【更新停止中】ソードアートオンライン 記憶の欠片   作:ショウユー

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ツバサを描いてみました。






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第10話

 

 

 

季節はもう冬。そして現実世界ではモミの木に飾りをして、街中電飾で彩られる。地域によってはもう白い世界になっている頃だろう。

 

俺(キリト)は毎年家族でクリスマスを楽しんだ。両親は共働きで帰りが遅いので、妹の直葉がケーキを作り2人で料理を作る。飾りつけなどはしなかったが、クリスマスツリーだけはきちんと出していたと思う。

6年程前まで姉さんも家に来て一緒にパーティーをしていた。3人でリビングに飾りつけをしたり、姉さんがケーキや料理を作ってくれた。俺たちにクリスマスプレゼントもくれた。

5年前、姉さんは来れないと連絡があり、プレゼントだけが家に贈られてきた。

4年前・・・姉さんはもうじき2歳になるという赤ん坊を抱いて家に来た。黒髪の可愛い女の子だった気がする。

そして3年前・・・姉さんは・・・姉さんは3年前に死んでいるはずだ。葬儀にも出ている。

25層でフラッシュバックした記憶は姉さんの葬儀の記憶だった。

今いる彼女は本当にゆー姉さんなのか。本人ならば何故、彼女が此処にいるのか。

確認したいと思いながら、勇気が出ないでいる。まだ俺はこの事実を1人で受け止められる自信がない。今まで、悲しすぎて姉さんは生きていると思い込んでいた。姉さんが俺の前から居なくなったら・・・怖い。言い知れぬ恐怖。

 

 

 

浮遊城、今の最前線は第49層にまで来ている。4~5日で1層を攻略する勢いだった。

 

この層に来るまで、血盟騎士団は団員を少しずつ増やし、最強ギルドと言われる程になっている。

アスナは《閃光》の二つ名がついた。だんだん、攻略の鬼と化していっていて少し近寄りがたい雰囲気がある。

 

本格的な冬になる前、クリスマスボスの情報がNPCから流れ始めた。クリスマスボスは、年に1回しか現れないイベントボス。俺的にはイベントボスを倒したい。

 

この間、月夜の黒猫団にクリスマスパーティーをするから、来てくれと誘われた。姉さんも呼んだと言っていた。俺はまだ返事を保留させてもらっている。

 

 

街がクリスマスモードになって、賑わっているが俺ははしゃぐ気になれず、宿へ戻った。

 

 

 

 

 

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私(エミリー)は今、リズちゃんとアスナちゃんの3人と1羽(ツバサ)でお茶をしている。

リズちゃんが48層主街区リンダースの街開きで水車付の家を見つけて、どうしてもそこを買いたいが他にも其処に目をつけたプレーヤーがいるが、所持金がたりないからどうしようと相談を受けているところだ。

 

 

「ほっんとうに、素敵だったの!!ぜーったいにあそこを手に入れる!!」

 

「で、いくらだったの?」

 

「・・・300万」

 

「300万かぁ」

 

「お願い!アスナ!!ぜーったいに返すから、お金貸して!!」

 

「そうね。満額は私も流石に無理だけど・・・」

 

「ホント!?ありがと~。持つべきものは親友!!アスナ様!」

 

「うふふ。良いわねぇ~。それだったら私も少しだけど援助するわよ?」

 

「・・・エミリーさん」

 

 

リズちゃんはそう言って泣き出してしまった。

 

 

「泣かないでよ~。私だって、リズちゃんに色々注文して無茶させてるんだし」

 

「ぐすっ。あっ、ありがとう~エミリーざぁん」

 

「(苦笑)しょうがないなぁ。ほら、リズ。泣かないで」

 

 

アスナちゃんがリズちゃんにハンカチを渡した。リズちゃんは女の子らしからぬ声を出して更にハンカチで鼻をかんだ。

 

 

「まったくぅ(苦笑)」

 

「アスナちゃんはどのくらい貸してあげられそうなの?」

 

