【更新停止中】ソードアートオンライン 記憶の欠片   作:ショウユー

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エミリーさんと黒猫団がいる事で、74層ボス戦が原作と微妙?に違います。


第14話

 

 

 

 

S級食材を手に入れ、こんなチャンス二度とないかもしれないから皆で食べたいと話になった。

取あえず戦利品を売りに行き、それから黒猫団のホームへ行こうと話が纏まり、まずはアルゲートのエギルさんのお店へ向かった。

 

エギルさんの店に着くと、丁度アスナちゃんがキリ君に何か条件を出して迫っていた。何事かと話を聞くと、先程キリ君を見かけたときキリ君もラグーラビットを手に入れていたそうだ。

で、それを売ろうとエギルさんと交渉していたそうだが、エギルさんがそれを食べないのか?などと話していた所へアスナちゃんが現れたそうだ。

S級食材は料理スキルをとっており、更に熟練度が高くないと食材が残念なことになってしまうのだ。そしてアスナちゃんはこの間、料理スキルをコンプリートしたそうで、それを聞いたキリ君はアスナちゃんに料理することを条件に1口食べさせてやると。

で、アスナちゃんは半分寄越せ、と条件を出していたという所を私達が目撃したという訳だった。

私の後ろにいたサッちゃんがちょっと悔しそうな顔をしていたが、こればかりはタイミングだ。仕方がないだろう。ラグーラビットは食べられるのだから、我慢してもらうしかない。

 

キリ君はそのままアスナちゃんと店を出て行こうとしていたところで、エギルさんが俺も食べさせてくれなんて言っていたが、キリ君が原稿用紙800字以内で感想文を書いてくるなんて嘘言って行ってしまった。

それを見ていた私達は、これは余計なことを言うまいとアイコンタクトをとり、エギルさんに売るものをさっさと売って店を出ることにした。

 

皆がアイテムを売っていた時、店を出たところでアスナちゃんの護衛だという男性とアスナちゃんが少々言い合いをしていたと店出入り口付近にいた黒猫団のテツオが聞いていた。アスナちゃんは護衛を振り払ってキリ君を引っ張って去ってしまったと後から聞いた。

 

エギルさんに食材がばれないよう何とか取引を終え、店を出たところでアスナちゃんの護衛の男性が私に話しかけて来た。

 

 

「エミリー様、初めまして。私は血盟騎士団、副団長の護衛を務めておりますクラディールと申します。お話は、団長・副団長両名からお伺いいたしております。両名大変お世話になっているようで、ありがとうございます」

 

「あら、ご丁寧なご挨拶ありがとうございます。クラディールさんですね。お勤めご苦労様ですわ」

 

「・・・たいへん申し上げにくいのですが。あの黒の剣士のお姉さまだとお伺いしましたが、彼はどれ程の実力をお持ちなのでしょうか?」

 

「あら、アスナちゃんの護衛としては気になるのね。・・・そうね、レベルで言えばアスナちゃんより上になるでしょうね。それに不器用ですが優しい子ですよ。女の子に自分から手を出せるような子ではないと思いますわね」

 

「そうですか。団長が貴女に好意を寄せているのは存じてます。そんな方が言われるのでしたら、大丈夫なのでしょうな」

 

「ふふ。アスナちゃんを温かく見守って頂けると私も嬉しいですわ。あの子たちはまだ子供です。でも大人になろうとしている年齢でもあります。大人はそんな子供たちを見守るしかないですからね」

 

「・・・アスナ様を見守る、ですか。護衛としてきちんと見守っております。ご安心を」

 

「・・・では、私達は失礼しますね」

 

「ありがとうございました。失礼します」

 

 

 

そう言って私達は黒猫団のホームへ向かい、食材を料理しそれを堪能した。今までに食べた料理はなんだったのかと言うほど、此処まで生きていて良かったと思えるほどの美味しさだった。

 

宿へ戻り、1人になって先ほど会ったクラディールという男が少し気になった。何というか、厭らしさやおぞましさを感じたのだ。勘でしかないが嫌悪感がぬぐえない。

ツバサもモンスターらしいところも残っていたのか、私の傍を離れず髪に頭を突っ込んで、らしくなく挨拶もせずに無言を通した。何も起こらなければいいのだがと、心配で今日は寝つきが良くなかった。

