ツッコミ役はアインズ様です。
アインズ率いるナザリックの面々は、魚雷ガールと対峙していた。
「どんなおふざけも許さない。なぜなら私は魚雷だから」
「…………デミウルゴスよ……」
「はい、アインズ様……」
「奴は……」
「ええ、アレでしょう」
「(アレって何?)やはりアレか……」
「ええ、アレです」
「(だからアレって何!?)ああ、アレだな!」
「しかし、アレが存在する筈が……」
「(だからアレってなんだよ!?)確かにな……」
「あなた……まさか伝説のボケ殺しなの……!?」
(アルベド、ナイス!けどボケ殺しなんてユグドラシルはどころか、他のゲームや神話とかの本でも聞いたことないぞ?)
「全てのおふざけを封殺する伝説の種族、ボケ殺し……。しかし、はるか昔に滅んだと聞いておりますが?」
デミウルゴスが問いかける。
「私はボケ殺しの唯一の生き残りなのよ!私だけが生き残った!なぜなら私は魚雷だから!」
「ボケ殺シダロウガ何ダロウガ関係ナイ!我ラニ敵対スルノナラバ殺スノミ!」
コキュートスはそう言い放ち得物を構える!
……しかしその先端には鯉のぼりが飾られていた。
「端午の節句はとっくに終わったわーーー!(執筆時:九月下旬)」
ドゴーン!
「グバハァ!」
「なっ!?」
魚雷ガールの突進で、コキュートスが簡単に吹き飛ぶのを見たアインズは激しく動揺する。
「(全く反応できなかった!それにあのコキュートスが明らかにダメージを受けている!?)皆気を付けろ!コイツのスピード、攻撃力は尋常じゃない!間違いなく今までで最強の敵だ!警戒しろ!」
「了解です!アインズ様!」
アインズの言葉にアルベドは威勢よく応える。
阿波踊りを踊りながら。
ドゴーン!
「ギャアー!」
「アウ!アルベド様がァ!やられてしまっっったァ!ヨウ!」
「お前もバカー!」
ドゴーン!
「
(違うんです!そいつのそれは制作者である私のせいなんです!彼は何も悪くないんです!)
パンドラズアクターが自分のせいでやられたことに、アインズはとてつもない罪悪感を覚えるのだった。
(フフ……この姿に戻るのも久し振りね……)
一方、魚雷ガールは飛びながら過去を懐かしむ。
(この姿になると昔を思い出すわ……)
『戦争反対ーーー!』
(反戦運動に参加していた頃を……)
「お前自分が魚雷なのにそういうことやってたの!?いや、良いことだけど!」
「恥ずかし魚雷ーーー!」
バキッ
「ぐばはっ!(え!?何で今私は殴られたでありんすか!?)」
困惑するシャルティアだった。
「そんな私も今じゃ有名ゲームクリエイターだなんて。世の中って不思議」
「そーなの!?」
「本当よ。これが私の作ったゲームアプリ。ジャンルは恋愛シミュレーションよ」
魚雷ガールはそう言うと、どこからかスマホを取り出し画面を見せる。
そこには……
『ソフ×ギョラ♡私たちの愛は艦隊殲滅戦の如し』
そんなタイトルと共に茶色いとぐろを巻いた、どう見てもウンコにしか見えない頭の男と魚雷ガールの画像が映し出されていた。
「何だコレ!?こんなマニアック過ぎるゲームやる奴いねーだろ!」
配信開始からわずか一ヶ月ほどで、ツキノワグマを中心に大ブームを起こしたという。
「ツキノワグマ!?」
「自分の理想を詰め込み過ぎてちょっと恥ずかしいギョラ……♡」
「(……ってことはこのウンコ頭が好みのタイプなのか、この魚雷……)と、とにかく皆気をつけろ!コイツのペースに乗せられてふざけたら突っ込まれるぞ!」
「そうですゼェェェ!皆さん!ふざけては!ダメ!です!よォォォ!」
「テメーの存在が一番ふざけてんのよーーー!」
ドゴーン!
「
(ですよねー!設定した私も、おふざけが過ぎたと思いますもん!ホンットふざけ過ぎていてすみませーん!)
