元サラリーマンの森川昂輝は、異世界へと転生し、勇者パーティーの前衛「コウキ」として魔王討伐の旅に参加していた。

そんな彼の心を奪ったのは、類まれなる美貌と高い回復魔法の才能を持つ聖女、セシリア・アクアレイン。

仲間として旅を続けるうち、コウキは彼女への想いを隠せなくなっていく。

そして迎えた魔王城での最終決戦。

「セシリアちゃん、俺と付き合ってくれ!」

まさかの決戦直前、魔王を目の前にして堂々の告白!

生真面目で純情なセシリアは真っ赤になって大混乱。魔法使いのミカナからは呆れられ、魔王からすら無視されたことに怒りを買う始末。

それでもコウキは、仲間を守り、セシリアを守るために最後まで諦めない。

世界の命運を懸けた魔王との決戦と、勇者と聖女の恋の行方。

最強の魔族が存在しない「もしも」の世界で、陽気で真っ直ぐな転生勇者と、恋に不器用な聖女が織りなす、笑って戦って最後には心まで救われる異世界ラブコメディ!

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はじめまして。

この作品は、『勇者パーティーにかわいい子がいたので告白してみた』を原作とした二次創作SSです。

原作とは異なるIF展開・オリジナル主人公・転生/憑依要素を含みます。

本作では、原作の世界観やキャラクターを土台としつつ、「もし別の世界線で、主人公が勇者パーティーの中にいるかわいい女の子に一目惚れして、真正面から告白したら?」という発想から物語を描いています。

原作とは異なる設定や展開、キャラクター同士の関係性が描かれますので、原作そのままの展開を期待される方はご注意ください。

また、AIを利用して本文を作成・構成しています。

それでも、「こういうIFも面白い」と感じていただけましたら、最後まで楽しんでいただければ幸いです。



転生勇者は魔王城でも愛を叫ぶ! ~カタブツ聖女のガードを崩す、直球すぎる恋の攻略法~

 ――魔王城、最深部。

 

 巨大な玉座の間には、息苦しいほど濃密な魔力が満ちていた。

 

 天井を這う黒い魔力が、まるで生き物のように蠢いている。

 

 正面には、禍々しい玉座。

 

 その玉座に座る魔王が、赤い瞳を細めて勇者一行を見下ろしていた。

 

「よくぞここまで来たな、勇者よ」

 

 低く響く声。

 

 床が震える。

 

 普通ならば、ここで勇者は剣を構え、魔王に宣戦布告でもするところだろう。

 

 しかし。

 

「なあ、セシリアちゃん!」

 

「……はい?」

 

 勇者コウキは、隣に立つ聖女へ勢いよく振り返った。

 

「俺と付き合ってくれ!」

 

「…………」

 

 沈黙。

 

 魔王も沈黙。

 

 魔法使いのミカナも沈黙。

 

 そしてセシリアは――。

 

「………………え?」

 

 数秒遅れて、顔を真っ赤にした。

 

「え、ええええええええっ!?」

 

 聖杖を両手で握りしめたまま、セシリアが飛び上がる。

 

「ちょ、ちょっとコウキ!? いま何を言ったんですか!?」

 

「だから、付き合ってほしい!」

 

「聞こえています! 聞こえているから驚いているんです!」

 

「よかった!」

 

「よくありません!」

 

 セシリアの顔が耳まで真っ赤になる。

 

 コウキはそんな彼女を見て、満面の笑みを浮かべた。

 

「いやぁ、ずっと言いたかったんだよ!」

 

「な、なぜ今なんですか!」

 

「だって魔王城だぞ?」

 

「だからです!」

 

「これから魔王と戦うんだぞ?」

 

「だから余計にです!」

 

 セシリアは頭を抱えた。

 

「普通はもっとこう……戦いが終わって、平和になって、それから告白するものではありませんか!?」

 

「でもさ」

 

 コウキは少しだけ笑みを弱めた。

 

「戦いが終わったあとに、俺がちゃんと生きてる保証なんてないだろ?」

 

「…………」

 

 その一言に、セシリアの表情が固まった。

 

「それに、言わないまま死んだら絶対後悔する」

 

 さっきまでの軽い調子とは違う。

 

 コウキの声は、真っ直ぐだった。

 

「俺はセシリアちゃんが好きだ」

 

 セシリアの胸が、大きく鳴った。

 

「仲間としても大切だ。でも、それだけじゃない」

 