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

今日も黒猫団と共に迷宮区へ行くことになっている。74層転移門広場に集合で、お弁当を作り時間になったので集合場所へ移動した。

 

転移門広場に着くと、キリ君が大きな欠伸をして誰かを待っていた。

 

 

「キリ君、おはよう。珍しいわね、まだ此処にいるなんて」

 

「ん?姉さんか。おはよう。アスナを待ってるんだよ。昨晩、アスナに料理を作って貰って食べた後PTを強制されてさ。ここで待ち合わせなんだけど、まだ来ないんだよ。待ち合わせ時間は過ぎてるんだけどさ」

 

「あら、アスナちゃんが?珍しいわね。何かあったのかしら?」

 

「丁度、そう考えていたんだけど、ここで動くとすれ違いになりそうだからさ。大人しく待っているって訳さ」

 

「メッセージ送ってみたら?フレンド登録してあるんでしょ?」

 

「あぁ、登録はしてあるけど・・・」

 

 

そんな話をしていたら、誰かが転移して来た。それも叫びながら・・・

 

 

「キャー、危ない!そこどいて~~!」

 

 

そう叫んで飛び出してきたのはアスナちゃん。勢いよく転移門に飛び込んだんだろう。そのままキリ君に激突して2人は転がって止まった。

衝突されたキリ君はアスナちゃんの下敷きになったのだが、キリ君の手がアスナちゃんの胸に当たっており、キリ君は『なんだ、これ?』といい、手をニギニギ・・・あーぁキリ君・・・私は思わず眉間に手を当ててしまった。

 

胸を揉まれたアスナちゃんは悲鳴をあげ、体術スキルを立ち上げ素手でキリ君の腹に一発食らわせた。キリ君は吹っ飛ばされ、オブジェクトに頭部をぶつけノックバックでクラクラしていた。まぁ、事故とはいえ自業自得だろう。

その後再び転移門から誰かが転移してきた。其方を見ると、転移してきたのはクラディールだった。それをみたアスナちゃんは急いでキリ君の後ろに隠れ、警戒していた。

 

 

「アスナ様、勝手に困ります!さぁ、帰りますよ」

 

 

そう言いながらクラディールはアスナちゃんにゆっくり近づいていく。

 

 

「今日はオフって言ったじゃない!だから護衛はいいって言ったでしょ!!」

 

「そう言われましても、私はアスナ様の護衛です。ひと時も離れるわけには参りません!」

 

「だからって、自宅の前でずーっと見張らなくてもいいでしょ!」

 

 

アスナちゃんのその言葉を聞いて、キリ君と私はギョッとする。すると、いつの間にか来たのか黒猫団のメンバーが話しかけて来た。

 

 

「自宅前で見張りだって?それってストーカーって言わないか?」

 

「そうだよな、なんだよアイツ・・・」

 

「気持ち悪い・・・」

 

 

私は振り返り、再び驚いた。

 

 

「あら来ていたのね、あなた達」

 

「今さっき来たところですよ。着いた早々これです。何事ですか?あ、どうやらデュエルで決着をつけるみたいですね」

 

「・・・まぁ、この世界じゃ手っ取り早い解決方法かしらね」

 

「そうですね。あ、勝負ありましたね。さすがキリト!」

 

 

私達はすっかり傍観者である。ただ、この2人のデュエルが始まる前に感じた殺気・・・覚えがある。殺気のした方を見ると、一瞬だがボロボロのマントの裾が見えた。

嫌な予感は当たると言う。暫くツバサをキリ君につけさせようか、悩ましいところだ。

 

 

どうやら、騒動は落ち着いたらしく野次馬さんたちギャラリーは散って行った。

 

 

「姉さん、見ていたなら助けてくれても良かったじゃないか」

 

「何言ってるのよ、男でしょ。女の子1人くらい守って見せなさいよ」

 

「・・・なんか、冷たくなったよな」

 

「いつまでも子ども扱いしてほしいのかしら?甘えん坊のキリ君?」

 

「ちぇ!アスナ、行こうぜ」

 

「あ、待ってよ~キリト君!」

 

 

アスナちゃんはキリ君を追いかけるように行ってしまった。

 

 

「さて、私達も迷宮区へ向かいましょうか。今日は何階へ行くの?」

 

「今、解放されている一番上へ行きましょう!」

 

