無月の門で遊んでいた闇の王子『ザン』は門の中に飛び込んでしまった!その先に広がるのはクリーチャーワールド…ではなく、人間の街!?無邪気なザンと焦るボーダー隊員たちの行く末は!?



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闇文明の王子

ドゥポイズ、ザンバリー、グリギャン、ドゥシーザ…

開け!無月の門!

 

来い!デ・スザーク!!

 

…あれぇ?来ない…

 

開いたのに…なんで!来ない!

 

探しに行く…!

______________________

 

あ~~~〜…!?

うっぷ…気持ち悪い…

 

あ、デ・スザーク!!

迷子だったのかぁ?

 

早く出る!

 

穴は…あそこ!

 

行け!デ・スザーク!!

 

『シェアアア!!』

 

待って…早すぎ…!?

 

うっぷ…

______________________

 

『ゲート発生!ゲート発生!発生場所はボーダー本部上空!』

 

「なんじゃと!?」

 

「いったいどういうことだね?!」

 

「アレは…近界民のゲートトリガーではないじゃと!?いや、確定ではないがこれまでのゲートとは全く作りも違う…」

 

「迅は何処だ?」

 

「迅なら今日は用事があると言っていたが…まさかこれのことか?」

 

ボーダー上層部はこれまでのゲートとは異なる反応を示す、謎のゲートの発生により混乱を極めていた。

 

「取り敢えず、迅のやつに連絡を取れ!何が来るのかは分からずとも、多少の情報は持っとるじゃろう!?」

 

「連絡が取れるなら既にやっている…」

______________________

 

ここ、どこ…?

 

城じゃない…

 

「よう?大丈夫か?」

 

「だいじょばない…うっぷ…オロロロロロ」

 

「あちゃぁ…水要るか?」

 

「欲しい…」

 

「ほら」

 

ガラガラガラ…ぺっ

 

「スッキリ…!」

 

「そりゃ良かった」

 

「ここどこ…?」

 

「ここは玄界、お前、アッチの世界から来たんだろ?」

 

「アッチって、どっち?」

 

「近界」

 

「ザンは闇文明で生まれた、近界なんて知らない」

 

「おっと…闇文明ってのは?」

 

「クリーチャーワールドの一つ」

 

「…余計わからなくなったなぁ。取り敢えず、家来る?」

 

「行かない。ザン、帰る」

 

「…ラーメンあるぜ?」

 

「らーめん!!?ここにらーめんあるのか!?」

 

「…なんでラーメンだけ食いつきいいんだろうなぁ」

 

「らーめん!らーめん!」

 

父様から聞いた闇文明で食べられない美味しい料理!

食べれるなんて…!

 

「デ・スザーク!先に帰ってて!らーめん食べて帰る!」

 

『シャーーーー!!』

 

「…お土産にかっぷめんも持って帰る」

 

『シャ!』

 

デ・スザークも食べたことあるなんて…

なんで…?

 

「らーめんのオヤジ、どこ?」

 

「ん?オヤジって人は居ないけど、美味い料理作れる人なら知ってるから作ってもらおう」

 

「…それなら、らーめんすぺしゃる?ってやつ食べたい」

 

「はは!それは随分と食いしん坊だな!」

 

らーめん…

かれーぱん…

たこさんういんなー…

 

prrrrr

 

「はいはい、こちら実力派エリート」

 

『迅!電話にも出ないで何やってる!』

 

「そのイレギュラーゲートの対応ですよ。アッチの子供がコッチに迷い込んだみたいで、話だけ聞いてアッチに送り返そうかと」

 

『…そういう事なら、ちゃんと相談しろ。』

 

「…気をつけます」

 

『絶対だからな!』

 

「はい、じゃ。…よし、じゃあ行こうか」

 

「あとは…ばっどどっぐ!」

 

「ばっどどっぐ?なんだそりゃ…」

 

「燃えてるほっとどっぐってやつ!」

 

「…?ほんとに何だそれ…」

 

「話に聞いたことあるだけで見たことない…火文明にもあるらしいけど、昔いろいろあってまだ不仲だから行ったことない…」

 

「へぇ〜。…というか、結構偉い人?」

 

「闇の王子…!」

 

「…また、ウチに王子が増えるのか」

 

「王子いるの?」

 

「ああ、いるよ」

 

たまごクレープ…たこ焼き…和菓子…

 

「人型近界民を発見…!速やかに処理する!」

 

「ちょっ!?待…!」

 

スッ…

 

「なに!?」

 

「どうなってんだ?こりゃ…」

 

スッ…スッ…

 

「当たってねぇのか?」

 

「何だコイツは…!」

 

スッ…カキン!…スッ…カキン!

