【更新停止中】ソードアートオンライン 記憶の欠片   作:ショウユー

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第18話

 

 

 

 

 

「ユイちゃん、思い出したの?今までの事・・・」

 

「はい。アスナさん、キリトさん、お母さん・・・全て思い出しました」

 

 

ユイのその言葉を聞いてキリ君とアスナちゃんは驚きながらも複雑な顔をしている。私は、お母さんと呼ばれドキッとしてしまった。

まさか、私が母としてプログラムされていると思わなかったのだ。アキさんは随分酷いことをしてくれたものだ。

ユイはこのSAOのシステムの説明をして、自分の存在がどういったものなのか思い出したと語り、そこでこう述べた。

 

 

「プレーヤーに違和感を与えないように私には感情模倣機能が組み込まれています。偽物なんです。この涙すらも・・・」

 

 

そう言い、ユイは涙を流して謝っていた。

 

 

「でも、記憶がなかったのは?AIにそんなこと起こるの?」

 

「2年前正式サービスが始まった日、カーディナルは何故か私にプレーヤーとの干渉を一切禁止と言い渡しました。私はやむなくプレーヤーのメンタル状態のモニタリングだけを続けたんです。

状態は最悪と言ってもいいものでした。恐怖・絶望・怒りと言った負の感情に支配された人々。時として狂気に陥る人もいました。本来であれば直ぐにでもそのプレーヤのもとに赴かなければならない。

でも、人に接触するのを許されない。私は徐々にエラーを蓄積させ崩壊していきました・・・。でもある日、他のプレーヤーとは大きく異なるメンタルパラメーターを持った3人のプレーヤーに行きつきました。

喜び・安らぎ・・・でもそれだけじゃない・・・。3人の傍に少しでも近づきたくて私はフィールドを彷徨いました」

 

「それで、22層の森に?」

 

「はい。キリトさん、アスナさん・・・お母さん!・・私ずっと、3人に会いたかった。おかしいですよね?そんな事、思えるはずないのに・・・。私、ただのプログラムなのに」

 

「ユイ、貴女はただのプログラムなんかじゃないのよ。ユイを生み出したお父さんの思いが詰まっているの。そして、私の事も記憶(プログラム)されていたのね。きっと私の事も貴女は判っているのでしょ?」

 

「はい。このカーディナルで教育を受けていたツバサちゃんや他のモンスター達が羨ましかった。私だってお母さんに会いたかったのに!!」

 

「ごめんなさいね。お父さんとお母さんがちょっと喧嘩していてね・・・お母さん、途中で出て行っちゃったから」

 

「でも、こうして会えて嬉しいです」

 

「ユイ、これから貴女はどうしたい?」

 

「パパとママとお母さんとずっと4人で一緒に居たいです」

 

「そう。わかったわ」

 

「でも・・・」

 

「そうね。このままだと、ユイはカーディナルから異物として消去されてしまうわね」

 

「なんだって!」

 

「キリ君、大丈夫。この黒い大きな箱は、GMがシステムに緊急アクセスする為に設置されたコンソールなの」

 

 

私がそのコンソールに触れるとキーボードとモニターが現れた。

 

 

「SystemCommand!Access GameMasterID:EMILY!!」

 

 

コマンドを叫ぶとモニターにアクセスコードが入力される。

 

 

「MoveCoreProgram!≪MHCP-1≫CordName:YUI to PlayerID:kirito of LocalMemory!!」

 

 

そうすると、ユイの体が透けていき笑顔のままユイは姿を消した。

 

 

「これで、ユイのコアプログラムはキリ君のナーヴギアのローカルメモリに移動されたわ」

 

 

私の手元に涙型の水色のクリスタルが下りて来た。それをアスナちゃんに渡してあげる。

 

 

「お姉さん!ありがとうございます!!」

 

「いいのよ。可愛い子供と従弟夫婦の為ですもの」

 

 

アスナちゃんは泣き笑いをして私に抱き付いてきたが、キリ君は不安そうな顔をしていた。

 

 

「キリ君?どうしたの?」

 

「姉さん・・・大丈夫なのか?カーディナルにアクセスしちまって」

 

「あぁ、恐らく大丈夫だと思うわ」

 

「なんでそんな事が言えるんだよ!」

 

「う~ん・・・。まぁ、そのうち話せる時が来ると思うわ。それまでは、秘密。この事は口外しないで頂戴ね」

 

「あぁ、そんなの当たり前だよ!!姉さんの存在自体がイレギュラーなんだ。誰にも話せるわけがないだろう!」

 

「さっ、私達も戻りましょうか」

 

