体調も良くなってきた為、投稿を再開させて頂きます。
と言いましても、新英雄対戦からの流れはノープランなんですが…
ドイツにあるバスタード・ミュンヘンの練習場には、選手たちの掛け声とボールを蹴る音が響いていた。
その中で、白瀬朔はいつもと変わらない様子で練習に取り組んでいた。
白い髪が動きに合わせて揺れ、淡い青灰色の瞳が周囲の状況を捉える。
パスを受け、相手の動きを見極め、次の瞬間には空いたスペースへとボールを運ぶ。
無駄のない動き――。
それでいて、相手の予測を上回る判断。
そのプレーは、年齢を考えれば十分すぎるほどに洗練されていた。
「白瀬、フロントから連絡が来ている。練習を中断して出てくれ」
コーチから声を掛けられ、白瀬は足元のボールを止めた。
「…分かりました」
短く返事をすると、白瀬は練習場を後にした。
呼び出された理由について、心当たりはない。
少なくとも、何か問題を起こした覚えはなかった。
白瀬は特に気負うこともなく、クラブの上層部が待つ部屋へと向かった。
「Plötzlich nach mir zu rufen, tut uns leid, Shirose.」
(急に呼び出してすまないな、白瀬)
「Nein, das macht nichts. Was gibt es denn heute?」
(いえ。それで、今日はどのようなご用件でしょうか?)
部屋に入った白瀬は、促されるまま席に着いた。
向かいに座る上層部の人間は、手元の資料を確認してから口を開いた。
「Du hast früher an einem japanischen Nachwuchsprojekt teilgenommen, richtig?」
(以前、日本の育成プロジェクトに参加していたそうだな?)
「Ja. Ich habe bei einem Spiel im Rahmen des Blue-Lock-Projekts als Mitglied der World Five mitgespielt.」
(はい。ブルーロックという施設で、世界選抜の一員として試合に参加しました)
「Blue Lock plant jetzt ein neues Projekt, bei dem die Spieler in europäischen Profiklubs trainieren und gegeneinander antreten sollen.」
(そのブルーロックが、今度は海外のクラブを舞台にした新たな計画を始めるらしい)
上層部の人間は、資料を白瀬の方へと向けた。
「Das Projekt heißt Neo Egoist League. Auch der FC Barcha, Manshine City, Ubers, Paris X Gen und unser FC Bayern München sind als Trainingsumgebungen vorgesehen.」
(新英雄大戦という計画だ。ブルーロックの選手たちが海外のクラブ環境で競い合い、自らの価値を証明するためのプロジェクトだ。我々バスタード・ミュンヘンも、その受け入れ先の一つになっている)
「Verstehe. Und deshalb wollten Sie mit mir sprechen?」
(なるほど。それで、僕に話が?)
「Genau.」
(ああ)
上層部の人間は頷いた。
「Dieses Projekt wird nicht nur den Spielern von Blue Lock, sondern auch unseren U-20-Spielern einen wichtigen Anreiz bieten. Der Wettbewerb mit talentierten Spielern aus einem anderen Umfeld dürfte ihre Entwicklung fördern.」
(今回の計画は、ブルーロックの選手たちだけでなく、我々のU-20メンバーにも大きな刺激になるだろう。異なる環境で育った才能と競い合うことは、彼らの成長を促すはずだ)
白瀬は資料に目を落とした。
海外からやってくる若い選手たち。
彼らを受け入れることで、クラブのU-20メンバーにも競争が生まれる。自分より優れた選手と対峙することもあれば、今まで意識していなかった相手に追い抜かれることもあるだろう。
それは、育成の場として決して悪い話ではない。
「Deshalb möchten wir, dass auch du an diesem Projekt teilnimmst.」
(そこで、君にも参加してもらいたい)
「Ich soll auch teilnehmen?」
(僕に、ですか?)
「Ja. Du gehörst zu unserer Nachwuchsabteilung und besitzt außergewöhnliche Fähigkeiten für dein Alter. Wenn du dich mit den Spielern von Blue Lock und anderen Talenten misst, wird das nicht nur dich selbst, sondern auch unsere U-20-Spieler voranbringen.」
(君は我々の育成組織に所属しながら、同年代でも抜きん出た実力を持っている。君自身がブルーロックの選手や他の海外クラブの選手たちと競い合うことで、君だけでなく、我々のU-20メンバーにも新たな刺激を与えられるはずだ)
白瀬は少し考え込んだ。
自分が参加することで、バスタード・ミュンヘンの選手たちが何を感じ、どう変わっていくのか。
それは、確かに興味深い。
ただ練習を重ねるだけでは得られない経験もある。異なる武器を持つ選手と実戦でぶつかり合えば、自分では気づかなかった課題が見つかるかもしれない。
「……Das klingt interessant.」
(……いいですね)
やがて、白瀬は小さく笑った。
「Ich denke, das wird sowohl für mich als auch für die anderen eine wertvolle Erfahrung sein.」
(僕自身にとっても、彼らにとっても、面白い経験になりそうです)
「Kann ich also auf deine Teilnahme zählen?」
(引き受けてくれるか?)
