とある学者の日記帳! in テイワット 作:セニョール・大介
原神のストーリーやスレを見返して一生懸命ストーリー考えてる最中なんです(´;ω;`)
層岩巨淵での出来事から一週間後──
「海だぁあぁぁ!」
俺たちは稲妻の出島と離月港を往復する定期船に乗船し、稲妻へと向かっていた。
「ねえ見てみて! 離月で商人から買った着物はどう?」
「……なんだそりゃ」
「もう! 郷に入っては郷に従えっていうでしょ? 稲妻の民族衣装なんだって! かわいいでしょ?」
「……動きにくくないか?」
「見るからに風通しが悪く、船旅には向きそうにないですね」
「お前ら!! 機能面でしか服を見れないの!? お洒落って知らないの?」
途中蛍がよくわからないことをしていたが、いつものことだ。だが、郷に入っては郷に従えという言葉には一理ある。
「……ザンディク。どう思う? 稲妻人に成りすまして稲妻調査とスメールの教令院の人間として調査をするのはどっちがスムーズにいくかな?」
「難しいですね。スメール近隣の諸国なら教令院の名前を出せばスムーズにいきますが、稲妻にまでその影響力があるかが心配ですね」
「現地民なりすましで行くか」
「それがいいですね」
調査のためには不断の努力が必要であるとスメールの学者である俺たちは知っているのだ。
「もう……。一人騒いでる私がばかみたいじゃん──」
「いや、蛍。異国の人間である俺たちが滞在する以上、確かに現地の習わしには従うべきだ」
「へ?」
「僕たちも稲妻の服装に着替えてきましょう。一応離月で確保してきたものがあるんです」
「ついに! ついにわかってくれたんだね!?」
蛍も賛成してくれているし、当面は稲妻の現地民になりすまして行動するとしよう。
──
「…………ねぇ? ベギダーとザンディク?」
「どうかしたんでぇ?」
「何かあったんでぇ?」
「いや、あの……。どうした、なにか、じゃないよ!? 何なの? その服装と口調は?」
む? 口調はともかく、俺たちの服装に何かおかしいとこなんてあるか?
「布子(ぬのこ)ともんぺ、脚絆(きゃくはん)でぇ! 稲妻の百姓にとっちゃこれが仕事着よ」
「使われてるのも木綿でして、稲妻の百姓が使う中では上等な素材でぇ」
布子(百姓とかが切る上着)、もんぺ(百姓の作業用のズボン)や脚絆(農作業時に足を守る装備)は稲妻の百姓の中では一般的な服装だ。ザンディクが何とか木綿でできてるやつを見つけてきてくれたから素材的にもおかしくないはず。
「……まあ服装については一旦……一旦……置いておけないよ! 何で農民の服なの!? 稲妻って言ったら着物でしょ? お侍でしょ!?」
「なにいってんだ? 侍なんて支配階級の真似なんかしたらバレた時が怖いだろ。そもそも人口、分布的には農民にまぎれた方がいろんなところに行きやすいだろ」
「そうですよ。むしろ蛍さんの方こそ素材がウールなのでおかしいですよ。稲妻の支配者階級の服装には絹や木綿がよく使われているので」
「急に素に戻るなぁ! というかお洒落とかそういうのじゃないの? なんで変装みたいな扱いしてるの!?」
やれやれ、蛍のことはいまだに理解できないことばかりだ。ザンディクの方にも確認するが奴も蛍の思考を理解できていないようだ。
「蛍はおちゃっぴーだがくわいのきんとんだな(訳:蛍はおしゃべりで元気な女の子だが呑み込みが悪いな)」
「たしかに。服もぞろっぺーし(訳:たしかに。服もだらしがないですしね)」
「やぼよーで意地を焼いちまうしな。あたじけないやつだし(訳:つまらないことで気を揉むしな。それにいろいろ難癖付けてくる欲深いやつだし)」
「お前らぁぁあ! 意味は分かんないけど、私のことをバカにしてるだろ! ニュアンスでわかるわ!」
ふむ。蛍はどうやら未知の言語についてもある程度の理解力を発揮するらしい。うらやましいことだ。ザンディクも目を輝かせてノートにメモしてやがる。
……俺も日記をつけたいが、海風で紙が痛んで記録が後世まで残らないのも癪だしなぁ。稲妻についてから書くことにしよう。
──
「おいザンディク、離月を離れてどのくらいだ?」
「……14時間くらいですね」
「だよな。この船は低く見積もっても時速20キロの速力がある。離月から300キロ近く離れた以上、監視の目はねぇ!」
「ええ。やることは一つです!」
「ああ、密漁だ!」
「何が密漁じゃ研究馬鹿ども!! 監視がないから無法行為するなんて……私悲しいよ……(グスン」
くそ! 皆が寝静まってる深夜を結構の時間にしたのに蛍が邪魔しに来やがった。なんで泣いてるのかとか不思議なことはいっぱいある。それに、蛍が言う通りだ。監視の目がないから無法行為を行っていいかと言われれば、もちろんダメだ。社会は人間のモラルに、良識を期待してるんだからな。
だけど、こっちも船員にモラ握らしてまで外洋のサンプル入手を狙ってんだ!