「「あぁ(はい)!」」

 

 

私達は転移結晶ではじまりの街へ戻った。

 

 

 

 

 

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私達が戻るとショウさん、ユリエールさん、シンカーさん、キバオウさんが待っていてくれた。

 

 

「お帰りなさい。ご無事で良かった」

 

「ホンマや!御3方はワイらの命の恩人や!!」

 

「あれ?ユイちゃんは?」

 

「あぁ、あの子は元いた所に戻りました」

 

「これからこの教会でちょっとした食事会などをしようと思ってます。是非ご一緒してください。あなた方のお蔭で私達は無事に戻ってこられたのですから」

 

「あら、それは素敵ですね。キリ君とアスナちゃんは参加していったら?私は少し用事を思い出したので失礼しますけど」

 

「えっ!お姉さんは参加されないんですか?」

 

「えぇ。確認したいことがあるから」

 

「姉さん、危なくはないんだろうな?」

 

「大丈夫よ。全く危険はないから安心してちょうだい」

 

「わかった」

 

 

私はツバサを連れてその場を離れた。勿論行先はヒースクリフの処である。その前に彼が何処にいるのか確認すると、彼は自宅にいた。なんとまぁ、用意周到ですこと。きっとさっき起きたことも見ていたに違いない。

それなら話が早くて助かる。早速、ギルドメッセージで連絡をとると『待っている』とすぐに返事が届いた。

 

 

 

 

 

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ヒースクリフの自宅がある層へ着くと、転移門の前に本人が迎えに来ていた。

 

 

「早かったな」

 

「わざわざ此処まで来なくてもいいのに・・・」

 

「君に早く会いたかったのだよ。大丈夫だ。この層は最近過疎が進んできている。Kobのホームがここにあったころはかなり賑わっていたのだが、今はこの通りさ。それに、君はギルドメンバーだ。言い訳はつくだろう?」

 

「まぁ、そうですわね」

 

 

特に会話らしいものもなく、ヒースクリフの自宅に到着した。書斎へ案内されると、そこはカーディナルへのアクセスルームになっていた。

 

 

「ここは、私が1人でプレーヤー達を観賞するために作った部屋だよ。君の動向が気になって、先ほどの事も此処で見ていた。まさか、ユイが抜け出すとは思わなかったが・・・」

 

「ユイはカーディナルが干渉禁止を言い渡したと言っていましたが、あれは貴方が指示したのではないの?」

 

「あぁ無論だ。・・・だが、まさかあの子がモニタリングをしていたとは思わなかった。AIとしてプログラムに忠実だったのだな」

 

「当然よ。なぜ、干渉禁止をしたのか理由をきちんと話さなければ、MHCPとしての役割を全うしようとするに決まってるじゃない」

 

「私はプレーヤー達のメンタル状況も調査していた。酷い状況になるのは判っていたからな。そんな酷い状況を可愛いユイに見せたくなかったのだ」

 

「結果、最悪な状態になったって事ね。大事な娘を取られちゃったんだもの。それに私がカーディナルからユイを切り離した時、私に手出しできないようにしたのも?」

 

「里親に出したと思う事にしたよ。キリト君ならユイを可愛がってくれるだろう。実際に君の娘なのだ。忘れ形見の様なものだしな。それと私は何もしていないよ。カーディナルが君の存在を否定しなかったって事だろう。」

 

「・・・私は本当に酷い人と一緒になったものね」

 

「後悔しているかい?」

 

「いいえ、それは無い。あえて言うならば、自分の男を見る目の無さに呆れたって感じかしらね」

 

「碌でもない男ですまない」

 

「謝られてもね・・・」

 

 

書斎を出て、客間へ戻ると私はストレージからティーセットを出し、紅茶と珈琲をいれ一息ついた。

 

 

「明日、KobとMTD合同のボス攻略会議を開く。おそらく今回も2ギルド合同で偵察隊が組まれるだろう」

 

「犠牲者が出ないことを祈るしかないわね」

 

「今度の敵はクォーターポイント最後のボスだ。強敵だ」

 

「全く・・・ボスたちの強さを設定したのは貴方じゃないの?」

 

「作ったのは私だが、強さを決めているのはカーディナルだ。私は手出ししてないよ。プレーヤー達、攻略組の強さを平均してカーディナルがボスの強さを決定しているのだ」

 

「へー。カーディナルは本当にお利口ね。このゲームがクリアされたら崩壊させてしまうのでしょ?」

 

「そのつもりだ。サーバーからも消去されるようにしてあるよ」

 

「他の分野へも色々役にたちそうなのにねぇ」

 

