“ねぇ、今度一緒にさ、出かけない?”
“どうした?藪から棒に”
突然のお誘いに困惑する。そりゃ当然だ、いや、当然ではないかもしれないが。友達だし妥当……か?
“えぇ〜、誘っただけじゃん”
“だとしても急だよ。そもそもどこ行くんだ”
“えっ?そんなのイルミネーションに決まってるじゃん”
“決まってねーよ。それになしてイルミ?そしてなして俺?”
そうだ、なぜ、突然イルミネーションに誘ってきたんだろう。えっ、本当になんで?ほかの女子やら男子誘えばいいんじゃないの?
“私が行きたいから”
“おーい、理由になってませんよー?”
“私が行きたいなら君は黙ってついてくるの!”
“んな横暴な”
酷い…わたくしの選択権はないというのですか!?本官は抗議します!!……ってのはさておき、暇だからいいけどさ。
“いつ?何時からどこに集合するの?”
“えっと………24日か25日がいいなぁーって”
“おまえ俺の家庭環境知ってて物申すか!?頭使えちゃらんぽらん野郎!!”
“あー!罵倒されたー。ひどい!訴えてやるー!!”
“妥当だろ!?クリスマスは無理だって知ってんだろうが!家で過ごすんだぞ!家で!”
“25日の夜はいけるでしょ!?”
“あっ、そうだったわ”
……忘れてた。テヘペロだな。
“ほら!あ〜あ、もう怒ったから!アイス奢ってくれなきゃ許さないなー!”
“あぁ、もうはいはい。わかったって”
“ハーゲンダッツじゃないとなー”
“おい滅茶苦茶だな!?”
こいつ……調子乗りよってからに……!!アホの子のくせして…!
“で、一緒に行くよね?”
“ん〜、お財布と親と相談だな〜”
うまく逃げれないかな、お金もったいないし。
“逃がすとでも〜?”
“くっそ、何故にバレた”
なぜバレたし……まさか心でも読んできてるのか!?
“お財布は余裕あるでしょ〜?銀行から下ろしてきてよ♪”
“ひっでーやつだな!?”
銀行でもたったの1万5000だってのに……
“わーったよ。前向きに検討してやる”
“わーい、んじゃ一緒に帰ろっか”
“俺部活”
“ならついてく”
“引っ付き虫かよ”
“ひっついてあげようか?”
“ヤメレ、暑苦しい”
“冬なのに?”
“………お調子者だなぁ”
全く……ガキだなこいつは。
“……ねぇ”
“ん?どした?”
“………いや、なんでも?”
“いや言い出したなら言い切れよ”
“ん〜……いや、冬だねって”
“当たり前だろもう時期12月だぞ”
“そうだけど……そうじゃないっていうか……”
“?”
“……なんでもない。楽しみだね”
“まだ行くとはひと言も”
“結局来てくれるってわかってるし〜”
こいつ確定事項のように……!
“ひでぇ……人の心って持ち合わせて”
“人の心?なにそれおいしいの?”
“滅茶苦茶だな”
“……冬っていいね”
“ん?まぁ、冬は好きだな”
“……ふふっ”
“どした?”
“ほら、早く部活行かないとじゃないの?”
“やっば!遅刻する!?じゃあな!「ふゆ」!!”
“はいはい、また明日”
最悪だ……怒られる!
“………ふゆが好きだなんて…言質取ったからね”
小さく”ばーか”と呟いてみる。冬の枯れ木の木の下で、走っていく幼馴染を見ながら。