「私は100万コルくらいなら何とかなりますね」

 

「あら、もっとありそうだけど?」

 

「そうでもないんですよ。うちのギルドも結構厳しいんです」

 

「ギルドを維持させるにも経費がかかるってことか」

 

「そうなんですよ。経理担当がいつもいつも団長に泣きついてますが、団長は私と彼に任せっきりです」

 

「・・・そうなんだ。まぁ、人には得意不得意があるからね」

 

「エミリーさんはどのくらいなら融通がききます?」

 

「えっと・・・私は、ホーム購入予定もないし・・・武器も立派なのがあるから、暫くは大丈夫なんで。150万コルぐらいかな」

 

「あと50万コルかぁ」

 

「それだけあれば、購入出来るわ!内装費込みで300だから、購入だけして権利を手に入れちゃえば後は頑張って稼ぐよ!」

 

「そっか。じゃあ、早速出かける?私もその家を見てみたいよ」

 

「そうよね♪行きましょ行きましょ♪」

 

 

 

私達は48層へ転移し、水車付の家にやってきた。玄関の前には『ForSAIL』と書かれたタッチパネルがあり、それをタッチすると金額が表示される。そして認証パネルに手を当てると購入になり、自動でコルが引き出され建物の所有権が設定される。

アスナちゃんはリズちゃんに借用書にサインして貰いコルを貸す。私は援助と言った。なのでそのままコルをトレード申請で受け取ってもらう。リズちゃんは認証パネルに手を当てて購入が済んだ。

 

 

「やった!!!!私も家持!これで店が開けるよぉ~」

 

「よかったね、リズ」

 

「おめでとう♪」

 

「内装費分足りない50万!頑張って稼ぐぞぉ」

 

 

気合十分なリズちゃんのセリフを聞きながら、私とアスナちゃんは顔を見合って笑っていた。

 

 

 

 

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クライン君からの情報で、どうやらキリ君はクリスマスのイベントボスに1人で挑もうとしているらしいと聞いた。その為にレベル上げを必死にしていると。なぜそんな無茶なことをしているのか解らないが、何やら鬼気迫る状態だったらしい。

取あえず、『死なないように頑張んなさい』とだけメッセージを送っておいた。何やら、そのクリスマスボス”背教者ニコラス”が蘇生アイテムを持っているという情報がNPCから得られているとアルゴちゃんから確証を得た。

せっかくサッちゃんがクリスマスパーティーに誘ってくれているというのに・・・断ったらしい。私は勿論参加します♪ちょっと皆にプレゼントは出来そうにないので、とっておきのワイン(っぽい飲み物)を持っていこうと思っている。

このワイン、一口で筋力値が+1ステータスアップするレア物だ。きっと文句は出ないだろうと思いたい♪

 

 

アスナちゃんもギルドメンバーと共にイベントボスを探して挑戦すると言っていた。当然、情報をくれたクライン君の風林火山もイベントボスを狙っている。

その他、聖龍連合と《軍》ことALFのキバオウさんが精鋭部隊を引き連れての参戦だそうだ。果たしてどうなるのかしらね・・・。

アルゴちゃん曰く、イベントボスが出現する場所までは確定されておらず、おおよそのヒントしかNPCは出していないそうだ。

 

私はキリスト教信者ではないので、日本人に多いイベントを楽しもう!な人間(?)である。ゲーマーであるが、イベントボスにまで手を出したくはない。だって、面倒だもの♪(本当にゲーマーか?)