「まぁ、いいではないか。このゲームは私の世界だ。私がどうしようと・・・」

 

「ふーん・・・貴方1人で全部作った訳ではないのに。色々な人が関わっていたのよ?その人たちの事は蔑ろにして・・・」

 

「自分が死ねる口実が欲しかったのかもしれないな。君に逢うにはこうしなければ会えなかったのだから」

 

「判ったわよ。私も貴方の罪を一緒に背負いましょ。世紀の大悪人様(笑)」

 

「相変わらず君は厳しいな」

 

「甘やかすとまた、とんでもない事をやりそうですからね。こちらも厳しく接しないとね」

 

「耳が痛いな・・・(汗)」

 

 

本当に此処にいると色々思い出す。楽しかった3人での生活を・・・。

 

 

「残念だわ。折角懐かしい我が家にいるって感じなのに、まるで他人の家にいるみたい。貴方のそのアバターのせいね」

 

「・・・むぅ。君に逢える確証がなかったからな。確実に逢えると分かっていたのなら此処にいる時ぐらいアバターを戻せる設定にしたのだが・・・。

まぁ、ギルド設立当初は資金が足りなかったので此処をギルドホームにしていたからな。皆がいる前で本来の姿に戻ってしまっては正体がばれてしまう」

 

「まだ完全に許した訳ではないから、丁度いいのかもしれないわね(クスッ)」

 

「君がこんな人を弄るのが好きな性格だとは思いもよらなかった」

 

「そうね。現実世界では誰でも猫を被ると思うわ。私もその一人だったって事ね。私の実家の事は分かっているでしょ?あの環境じゃ、やりたい事がハッキリしていたとしても容易じゃない。

親の前でも猫を被って良い子を演じてないと追い出されちゃうもの。聞き分けの良い子だったからこそ、あの大学にも行けたのよ。でなければ貴方に逢う事もなかったわね」

 

「その点は感謝しなければならないな」

 

「さてと、確認も終わったことですし。私は自分の宿へ戻りますわ。いつまでも思い出話していても仕方がないものね」

 

「サバサバしているところは変わらないか。・・・また転移門まで送らせてくれ」

 

「えぇー、遠慮しまーす♪」

 

「・・・此処にいる君は本当に結衣菜なのか判らなくなる時があるな・・・まぁ、それが君の本性だったって事か」

 

「あら?私に対する気持ちが覚めたかしら?」

 

「いいや、あの頃より更に楽しいな。最近では弄られてる自分も嫌いじゃないと解ったしな」

 

「うふふ。恋は盲目とよく言ったものね」

 

「大人しくお淑やかな君が懐かしく思う時もあるぞ?」

 

「あら、それは悪うございましたね。此処では強気に生きてやりたい事やらないと後悔する世界ですからね」

 

「それもそうだな」

 

「じゃ、戻りますわ。また近いうちに逢う事になりそうですけど」

 

「あぁ、宿まで気を付けてくれ」

 

 

私は手を振りながら彼のホームを後にした。

 

 

 

 

 

宿へ戻ると丁度アスナちゃんからメッセージが届いた。食事会に参加したことで2人とも気が紛れたらしい。キリ君はユイの事で滅入っていたのだろう。また明日遊びに行くと返信しておいた。

 

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

 

今日はアスナちゃんと一緒にお菓子を作ることになった。キリ君は暇つぶしも兼ねて釣りをしに湖まで行っている。

 

 

「キリト君、今日こそ大物釣って来るって言ってましたけど・・・大丈夫かな?」

 

「え?それは?」

 

「湖が近いからそこへ釣りに行くんですけど、最近手ぶらな事が多いんですよ」

 

「あら、じゃあニシダさんにでも穴場を教えてもらおうかしら♪」

 

「ニシダさん?」

 

「えぇ、随分前に知り合ったのよ~。釣りスキルの高いおじさまよ」

 

「へー」

 

 

そんな話をしながらクッキーだのケーキだのを作っていた。この間、色々な物の耐久値が高くなるレアアイテムを手に入れたのだ。

それは料理にも使え、調理中に使用するとあら不思議。出来上がった料理の耐久値が上がるため日持ちする様になるのだ。私はこれを利用して調味料を作り置きしている。

楽しくお菓子も作り終え夕方、キリ君が帰宅した。

 

 

「ただいまぁ」

 

「お帰りなさい!あら、お客様?」

 

「あぁ、湖で知り合ってな。こちらはニシダさん。で、彼女が俺の妻のアスナ。隣にいるのが俺の姉のエミリーです」

 

「ニシダさん!!」

 