「で、ですが……あなたの存在も……私と同じくらい……ふざけていると思いますが……?」
「私はいいの。魚雷だから」
「我々が反応できない速度……。そして威力も高く、それでいて狙いは的確……。このような攻撃を可能にするとは……」
「ええ、アインズ様の考えている通りです」
「え?デミウルゴス?」
「おそらく奴には、目標を確実に撃破するための高機能N-3型自動追尾センサーが搭載されております。そのセンサーの電動リアクターが380kwに達するとメインエンジンにロックアウトがかかり、起爆させ、エンジンの最大噴出力を上昇させることができるのでしょう……」
「……デミウルゴスよ、それは本当か?」
「いいえ、デタラメです♡ゴロにゃーん」
「どんなおふざけも許さないわよーーー!なぜなら私は魚雷だからーーー!」
ドゴーン!
「ぐはぁーーー!」
「そして私も!アインズ様への嘘偽りは絶対に許さないーーー!なぜなら私はアルベドだからーーー!」
ドゴーン!
「ぎゃあーーー!」
(アルベドも飛んだーーー!)
「そのままついでにシャルティアにもどーん!」
ドゴーン!
「ぎゃあ!」
「何で!?」
「全く……揃いも揃ってバカばっかりだね。あんなヤツのペースにまんまと乗せられて……。ボクは絶対に奴のペースに乗ったりしないよ」
そう言うアウラはカブトムシの着ぐるみを着ていた。
「ふざける前に潰す!」
「ギャアアアァァァ!」
ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!
「…………」
「ど、どうしましょう……。このままじゃ僕たちに勝ち目はないですよ……!」
「落ち着いて下さいマーレ様。奴のあの攻撃は、あくまでもおふざけに反応して発動するもの。ならばふざけずに戦えばいいだけの話」
そう言うとセバスは前に歩み出て構える。
「な、成程……。確かにこれなら大丈夫そうですね……!」
「さあ、この『ニャンニャンアーマー』を装備した私に勝てると思うならかかって来なさい……!」
「
ドゴーーーン!
「「ギャアアアァァァ!」」
(ふざけたツッコミをしたマーレもろともやられたーーー!)
「そこまでですぞ魚雷ガール!いずれナザリックを支配する、このエクレア・エクレール・エイクレアーが相手になりましょう!」
新聞紙で追った兜をかぶり、孫の手としゃもじを両手に構え、そう言い放つエクレア!
そんな彼に対して魚雷ガールは……
「……………」
何の反応も示さなかった。
(アレ?私は無視ですか……?)
「私の目が黒い内は一切のおふざけを許さない!何故なら私は魚雷だから!ギョライギョライギョライギョライ!」
「それ笑い声なのか!?」
「あ……やだ……。こんな時にくしゃみ出そう……。は……は……対空ミサイル!」
「イヤ、今の流れでそのくしゃみは無理があるだろ!」
「守護者様たちがこうも苦戦するとは……!」
「どうするユリ姉?」
「奴は危険過ぎます。プレアデス全員で包囲するように陣を組み、迂闊に動かず様子を見て、隙ができたら仕掛けましょう」
「「「「「了解!」」」」」
さっそくプレアデスの面々はユリ・アルファの指示通り、魚雷ガールを包囲するように待機し、身構える。
「フフフ……もうふざけた奴はいないかしら?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
緊迫した空気の中……
「…………」
パカッ
「「「「「!?」」」」」
不意にルプスレギナの頭巾の部分が開き、中から平安貴族が現れる。
「いないでおじゃる」
「「「「「!」」」」」
「発見!」
ドゴゴゴゴゴゴーーーン!
