とある幻想の異世界物語   作:キノ0421

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お気に入り100人突破!!いやぁ嬉しいねぇ!これからも頑張っていきやす!
そして
少し遅れて申し訳ない…

いやパワポケが悪い、俺は悪くねぇ!

…言い訳はこのへんにして、どうぞ!


5話

5話

 

「してウニ頭、私に用があったのだろ?あの小娘が終わるまで話を聞いてやるぞ」

 

ギフトゲームに参加していない上条に白夜叉が問いただす。

 

「…オッレルスって言えばわかるか?」

 

「…っ!なるほどな、あやつの知り合いか」

 

オッレルスと何かあったのか、白夜叉は一瞬、眉毛をピクリと動かす。

 

「まぁな、オッレルスから、ある女の子を助けてやってくれって言われたんだよ」

 

「というとおんしはあやつ以上の使い手なのか?」

 

「まさか、上条さんとオッレルスじゃ天と地の差があるっての」

 

「ふむ、話はわかった。アイツの助けたい女の子っては」

 

「だ、駄目です!」

 

「か、春日部さん!?」

 

突如黒ウサギと飛鳥が大声をあげる。何事かと思い白夜叉と上条は飛鳥の方を見ると、十六夜が2人を制していた。

 

「騒がしいのぅ、一体何事だ?」

 

話の邪魔をされて少し不機嫌なのか眉を寄せる。

 

「グリフォンが誇りを賭ける代わりに春日部さんは自分の命を賭けるって…」

 

飛鳥の話を聞く限りでは耀はグリフォンとも会話をし、今に至るらしい。

 

「ほぅ、つまり、あの小娘はグリフォンと会話をして命まで賭けたとな」

 

「アイツ…、戻ってきたら一言言わないと」

 

その事を聞いた上条は少し怒っていた。自分の命を省みない行動を許せなかったのだろう。上条自身いつも命懸けの毎日を過ごしているので説得力はないが。

 

「今、言わないのか?」

 

「言ったとして止めるくらいなら、最初から命なんて賭けるはずないからな」

 

確かにと、今言えば立ち止まるかもしれない。耳を貸すかもしれない。だけどそれだけだ。上条の言う通り命を賭けるなんて軽々しく言うなんて出来ないと、たった半日だが一緒に過ごした少女に対する印象である。それを十六夜は軽薄な笑みを浮かべヤハハと笑う。

 

「やっぱ面白いな、お前」

 

「そりゃ、どーも」

 

「してウニ頭」

 

会話の途中で止めていたので、その続きをしようと白夜叉は声をかける。

 

「ウニ頭じゃなくて俺の名前は上条当麻だからな」

 

「これは失礼した。上条よ、お主への頼みごとなんだが、黒ウサギのコミュニティに入ってはくれぬか?」

 

白夜叉の頼み事は至って簡単なものだった、コミュニティに入れ。たったそれだけ。

 

「それだけでいいのか?もっとこう命懸けの任務とかじゃなくて」

 

上条自身、もっと危険事かと思っていた。何せ一瞬で世界を創り出せる程の者が頼む事だ、魔王を退治しろだの、世界を敵にしろだの、そんな事を考えていたのでコミュニティに入れと、的が外れた上条は軽く拍子抜けをしていた。

 

「いや、そうではない。黒ウサギ達を、あのコミュニティを助けてやってほしい」

 

コミュニティを…、それはつまり今の崖っぷちに瀕してる、黒ウサギが所属している"ノーネーム"を復興させろと言うことだ。

 

「わかった、絶対に助けてやるよ」

 

時間がかかる、そんな事はわかるはず、学園都市に自分の事を待ってくれている少女もいる、その事を考えると早く帰りたくなるのもわかる。だけど今は理解者であるオティヌスの、何より自分の命の恩人であるオッレルスの頼みを優先しなきゃいけない。あのオッレルスが頭を下げてまで頼んできたことだ、断れるはずもない。

 

「オッレルスが認めたんだろう?なら安心して任せられるよ」

 

白夜叉は少女らしい笑みを浮かべる。それに少しだけ上条は見惚れてしまった。

 

「随分と信頼してんだなオッレルスの事を」

 

「まぁな。色々と話はしたい所だが時間切れだよ、小娘が戻ってきたぞ」

 

 