「おぉ!エミリーさんじゃないですか!久しぶりですなぁ。いやぁ、キリトさんはエミリーさんの弟さんでしたか!!」

 

「アスナちゃん、こちらがさっき話していた釣りスキルが高いニシダさんよ」

 

「なんだ、二人は知り合いだったのか」

 

「ニシダさんとはフレンドなのよ♪」

 

「さぁ、こんなところで立ち話もなんですから、どうぞ入ってください」

 

 

ニシダさんをリビングに通し、アスナちゃんが特製のお茶を出してくれた。話を聞くとキリ君が全然釣れていないのを見て、つい声をかけたそうだ。話をしていくと釣った魚の食べ方の話になり、調味料の(特にお醤油の)話題になりキリ君が心当たりがあると言ったそうだ。

 

 

ニシダさんから頂いたお魚たちを調理し、ご馳走が並んだ。キリ君は遠慮しないでバクバク食べていた。

 

 

「いやぁ、堪能しました。まさか、この世界に醤油があったとは!」

 

「此方がお醤油です。自家製なんですよ。どうぞお持ちになって♪ちょっと特別なので日持ちしますわ。使いきるまで持つはずです」

 

「よろしいんですかな?」

 

「遠慮なさらずに。こんなお魚をたくさん頂けたのですから♪」

 

「そうですか?じゃあ頂きます」

 

 

食事も済み、お茶を飲みながら会話も進む。

 

 

「釣りスキルお高いんですね。キリト君なんか、ろくに釣ってきた試しが無いんですよ」

 

「この辺の湖は難易度が高すぎるんだよ」

 

「いやぁ、そうでもありませんよ。難易度が高いのはキリトさんが釣っておられたあの大きい湖だけです」

 

「っぁは!」

 

「「クスッ」」

 

「なっ!なんでそんな設定に!」

 

「そっ!それです!!あの湖にはヌシがおるんですわ」

 

「「「ヌシ!?」」」

 

「えぇ、私も何度かヒットさせたことがあるんですがね・・・。物凄い力で竿ごととられてしまいました」

 

「うんうん!」

 

 

アスナちゃんは興味津々で楽しそうに、キリ君は胡散臭そうな顔をしてニシダさんの話を聞いている。

 

 

「そこで、物は相談なんですが・・・。キリトさん!明日、ヌシ釣りを手伝っていただきたいのです!!」

 

「へっ?」

 

「私の筋力パラメーターでは、ヌシを引き上げることが出来ません」

 

「!もしかして、釣竿のスイッチ!!」

 

「えぇ、当たりを私が引いて完全に食いついたらキリトさんに釣竿を渡して釣り上げてもらいたい!」

 

「面白そうですね!」

 

「考えましたねぇ。いいじゃない。キリ君やりなさいよ!」

 

「えぇー」

 

「何その反応・・・いやぁねぇ・・・そんな話を聞いたらヌシがどんなヤツか見てみたいじゃない!」

 

「そうですよねぇ~お姉さん♪」

 

「2人にはかなわないな・・・はぁ」

 

「じゃあ、お願いしてもよろしいですかな?」

 

「はい、承りました」

 

「良かった。これで、念願叶いますな!わっはっは!!」

 

 

ニシダさんは釣りをする時間などをキリ君に伝えて帰って行った。

私も自分の宿屋へ帰り、ゆっくり休むことにした。

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

 

翌朝、湖に行ってみると大騒ぎになっていた。大弾幕に『がんばれニシダ!』『ヌシを釣れ!』とか色々書かれていた。ニシダさんの仲間内で連絡しあっていたのだろう。

 

 

「おいおい・・・はぁ」

 

「皆ヌシの事知ってたんだねぇ!」

 

 

そう呟いたアスナちゃんは正体がバレない様に薄いコートを着てショールを頭から被っていた。

 

 

「エミリーさんだ!お久しぶりですね~。最近は攻略組へ行かれてしまったからお会いできなくて寂しかったですよ!」

 

「あら、ごめんなさい。久々に休暇を頂いたので、顔を出しましたわ♪」

 

 

ニシダさん経由でお友達になった人たちが私の近くへ来たので、キリ君たちから少し離れた。するとニシダさんが声を張り上げ開催宣言をした。

 

 

「えぇ、それでは本日のメインイベントを決行します」

 

 

すると、観客から声援が送られた。

 

 

「キリトさん、お願いしますよ」

 

 

そう言ったニシダさんは左手には釣り餌を持っているが、モンスターでトカゲの大きい奴だった。それを見たアスナちゃんは引きつり、キリ君は「どれだけ大物なんだよ・・・」とぼやいた。