「オッケー。そろそろボス部屋が見つかりそうよね~」

 

 

そんな会話をしながら移動を開始した。

 

 

 

----------

 

 

 

黒猫団とのPTは本当に楽しい。それに楽である。ツバサは上空で旋回しながら待機になるが、モンスターがPOPしてすぐに教えるという作業だけを繰り返していた。上層階へ行くにしたがい、モンスターの団体様は少なくなってきた。

なので、1対6になることが多く1人1撃づつ食らわせると敵を倒してしまうことが多々ある。だが、敵もかなり学習しており段々と危ない場面が増えてきている。

 

そして昨日、私の本当の武器を黒猫団の皆が見てしまっている。おかげで、後方での援護が増えてきた。敵を倒しながらマッピングを進めていくと、安全地帯に出た。お昼を少し過ぎていたのでそこで休憩をしようと、サッちゃんと私はお弁当を取り出した。

 

 

「ここが青空の下だったら、ピクニックみたいだったのにな~」

 

「ホント、弁当は明るい外で食いたいな!」

 

「仕方ないよ。フィールドまで戻ったらもっとお昼が遅くなっちゃうもん」

 

「そうそう、サッちゃんの言う通りよ♪はい、準備完了」

 

「うわー、今日は唐揚げと卵焼きが入ってる!」

 

「私はおにぎりをにぎってきたよ。エミリーさんにこの間、海苔モドキを貰ったから」

 

「モドキ??」

 

「そうなの。海藻は無いから、それらしい植物で作ってみたのよ。そうしたら、中々海苔っぽくなってね。味も後付けだけど、らしくなったから♪」

 

「へー、こんなに海苔!って感じなのになー」

 

 

ワイワイ賑やかだ。ここら辺まで来るとあまり他の攻略組もやって来ないため、まぁ問題ないか(苦笑)とそんな事を思い食事がそろそろ終わろうという時だった。

 

 

「ゥアーーーアア!!」

 

「ャアーーーーアァ!!」

 

 

ドップラー効果で悲鳴が近づいてきた。皆は警戒しつつも頭上に?が浮かんでいた。そして音源が現れ更に驚いた。

 

 

「はぁはぁはぁ・・・」

 

「はぁはぁ・・・あはははは!」

 

「なんだ!キリトとアスナさんか!!」

 

「・・・えっ?うっぉ!!ケイタたちじゃないか!・・・それに姉さんも?」

 

「なぜ私だけ疑問形なのよ。それにしても、凄い勢いだったわねぇ、お2人さん?」

 

「何があったの?」

 

「さっきボス部屋を見つけてさぁ、ドアを開けて覗いてきたんだよ。いやー、怖かった」

 

「ホントホント。あれは手強そうだったよ~」

 

「なるほどね。で、強そうなのは判ったけどどんなボスだったの?」

 

「青い羊頭の、でっかい悪魔だな。あれは・・・」

 

「うん、悪魔な容姿だった。両手用大剣で、特殊攻撃ありだね」

 

「そうだな、あれは苦労しそうだ。盾装備が欲しいな」

 

「盾装備ねぇ・・・(ジーッ)」

 

 

2人は私達などいないかのように、「遅くなったけどお昼にしましょ」なんて言って、アスナちゃんが作ってきたお弁当を仲良く食べていた。

以前アスナちゃんが私に、キリ君好みの味を教えてくれと言われたので教えていたこともあり、キリ君は幸せそうにサンドイッチを頬張っていた。

 

そんなキリ君とアスナちゃんを見て、サッちゃんがぼやいていた。

 

 

「あーあ、2人の世界作っちゃってるよ・・・」

 

「あの2人は放っておこうぜ」

 

「そうね。・・・はぁ」

 

「サチ、もう諦めたらどうだ?」

 

「・・・うーん、そうかもしれないねぇ」

 

 

そして、これがサッちゃんとケイタ君の会話。流石ケイタ君はサッちゃんの気持ちに気が付いてたのね。微妙に取り残された感のある私達。

 

 

「ケッ。やってられないよ。誰か可愛い女の子居ないかなぁ」

 

「まぁまぁ、あなた達。頑張って現実世界へ戻りましょうよ。そうしたらきっと彼女も見つかるわよ」

 

「だよな!さすがエミリーさん!」

 

「「「あははは!」」」

 

 

