【更新停止中】ソードアートオンライン 記憶の欠片 作:ショウユー
見捨てないでくれた方々、ありがとうございます。
感謝感謝です。
4/20 次の話で矛盾が出るので修正します。
「どこから話しましょうかね。・・・キリ君は覚えていると思うけど、私は家を勘当されてある人と結婚したの。まぁ、正式ではなく内縁だったけれどね。
で、その人の仕事を手伝いながら幸せに暮らしていたわ。そして、子供が出来た。女の子で、名前は結衣。その子とキリ君は会ってるわよね。だけどその子は2歳の時に病気になって死んでしまった・・・。
今、あなた達が被っているナーブギアの開発に関わっていた人物が私の夫なのだけれど、彼が結衣をプログラム化(AI化)して電子の世界で再生させたのよ・・・2歳の子供の状態でね。私はそれを知らされてなかったのだけれど。
彼は結衣をメンタルヘルスカウンセリングのAIとして成長させていったわ。
それが、あの子・・・ユイよ。このカーディナルシステムはプレーヤーのメンタルケアすらもプログラムに任されているのよ」
「姉さんはこのゲームに関わっていたのか・・・姉さんは何を担当していたんだ?」
「私の専門はグラフィック。このゲームの景色・風景のデザインを作っていたの」
「・・・そうか。それで爺さんは姉さんの事を悪く言っていたのか」
「えぇ、そうね。私の母、キリ君の叔母にあたる人だけど、母は武道家の家へ嫁いだのよ。
そして、私もその家で育っている。ある程度期待されていたけれど、進みたい分野が180度違ったからね。でも、武道を続ける約束で希望の大学までは出してもらえたわ」
「それで・・・その男性と知り合って結衣ちゃんが生まれたんですね」
「えぇ」
「姉さん、この機会だから確認するけど・・・姉さんって・・・」
「うん、そうよ。私は現実世界に体は無いわ」
「えっ!?どういう事ですか・・・エミリーさんはここに居ますよね?」
「私は子供を・・・結衣を亡くして生きる希望を失っていたわ。そこへ、夫にある試験に参加してみないかと言われたの。それが、あなた達が今被っているナーブギアの前身だったの」
「・・・」
「その機械の試験運転中に事故が起こったの。これは公にはされていない事なのよ。私は意識だけが電子の世界に放り出された。だけど体へ戻る気はなかったから、そのまま其処に留まり続けたわ」
「それを叔父さんと叔母さんが許さなかったって事か」
「えぇ。当時、一般の人間には理解できない事だったのよ・・・まぁ、病院で意識が戻らない患者と同じよね。その状態が流石に2年も続けば、私の体もかなり衰弱していたわ。
そして、私から連絡が途絶えた父と母は彼を探し出し、私の状態を知ってしまったの。せめて体を返してくれとね・・・死んでしまった状態に近かったから。彼は相当悩んだ末、私の体は機械から外されて荼毘に付されたわ」
「姉さんの葬儀か・・・俺が覚えているのはその記憶なんだ。突然で理解が出来なかった・・・」
「でも、お姉さんの意識はそのままサーバーに残っていたのでしょ?」
「そう。だけどこのゲームがだいぶ出来上がってきて、ネットワークに接続された時に私は外へ出たの。そのまま2年程、色々なネットワークを回遊したわ。そして、ある日叔母様が見ていたサイトにたどり着いたとき、ボソッと呟いたの。キリ君を心配して『誰でもいいから様子を見てきてほしい』とね」
「それで姉さんは此処へ来たって事か」
「あれ?そうするとプレーヤーとして介入出来ないんじゃ?」
「そこは、あれだろ?ログイン出来なかったプレーヤーのIDを使ったんだろ?」
「えぇ、その通り。このゲームに関わっていたこともあって、GM権限を私も持っているの。だから、カーディナルの裏をついてプレーヤーIDを拝借して騙している状態ね。
だけど今は、この拝借したIDの一プレーヤーでしかないから使えないのだけれどね」
「使おうと思えば使えるんだろ?」
「まぁね・・・使ってしまえばカーディナルに見つかって私の存在ごと消される可能性が高いけど・・・もしかしたら・・・」
「大丈夫なのか!?」
「うぅん。何でもないわ・・・」
「まだ何か隠してそうだよな・・・でも、何で今まで話してくれなかったんだよ!」
「キリ君は案外精神がお子様だからね。そばで一緒に支えてくれる人がいないと、打ち明けられなかったのよ」
「うっ・・・面目ない」
「私がキリト君を支えていきます!安心してください、お姉さん」