釣りスキルを立ち上げ餌を付けた竿を思いっきり振り、釣りを開始した。周りからは『おお!』などの声が上がった。

 

 

当たりを引くまでニシダさんはずっと耐えている。釣りとは忍耐力がいるのだ。

 

そして当たりがあり、竿の先がピクリと動いた。それを見たキリ君はニシダさんに近づき声を掛けた。

 

 

「あっ、あの・・・きたんじゃ・・・」

 

「まだです」

 

 

再び竿の先が当たりを引いたことを知らせた。

 

 

「ニシダさん」

 

「なんの、まだまだ」

 

 

すると再び大きく竿の先が引っ張られた。それを確認したニシダさんは

 

 

「今だ!!」

 

 

そう叫び、再びスキルを上げ竿を強く引っ張った。そして、スキルが切れた瞬間キリ君に釣竿を渡した。渡されたキリ君は、少し照れながらもスイッチと言いながら釣竿を受け取った瞬間大きく引っ張られた為、

 

 

「スッ、スイッチィ~~~~~~!!」

 

 

な感じでズルズルと湖に落ちる手前まで引っ張られたが、なんとか踏みとどまり踏ん張ってヌシとの竿ひき勝負をする。「コノヤロー!」などと言いながらキリ君は釣竿をぴっぱりながら走ると、ヌシの影が浮かび上がってきた。

それを見たアスナちゃんが、見えたよと言って湖の淵へ皆と一緒に駆け寄った。すると、ヌシが顔を出しそれを見たキリ君以外は湖から走って離れて行った。その様子をキリ君は「なんだよ!おぃ!」と焦っている。

その瞬間、釣り糸が切れキリ君は「ああああぁ!」と叫びながら湖の淵へ駆け寄った。それを見た私は遠く離れた所から、キリ君に声を掛けた。

 

 

「キリくーん!危ないよ~~♪」

 

「何が!っ?なんで姉さん武器構えてる?」

 

 

キリ君が此方へ向いて聞いてきた瞬間、湖からザバーンとまるで間欠泉の様に水をまき上げヌシが飛び出してきた。キリ君の真上にヌシと言うよりモンスターが目を光らせ、ギャーと叫んだ途端キリ君は慌てて私達の方へ向かって俊敏値全開で走り出した。

アスナちゃんの後ろへ隠れるようにキリ君は怒ってアスナちゃんに叫んでいた。

 

 

「ずずずっずるいぞ!自分だけ逃げるなよ!!」

 

「あははは」

 

「きっ、キリトさん!!」

 

 

ニシダさんがそう叫んだところで、ヌシはこちらへ向かってきた。

 

 

「陸を走ってる・・・肺魚なのか?」

 

「キリトさん!!呑気な事をいっとる場合じゃないですよ!!早く逃げんと!!」

 

「あぁ、そうですねぇ・・・」

 

 

皆さんが慌てているが、私はそんな皆さんの姿が可笑しくてクスクス笑いながら、弓を構えソードスキルを立ち上げた。キュイーンと音をたてながら矢はヌシの頭部に刺さった。ヌシは悲鳴を上げてその場に留まりもがいていた。

 

 

「あら、ごめんなさい。ちょっと火力が足りなかったわ。アスナちゃーん!後よろしくね~♪」

 

 

私がそう叫ぶと逃げていた観客の皆さんが『えっ?』と言う顔をしてアスナちゃんを見ていたが、アスナちゃんは

 

 

「はーぃ!任されましたぁ!」

 

 

と返事をした後、羽織っていたショールとコートを剥ぎ私服でレイピアを構えてスキルを立ち上げること無くヌシに止めを刺した。

 

すると大歓声が上がり、アスナちゃんに皆が駆け寄った。握手を求める人など様々な反応だが、まるでアイドルが突然現れた様な感じだった。

 

 

「お疲れ!」

 

 

キリ君がアスナちゃんにそう声を掛けたところで立ち止まった。私も視界にメッセが届いた知らせが入った。恐らく同じ内容のメッセだろう。

 

メッセを見るとヒースクリフとあり、開くとギルド本部への招集だった。

 

 

 

 

 

 




大変遅くなり申し訳ありませんでした。


GWで家族旅行などへ行ったり、PCでDVD(ブルーレイ)の再生が出来なくなったり。
(一応、DVDを再生して内容を確認してますので(汗))

兎に角、続きを書くのに時間がかかってしまいました。(言い訳すみません)

一部コマンドを口頭で済ませてますが、この作品オリジナルって事で大目に見てください(汗)
コマンドもいい加減なので、気にしないでスルーしてください。
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