剣術はダメ。
術法もダメ。
後から入門してきた弟子たちにも、とっくに追い抜かれた。
雲嶽山の門弟、沈衡にできることといえば――掃除、洗濯、料理くらい。
それでも、本人は案外気にしていない。
「沈兄!今日のご飯なに?」
「ほんと瞬光は、俺がいないと駄目だな」
「そんなことないもん!」
幼い頃から世話を焼いてきた妹弟子、葉瞬光が今日も元気に笑っている。
自分の料理を美味しいと言ってくれる。
帰ってくれば真っ先に自分のところへ来る。
それだけで、沈衡には十分だった。
昔、師匠は言った。
――今でなくてもいい。いつか、あなたにしかできないことが見つかる。
あの頃は分からなかったその言葉も、今なら少しだけ分かる気がする。
これは、家事しかできない兄弟子と、そんな兄弟子に懐く妹弟子の話。
そして沈衡が、ようやく見つけた「自分にしかできないこと」の話。
術法もダメ。
後から入門してきた弟子たちにも、とっくに追い抜かれた。
雲嶽山の門弟、沈衡にできることといえば――掃除、洗濯、料理くらい。
それでも、本人は案外気にしていない。
「沈兄!今日のご飯なに?」
「ほんと瞬光は、俺がいないと駄目だな」
「そんなことないもん!」
幼い頃から世話を焼いてきた妹弟子、葉瞬光が今日も元気に笑っている。
自分の料理を美味しいと言ってくれる。
帰ってくれば真っ先に自分のところへ来る。
それだけで、沈衡には十分だった。
昔、師匠は言った。
――今でなくてもいい。いつか、あなたにしかできないことが見つかる。
あの頃は分からなかったその言葉も、今なら少しだけ分かる気がする。
これは、家事しかできない兄弟子と、そんな兄弟子に懐く妹弟子の話。
そして沈衡が、ようやく見つけた「自分にしかできないこと」の話。