 

「鉛弾も…!」

 

「何だコイツ…そういうトリガーか?」

 

あとは…オムライス!

 

「ねぇ…オムライスも食べたい」

 

「いいけど…状況わかってる?」

 

「ん?…誰?」

 

「コッチの世界を外の世界の侵略から守る組織の隊員たちだよ」

 

「ふーん、それよりらーめん」

 

「ブレないねぇ…」

 

せめて、らーめん食べるまで帰らない…!

 

「無視するな!!」

 

「…うるさい」

 

「何故ソイツを生かす!答えろ!迅!」

 

「うるさい…」

 

「黙れ!近界民!!」

 

「ちょ!?やめろ秀次!」

 

殴ってきた…!もう怒った…!

 

グリギャン…!ドゥシーザ…!

ドゥポイズ…!ドゥサイコ…!

 

「開け…無月の門…!」

 

来い…!デ・ルパンサー…!

 

『ウワァァァン!!』

 

「壊せ…!」

 

ドガァン!!

 

『『トリオン体活動限界!ベイルアウト!』』

 

「静かになった…早く食べに行く」

 

「あ、ああ…その前にちょっと連絡するから待ってて」

 

「?うん」

 

prrrrr

 

『迅か!無事か!?』

 

「ええ…三輪がこいつのこと無駄に刺激したからちょっとキレてトリオン兵?で叩き伏せられたんですよ。陽介は巻き込まれましたね」

 

『…そうか…なら、速やかに話を聞いて、ちゃんとアッチに返してやれ』

 

「ええ、では。よし、さっさと行くぞ!」

 

「らーめん!」

 

らーめん♪らーめん♪

______________________

迅 視点

 

俺は今、よくわからない説明をされていた。

いや、分かるけど分かりたくない説明のほうが正しいか…

 

「つまり、遊んでたらコッチに来たと?」

 

「ズズズ…うむ。」

 

「…帰れるか?」

 

「たぶん…ズズズ…んむ」

 

「じゃあ、飯食ってお土産持って帰れよ」

 

「うん!ズズズ…」

 

まあ…一人で帰れずに戻ってくる未来がいくつか見えてるわけだが…それはそれとして、帰れる未来もあるし先に帰すとするか…

 

もし戻ってきてもなんとかできるみたいだし…

______________________

 

「帰ろうとしたら、どの文明でもないロボットに闇文明襲われてるからそっちに避難しとけって言われた」

 

「ああ…取り敢えず、揚せん食う?」

 

やっぱりか…

 

「あと、五文明とジョーカーズ星でこっちの世界を緊急避難先にするらしいよ」

 

「は!?」

 

マジかよ!?読み逃したか!?

…それとも誰も来なかっただけか?

 

「うん…取り敢えず、コッチに居れるようにやることやるぞ」

 

あー…仕方ないな…

暗躍開始だ…!

______________________

1週間後

 

「というわけで、コイツの一時滞在認めてやってよ」

 

「…この戦績を残すような近界民を見過ごすわけにはいかん。」

 

「なあ、ザン。お前のカード調べてもいいか?」

 

「カード?いいよぉ。んむ…ちゃんと返してね。」パクパク

 

「コイツの故郷のトリガー技術でどうです?」

 

「…トリガー技術を対価とし、こちらの防衛に協力するならば構わない」

 

「お前はそれでいいか?」

 

「ング…あの時のうるさいのみたいなのと一緒じゃないなら、いいよ」

 

「うるさい…?三輪のことか?」

 

「たぶん」

 

「…わかった。出来るだけ善処しよう」

 

サンキュー!忍田さん!

 

「…こっちでカード自由に使っていいの?」

 

「ああ。出来るだけ防衛時にのみ使ってほしいが…」

 

「わかった」

 

「ありがとう」

 

「よその世界を荒らしたいわけじゃないから。それに、真のデュエルは好きだけど、お互いにやる意思があるから楽しいし…」

 

「そ、そうか…」

 

やっぱ、ちょっとズレてるな…

そこも少しずつ直して暮らしやすくするか。

 

「ザン、こっちでの名前どうする?」

 

「名前?ザンじゃ駄目?」

 

「いいけど、苗字とか」

 

「苗字?…闇王は?」

 

「珍しくて目立つと思うぞ?」

 

「じゃあ…王子は?」

 

「それならウチにもいるな。勘違いされても、同姓って言えよ?」

 

「同姓?」

 

「苗字が同じってこと」

 