 一歩。

 

 コウキが彼女へ近づく。

 

「笑ってるところを見ると嬉しいし、怪我してたら心配になる。誰かに褒められてると、なんか俺まで嬉しくなる」

 

「……コウキ」

 

「だからさ」

 

 コウキは照れ臭そうに頭を掻いた。

 

「魔王を倒したら、俺と一緒に村へ帰ってほしい」

 

 セシリアは俯いた。

 

 胸が苦しい。

 

 けれど、それは嫌だからではない。

 

 むしろ逆だった。

 

 嬉しくて。

 

 嬉しくて仕方がないから、どうしていいのか分からない。

 

「……ずるいです」

 

「え?」

 

「そんな顔で……そんなことを言われたら……」

 

 セシリアは聖杖を握る手に力を込めた。

 

「断れるわけ、ないじゃないですか……」

 

「……え?」

 

 今度はコウキが固まった。

 

「え、じゃあ……」

 

「まだ返事はしてません!」

 

「でも今のって!」

 

「まだです!」

 

「じゃあ脈はある!?」

 

「知りません!」

 

 真っ赤な顔でそっぽを向くセシリア。

 

 コウキは一瞬だけ呆然としたあと――。

 

「よっしゃあああああ!」

 

 拳を天井へ突き上げた。

 

「うるさい!」

 

 ミカナの杖がコウキの頭を直撃する。

 

「痛ぇ!」

 

「魔王様の前で何をいちゃついてんのよ、あんたたちは!」

 

 そこでようやく、魔王が咳払いをした。

 

「……そろそろよいか?」

 

「「あ」」

 

 二人揃って魔王を見る。

 

 魔王は額に青筋を浮かべていた。

 

「貴様ら……我を無視して恋愛相談をするとは、随分と余裕ではないか」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 セシリアが慌てて頭を下げる。

 

 しかしコウキは大剣を握り直すと、ニカッと笑った。

 

「悪いな魔王!」

 

「なに?」

 

「俺たち、これからお前を倒して帰らなきゃいけないんだ!」

 

「ほう……」

 

「セシリアちゃんとの約束があるからな!」

 

「まだ約束してません!」

 

「細かいことはいい!」

 

「よくありません!」

 

 魔王のこめかみに血管が浮かぶ。

 

「……殺す」

 

 次の瞬間。

 

 凄まじい魔力が爆発した。

 

「来るぞ!」

 

 ミカナが叫ぶ。

 

 黒い炎が一斉に放たれる。

 

「セシリア!」

 

「はいっ!」

 

 コウキが前へ飛び出した。

 

 大剣を振り抜く。

 

 轟音。

 

 黒炎が弾け、玉座の間を熱風が駆け抜けた。

 

「ぐっ……!」

 

 衝撃でコウキの身体が大きく吹き飛ぶ。

 

「コウキ!」

 

 セシリアの顔から血の気が引いた。

 

「大丈夫だ!」

 

 壁へ叩きつけられながらも、コウキは立ち上がった。

 

「この程度、全然――」

 

「嘘!」

 

 セシリアが駆け寄った。

 

「血が出ています!」

 

「え?」

 

 額から血が流れている。

 

 コウキは指先で触れてから、きょとんとした。

 

「……あ、本当だ」

 

「もう! コウキはすぐにそうやって無茶をするんだから!」

 

 セシリアが聖杖を掲げる。

 

 柔らかな光がコウキの身体を包んだ。

 

「私を置いていかないでください」

 

「……セシリア」

 

「あなたの怪我を治せるのは、私なんですから」

 

 声が震えている。

 

 その瞳には涙まで浮かんでいた。

 

「だから……お願いです」

 

 コウキは目を見開いた。

 

 そして。

 

「……うん」

 

 いつもの笑顔とは違う、優しい笑顔を浮かべた。

 

「絶対に帰る」

 

「……はい」

 

「セシリアちゃんを置いていかない」

 

「……はい」

 

「だから――」

 

 コウキは大剣を握り直した。

 

「一緒に魔王をぶっ飛ばそうぜ!」

 

「……ふふっ」

 

 セシリアは涙を拭った。

 

「はい!」

 

 二人が同時に前を向く。

 

「行くぞぉぉぉ!」

 

 コウキが駆ける。

 

 ミカナの炎がその横を走り、セシリアの聖なる光が背中を押した。

 