「うふふ。アスナちゃんにお姉さんなんて呼ばれると嬉しいわね~。こーんな可愛くて綺麗な義妹が出来て。あーぁ、現実世界に戻れたら良かったな、なんてね♪」
「それを言ったら、俺達だって確実に戻れる保証は何処にもないじゃないか」
「まぁ、頑張ってね♪」
「あれ?って事は・・・お姉さんはこのゲームがクリアされたらどうなるんですか?」
「さぁ・・・どうなるんでしょうね?」
「わかってないのかよ!!」
「まぁ?どうせ死んでるんですから問題なし?」
「なんで疑問形・・・」
簡単にだけどユイの説明と私の今の状態を話した。流石にこのデスゲームの原因が自分にも関係あるとは言えなかった。何時か話せるときが来るといいのだが・・・。
ユイは目覚めず、ショウさんがキリ君とアスナちゃんに『泊っていくといい』と言ってくれ2人は泊っていくことにした様だ。ユイの事を自分たちの本当の子供の様に可愛がり心配してくれているのがわかった。
私はユイが自分の子供には思えない。更に言えば、結衣に重なるだけなのだ。きっとアキさんも同じ様な感じなのだろうか・・・それとも・・・。彼と話した限りではユイの事を結衣だと思っているのかもしれない。
となると、今頃ユイの様子をあの場所で見ているのか。だとしたら、今の状況をどう思っているのか。下手に此処へ来ることは出来ないだろう。となれば、先ほどのノイズ音はカーディナルがユイを探したからかもしれない。
私はヒースクリフとフレンド登録はしていない。ギルドメッセージは送信できるのだが、団長は滅多な事ではメッセージを送らないし私も送らないようにしている。確認したいが、後々面倒なことになりそうなのでやめておいた。
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翌朝、ユイは目が覚めており大人しくアスナちゃんが起きるのを待っていたようだ。私は皆より早めに起きてサーシャと朝食の準備をしていた。起床の時間になったので、ツバサに皆を起こしてもらいに行かせる。
するとツバサはすぐに戻ってきた。まだ皆が起きてきていないのにどうしたのだろうと首をかしげていると、『ユイが起きていましたよ』と教えに来ただけだった。
皆が起きて来て朝食を食べている。キリ君たちも一緒に食事を始めたが、子供たちの食事風景に驚いていた。
「これは・・・凄いな・・・」
「・・・そうだね・・・」
「うふ、毎日こうなんですよ」
「ユイちゃんの具合、大丈夫ですか?」
「昨晩ゆっくりと休ませてもらったおかげで、この通りなんですが」
ユイを見るとパンにかぶりつき、モグモグ食べていた。私もお茶を皆に配り終わり、席についた。
「エミリーさん、ありがとうございます」
「いいのいいの。私が来た時ぐらい、ゆっくりしてね」
ユイは私の顔をジーッと見つめて何か考えているような素振りをしている。
「ユイ?私の顔に何かついている?」
「うんん。でも、エミリーさんの事を何だか知っているような気がした」
「・・・ユイちゃんは22層の森の中で迷子になっていて、記憶を失ってるみたいなんです」
「そう・・・ですか」
「ユイの記憶が戻るまで、待つしかないかな。もしかしたら、戻らない可能性もあるけど・・・
その方がユイにとって良いのかもしれないわね」
私達が少し暗い顔になると、ユイは悲しそうな顔をして『ママ、笑って』とアスナちゃんに言っていた。その時、ドアをノックする音が聞こえた。
ショウさんとサーシャが誰が来たのか確認しに行った。すると、声が聞こえて来た。
「ユリエールさん!どうかしましたか?此処へいらっしゃるのも珍しいですね」
「どうも、ご無沙汰してます」
「もしかして、昨日の件ですか?」
「いや、昨日はうちのギルドメンバーがご迷惑を掛けましてすみませんでした。むしろ良くやってくれたと思っていたほどです」
「立ち話もなんですから、奥へどうぞ」
「ありがとうございます」
ユリエールさんを部屋へ通し、自己紹介が済んだ。お茶を出して話を聞く。
席にはショウさん、サーシャ、キリ君、アスナちゃん、ユイが着いていた。
ユイにはミルクを出した。
「昨日、あいつ等を追い払った方はどなたですか?」
「あ、はい。私です」
アスナちゃんが少し不安顔で手を挙げる。
「あぁ、苦情を言いに来たのではありませんのでご安心ください」
「ホッ。えっと、何かご用でしょうか?」
