偽かぐや姫、現実にて何を成す 作:超駄作作者!
うぅ、こんな駄作を評価してもらえて超駄作作者!は果報者なのです(´;ω;`)
シンク下から引き摺り出された俺、大事なとこだけ手で隠して固まる。…ついでに引っ張り出した当人も固まる。
そのまま無言で向かい合うこと数秒…
「いや、いつまでそうしてるつもりだよ。早くこれ着てくれ頼むから!」
「うひゃ」
バサバサっと何枚かの布が投げかけられた。
思わず何すんだよ!と怒鳴りつけたい気分に駆られるも、ここは我慢とグッと堪える。
ここで無闇矢鱈と相手を刺激するほど、命知らずになったつもりはない。
立場的な危ういのは断然こちら側、もしもしポリスメンなんてされたらMAPPAの俺は即豚箱送りだ。
…それはそれとして、いそいそと服を着込む。
万が一外に逃げ出す結果になったとしても、服さえ着てれば即通報は免れる。だからこれは必要な行為なのだ…
「ってなんで女物…デザインかわいいし」
「頑張って似てるやつ探してきたんだよ。恥ずかしかったわ」
「えぇ…」
「やっぱ素材が美少女だとめっちゃいいな。クソ似合ってる」
もし泥棒だっとか理不尽に罵倒されようものなら、そっちが投げてきたくせに!っと、逆ギレするフリだけをして、相手が怯んだ隙に脱兎のごとく逃亡タイム!という算段だった。
…まぁ初っ端から似合ってるとか言われてズッコケそうになったけど。
「とりま座れよ。どうせ腹減ってんだろ?」
「失礼な。別にお腹なんて」
ぐぅぅぅぅぅぅ
真っ赤に染まったであろう顔を逸らし、腹を抑える。
ふ、不覚ぅ…
「体は正直だな?」
「……」
頷くしかないのが、悔しかった。
「かぐやの最初の飯と行ったらオムライスだからな」
レンジでチンするの待つ間、さも当然と言われた一言。意味がわからん。
何をどう考えたらかぐや姫の最初のご飯がオムライスって発想になるんだよ…時代背景違いすぎるじゃんか。
オマケに近くのコンビニじゃなくて、イオンのなのが申し訳ないとか言ってるし…この人には何が見えてんの?
「ほれ、召し上がれ」
「一応聞きますけど、本当に、食べていいんですよね?」
あとで窃盗ダーだとか、食い逃げダーとかで喚かれたら詰むのこっちなんですからね?
身分証?もしあるとすれば咽び泣くね。
「かぐやのためにわざわざ買ってきたんだからな。似合わない敬語キャラしてないでとっとと食え」
普通に失礼だなこいつ。
「…というか、そもそもそのかぐやってなんなんですか」
俺にだって立派な名前があるんだからな。
この見た目だと、ちょっとどころか、かなり浮きそうなゴツさの名前だけど…
「なにって、お前の名前だろ?ゲーミング電柱から出てきたかぐや姫」
「なんて???」
さも当然みたいに放たれる理解を超越した言葉ぁ――ッ!
「げ、ゲーミング、電柱…?」
「あれ、かぐや視点だと知らないんだっけか。えっとな、まず電柱知ってる?」
「電柱は知ってるけど…」
頷く、と同時にふと考える。
いや待て、この人の脳内の
普通に考えたら電柱といえばアレの筈…でも、果たしてそう言い切れるのか?
ゲーミング要素の欠片もないあの無骨さ。実直に仕事を果たすあの姿が頭に浮かび、額にシワがよる。
やっぱり、ゲーミング要素、ないよな。
じゃあこの人の言う電柱っていったい…?
「まぁそりゃそうか、あちこちにあるもんな。原作だと電線伝ってきてたしな」
あちこちにある…いや、やっぱりこれ電柱で合ってる?
小声でなんか言ってた部分は聞き取れてないけど、なんかそんな気がしてきた。
「ゲーミングってのはゲーミングカラーのことでな。えっとなになに?…ゲーミングPCやマウス、キーボードなどの周辺機器が、LEDによって虹色…正確にはRGBライティングっていうのか…んで、この色に光る仕様から来てるそうだ」
めちゃくちゃスマホガン見しながら言われても…説得力、どこ?ここになければないですねってやつ…?