 魔王が咆哮する。

 

 大剣と黒い魔力が激突する。

 

 轟音が玉座の間を揺らした。

 

 それでもコウキは退かない。

 

「うおおおおおおっ!」

 

「コウキ!」

 

「任せろぉぉぉ!」

 

 セシリアの回復魔法が何度も彼を包む。

 

 傷ついても立ち上がる。

 

 吹き飛ばされても走り出す。

 

 何度倒されても、コウキは笑っていた。

 

 そして最後の一撃。

 

「これで――終わりだぁぁぁ!」

 

 大剣が魔王の胸を貫いた。

 

 凄まじい爆発が起こる。

 

 黒い魔力が霧散し、玉座の間を満たしていた闇が消えていく。

 

 静寂。

 

 やがて、城の外から朝の光が差し込んできた。

 

「……終わった?」

 

 ミカナが呟く。

 

 コウキは大剣を床に落とした。

 

「終わった……」

 

 その場にへたり込む。

 

「疲れたぁぁぁぁ!」

 

「もう……」

 

 セシリアが苦笑しながら近づく。

 

「本当に無茶ばかりして」

 

「だってセシリアちゃんとの約束があったからな」

 

「……約束、ですか?」

 

「そう」

 

 コウキは立ち上がった。

 

 そしてセシリアの前に立つ。

 

「魔王を倒して、生きて帰る」

 

 一度、深呼吸。

 

 今度こそ、ふざけない。

 

「だから、もう一度言う」

 

 コウキは真っ直ぐセシリアを見つめた。

 

「セシリア・アクアレインさん」

 

「……はい」

 

「俺と付き合ってください」

 

 セシリアは目を閉じた。

 

 胸に手を当てる。

 

 心臓がうるさい。

 

 けれど、不思議と怖くなかった。

 

「……はい」

 

「…………」

 

「私も……コウキのことが好きです」

 

「…………」

 

「……コウキ?」

 

「…………マジ?」

 

「はい」

 

「マジで!?」

 

「はい」

 

「うおおおおおおおおおおっ!」

 

「きゃあっ!?」

 

 コウキが両手を突き上げる。

 

 そのまま嬉しさのあまり飛び跳ね、セシリアの周りをぐるぐる回り始めた。

 

「やった! やったぞ! 俺、聖女様と付き合える!」

 

「ちょ、ちょっとコウキ! 恥ずかしいです!」

 

「だって嬉しいんだよ!」

 

「もう……!」

 

 セシリアは真っ赤になりながらも、笑っていた。

 

 そんな二人を見て、ミカナは大きなため息を吐く。

 

「……魔王を倒した直後にこれって」

 

 呆れたように肩を竦める。

 

「まあ、いいか」

 

 魔王城の窓から、朝日が差し込んでいる。

 

 長い戦いは終わった。

 

 そして――二人の物語は、ここから始まる。

 

「セシリアちゃん!」

 

「はい?」

 

「帰ったら何食べる?」

 

「……ふふっ」

 

 セシリアは笑った。

 

「そうですね。まずは――」

 

 隣を歩くコウキの手を、そっと握る。

 

「二人で食べに行きましょうか」

 

「……!」

 

 今度はコウキの顔が真っ赤になった。

 

「お、おう!」

 

「どうしたんですか?」

 

「いや……手、繋いだ……」

 

「……嫌でした?」

 

「違う!」

 

 コウキは慌てて握り返す。

 

「嬉しい!」

 

 その笑顔を見て、セシリアも笑う。

 

 朝日に照らされた二人の影が、並んで伸びていく。

 

 魔王を倒した勇者と、彼を支え続けた聖女。

 

 世界を救ったその日。

 

 二人はようやく――恋人になった。

 

 




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

今回は『勇者パーティーにかわいい子がいたので告白してみた』の世界観をベースに、「もしも転生者のコウキが勇者パーティーに加わっていたら?」というIF設定で、魔王討伐の最中にまさかの直球告白をするラブコメSSにしてみました。

魔王との決戦直前なのに恋愛を始めてしまうコウキと、真面目で純情ゆえに振り回されるヒロイン。

「魔王を倒すより先に、恋の決着をつける!」

そんな勢いで最後まで突っ走る、明るく楽しい読み切りを目指しています。

原作とは異なるIF設定やオリジナル要素を含む二次創作ですので、原作との違いも含めて楽しんでいただければ嬉しいです。

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

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