「貴女方の強さを見込んでお願いに来ました。恥ずかしい話なのですが今、我がギルドは内部分裂するなか台頭してきた≪タイラント≫という男がいまして。タイラント一派は権力を強め効率の良い狩場を独占したり、調子に乗って徴税と称した恐喝紛いな行為すら始めたのです。
でも、ゲーム攻略をないがしろにするタイラントに批判する声が大きくなってタイラントは配下の中からもっともハイレベルなプレーヤー達を最前線に送り出したんです」
「っあ、コーバッツさん・・・」
「最悪の事態はエミリーさんのお蔭で回避できましたが、成果を上げられなかった結果コーバッツを追い出しました。その事でタイラントは強く糾弾され、もう少しでタイラントをギルドから追放できるところまで往ったのですが・・・
追い詰められたタイラントはシンカーとキバオウを罠に掻けるという強硬策に出ました。
・・・シンカーとキバオウをダンジョン奥深くに置き去りにしたんです!」
「「「「「えっ!」」」」」
「転移結晶は?」
そう聞いたキリ君の質問にユリエールさんは頭を横に振った。
「まさか手ぶらで?!」
「彼等は良い人すぎたんです。タイラントの丸腰で話し合おうと言う言葉を信じて・・・。昨日の事です」
「昨日・・・それで、シンカーさんとキバオウさんは?」
「かなりハイレベルなダンジョンの奥なので、身動きが取れないようで。・・・っ全ては副官である私の責任です!・・ですがとても私のレベルでは突破出来ませんし、タイラントが睨みを利かせる中、軍の助力は当てにできません。
そんなところに恐ろしく強い2人組が街に現れたと言う話を聞きつけ、こうしてお願いに来たしだいです」
ユリエールさんは席を立ち、深々と頭を下げてこう言った。
「キリトさん、アスナさん、エミリーさん、ショウさん!どうか私と一緒にシンカーたちを救出に行ってくださいませんか?」
「私達に出来ることなら力を貸して差し上げたい、と思います。でも、こちらで貴女のお話の裏付けをしないと・・・」
「無理なお願いだって事は私にも判っています。でも、彼が今どうしているのかと思うと・・・
もぅおかしくなりそうで」
ユリエールさんは涙を流しながら、私達に訴えた。
「ユリエールさんは、嘘をつくような方ではないですよ。それは俺が保証します」
「そうだな。ショウさんを信じます。疑って後悔するよりは、信じて後悔しようぜ」
「そうね、行きましょう。何とかなるわ♪」
「ふふ。相変わらず呑気な従姉弟ですね。微力ながらお手つだいさせていただきます」
「ありがとうございます!」
「大事な人を助けたいって気持ち、私にも良く分かりますから」
ユリエールさんは涙を拭いてホッとした顔になった。
「ユイ、ちょっとお留守番しててな」
「いや!ユイも行く!」
「キリ君、ユイを連れて行っても大丈夫よ」
「あぁ、そうか・・・」
「あなた達をパパとママって慕ってるんですもの。離れたくないのよ」
「エミリーさん、ありがとう!」
「・・・どういたしまして。」
私はとても複雑な気持ちだった。ユイは自分の子供と言っても良い。それなのに他人行儀にされるのだ。まるで子供を捨てて出ていった母親が、他人に育てられた我が子に再会したような感じだろうか・・・。
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ユリエールさんに案内されたのは黒鉄宮。裏側に地下ダンジョンの入り口へ続く通路があった。
「まさか、はじまりの街の地下にこんなダンジョンがあるなんて」
「ベータテスタの時にはこんなの無かったよな?」
「あぁ、不覚だった」
「上層攻略の進み具合によって解放されるタイプなんでしょうね。タイラントはこのダンジョンを独占しようと計画していました」
「専用の狩場があれば儲かるからねぇ」
「それが、60層クラスの強力なモンスターが出るので殆ど狩りは出来なかったようです」
真っ直ぐな通路を進むと更に地下へ降りる階段があった。
「ここが入口です」
「うぁ」
声を上げたユイを心配そうにユリエールが見た。
「ユイ、怖くないよ!」
「ユリエールさん・・・ユイの事は心配しなくて大丈夫よ」
「えぇ。この子、見た目よりしっかりしてますから」
そして、ダンジョンへの階段を下りていく。
流石に攻略組が4人もいるのだ。途中エンカウントした敵はあっという間に蹴散らしていく。主にキリ君が・・・
進んでいくと4つ目がある大きなカエル、スカベンジトードが20匹程出てきたが、あっという間にキリ君が片付けていった。