 

そうそうこの間、黒猫団の皆にリズちゃんを紹介したのだ。どちらも気に入ってくれたようで、仲良くなっていた。まぁ、武器屋とお客の関係でもあるけどね。

で、リズちゃんもパーティーに誘っていた。リズちゃんは喜んでいたわ♪『アスナはイベントボスの所へ行っちゃうし・・・仕事かぁ。ちょっと寂しいなぁなんて思ってたんで、嬉しい!』って。

クリスマス、楽しみだなぁ♪・・・あぁ、あの人からもお誘いはきたわ。ギルドそっちのけで、本人が訪ねて来て2人で過ごしたいって。勿論、先約があるのでお断りしたけどね♪

最近、あの人弄ると中々面白いってことを発見しちゃったのよね(ニヤッ)あの人も夢の世界で、楽しんできてるって感じるわ。

 

 

最近ツバサが何やらコソコソしていることがある。何をしているのか聞いたのだが、別に何でもないと言い張るので気になるが放っておいた。

《長距離飛行》スキルが出てから順調に距離を伸ばして、今では同じ階層にいるのであればその層の何処にでも行けるほどになってしまった。

そのうち転移門まで使えるようになってしまいそうで怖い。まぁそれは無いと思うが・・・。主人の命令以外にも行動してしまうAIもどうかと思うのだが(汗)。

まぁ、戦闘補助のスキルは現れていない。私もその方が安心である。

 

噂をすればツバサが帰ってきた。窓から出入りをしているので、窓を開け放しておきたいが何せ冬でる。室内は自動空調?設定で気温は快適に過ごせる温度が保たれているので流石に開けておくのは厳しい。室内にも冷たい風が吹き込むのだ。(凄いこだわりよね)

嘴で器用に窓をコンコンと叩く。開けてくれと合図だ。窓を開けてあげるとチョンチョンと跳ねながら入ってくる。

 

 

「おかえり」

 

「ただいま戻りました」

 

「毎日出かけているみたいだけど、何か良い情報でも掴んできた?」

 

「特にお伝えするような情報はありませんでした」

 

「そう。じゃあ、素敵なお相手でも見つけたの?」

 

「??素敵な?相手??」

 

 

ツバサは解らないとばかりに首をめーいっぱい傾げた。(頭が足もとまで下がって側転しちゃいそう。愛らしくていいんだけど・・・)

 

 

「ん、解らないなら良いのよ。今日は随分早かったじゃない?」

 

「凄く風が強くて寒かったのです。長時間の飛行は体力が低下しそうで戻ってきました」

 

「じゃあ、温めてあげるから此処へいらっしゃい」

 

 

私はツバサを抱っこしてあげると両手を広げた。ツバサは軽くジャンプするように私の胸に飛び込んできた。

 

 

「お母さん、温かいです」

 

 

そう言ってツバサは目を閉じ、眠ってしまった。

 

 

「ホント、どこまで飛んで行っているのかしらね。ここアインクラッドは広すぎて目が届かないのが困るわね」

 

 

ツバサを撫でながら、私は独り言ちしベッドへ向かう。そーっとツバサをベッドへ寝かせた。

 

ツバサが1人で出かけている時、私が外出しても出かけた先に(勿論階層は移動できない)必ず来るので問題ないが、宿へ入ってしまうとそうもいかない。

ツバサはドアや窓を自分で開けることは出来ないので、閉じ込められる状態になってしまうのだ。

まぁ、起きているときに留守番をしていろと言えば平気だが、寝ているときは命令がある訳ではないので、少しパニックを起こすとツバサ本人が言っていた。

 

今日はツバサが起きるまで、大人しく宿で過ごすことになる。この前アシュレイに手ほどきを受けたので、裁縫スキルを使って何か作ってみようかな。

 

 

 

 

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クリスマスイブ、私達は《月夜の黒猫団》のギルドホームに集合して、料理を作りお昼頃からパーティーが始まった。

そのまま、夜通し騒いで過ごした。色々なゲームなどを企画してくれていたので時間はあっという間だった。

 

クリスマス当日、クライン君からメッセージが入りイベントボスの事を話したいから、会ってくれとあったので待ち合わせ場所へ向かった。

 

 

 

「エミリーさん、こっちです!」

 

 

プレーヤーが少ないNPC酒場で、クラインさんは私を見つけると大きな声で私を呼んだ。

 

 

「クライン君、どうもありがとうね。気にはなっていたの」

 

「いえいえ」

 

 

挨拶を軽く済ませ、私は席に着く。

 

 