「っ、説明が難しいな」
そもそもゲーミング部分の説明求めて聞いたんじゃないんすけど。
「っぁ〜〜〜!!と、とりあえずこれ見ろ!」
「えっ」
突き付けられるスマホ。
唐突すぎるそれに、困惑しつつも画面に目を向けてみれば…『超かぐや姫! ゲーミング電柱のシーン』というそのまんますぎるタイトルの動画が!
『もと七色に光るゲーミング電柱なむ一筋ありける』
画面の中の女の子が、「なんだ幻覚か」と当然の反応をして立ち去ろうとして…そこからなんやかんやあって、最終的に赤ん坊を連れ帰るまでの割と短い動画。
「…もしかして、ですけど」
「うん。そういうこと」
「――そんなわけあるかぁ!?」
アニメとかゲームならともかく、ここ現実!
あんなレインボーに光って、ましてや中に赤ちゃんが入ってる電柱なんてあるわけない!
「それがガチなんだって」
「ぜっっっったいない!」
気付けば目の前のオムライスの存在さえも忘れて、目の前の男に食ってかかっていた。
いや先にそれ食えよと言われたらそれまでなんだけど。あまりにも自分の中の常識が悲鳴をあげるもんだから、つい…
今更だけど、超かぐや姫!ってどういう作品なんだよ。マジで。
なんかめっちゃトンチキ作品な気配がしてきてならんのだが。
でも、アニ〇イトでもすんごいいっぱいグッズ売られてたからなぁ…そう考えたら普通に名作の部類?売れなきゃ(グッズも)売れないもんな。
「おかしいな…なんで出てきた側の本人に否定されてんだ、俺?」
薔薇は論外として、百合もそこまで好きなジャンルじゃないしで見てなかったんだけど、
チラり。暗転したスマホの画面を覗き込む。
そこに映るのは、反射した容貌端正な
…ぶっちゃけ実感ないんだけど、やっぱこの子が今の俺ってこと、なんだよなぁ…?
「ちょっと、スマホ借りていいですか」
「ん、あぁ。ど、どうぞ?」
「ありがとうございます」
Go〇gle先生開いて、超かぐや姫!っと。検索。
1番上に出てくる公式サイトを開き、
かぐやって、この子?う、うーん?あんまり似てるような気がしないんだが…
でも髪の色まで違うのは…ん?なんだこの矢印…おっ。
パツキンに赤い瞳の少女のイラストに切り替わった。大きめの黒Tに、多分ピンク色の短パン。
和装っぽい先程のイラストと、ライバーって言葉から察するに、さっきのが配信者としての姿…もといアバターで、こっちがリアルの姿っていう設定なのかもしれない。
…リアルにしても金髪赤目ってなかなかいないと思うんだけども。
「なんですか、その顔」
「いや…主人公が自分の作品調べてるのって、よく考えたらすごい光景だなって」
声ちっさ。聞こえづらいの度超えたわ。
せっかくいただいたオムライスもすっかり冷めきる微妙な空気。
空気の払拭も兼ねて、電子レンジという名の文明の利器を使わせてもらいたいところ。
あとどうせならあったかいの食べたいし(本音)
でも勝手に人様の私物を使うのはよくない、そんなマナー意識がそれを阻む。
「使っていいぞ」
…流石にチラチラしすぎたみたい。
「ありがとう、ございます」
「…」
何その苦虫を噛み潰したような顔。
「……いや、ごめん。ちょっと違和感が…うーん。鳥肌立つから、かぐやっぽく喋ってくれたら、嬉しい…」
かぐやっぽくっとは???
言いたいことはなんとなくわかるけど、
っていうかずっとブレないなこの人。
「あとできれば酒寄かぐやって名乗ってくれたら嬉しい」
本当にブレないなこの人!
酒寄is何!?
正直に言いますと、もし私がゲーミング電柱目撃して、さらにそこに赤ちゃん入ってましたとなったら、もうかぐやにしか見えないですね。
三日で急成長までしたらもう……フィルターかかっちゃいます。
めっちゃ早くも感想いただけて喜んでたら速攻で誤字脱字見つけて草ァ…!