と、まぁなんと賑やかな迷宮区ですこと♪・・・暫くして、また誰かがこのエリアにやってきた。

 

 

「うぉ!なんだか賑やかだなぁ。お、キリトじゃねぇか!」

 

「む、クライン。生きてたか」

 

「なんだよぉ、ごあいさつじゃねぇか!!って、前にもやらなかったか?(苦笑)」

 

「だな」

 

「おめぇにしちゃ、珍し・・・」

 

 

クライン君は近づいてきて、キリ君の後ろにいる人物を見て固まってしまった。

 

 

「ん?どうした?・・・おーい、ラグってんのか?」

 

 

そんなクライン君の前にキリ君は手のひらをかざして左右に振っている。

 

 

「あっ、アスナさぁん~??なんでキリトの奴なんかと一緒なんですか!」

 

「あら、風林火山の皆さん。こんにちは♪」

 

「それにエミリーさんまで!!」

 

「私は黒猫団の皆と最近PT組んで迷宮区へ来てるのよ♪」

 

「じゃあ、アスナさんは?」

 

「あぁ、今アスナと俺とでPT組んでてな」

 

「なんだよぉ!おめぇばっかりズルいぞ!!」

 

「相変わらず、女っ気ないっすねぇ。風林火山の皆さんは」

 

「うるせぇ!!エミリーさぁん!!俺達ともPT組んでくだせぇよ!」

 

「あはは!じゃあ、次はそちらにお邪魔しましょうかね☆」

 

「マジっすか!!やったー。リーダー、偉い!!」

 

「「「「「あははは」」」」」

 

 

更に騒がしくなったところで、また誰かがくる気配がした。

 

 

「!」

 

「キリト君、軍よ」

 

「あぁ、そうみたいだな」

 

 

はじまりの街、黒鉄宮横をホームにしている軍がやってきた。軍が最前線に来るのは25層以来。みな疲弊している様だ。軍のメンバーで見覚えのある人はいなかった。

軍のPTリーダーらしきプレーヤーが他のメンバーを休ませ、こちらにやってきた。

 

 

「私は、コーバッツ中佐。君たちはこの先まで行っているのかね?」

 

「あぁ、ボス部屋までマッピングしてある」

 

「では、そのマップデータを渡してもらおう!」

 

「何だとテメェ!マッピングの苦労を知ってて言ってるのか!!」

 

 

そう代表して言ったクライン君を制したキリ君は

 

 

「いや、構わないよ。マップデータで商売する気はない。どうせ街に戻ったら公開する積りだったんだ」

 

「キリトよぉ、人が良すぎやしねぇか?」

 

 

キリ君はコーバッツさんにマップデータを渡した。

 

 

「協力感謝する!」

 

 

そう、慇懃無礼に言い放ちコーバッツはメンバーのもとへ戻っていき、声を張り上げてメンバーを立たせていた。

 

 

「おい、ボスにちょっかい出すならやめておいた方が良いと思うぞ」

 

「それはこちらで判断することだ」

 

 

コーバッツはキリ君の忠告を無視するかのように、疲れ切っているメンバーをまともに休ませず、先へ進んでいった。

 

 

「おい、あれ。絶対ボス部屋へ行きそうだな」

 

「そうだな・・・様子を見に行くか・・・?」

 

 

そう言うと、皆ニヤニヤしながらキリ君の意見に同意した。

 

 

「お前らも大概お人好しだよ・・・」

 

 

キリ君はそう漏らし、先へ歩を進めだした。私達はそれについて行く。

 

ボス部屋がそろそろ近いとキリ君が言った時、リザードマンが3体もPOPしたが何て言っても此方も団体様。あっという間に片づける。

最後のリザードマンがポリゴン片になった時、微かに悲鳴が聞こえてきた。

 

 

「ボス部屋からだ!急ぐぞ!!」

 

「やっぱり忠告聞かなかったな」

 

「ほらほら、急いで。悲鳴が聞こえてるってことはピンチなんだろうからさ」

 

 

ドタバタと皆がボス部屋へ着き、部屋の中を覗くとそこは阿鼻叫喚の地獄と化していた。第74層ボス、〈The Greameyes〉は両手用大剣を振り回し、更にブレス攻撃で軍の人たちはHPがイエローゾーンへ落ち、既にレッドゾーンの人もいた。

