知能構造体の中の人   作:三笠みくら

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なので感想いっぱいください!!


星見雅とジョーカー

 

HANDの訓練施設にて。星見雅は刀を振るっていた。

 

 

「__来たか」

 

『よう、星見殿』

 

「ジョーカー。私はお前を待っていた」

 

「忙しい中すみません……課長がどうしてもジョーカーさんと特訓したいと言うもので」

 

『構わないさ、星見殿の力になれるならな。それに、ちゃんと手土産も持ってきたぜ?』

 

「くんくん、この匂い……メロンだぁ!」

 

「!! 本当か、蒼角」

 

『さすが蒼角ちゃん、当たりだ。新発売のメロンフレーバーのソフトクリームだぜ』

 

「わざわざ人数分……ありがとうございます」

 

『……浅羽くんはいないのか?』

 

「はい、体調不良を理由の早退です。……ジョーカーさんとの特訓が嫌なだけだと思いますけど」

 

『……そうかい』

 

 

ホロウ6課のメンバーがメロンフレーバーのソフトクリームに舌鼓を打ったあと、いよいよ雅とジョーカーの特訓が始まった。

 

 

「……さあ、来い」

 

『そんじゃ、まずは一発…』

 

 

ガキィィン

 

 

ジョーカーのパンチ一発。雅はそれを刀身で受け止めるが、ビリビリとした衝撃と痛みが腕に走る。

 

 

「……さすがだ。この重み、この痛み。そう経験できるものではない」

 

『そう言ってもらえて光栄だぜ。んじゃ次は……こうだ!』

 

 

ジョーカーの鋭い蹴りを、雅は回避する。しかし、矢継ぎ早にジョーカーは雅に蹴りやパンチを打ち込む。流れるように、雅は回避を続ける。

 

 

「………」

 

『相変わらず素早いな、見惚れそうだぜ』

 

「!?」

 

『おっと!?』

 

雅の動きが鈍り、ジョーカーは思わず動きを止めた。

 

 

『大丈夫か、星見殿』

 

「……ああ。雑念が混じってしまった」

 

『無理はするなよ?あんただって人間なんだ』

 

「問題ない。次はお前が受け止める番だ」

 

『……頑張るか』

 

 

雅が構える。空気がビリビリと痺れ、張り詰める。

 

雅が刀を抜く。その刹那。

 

 

『ふっ!!』

 

 

………ジョーカーは、その斬撃を受け止めた。

 

 

「ふふ……流石だ。今の一撃にはなかなか力を込めたつもりだったが」

 

『はあ……一応訓練なんだけどな?だが、まだ俺も鈍っちゃいないみたいだな』

 

「ジョーカーさんすごーい!ボスの斬撃受け止めちゃった!」

 

「流石ですね……あれを受ければどんなエーテリアスも消滅するのですが」

 

『怖いこと言わないでくれ……ヒヤヒヤする』

 

「さあ、続けよう。私とお前……どちらかが倒れるまで」

 

『星見殿……目が怖いぞ』

 

 

それから、数時間怒涛の特訓は続いた。雅の刀と、ジョーカーの徒手空拳。それらがぶつかり合い、研鑽する。

 

 

 

「……ここまでにしよう」

 

『ようやくか……エーテルが尽きるかと思ったぜ』

 

「すみません、課長が対等に戦える相手はそういないので嬉しいんです」

 

『それは分かるけどなあ。ほんと今の頻度じゃないと倒れちまうぜ、俺が』

 

「感謝する。特訓に付き合ってくれたこと、それからメロン味のソフトクリームを買ってきてくれたこと」

 

『はは、喜んでもらえたなら何より。それじゃ、俺はこれで!』

 

「ジョーカー」

 

『なんだ?』

 

「私は、お前を尊敬している。その実力、覚悟、そして優しさ。また、私と特訓してくれ」

 

『………ああ』

 

 

ジョーカーが去ったあと、雅はおもむろに一息ついた。額には汗が流れ、息も途切れ途切れだ。

 

 

「……課長。ジョーカーさんとの特訓が嬉しいのは分かりますが、無茶をしないでください。それで倒れたら元も子もないですよ」

 

「すまない。だが……ジョーカーと共に研鑽する時間は、あまりに楽しい。あの時間、ジョーカーと私、世界に2人きり…そのように感じられて、心地良いのだ」

 

「そういえば!最初の方、ジョーカーさんの蹴りを避ける時止まっちゃったよね!あれ大丈夫だった?」

 

「ああ、そのことか……」

 

 

『見惚れそうだぜ』

 

 

ジョーカーが放った、ニヒルな一言。その一言に、雅は一瞬心が跳ね上がった。

 

 

「……大したことはない。ただ、私にとってジョーカーはかけがえのない存在だと……そう認識しただけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、はぁ……」

 

 

誰もいない部屋で、セツは息を整えていた。いくらジョーカーの体を纏って戦うとしても、限界はある。特に星見雅との特訓は感覚と体力、両方を大きく削られる。

 

 

「キッツいなぁ……」

 

 

だが、それでも「ジョーカー」は雅の特訓を断ることはない。「ジョーカー(皆のヒーロー)」なら、そんなことはしないから。

 

 

「“ジョーカー”は皆のヒーローだ。それを忘れるな」

 

 

それは何度も、上層部に言われた言葉。ジョーカーとしての日頃の言動や振る舞いは、それに相応しいエミュレートに過ぎない。けれど決して、それを止めることはない。

 

 

たとえそれが、セツの身と心を削ることになったとしても。




星見雅
ジョーカーとの特訓楽しい!!

セツ
マジ雅さん勘弁してください


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