「「「「「ルプスレギナのバカーーーッ!」」」」」
「ごめんっすーーー!」
「隙あり!」
「!?」
その時、咄嗟にセバスが飛び出し、背後から魚雷ガールの両腕を掴み拘束する。
「よし!捕まえましたよ!今の内に攻撃を……!」
「きゃあああ!痴漢!」
「ゴフッ!」
しかし、次の瞬間魚雷ガールはあっさり拘束を振りほどき、セバスをボコボコにした。
「いくら私が可愛いくても社会のルールはちゃんと守らないとダメ!これは立派な犯罪よ!」
地面に伏したセバスに説教をする魚雷ガール。
「今回は見逃してあげるわ。行きなさい」
「ハイ……」
トボトボと歩き出すセバス。
「頑張れ。少年」
そんな彼に向けてエールを送る魚雷ガールに対してナザリックの面々は……
((((((((((ウゼェーーー……))))))))))
絶大な不快感を抱くのだった。
(しかしこの魚雷ガール、色々とぶっ飛んだ存在だな……。仮にこいつがキャラクターだとしたら、プレイヤーキャラにしろNPCにしろ製作者は一体何を考えて作ったんだ?)
「あ、そういえばクロスワードやりかけだったギョラ。『縦の③:船を沈没させる兵器』二文字目が“ヨ”の四文字の言葉……。『横の⑤:船を沈没させる兵器』一文字目が“ギ”で三文字目が“ラ”の四文字の言葉……。うーん……難しいわね……」
(く……諦めてはダメよアルベド!アインズ様の敵は全て排除しなくては……!きっと何か奴を倒す方法がある筈……!考えるのよ……!考えろ考えろ考えろ……)
「(考えろ!)う~ん」
題名:考えるアルベド
「彫刻になったーーー!」
「ふざけないでーーー!」
ガシャーン!
「ごふっ!」
「アルベドがやられた!マーレ、僕たちもあいつを倒す方法を考えるよ!」
「う、うん……!」
「考えろ……考えろ……」
「考えろ考えろ……」
「「(考えろ!)う~ん」」
題名:アウラ誕生
題名:マーレ誕生
「今度は絵画になったーーー!」
「う~ん」
題名:考える魚雷
「そしてお前が考えるのかよ!」
「何で私が考えるのよーーー!」
ドゴゴーーーン!
「「勝手にやったくせにーーー!」」
ポクポクポク……
「ん?」
不意に単調な音が聞こえ始め、アインズが見てみると……
(考エロ考エロ考エロ考エロ……)
修行僧の格好をして座禅を組むコキュートスと、その隣で木魚を叩くエントマの姿があった。
「そこの二人何やってるの!?特にエントマの方!」
「コッキュウさんが考える時にはぁ木魚の音が不可欠なのですぅ」
「コッキュウさんって何!?一休さん的な何か!?」
「ハイ、そこ二人アウトーーー!」
ドゴゴーーーン!
「「ガハァ!」」
「そこまでですぞ魚雷ガール!このエクレアが相手です!(さあ、頭にはクリスマスツリーを被りサンバの衣装を着用!下駄を履いて両手には長ネギと大根!これでどうです!?)」
「……………」
(ここまでやっても無視されるのですかー!?)
「くっ!どうして!?」
そういうアルベドを始め、涙を流しながら守護者女性陣は膝をつく。
「どうしてやられるのメェー!」
「私たちはさっきから全然ふざけていなのにパオーンでありんす!」
「どうしてサラダバー!」
「イヤ、思いっ切りふざけてるから!何故に動物のマネ!?しかもアウラがやってるそれって何の動物!?」
ドゴッ!
「「「ギャアアアァァァーーーッ!」」」
ふざけまくる三人に容赦なく突っ込む魚雷ガール!
「このまま三人とも地の果てまで運んでやるわ!なぜなら私は魚雷だからー!」
「ふふ……引っ掛かったでありんすね!」
「!?」
……と、三人の先頭にいるシャルティアが不敵な笑みを浮かべ、魚雷ガールの頭を両手で掴む。
「私たちの狙いは最初からこれだったでありんすよ!こっちは三人がかり!このまま突進を止めてやるでありんす!さあ、やるでありんすよ二人共!」
そう言って後ろを振り返るシャルティア。
「……ってアレーーー!?誰もいないーーー!?」
しかし、背後に二人の姿はなかった。
「そんな狙いは……」
「ない」
「「イエーイ!ないなーい!」」
そうしてアルベドとアウラはハイタッチする。
「……っ!やればいいでありんすよ!一思いにやるでありんす!」
ドゴーン!