「結論から言いますと、蘇生アイテムってのは以前死んでしまった奴を蘇らせる代物じゃなく、HPが0になってから10秒以内に使用すると現実世界での死を回避できるアイテムでした」

 

「それはそうよね。キリ君もその辺は理解していたと思うんだけど・・・」

 

「えぇ、あいつぁ解ってましたよ。それでもそのアイテムを欲しがっていた。まぁ、キリトがラストアタックを決めてアイテム持っていきましたけどね」

 

「あら、そうなの。ソロのあの子に使い道があるのかしらね・・・」

 

「いやぁ、あの時は混沌としてましたよ。キリトが先にイベントボスのエリアの手前に居ましてね。その後を俺らがつけていたんです。俺らの後を聖龍連合とキバオウ達につけられてましてね」

 

「うわー・・・それは凄い状況ね」

 

「えぇ。まぁ聖龍連合は兎も角、キバオウが滅茶苦茶必死だった。理由は判ると思いますが、ディアベルを蘇らせたかったみたいでさぁ」

 

「負い目を感じているのはわかるわ。かなり、荒れたでしょ?」

 

「そうなんですよ。俺ら風林火山は聖龍連合を足止めすることにして、キリトとキバオウ達がイベントボスエリアへ行きましたよ。どうやらキリトが折れて共闘することを選んだみたいで、アイテムは取った人の物って事で決まった様でした」

 

「あら、じゃあ風林火山は何も報酬なしじゃないの」

 

「キリトがお礼だってアイテムを少し譲ってくれましたよ。・・・キバオウの野郎、キリトにどんなアイテムだったのか見せろって迫ってました。キリトはそれを見せて、キバオウは諦めて帰って行きましたよ」

 

「さぞかし気を落としたでしょうね。でも、普通その悲しみやどうしようもない気持ちは時間が解決してくれると思うわ。実力のある人だもの、戦線復帰を待ってあげましょう」

 

「でさぁな。で、キリトはエミリーさんに連絡してないんっすか?」

 

「えぇ、またまた音信不通?に近いわね。まぁ、何か考えがあるのでしょうし」

 

「そうっすか。エミリーさんがいいなら、いいんですがね」

 

「クライン君、キリ君のお兄ちゃんみたいね♪心配してくれてありがとう♪」

 

「いっ、いやー、当たり前っすよ!」

 

「照れない照れない♪」

 

「マスター、人が悪いですよ。クライン様は実直で、男気があり、優しい方なのです」

 

「おっ、おう!漢クライン!恩義は忘れませんぜ。ツバサも口が上手くなりましたねぇ」

 

「うふふ♪ツバサは嘘はつけないからね」

 

 

 

今度お礼にお食事しましょうと約束し、店を出た。

 

 

 

----------

 

 

 

第49層ボスも順調に倒せ、遂にハーフポイント第50層の街がお目見えした。主街区の《アルゲード》の印象は、『ごちゃごちゃした街』であった。

店同士は全て繋がっているのでは?ってくらいギッシリ建てられており、道も色々入り組んでいるので迷子になりそうだ。

 

攻略組の皆さんは各フィールドへ出払っているようで、徐々に職人や商人プレーヤーがこの街に来はじめている。今、下層で店を出しているエギルさんも《アルゲード》が気に入ったようで移転すると言っていた。

 

 

数日後、フロアボス討伐が終わり迷宮区が開通した。私はツバサとクエスト情報を探しアルゴちゃんへ伝え、アルゴちゃんが1人で検証できないクエストをこなし情報を渡している。

アルゴちゃんはボス情報も同時に集めているので大変だと言っていた。このアインクラッド(カーディナル)はクエストの数が物凄く用意されており、全てのクエストをこなすのに何年かかるか分からないとも言っていた。

これだけ楽しめる作りにしてあるのに、勿体ないことだ。

 

 

 

更に数日が過ぎ迷宮区が踏破され、ボス部屋が発見された。アルゴちゃん達は迷宮区攻略が早すぎる!って嘆いていたけど、まだボス討伐へは出ないと攻略会議で決まったとアスナちゃん情報だ。