耀がグリフォンの手綱をに握りしめながら此方へと向かって来た。グリフォンは、これが最後の試練と言わんばかりに旋回を繰り返し、更には地平ギリギリまで急降下し振り回す。湖畔の中心まで疾走し、耀の勝利が決定した瞬間 春日部耀の手から手綱が外れた。

 

「春日部!?」

 

それを見ていた上条は走り出す、十六夜が止めようとするが。

 

「待て!まだ終わってない!」

 

「そんなこと知るか!」

 

そんな事で止まる上条当麻ではない。急いで耀が落ちる地点まで走る、が耀は体を翻し、慣性を殺して耀の落下速度は落ちていき、遂には湖畔に着地しようとする。耀は空を疾走していた感動で周りは見えていなかったのか何かを踏みつけてしまう。

 

「…え、まっフギャ!?」

 

いくら落下速度が落ちたとはいえ顔面を踏まれてはどうしようもない。

 

「あっ、ごめん」

 

「ふ、不幸だ…」

 

踏みつけたことに気付いたのか謝る、そのまま寝転ぶ上条。そのコントを無視し十六夜は耀に近づく。

 

「やっぱりな、お前のギフトは生き物の特性を手に入れる類だったんだな」

 

あいも変わらない軽薄な笑み、それにムカついたのか声音で耀が返す。

 

「…違う。これは友達になった証。けどいつから知ってたの?」

 

「ただの推測だよ」

 

十六夜からの視線を避けると今度は白夜叉が近寄ってくる。

 

「いやはや大したもんだ。このゲームはおんしの勝利だの。ところでお主のギフトだが。それは先天性か?」

 

「違う。父さんに貰った木彫りのおかげ」

 

「ほほぅ、よかったらその木彫りをみけてはくれんか?」

 

頷いた耀は、ペンダントにしていた木彫りを白夜叉に渡す。木彫りの模様を見ると急に顔を顰める、上条達も顔をのぞかせて見る。

 

「俺にはただの複雑な模様にしか見えないな」

 

「…いや人間、これはかなり凄いぞ」

 

白夜叉だけではなくオティヌスも顔を顰める。隣にいる十六夜も神妙な顔をしているのを見ると、只事ではないと思ったのか上条はオティヌスに聞き直す。

 

「どういうことだ?」

 

「これは」

 

「おそらく…これは系統樹だろうが、これは凄い‼︎本当に凄いぞ‼︎これが人造なら、これを作ったのは稀代の大天才だぞ!」

 

説明しようとオティヌスは口を開くが、白夜叉の声でそれをかき消してしまう。

 

「そ、そんなに凄いのか?」

 

「系統樹は簡単に言えば、生き物と進化の系譜を示す図の事だ」

 

突然、大きな声ではしゃぐ白夜叉に体を引いてしまう上条、オティヌスはさっきは邪魔されたが、今度はしっかり上条に説明する。

 

「うむ、それを小娘の父親が表現したいもののセンスが成したのだかな、うぬぬ、凄い。凄いぞ。お主させよければ買い取りたいくらいだの!」

 

「ダメ」

 

耀はあっさり断わって木彫りを取り上げる、白夜叉はお気に入りのオモチャを取り上げられた子供のようにしょんぼりする。

 

「人間は絶対にアレには触るなよ」

 

「…わかってるよ」

 

上条の右手には"幻想殺し"がある。下手に触ってしまえば壊してしまい、耀の大切なものを奪ってしまうから、今思えば先程、上条は耀のために駆けつけようとしたが、もしあの時触れてしまったらと思うと身震いをする

 

「で、これはどんな力を持ったギフトなんだ?」

 

「それはわからん。詳しく知りたいなら鑑定士に頼むしかない、それも上層の腕のいい鑑定士じゃなければ不可能だろう」

 

「え、白夜叉様でも鑑定は出来ないのですか?今日は鑑定をお願いしたかったのですけど」

 

鑑定のお願いと聞いて白夜叉は気まずそうな顔をする。

 

「よ、よりにもよってギフト鑑定か。専門外どころか無関係もいいところだの」

 

白夜叉はゲームの報酬として依頼を無料で引き受けるつもりだったのだろうが、困ったように髪を掻き上げる。急に上条達の顔を見つめる

 

「…ふむ…うむ、ここにいる皆ともに素養が高いのはわかる。おんしらは自分のギフトの力をどの程度に把握してる?」

 

「企業秘密」

 

「右に同じ 」

 

「以下同文」

 

「右手にしかない」

 

「もう力はほぼ無い」

 