 

 

「早く転移結晶で逃げるんだ!!」

 

「転移結晶が使えない!!」

 

「な、何だって?結晶無効化エリア・・・」

 

「ふっ、ふざけるなよ・・・」

 

 

そんな中、コーバッツは撤退するつもりは無いと叫びグリーム・アイズへ向かっていった。

 

 

「あっ、ばかやろう!!」

 

 

キリ君は叫んでいたが、流石に結晶無効化エリアなだけに飛び込めないでいる。

私は急いで蒼穹剣を構え、剣技を立ち上げ矢を放った。何とかコーバッツさんが切り込む前にボスをノックバックさせることに成功した。それにより、コーバッツさんたちは攻撃が少し通っていた。

 

 

「姉さん!!」

 

「悩んでいる暇はないわよ。助けましょう!キリ君は《あれ》を出しなさい!!」

 

「・・・わかった!準備が出来次第声をかける。悪いが、先に行っていてくれ!!」

 

「みんな、覚悟はいい?」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

「風林火山の皆さんも大丈夫?」

 

「・・・えぇえい!くそったれ!!行くぞ、お前ら!!」

 

「「「「おおっ!!」」」」

 

「じゃあ、行くわよ!!」

 

 

私達はボス部屋へ飛び込んだ。アタッカーを残し、他のメンバーは軍の助けに入る様支持をだす。すると、コーバッツさんが怒鳴り込んできた。

 

 

「手出しは無用だ!!指揮は私が取る!!」

 

「はい?この状況がわかっていないの、貴方は?軍の皆さんは疲弊してまともに動けるような人がいないじゃない。それにもう2人も亡くなっているのよ!!ボス戦を舐めないで!!」

 

「女のくせに、貴様!」

 

「このまま軍の皆さんで戦っていたら全滅していたわよ!・・・それとも手柄が欲しかったのかしら?でしたら貴方も攻撃してください!他の方は避難してもらいますから!いい加減にしてくださいよ!」

 

「・・・ぐっ・・・わかった。この場は君たちに任せる」

 

「あら、貴方はまだ戦えるのでしょう?十分タンクとして役に立ちそうですし」

 

「いや・・・私は部下たちを助けにまわる」

 

「そうですか。それがよろしいですわね」

 

 

私は弓で攻撃しながらコーバッツさんと話をつけた。

 

 

「みんな!!姉さん!待たせた」

 

「真打登場よ!みんな、キリ君のフォローに回って!!」

 

 

みんな攻撃を避けながら、キリ君の方をチラッと見て『えっ?』と言う顔をしている。当然だろう。キリ君は両手に剣を1本づつ握っているのだ。

通常攻撃を仕掛けるだけなら、両手に片手剣を1本づつ持つことは可能だ。しかしイレギュラー装備として認識され、ソードスキルがあがらないのだ。

キリ君はアスナちゃんとスイッチし、ソードスキルで攻撃を始めた。私は要所をついてキリ君が攻撃されないよう剣技なしの攻撃を繰り返した。

それを呆けて見ていた皆はハッと我に返り、ボスに攻撃を始めた。だが、ボスの攻撃を先読みしにくく何人かは攻撃を食らっている。すぐさまPOPスイッチを繰り返した。

 

キリ君は攻撃の手を休めず、ボスのHPが残りわずかになったところで二刀流上位剣技、16連撃《スターバースト・ストリーム》を繰り出した。

この技は16連撃な為大変な隙が生まれる。スキル発動中でも相手の攻撃を受ける可能性が高い危険な技で、ある意味防御を捨てた攻撃スキルだ。

 

私はこの技を見せてもらったことがあるので、この攻撃に合わせて遠距離援護をする。それでも近距離で援護は無理なので全てを防ぎきれるわけではない。

他の皆もこの技は初見な為、タイミングを合わせることが出来ずに見ているしかできなかった。

 

それなりに援護したのだが、キリ君のHPが減るのを食い止めることが出来ずレッドゾーンへ突入してしまった。だが、16撃目がグリームアイズへ決まった時グリームアイズのHPが消え、ポリゴン片となりキラキラとキリ君に降り注いでた。

 

 