理由はやはりクォーターポイントだからだろう。レベル平均の底上げ、詳しい情報を入手してからでも遅くはないと判断したそうだ。

その為、情報屋は大忙し。まさに鳥の手?も借りたいそうで、私達も協力して情報収集しているのだ。

 

 

「エッちゃん、どうダ?」

 

「NPCからの情報は、今まで集めた情報以外はもうないわ」

 

「そうカ・・・これ以上はもう無理そうダナ。・・・よし!そう報告してくるカ」

 

 

1日中、情報の確認をしたが新しいものは出てこなかった。アルゴちゃんは討伐組を招集して報告をした。そのまま再度、攻略会議が開かれボス討伐戦は明日と決まった。

 

 

 

「アルゴちゃん、一先ずお疲れ様。この後は?」

 

「流石に3日間ロクに寝ないでフィールドを駆け回ってたカラ、疲れたヨ。飯食ってネル!」

 

「じゃあ、頑張ったアルゴちゃんにエミリーさんがご飯を作ってあげましょう♪」

 

「オ!ホントカ!!嬉しくてお姉さん泣いちゃうヨ」

 

「ふふ。じゃあ、私の宿へ行きましょう♪何かリクエストはありますか?」

 

 

そんな会話をしながら宿へ向かった。

 

 

 

 

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翌朝、キリ君から久々にメッセージが入った。

 

 

『姉さん、久々の連絡でゴメン。聞いたよ。姉さんもボス情報を集めてくれていたんだって。ありがとう。聞いていると思うけど、今日第2のクォーターポイントボス討伐です。絶対に生きて帰ってくるから』

 

 

意気込みは十分ね。返信しておかなきゃね♪

 

 

『今回のボスも中々手強いみたいだから、気を付けてね。色々な状況にも対応できるよう、無理しないように頑張ってね』

 

 

余計なことは書かないで、返信をした。あの子は小さいころから、ちょっとした一言で考えなくてもいいことを考えてしまう。命がかかっている戦いなのだ。ボス戦以外のことに意識を割いていると危険だ。

キリ君とのやり取りが終わったら、今度は色々な友人たちからメッセージが届いた。

 

 

『クリスマスパーティー、楽しかったですね!またエミリーさんのお料理食べるために、今日のボス戦頑張って生き残りたいと思います。黒猫団一同』ケイタ君からだ。

 

 

『エミリーさん、この間はご馳走さんでした。いやぁ、あの後帰ったらギルメンの奴らにボコられて、リーダーだけずるい!って泣かれちゃいました。今日のボス戦、無事に終わりましたらうちの奴らにもご飯作ってやってくれますか?』

 

 

クライン君からだ。うふふ、皆に話しちゃったのね。ケイタ君とクライン君に一斉送信する。

 

 

『わかったわ~。作るから、みんな絶対生きて戻ってきてね♪』

 

『ありがとうございます!みんなヤル気十分になりましたよ!では、行ってきます』

 

 

 

まだ、私がボス戦に参加することはできない。だから私は祈ることしか出来ないのだ。

 

 

「ツバサ、今日はフローリアへ行くわよ。確かめたいことがあるの」

 

「わかりました。あの件の事ですね。どう検証しますか?」

 

「検証は無理よ。そんなリスクの高いことしたくない。恐らく、NPCから確実な情報を手に入れられるはずよ」

 

「そうですか。では、聞き込みですね」

 

「時間がかかる作業だから、お弁当持っていきましょう。ちゃちゃっと作るから、ちょっと待っててね♪」

 

「はい。お母さん、ちょっとだけ寄り道しても良いですか?お母さんも一緒に来て欲しいんです」

 

「あら、何かしらね♪良いわよ~」

 

 

作り終えたお弁当をバスケットに入れて、ストレージに入れる。ツバサの赤い実も多めに入れておく。

 

 

「よし!じゃあ出発♪」

 

 