「Ja. Ich bin gespannt, wie sich unsere U-20-Spieler durch diesen Wettbewerb entwickeln werden.」
(はい。バスタード・ミュンヘンの選手たちがどんな変化を見せるのか、僕も見てみたいですから)
そう答えてから、白瀬は資料に視線を戻した。
ブルーロックの選手たちが、世界のクラブ環境でどこまで成長するのか。
それも、もちろん気になる。
世界選抜戦で対峙した35名の彼らは、まだ完成された選手たちではなかった。だからこそ、あの試合の後も、彼らがどのように変化していくのかには興味があった。
――だが、今回の参加を決めた理由は、それだけではない。
バスタード・ミュンヘンのU-20メンバーが、彼らとの競争を通してどこまで成長するのか。
そして、自分自身もその競争の中で何を得られるのか。
それを確かめる価値は十分にある――。
「Dann zählen wir auf dich.」
(では、よろしく頼む)
「Ich freue mich auf die Zusammenarbeit.」
(こちらこそ、よろしくお願いします)
こうして、白瀬朔の新英雄大戦への参加が決まった。
それから約一週間後。
ブルーロックでは、新英雄大戦の幕開けに向けた準備が進められていた。
絵心甚八の説明を受けたブルーロックの選手たちと、日本代表として戦ったU-20の選手たちは、提示された五つの環境から自らの進む場所を選んでいく。
スペイン――。
イングランド――。
イタリア――。
フランス――。
そして、ドイツ――。
それぞれの環境には、世界を代表するクラブと、その頂点に立つマスターストライカーが待っている。
どこを選ぶかによって、得られる経験も、競い合う相手も変わる。
選手たちは自らの武器や目標を考え、それぞれの選択を下していった。
そして――。
ドイツを選んだ選手たちは、バスタード・ミュンヘンがいる施設へと足を踏み入れていた。
潔世一。
雷市陣吾。
我牙丸吟。
黒名蘭世。
氷織羊。
五十嵐栗夢。
清羅刃。
雪宮剣優。
音留徹平。
それぞれが、これから始まる競争に期待や緊張を抱きながら、案内された場所へと向かう。
潔は周囲を見渡した。
そのとき、奥の扉が開いた。
バスタード・ミュンヘンのU-20メンバーが姿を現す――。
その中には、圧倒的な存在感を放つ男がいた。
ミヒャエル・カイザー。
そして、その傍らにはアレクシス・ネスの姿もある。
さらに、ドイツの選手たちの中に、潔は見覚えのある少年を見つけた。
白い髪に、淡い青灰色の瞳――。
白瀬朔――。
糸師冴に次ぐほど同年代では名の知れた、バスタード・ミュンヘンの下部組織に所属する天才MF。
そして、世界選抜戦で潔たちブルーロックの選手全員と対戦した相手でもある。
「……白瀬もいるのか」
潔は思わず呟いた。
白瀬がドイツの選手であることは知っていた。だから、ここにいること自体に驚いたわけではない。
ただ、世界選抜戦で対峙した相手と、今度は同じ舞台で競い合うことになる。
その事実を、改めて実感したのだ。
白瀬も潔の視線に気づくと、穏やかに微笑んだ。
「やあ、潔くん。久しぶり」
「ひ、久しぶり。白瀬……くん?」
自然と丁寧に返す潔。
世界選抜戦で見せつけられた圧倒的な技術に加え、白瀬は同年代でも特別な存在として知られている。年下だからといって、気安く接するには少しばかり距離を感じていた。
しかし、白瀬は不思議そうに首を傾げた。
「ん? そんなにかしこまらなくてもいいよ」
「え?」
「僕の方が年下なんだし、普通に話してくれて構わないから」
白瀬は、気負いのない笑みを浮かべる。
「それに、これから同じ舞台で戦うんだ。いつまでも他人行儀なのも、ちょっと寂しいしね」
「……そ、そうか。じゃあ、よろしくな、白瀬」
「うん。よろしく、潔くん。他のブルーロックメンバーもよろしくね」
白瀬は満足そうに頷いた。
世界選抜戦では、白瀬のプレーに圧倒された。
だが、今回は違う――。
この新英雄大戦で、世界の選手たちと競い合うのは自分たちも同じだ。
白瀬がどんなプレーを見せるのか。そして、自分がどこまで通用するのか。