頭上にCongratulation!と文字が浮かび上がると、キリ君は「終わった・・・のか・・・?」と呟き、倒れてしまった。

アスナちゃんが慌ててキリ君に駆け寄り、呼びかける。数秒後、キリ君が返事をした。アスナちゃんはキリ君に泣きながら「もう・・・無理しないでよ!心配したんだから」と抱き付いた。

それを見ていたサッちゃんは、もう無理だと言う顔をしてケイタ君の背中で泣いていた。

 

 

 

 

 

「・・・犠牲者は最初にやられた2人か」

 

 

そう言ったクライン君の表情は辛そうだった。

 

 

「ボス戦で犠牲者が出たのは67層以来か・・・」

 

「こんなのボス攻略って言えるかよっ!エミリーさんがすぐに動かなかったら、コーバッツの野郎だってどうなってたかわかんねぇんだぞ!」

 

「・・・犠牲者が少なくて良かった・・・なんて言ってはいけなかったわね」

 

 

避難していたコーバッツさんがやってきた。

 

 

「今回は、すまなかった。俺達は焦っていたんだ。25層以来、攻略に参加せず・・・はじまりの街で徴税紛いな事をして・・・色々周りが騒ぎはじめた。それで上層部がいきなり攻略に参加して体裁を保とうとしたのだ。

私の働きに懸っていると最前線に送り込まれた。プレッシャーだった」

 

「そう、事情はわかりました。ですが、いきなり少人数PTでボスへ挑戦するのは無謀ですよ。それに、貴方は彼らの事を部下と仰いましたが、それは違うのではないのですか?部下ではなく、仲間・・・だと思いますわよ。」

 

「そうですね。確かに、仲間です。部下だのと、彼らに悪いことをしてしまった」

 

「コーバッツさん!俺らは貴方だから、此処までついてきたんだ!これからだって、ついて行きますよ!!」

 

「お前ら・・・すまなかった。ありがとう」

 

「これから、軍の方も大変でしょうが頑張ってくださいね」

 

「エミリーさん、と仰いましたか。ありがとうございます。そして、君たちも。すまなかった。ありがとう」

 

「なぁに、気にすんな。まぁ、二度とあんなのは御免だけどな」

 

「クライン君、蒸し返さないでよ・・・」

 

「・・・蒸し返す・・・といやぁ、エミリーさんにキリト!聞きたいことがあるんだが?」

 

「えっ?何かしら?」

 

「あの武器は何すか!エミリーさんの武器は槍じゃなかったのか?どう見ても弓にしか見えねぇんだが。それにキリトのありゃあ、何だよ!」

 

「えっと・・・まぁ、見た通り弓よ」

 

「言わなきゃ・・・ダメか?」

 

「エミリーさんの武器はまぁ後でもいいか。キリトは、ったりめーだろ!みたことねぇぞ!!」

 

「・・・エクストラ・スキルだよ。《二刀流》」

 

 

周りにいた皆さんは ”おぉ”とどよめいた。

 

 

「しゅ、出現条件は?」

 

「それが解っていれば、公開してる」

 

「それって、ユニークスキルってやつよね」

 

「うわー、あの神聖剣と同じ?」

 

「そう・・・だろうな」

 

「武器屋情報にゃ載ってねぇから、そうだろうな!水臭ぇじゃねぇか。そんなすげぇもん隠してるなんて!」

 

「うっ、悪かったよ・・・」

 

「まぁ、しょーがねぇか。ゲーマーは嫉妬深いかんなぁ。俺ぁ、そんなことで嫉妬なんかしねぇけどな!」

 

「クラインさんが嫉妬するのは女が絡んだ時だけだよな!」

 

「うっせぇ!」

 

 

皆の笑い声が響いた。コーバッツさんは軍の皆さんを率いて戻って行った。

 

 

「上へのアクティベートはどうする?おめぇが行くか?」

 

「いや、俺はいい・・・頼めるか?」

 

「あぁ、頼まれた」

 

 

クライン君はアスナちゃんに抱き付かれ困っているキリ君を見て一言、

 

 

「まぁ、頑張りたまえ。若人よ」

 

 

とだけいい、階段を上がって行った。

 

 

残った私と黒猫団も、風林火山について行き上層へ上がった。

 

 

 

 

 




うーん、戦闘描写がやはり出来なくていい加減な感じになってしまいました。

キリトとアスナの結構イチャイチャ?シーンも無理やり感が拭えず・・・
サラッと流しちゃいました(汗)


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