「うおおおおい?!ギフトを教えたくないのはわかるが右手だけだのほぼないだの、それだけでは話にならんわ!」

 

「別に鑑定とかいらねぇよ。値札を貼られるのは趣味じゃない」

 

ハッキリ拒絶する十六夜に同意するように頷く飛鳥と耀、上条とオティヌスはなんて説明したらいいか考えていた、困り果て頭を掻く白夜叉は、突如ニヤリと笑う

 

「ふむ、何にせよ。試練をクリアしたおんしらと我が友人の客には"恩恵"を与えねばならん。ちょいと贅沢だが、これをやろう」

 

白夜叉がパンパンと鳴らすと、5人の眼前に光り輝くカードが現れる

 

コバルトブルーのカードは逆廻十六夜 ギフトカード "正体不明"≪コード・アンノウン≫

 

ワインレッドのカードは久遠飛鳥 ギフトカード"威光"

 

パールエメラルドのカードは春日部耀 ギフトカード"生命の目録"≪ゲノム・ツリー≫ "ノーフォーマー"

 

シルバーグレイのカードは上条当麻 " "≪ノーネーム≫

 

暗黒色のカードはオティヌス "旅路を終えしもの"≪ガングレリ≫

 

それぞれの名とギフトが記されたカードを受け取る、上条はもちろん左手で。黒ウサギは驚いたような顔でカードを覗き込む

 

「ギフトカード!」

 

「お中元?」

 

「お歳暮?」

 

「お年玉?」

 

「お給料?」

 

「違います!というか息が合いすぎです⁉︎ギフトを収納できる超高価なカードなんですよ!」

 

「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」

 

「あーもーそうです。超素敵アイテムなんです!!」

 

黒ウサギに叱られながらもカードを珍しそうに見る、オティヌスだけは何かを考えるような表情をしていた

 

「本来ならコミュニティの名と旗も記されるのだが、おんしらは"ノーネーム"だからの。少々味気ないが文句はいうなよ」

 

「おい、夜叉」

 

「なんだ、それと私は白夜叉だぞ?小人風情が」

 

オティヌスは白夜叉を夜叉と呼んだ。それに機嫌を悪くしたのかオティヌスを睨みつける

 

「そうか、それは失礼したな。私にはお前が白くは見えなかったのでな。質問は私をギフトとしてカードの一部として収納は出来るのか?」

 

「出来なくはないが、おんし自身がギフトとでもいうのか?」

 

オティヌスの質問に白夜叉は少し混乱する、人間をギフトカードに収納出来るなどと聞いたことないからだ

 

「そんな感じだ、それにその方が都合がいい」

 

「変わっとるな。さて、そのギフトカードは正式名称を"ラプラスの紙片"即ち全知の一端だ」

 

これ以上追求するのはまた時間がかかると感じたのか話題を変える

 

「へぇ、じゃあ俺のはレアケースなんだ」

 

何事かと白夜叉はカードを覗き込む。ヤハハと笑う十六夜とは対照に、白夜叉の表情は激変した

 

「……いや、そんな馬鹿な」

 

白夜叉はすぐに十六夜のカードを取り上げる。その雰囲気は尋常ではなく、真剣な眼差しでカードを見つめる白夜叉は呟く

 

「正体不明だと?全知であるラプラスの紙片がエラーを起こすなど」

 

さらに上条のギフトカードにも何かあるのか白夜叉に見せる

 

「じゃあ上条さんのはエラーが起きたんでせうか?」

 

「…ありえん。正体不明でもありえないのに" "≪ノーネーム≫だと?正体不明ならまだラプラスの紙片にエラーが起きてと納得できる、が≪ノーネーム≫なんて聞いたことないぞ!上条と言ったな、自分の力が何なのか把握しておるのか?」

 

上条のギフトカードを受け取るが、白夜叉の表情は不可解とばかり顔を顰める

 

「把握とまではいかないけど、俺の右手はあらゆる異能を打ち消す事が出来る。それが神のご加護だとしてもな」

 

「あらゆる異能だと…?単一の能力に特化してならわかるが、全ての能力を無効化するなんて…。アイツが選んだだけということはあるというわけか」

 

修羅神仏が集うこの箱庭において無効化するギフトなど対して珍しくもない。だが全てのギフトを無効化するなんて、ましてや神様の加護も無効化できるギフトなんて白夜叉は聞いたこともなかった。

 