「ふーん…じゃあ、王子ザンって名乗るね?」

 

「OK。じゃあボーダーに入隊することになるから、その手続きに行こうか」

 

「うん」

 

コイツが良い奴で良かった…

問題は…

 

「な!?近界民!?」

 

「はぁ?こんなとこに居るわけ…って、居たぁ!?」

 

「どーも、王子ザンです」

 

「なんでこんなところにいる!?」

 

何しても秀次と鉢合うことか…

 

「…言っていいの?」

 

「言いたかったら言っていいけど、口止めしとけよ?」

 

「じゃあ、いいや。諸事情でコッチに留まることになったから、他の人には内緒にしててね?」

 

「…チッ」

 

「あっ!待てよ秀次!…ったく…俺は米屋陽介、よろしくな!」

 

「うん、よろしくヨースケ」

 

「コッチに留まるってことは、一時的に入隊すんのか?」

 

「滞在中は防衛に協力してって言われたから、仕方なく」

 

「城戸司令か?」

 

「怖い顔の人」

 

「なら城戸司令だな…トリガーはどうすんだ?自前の使えねぇだろ?」

 

「そもそも、アレはトリガーって奴じゃないよ?」

 

「は?でも、『トリオン体』破壊できてたじゃねぇか」

 

「まだ詳しくは分からないけど、クリーチャーはザンのマナを使うから」

 

「マナ?よくある『気』的なやつ?」

 

「さあ?気は知らないけど、トリオン?に似てるやつだと思う」

 

「へぇ…じゃあ、ランク戦しようぜ?」

 

「ランク戦って、何?」

 

「おっと…そりゃそうか。迅さん、俺もついてっていいか?たぶん、SかBまで一飛びのどっちかだろ?」

 

「ああ、こいつは風刃持つ前の俺と同じ感じでA級になるよ」

 

「…ソロでA級かよ、やべぇな。直にランク戦できるじゃねぇか!」

 

「ブフ…wそこかよ!」

 

「大事だろ、ランク戦!」

 

「ランク戦の説明は?」

 

「お前に分かりやすく言うなら、決闘だよ」

 

「喧嘩?」

 

「ああ、トリガー使って競い合うんだよ」

 

「楽しそう!」

 

「ランク戦で、お前のカードはまだ使えないけどな」

 

「え…」

 

そんな絶望した顔されても…

 

「今から手続きするって言ったろ?その中にお前のカードをランク戦でも使えるようにする手続きもするんだよ」

 

「おー…!」

 

これはわかってないな…

 

「それじゃあ、開発室に行こうか」

 

「わかった…!」

 

まだ一波乱あるしな…

______________________

1週間経った

 

ザンはすっかりボーダーに馴染んでランク戦をしている

 

更に言うと、カードを解析したことでトリオン兵使役の役割が新たに誕生した

 

その名も『使役者(テイマー)』だ

ザンには使役者の一人目として活躍してもらってる

 

それと、ザンの記憶を読み取らせてもらい、ザンの世界のカードゲームを再現して玉狛のメンツでよく遊ぶようになった

…まあ、ザンがやりたいって言ったから再現したんだが

 

そして、ここ数日で気づいたことだが、カードの効果とザンが呼び出すトリオン兵改め『クリーチャー』は能力が似通っている

 

同じではなく似通っていると言ったのは、一部の効果が強化・弱化されているからだ

 

例えば、ドゥシーザのパワーをダウンさせる効果は倦怠感を与えるだけだったり、デ・スザークの効果はトリオン体換装時やゲート発生後に出てきたトリオン兵を一瞬硬直させる効果だったりした

 

後は何かあったかな…

 

あー…そうそう、マナとトリオンがほぼ同質のエネルギーってことがわかったくらいかな?

 

追記

三輪と会ったら三輪がメンチ切って喧嘩始めるのどうにかして欲しい

______________________

 

この迅から送られたザンの報告書に上層部は、

『報告書の書き方教えるべきだった…』という思いと『効果が弱くなっても強くね?』という思いが入り交じった複雑な表情を浮かべた。




チート要素
攻撃が透けて当たらない

使役者
トリオン兵を操る役職
トリオン兵を作るコストと比べて普通にトリガーを用いた技を鍛えたほうがトリオンの消費効率も良く、強くなれるのでなる人はいない。

加えて、A級以上じゃないとトリオン兵の改造もできないので基礎を積むC級、応用を学ぶB級でもなろうとする人がいない。

トラッパー、スナイパーの移動用に使われるくらいしか応用されておらず、東さんはバドで空を飛びながらスナイプ無双してた。

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