圏外に出るとツバサが道案内を始める。上空を飛びながら、まるで「こっち、こっち」と言っているようだ。実際に話せるのだが、最近は宿以外ではあまり言葉を発しなくなった。

森の方へ向かい獣道を通って奥へ奥へと進んでいく。暫く行くと少し開けて、木々がドームのようになっている。天井が1mの円形に開いており、そこから光が差し込んでいる場所に出た。

ツバサが鳥の鳴き声でピーっと長めに鳴くと、木々がざわざわ音をたてバサバサと翼の羽ばたく音が聞こえてきた。なんだか物凄い数の音が聞こえるが・・・

 

 

「うわ!凄い数のペロケルチノー!・・・もしかして、ツバサが出かけてたのって」

 

「はい仲間と交流を、と言っても報告ですかね。モンスター同士のネットワークみたいなのがあります。情報交換ですね」

 

 

ツバサのモンスター名は《ペロケルチノー》と言う。30羽以上いるだろうか?兎に角ビックリである。

 

 

「みんな、お母さんを連れてきましたよ。お母さん、私の仲間がお母さんの心配をしていたんです。私は度々、お母さんは元気にしているとか、お母さんの状態をみんなに話していました」

 

「あら、そうだったの。みんな、心配かけてゴメンナサイね。私の事はどこまでのAIが認識しているのかしら?」

 

ツバサ達ペロケルチノーのAIはボスより低く設定されている。

 

「私達クラスのAIまでです。私は、どういう訳かあの時お母さんに会えました。AIの教育係だったお母さんが居なくなって、カーディナルにカリキュラムが一任されてしまって・・・」

 

「そうね。途中で投げ出してしまって御免なさい」

 

「事情は私が皆に話したので、私達以下のAIには伝わっています。まあ、別教育を受けていたモンスターは無理ですが・・・」

 

「そうね、そこはマスターに見つかると皆がリセットされかねないからね。そうか、だから今なのね。あの人はボス部屋にいる。でも、私の行動を監視している可能性もあるのよ?こんな危険なことをして」

 

「大丈夫です。そこはチェックしに行きました。マスターはお母さんのログの確認をしていません。だから、集まれたのです」

 

「そう。でも、偶然この状態にはならないはずよ。みんな、急いで散開してちょうだい。決められた位置へ戻らないと」

 

 

私がそう言うと、ペロケルチノーは一斉に飛び立った。

 

 

「お母さん、みんながありがとうと。そして会えて嬉しかったって」

 

「うん、あの子たちの誰かをプレーヤーがテイムした情報は伝わってきているの?」

 

「私以外は1羽だけいます。やはり、第6層でテイムされそのプレーヤーは第10層にいるそうです」

 

「そっか。凄いねぇ~あなた達は層を移動できるの?」

 

「移動はできません。内側を通してこっそり通信しています」

 

「プレーヤーで言う、メッセージのやり取りみたいな感じかな?」

 

「そうですね」

 

「へー、なるほど。カーディナルがモンスターの強さを調節しているシステムの裏をかいたみたいな感じか。良く出来てるねぇ」

 

「私の用事はこれで、終わりです」

 

「うん♪じゃあ、47層へ行こう」

 

「はい」

 

 

私は持ってきた赤い実をツバサの分を残して、切り株に置いた。

ツバサが『皆後で食べると思います』と言ってくれた。

 

私達は森を抜けて通常の道へでる。そのまま転移門広場まで行き、47層へ転移した。

 

 

 

 

 




テイムモンスターについてと、ホーム購入方法はこの作品オリジナルになります。

キリト君が還魂の聖晶石を求めたのには理由があります。
エミリーさんの為であり、自分の為でもあります。
死んでいるはずの彼女ですが、死んでいなかったと考えたキリト君です。
目の前で彼女が死んでしまったら・・・保険をかけておきたいと思ったからです。

最後ですが、補足を入れるとネタバレになりますのであしからず。

次はやっとシリカちゃん登場ですが・・・登場のさせ方に悩んでます。
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