捨てられる。
「ほーん。それ以上壊さなくていいよ。この辺で保管庫作って研究するから」
「承知しました」
GPSとかで私の城を特定されてミサイルとか打ち込まれたら最悪だ。
核兵器とかも視野に入れるべきだね。
同じくらいの威力を出せる魔法なら既に開発済みだし、私はその程度じゃ死なないけど、それでも実際に食らうのは話が違うし。
魔力糸を周囲に張り巡らせ、岩や木を繋ぎ合わせ、人間が作る要塞なんぞ屁でもない強固な施設が出来上がった。
これぞ大魔王軍技術開発担当の力!
生物ばっかりいじくってるディーガナザルとは違うのだよ。
色んな分野を制覇してこそだよね。
ちなみに、何人かの魔王のお城は私が作った。当然、自分のもね。
やっぱ有能だわ私。
ま、とりあえずここに保管しといて、もうちょい情報を集めようか。
兵士を数千人集めて号令をかける。
「地形や生物の情報を集めて、見慣れない人間がいたら連れてきて。よくわかんないのがいたらキヴィラちゃんかムカディラに連絡して判断を仰ぐこと。魔法とか使う見慣れた人間だったら食ってよし。行け!」
四方八方に散らばっていく魔族の兵士を眺めながら、私はとあることを思いついた。
そうだ。
大魔王軍には情報担当がいたじゃん。
彼女に聞いた方が早そうだ。
というわけで、早速
『おーいニュドー。聞こえるー?』
連絡先は第19魔王ニュドー。性悪で計算高いけど、見慣れたら割と可愛いくて表情豊かなところがチャームポイントな私の友達だ。
『オヤオヤこれはタランガ殿。どのようなご用向きでありますカナァ?』
『やだなぁ。分かってるでしょ?今の世界すごいことになってるじゃん。情報共有よろ☆』
『ヌフフフフフ、貴方のそういうところ、嫌いではナイですヨォ?対価は当然あるんデショウね?』
『もちろん!未知の道具の解析結果はニュドーに一番に報告するし、再現出来たらあげるよ!』
『ヌフフ、大魔王軍一番の技術者である貴方にそう言われては、乗るしかありマセンねぇ。その言葉、忘れないでくださいヨォ?では私に分かっている範囲デ、お教えしまショウか・・・』
ニュドーは新しいことと企みが大好き。私も大好き。気が合うってこういうことだよね。
私も分かっている範囲で情報を共有して、ニュドーと現状の擦り合わせをする。
案の定というか繋がったのは二つの世界じゃなかったようだ。
ニュドーは既に、13の世界を確認したとのこと。
はえー。
私なんか寝てたのに。
やっぱ情報係はやることちげぇや。
ってか13って多過ぎね。
しっちゃかめっちゃかじゃん。
理由については、私の推測通りだったっぽい。
『異なる世界へ救援を求めた、ト?』
『そ。こっちの人間も、勇者の裏で何かやってたじゃん。あれと繋がったんじゃない?』
『……なるほどォ。こちらでも、魔術師どもが大規模な召喚を準備してイタという報告がありマス』
『一つの世界を呼んだら、向こうも呼んでた。で、ほかにも同じことしてた世界があった、とか?』
『仮説としては、十分に調べる価値がありマスねぇ』
そして最も重要な、敵について。
『まだそこまで確認できてはおりませんネェ。私の情報は大体が捕らえた人間からのものデスから』
『分かってる範囲でいい。脅威になりそうなやつから!』
それからニュドーが挙げたのは、以下の通りだ。
『巨人族』。
巨大な人間。知能は低いが強靭な肉体を持つ。既に魔族の兵士の集団が殺されている報告多数。
リーダーとして、大首長ギンバックとその息子である百腕兄弟とやらがいるらしい。
『ロボット』。
私がさっきみたやつ。魔族兵士くらい強いし、上位個体は戦闘幹部ともやり合える。
ニュドーはロボットたちに何らかの懸念点を感じてるみたいだ。多分学習能力とかについてだろうね。
『大自然』。
自然がそのままめっちゃ強くなったような感じらしい。
緑の森、青の森、赤の森、黒の森など様々だが、どの森でも危険な暴獣がうろついているとのこと。
所詮獣だとは思うが、まあ油断はしないでおこう。
『パラサイト』。
寄生生物。存在のみ確認、まだ魔族に実害はなし。話によると寄生してから出てくるまでに結構時間がかかるらしいので、本当にまだ実害が出てないだけだと思われる。どうなるのか楽しみだね。
『新人類』。
性能高めの人間。見た目が良くておしゃれ。でも魔王から見ると弱いらしい。文化には興味あるよ。
『無法者』。
ただの人間。武装しているらしい。これ敵じゃないだろ。
『呪い』。
よくわからんけど、土地を腐らせるらしい。私はむしろ、それを引き起こす錬魂器とやらに興味が湧いた。要研究。
こっからはニュドーの情報網をもってしても未知だ。
『宇宙人』。
めちゃんこ強いという話を人間から聞くけど実在してるかわからない。でも多分いる。
『ゲーム』。
これも人間からの情報のみ、謎。
『世界樹』。
一本の超でかい樹。詳細不明だが有用そう。
『神』。
人間からの情報のみ。いるのか?いるんだろうね。これは強そうだ。
『大怪獣』。
人間からの情報のみ。あーこれは見てみたい。でも強そう。
こんな感じかな。
ちょっと、なんだろうな。めっちゃ面白いことになってるんですけど!
『最後に一つ。異なる世界の人間が集合しているようデス』
『え!それ各世界の技術者もいるってことかな!?』
『その可能性は高いでしょうナァ』
『じゃあ私潰す前に見てくるよ!』
それは行くしかないんだよね。
潰すか潰さないかは行ってから決める。
どうせ人類なんて何もできやしないんだ。やってもやらなくても同じだ。
『ヌフフフフ、止めはしマセンがお気をつけテ。貴方なら大丈夫でしょうけどネェ』
『そりゃもちろん!心配無用さぁ。じゃあね!』
ニュドーとの
どうせニュドーは私のこと監視してるし、そんなら最初からあけすけでいたほうが気が楽だ。
技術独占なんて考えてないしね。
結局、私が一番上手く扱えるんだから。
んじゃ、ニュドーから教えてもらった人類の集まる場所とやらにレッツゴーだ。
「ひゃっほーい!」
高速で飛行し、衝撃波で大地を撫でながら私は飛んだ。