上条達は暖簾の下げられた店前に移動し、一礼した

「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」

 

「あら、駄目よ春日部さん。次に挑戦するときは対等の条件で挑むのだもの」

 

「あぁ、吐いた唾を飲み込むなんて、格好つかねぇからな。次は渾身の大舞台で挑むぜ」

 

「お前らは少しは自重しろよ!」

 

余りにも傍若無人なので突っ込みを入れる

 

「「「ムリ」」」

 

あっさり否定されガクリと肩を落とす、それを無視して白夜叉は黒ウサギ達を見る

 

「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ、その時は上条お前も挑戦してもらうからな?」

 

「ゲッ、マジかよ…」

 

白夜叉の言葉に後ずさりをする、あんな事を出来る化物と戦うのは人生で一度だけでいいと言わんばかりの表情だった

 

「それはそうと上条くん、白夜叉に用があったのではないのかしら?」

 

「あぁ、その事はもういいよ。だから約束の通りコミュニティに入る事にするよ」

 

飛鳥は思い出したかのように聞くが、上条の用とは黒ウサギのコミュニティに入ることだから結果は変わらなかった

 

「そっ、それならいいわ。改めてよろしくね」

 

「おぅ、よろしく頼むよ。オティヌスも仲良くするだぞ?」

 

「私はお前がいれば何処だっていいんだがな」

 

この様子を見ていた白夜叉は2人に割って入る

 

「ふと、思ったのだが、そのオティヌスという小人はもしや…主神オーディンなのか?」

 

オーディンは北欧神話の主神にして、戦争と死の神でもある。ここ箱庭では北欧神話は没落しており神々は行方が分からなくなっていた

 

「…いや、私はオーディンなどではないよ」

 

「そうか…、ギフトネームがオーディンのに似ておったのでな。こちらの勘違いならすまない」

 

「別に気にはしていない」

 

魔神オティヌスはもう居ない、箱庭と関係あるかどうかわからないが、もうあの魔神は居ないのだから答える必要もなかった。因みにオティヌスの"旅路を終えしもの"はオーディンの旅路に疲れたものと酷似していたので白夜叉は僅かな可能性ながらも気になってのか質問したのだろう

 

白夜叉と別れ、噴水広場を越えて半刻ほも歩いた後"ノーネーム"の居住区画の門前に着いた

 

「この中に我々のコミュニティがございます。しかし本拠地は入口から暫く歩くので御容赦下さい。この辺りはまだ戦いの名残がありますので」

 

「名残?噂の魔王様との戦いか?」

 

「は、はい」

 

「ちょうどいいわ。箱庭最悪の天災の傷跡、見せてもらおうかしら」

 

黒ウサギは傷跡を見せることに躊躇いつつも門を開ける。すると乾ききった風が吹き抜け、視界には廃墟が一面に広がる。それ以外何もなかった

 

「何だよ、これ…」

 

街並みに刻まれた傷跡を見た飛鳥と耀は息を呑む、オティヌスと十六夜は目を細める、上条は俯き拳を握りしめる

 

「…おい黒ウサギ。魔王のギフトゲームがあったのは、何百年前だ?」

 

「僅か3年でございます」

 

「ハッ、そりゃ面白いな。いやマジで。この風化した街並みがたったの3年前だと?」

 

この街並みは、まるで数百年は過ぎて滅んだように崩れている

 

「普通の壊れ方じゃないな…、何がどうなったら、ここまで酷くなるんだよ」

 

上条でさえ見ただけで普通じゃないと思わせる。飛鳥と耀も複雑そうな感想を述べる

 

「ベランダのテーブルにティーセットがそのまま出ているわ。これじゃまるで、生活していた人間が消えたみたいじゃない」

 

「…生き物の気配が全くない。整備もされない人家なのに獣が寄ってこないなんて」

 

オティヌスは目を瞑り述べる

 

「まさに天災といったところか」

 

「魔王とのゲームはそれ程、未知の戦いなのです」

 

そう、これが魔王。

 

これ程の事を成し遂げるのが天災。

 

それを目の当たりにした十六夜は瞳を輝かせ笑いながら呟く

 

「魔王か。ハッ、いいぜいいぜいいなオイ。想像以上に面白そうじゃねぇか!」

 

上条は拳から力を抜き、その瞳は怒りに満ちながらも、自分がする事を見据えていた

 

 

 




おかしい、文字数がだんだんと増えてる…

まぁいいよね!(白目

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