「「シャルティアーーー!」」
「いや、お前たちのせいだからな」
「どんな些細なおふざけも許さない!なぜなら私は……」
そう言いながらATMにお金を振り込む魚雷ガール。
『ギョライ円 振込完了しました』
「魚雷だから!ヨシ、今月分の振込完了!」
「こちらもこれ以上あなたの好きにはさせませんよ」
「!」
「なんぜならコイツも魚雷だから!」
そう言うユリ・アルファの足元には……
「んーっ!んーっ!(放して!放して!)」
簀巻きにされ猿ぐつわを咥えさせられたソリュシャン・イプシロンが転がっていた。
「!?」
「ふざけてんじゃないわよー!」
「行くわよ!ソリュシャン!」
「んーっ!んーっ!(やめてーっ!やめてーっ!)」
ユリ・アルファはソリュシャン・イプシロンを抱えて魚雷に向かって行く!
本人の意志を完全に無視して。
「ギョラーーー!」
「ハアアアァァァッ!」
「んーっ!んーっ!(いやーっ!いやーっ!)」
ドゴーーーン!
「ブバハッ!」
しかし、能力の差が圧倒的過ぎたため、スライムのソリュシャン・イプシロンは一方的に粉微塵に砕け散った。
「相殺失敗!くっ!」
「こうなったら全員の一斉攻撃でアイツを倒すわよ!」
「「「「「「「「「「おおーーーっ!」」」」」」」」」」
アルベドの言葉で守護者やプレアデスたちは全員で一斉に向かって行く!
「両手は押さえました!」
「ギョラ!?」
「今の内に攻撃を」
「やだ!
すかさずナーベラルとシズ・デルタが両手を押さえる!
「イヤアアアーーー!寄ってたかって私の身体を弄ぶ気なのね!卑怯者!卑怯者ーーー!
卑怯者には魚雷旋風脚!!」
「「「「「「「「「「ぎゃあああああ!!」」」」」」」」」」
しかし、拘束はいとも簡単に解かれ、見事に全員返り討ちにされてしまった。
「ヒドイわ……私の身体が目当てでここまで呼び出したのね……。ケダモノよ……。アナタ達全員ケダモノよ……。―――――全員星座!!」
「「「「「「「「「「……………」」」」」」」」」」
アルベドたちは大人しく魚雷ガールの前に正座する。
「全く……」
魚雷ガールは先頭にいるアルベドの両肩に手を置き……
「アナタ達は私の可愛い生徒なんだからね……」
そう優しく語り掛けた。
そんな魚雷ガールをアルベド達は……
((((((((((ワケわかんねーよ……。この魚雷……))))))))))
この上なくウザイと思うのだった。
「さあ、過ぎたことはもういいわ。みんなちゃんと先生に謝って」
「「「「「「「「「「…………ごめんなさい」」」」」」」」」」
「誰が先生だーーー!!」
「「「「「「「「「「ぎゃあああああーーー!!」」」」」」」」」」
「全く、すぐふざけるんだから……。油断もスキもないわ」
「ちょっとあんた……今のは卑怯でありんしょ……!」
「どこ触ってんのよスケベ!」
「ぐふっ……!」
「(今だ……!)タイム・ストップ!」
魚雷ガールが足元のシャルティアに気を取られた瞬間、すかさずアインズは時間停止の魔法を発動させる。
「よし!奴の時間は止めた!このまま……」
「あら?時間停止?」
「!?」
「これはアナタの仕業かしら?」
「(ば、バカな……!?コイツ時間停止が効いていないのか!?だが……!)トゥルー・デス!」
カッ!
(よし!決まった!)
「今のは即死魔法かしら?」
「ば、バカな……!?」
「あ、アインズ様の魔法が……!」
「き、効いていない……!?」
想定外の結果にアインズだけでなく、守護者やプレアデス達も驚愕する。
「これで分かったかしら!?どんなチートを使おうと私には無意味!なぜなら私は「
「……………」
「……………」
「いや~最後の最後で決め台詞を邪魔してやりたくなっちゃったっす~!」
ドゴーン!
終幕
ネタがなくなったので終わりです。