「密漁するぞ!」
「はい! 研究サンプルを手に入れる好機です! 見逃す必要性を感じませんね!」
「馬鹿ヤロウども!」
ああ、蛍に網と牽引用の器具を没収されちまった……。ちょっとくらいいいじゃんか! けち!
──
「~~♪ ~~♪」
「なあザンディク。蛍がああやって甲板の上を歩き回って何分になる?」
「……15分ほどですね。飽きないんでしょうか。というか、なんで平気なんですかね?僕ちょっと気分が……」
「吐くときは教えろ。お前のゲロに群がるのはどんな魚か観察してやる。でもまぁ、蛍って頭いいのにおバカだよなぁ──」
「誰がおバカじゃ!!」
「うげ。聞こえてやがった」
これが地獄耳ってやつかな? 聞こえてないと思ってたが迂闊だったぜ。
「ベギダーたちは船旅に風情とか覚えたりしないの? というか、こういう時こそ海洋観察とかすべきでしょ」
「夜に俺たちの研究を邪魔した奴が何言ってんだよ……。というか、船が動いてる時は観察したくてもできねぇよ。観察しようにも観察対象をじっくり見る暇もねえんだもん」
「……。ねぇ、ザンディクは大丈夫なの?」
「ただの船酔いだ。安心しろ。こいつは乗馬でも吐いたことがある。吐くのは慣れっこだ」
「……」
おい、蛍はなんで俺のことを変な目でみてるんだ?
──
こんな風に道中いろいろあったが──
「見て! 島だよ! なんかおっきいお城もあるよ!」
「やっと稲妻に到着だ!」
「ヤット……デスカ……。ヨウヤク、コノジゴクカラ……カイホウ……」
俺たちはついに稲妻にたどり着いた。全員無事で何よりだ!
船が離島に着くや否や俺たちは船からたたき出された。離月息の客の乗船手続きや荷の積み替えとかをしないといけないから余計な人員を船に乗せる余裕がないからだ。
「ねぇ、ベギダー! あれはなに?」
蛍が指さす先には離島から本島に向かう奴らを取り調べする武士の姿があった。
「幕府の人間だな。幕府が外国に対して排他的なもんで外からくる人間は取り調べを受けるのよ」
「へぇ……。大丈夫かな?」
「おい、なんでこっちをチラチラ見るんだよ」
「……」
なんか言えよ!!
──
「貴様……稲妻の者か?」
「へぇ。先月ウミユリを採取するため海岸をてくしてたのですが……波に浚われちまいまして……。お親切な離月の方に送ってもらったんでぇ……」
「それは大変だったな……。通ってよし! 以後気を付けるようにな若人」
はっは! どうだ! 俺は一発で検問クリアしてやったぜ! 何一つ本当のことは言っていないけど何とかなるもんだぜ!
「私は……ウッ、稲妻の越石村のものです。雷雨で……ウッ、気を失い、気づいたらウッ、稲妻と離月を結ぶ船に拾われまして……。這う這うのウッ、体で稲妻へと……」
「わかった! わかった! 災難だったな! 通れ! 通ってくれ! 頼むからここで吐くな! ただでさえ激務なのに仕事を増やさんでくれ! 薄給なんだよ……」
ザンディクも何とか入国成功。蛍は──
「怪しいやつ!! おとなしくお縄につけ!!」
「へ?」
なんかつかまってる! いとあはれなり……。
まあそうだよな。出身とか聞かれるんだもん。テイワットの外とか馬鹿正直に答えたら頭おかしいやつ認定だし、しっかり嘘つかないととっ捕まえられるに決まってらぁ。
……あれ? これ、俺らじゃ助けられなくね? 稲妻に伝手ないから助けたりとか無理だよ? 武力解放ももやしの俺らじゃ無理だしなぁ。
「……とりま、宿見つけるか」
「デスネ」
許せ蛍! うらむなら迂闊な自分をうらめよ! 俺は悪いことしてない!
俺たちは奉行所? だかに連れてかれる蛍の姿を見ながら城下町へと向かった。
──
宿をとり、しばらくすると──
──
『お尋ね者』
ベギダー・コーエン 長身痩躯の男。黒髪。百姓にまぎれている可能性あり。
ザンディク 長身痩躯の男。水色の髪。百姓にまぎれている可能性あり。
報奨金50,000モラ
──
蛍のやつ、俺らのこと売りやがったな!!!!!
感想、評価求む! インスピレーションとモチベーションはコメを頂いたことで一旦回復してますが、いつ無くなるかわかりません()
誤字脱字の報告がありました! 本当にありがとうございます! 今後とも誤字脱字の報告や解釈違いを教えていただければと思います!