「なっ、何だかすみません。任せっぱなしで・・・」
「いっ、いえ(苦笑)。あれはもう病気ですから、やらせておけばいいんですよぉ」
そんな会話をしているアスナちゃんとユリエールさんだが、敵を倒しまくっているキリ君を見ているユイは楽しそうにはしゃいでいた。その様子を私とショウさんは苦笑してみていた。
ユリエールさんはウィンドウを開いてマップを出し、シンカーさん達がいる所を確認した。
「シンカー達はこの場所から動いてません」
「そこが安全地帯なのね。そこを曲がって真っ直ぐ行ったところみたいね」
「はい」
「急ぎましょう」
マップを頼りに進んでいくと、何やら広い通路に出た。その時、頭上でツバサがピーッと高い声で一声鳴いた。
「ユリエールさん、この先にきっとモンスターが出ます。どの位の強さか分かりませんから、気を付けてください」
「なぜ判るのですか?」
「今、ツバサが鳴いたでしょ。ツバサが鳴くときは強力なモンスターが出る時だけなの」
「了解しました」
「皆も油断しないでね!」
「あぁ」
進んで行くと、少し遠くにドアのサイズの明るい場所が見えた。すると、ユリエールさんが其処にシンカー達がいると言って走り出そうとした。
「シンカー!!キバオウ!」
「ユリエーールッ!!」
向うで腕を振ってシンカーさんがアピールしていたが、
「こっちに来ちゃアカン!!その通路には!!」
キバオウさんが静止を掛けた。だがユリエールさんはシンカーさんに逢えた嬉しさから止まらずに走って行こうとしていた。
「危ない!」
「ダメだ!!」
「ユリエールさん!!」
皆も声を掛けるが走っている彼女には届かない。その時、通路の上から何かが襲ってきた。キリ君が俊敏値全開でユリエールさんに体当たりする様に庇い、剣を抜いて攻撃してきた獲物を防いだ。
ユリエールさんは転がるようにシンカーさん達の方へ向かった。私達も慌ててキリ君に駆け寄り、剣を構える。
「ユリエールさん!この子をお願いします。急いで転移結晶で!」
「ショウさんも一緒に転移結晶で戻ってください!ユイの事お願いします!」
そう言ってアスナちゃんはユイをユリエールさんの方へ押しやり、キリ君の隣に並んだ。ショウさんは私達を心配していたが、ユイの事を頼まれたので仕方がなく4人で戻ると言ってくれた。
「皆、気を付けろ!俺でもレベル識別出来ない!恐らく90層クラスだ!!」
「ザ・フェイタルサイズ・・・」
大きな鎌と死神のようなフードを被っている、顔は骸骨そのものの迷宮区のボスモンスターだ。フェイタルサイズは巨大鎌でキリ君に攻撃をした。1撃を受けただけでキリ君は吹き飛ばされ、HPがイエローゾーンまで落ちていた。
「キリト君!!」
キリ君にアスナちゃんが駆け寄ろうとするが、アスナちゃんにターゲットが移り攻撃しようとしてきている。私は慌てて弓にし、スキルを放った。するとターゲットは私に移動したが、さてはて・・・どうしたものか・・・。
すると、ユリエールさん達と一緒に転移したはずのユイがスタスタと私達を庇うようにフェイタルサイズと対峙した。
「ユイ!!」
「ユイちゃん!!」
キリ君とアスナちゃんはユイがプログラムだという事を忘れ、まるで自分の子供の様に心配している。だがユイは私達の方へ振り返り、ぎこちない笑顔を見せてフェイタルサイズと対峙した。するとフェイタルサイズはユイ目掛けて巨大鎌を振り下ろした。
「あっ!」
アスナちゃんが思い出したように声を上げた。そうなのだ。ユイはAIであるが故、『紫色のシステムウィンドウ<<Immortal Object>>(破壊不可能物体)』が出現した。
ユイはゆっくりと宙へ浮き上がり、力を出すように体が光ると白いワンピース姿になり、火炎を生み出す。その火球を作るとその中から大降りの火焔の剣を生み出し、ボスへ一振りし、火球に包み、消滅させた。
そして、またゆっくりと降りてくるとユイは泣きそうで困ったような笑顔を私達に向け、こう言った。
「パパ、ママ、エミリーさん。全部思い出したよ」
私達は安全地帯に移動し、ユイは黒い大きな石で出来た様な箱の上に座ると話し始めた。
話が思いつかなかったわけではなく、単純にゲームをして遊んでおりました。
何気にリアルでも忙しい日々を送ってまして・・・
SAO コード・レジスタをやり始めてしまったら、ついつい(汗)
続きもなるべく早く投稿できるようにしたいと思っております(汗)