潔は、目の前の舞台に意識を向けた。
その一方で、他の選手たちもバスタード・ミュンヘンのメンバーを観察していた。
カイザーの存在感は、初対面の相手にも強烈な印象を与えるものだった。
隣に立つネスもまた、カイザーとともに知られている。
そして白瀬朔も、ドイツ側の選手たちと並んでそこに立っていた。
世界選抜戦で見たときとは違う立場。
今度は、互いの価値を競い合う選手として、この舞台に立つことになる。
自分たちがこれから競い合う場所。
ここで結果を残せなければ、世界の舞台に立つことはできない。
そんな実感が、少しずつ湧いてくる。
やがて、彼らの前に一人の男が姿を現した。
――バスタード・ミュンヘンのマスターストライカー、ノエル・ノア。
現代サッカーの頂点に立つ男を前に、選手たちの視線が集まる。
ノアは彼らを一瞥すると、ドイツ語で淡々と告げた。
「Ich bin Noel Noa. Hier zählt Rationalität. Wer keine Ergebnisse liefert, hat keinen Platz.」
(俺はノエル・ノア。ここでは合理性を重視する。結果を出せない選手に、居場所はない)
だが、その言葉を理解できた者は、ブルーロックの選手たちの中には一人もいなかった。
聞き慣れない言語に、彼らは互いの顔を見合わせる。
ノアが何を伝えようとしているのか。
その表情や口調から、厳しいことを言っているらしいと察することはできても、正確な意味までは分からない。
そんな彼らの様子を見て、白瀬が一歩前に出た。
「ノアの言葉を訳すね」
そう告げてから、潔たちへと向き直る。
「ここでは合理性が重視される。結果を出せない選手に、居場所はない――そう言っているよ」
「結果を出せない選手に、居場所はない……」
潔は白瀬の訳を反芻した。
簡潔で、厳しい言葉だ。
だが、だからこそ分かりやすい。
この場所では、どれだけ努力したかではなく、何を結果として示せるかが問われるのだろう。
余計な飾りも、歓迎の言葉もない。結果を求めるという意思だけが伝わってくる。
潔はノアの姿を見つめた。
――世界の頂点に立つストライカー。
その男が求めるものは何なのか。
そして、自分はその環境で何を証明できるのか。
潔の思考は、すでに動き始めていた。
そんな空気の中、絵心の声が響いた。
「――さて、もう一人紹介する選手がいる」
そのとき、奥の扉が開いた。
選手たちが一斉にそちらを向く。
「別ルートからの生き残り、敗者復活戦を勝ち抜いた國神錬介だ」
現れた人物を見て、潔たちは息を呑んだ。
そこに立っていたのは、かつてブルーロックで共に戦った國神錬介だった。
だが、その姿は以前とは大きく変わっていた。
以前よりも鍛え上げられた身体。
そして、表情からはかつての面影が薄れている。
「國神……!?」
潔の目が見開かれる。
敗者復活のためのワイルドカードを経て、國神が戻ってきたのだ。
再会を喜ぶ間もなく、潔は彼の変化に意識を奪われていた。
いったい、何があったのか。
ワイルドカードで、何を経験したのか。
國神は周囲の視線を気にする様子もなく、その場に立っていた。
ブルーロックでの敗北を経て、彼が何を手に入れたのか。
それは、これからの新英雄大戦で明らかになっていくのだろう。
潔は國神を見つめたまま、拳を握りしめた。
世界には、自分の知らない強さがまだある。
白瀬朔も、カイザーも、そして戻ってきた國神も――。
この環境で生き残り、世界一のストライカーへと近づくためには、彼らと向き合わなければならない。
新英雄大戦――。
それぞれの思惑と才能が交差する戦いが、始まろうとしていた。
今更ですけどオリジナル主人公、白瀬朔のプレースタイルやらの情報を全然落としてないなと思いましたが、ここまで書きましたのでノリと勢いで見て下さい。
この先は現状ノープランの為、熟考すると思います。
次話投稿が遅くなりましたらすみません…。
※ドイツ語に関して…文章は自身で考えておりますが、翻訳等はAIを活躍しております。この作品のドイツ語部分全てで使わせて頂いてます。
ドイツ語分かりませんので…