問題児たちが特異吸血鬼と共に箱庭に召喚されるそうですよ?―終焉なる真祖は月神の末裔!?― 作:問題児愛
最後の方にグロテスクな描写有り。クオリティは低いから大丈夫かもしれないですが………
「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん方(・・・・・・)」」」
「ぬ?」
「え?」
「え?」
「………え?」
「ぬ?でもえ?でもないわよ。だって今回のゲームで活躍したのって十六夜君・私・春日部さん・月夜の四人だけじゃない?貴方達はホントにくっ付いてきただけだもの」
「うん。私なんて力いっぱい殴られたし。石になったし」
「つーか挑戦権を持ってきたの俺だろ。所有権は月夜はいらないだろうし俺達で等分、3:3:4でもう話は付いた!」
「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」
最早ツッコミが追いつかないなんてものじゃない。黒ウサギは完全に混乱していた。それはジンも同様だった。月夜だけは意味が分からず小首を傾げるばかりである。
唯一、当事者であるレティシアだけが冷静だった。
「んっ………ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れた事に、この上なく感動している。だが親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」
「レ、レティシア様!?」
黒ウサギの声は今までにないくらい焦っていた。まさか尊敬していた先輩をメイドとして扱わなければならないとは………と困惑しているうちに、飛鳥が嬉々として服を用意し始めた。
「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。私の家の使用人ったらみんな華も無い可愛げも無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」
「よろしく………いや、主従なのだから『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」
「使い勝手がいいのを使えばいいよ」
「そ、そうか。………いや、そうですか?んん、そうでございますか?」
「黒ウサギの真似はやめとけ」
ヤハハと笑う十六夜。意外と和やかな四人を見て、黒ウサギは―――
「―――それとコレが貴女の着るメイド服よ、月夜」
「―――――………は?」
「「「え?」」」
飛鳥がクルリと身を翻して月夜に漆黒色のメイド服を手渡す。
余りの突然な話に固まる月夜。それは黒ウサギ・ジン・レティシアも同様だった。
それについて十六夜が笑って答える。
「ああ月夜。オマエはゲームマスターの打倒を辞退したんだ。コレは相応の罰だぜ?」
「ぬ?―――ああいや、それは十六夜の足手まといになるから辞退したわけであってだな!決して逃げたわけではないのだ………!」
「言い訳なんて見苦しいわよ月夜。それに貴女の罪はそれだけじゃないわ」
「な………ぬ?」
飛鳥の言葉に月夜は再び固まる。飛鳥はそれを確認して続ける。
「ええ。月夜、貴女は私達に無断で外道の最低な提案を呑もうとしたわよね?」
「う、うむ。それについては痛いほど理解したつもりであったな」
「でしょう?反省するなら態度で示して、メイドとして私達を支えなさい」
「………いや、その理屈はおかしいと我は思うぞ?」
飛鳥をジト目で見つめる月夜。そこへ耀がトゲのある言葉を月夜に投げ掛ける。
「でも月夜の実力って今のレティシアと大差(・・)ないんだよね?」
「うぐ、………いやまあ、それは………そうであるが」
「は?ライムと私は実力が等しいのか!?」
耀の言葉に反応したレティシアが驚きの声を上げた。それに十六夜が首肯して答える。
「ああ。俺達の真祖様は〝神格〟を持たない吸血鬼なんだとよ」
「ええ。種族では真祖と純血種の実力はさほど変わらないと月夜が言ってたものね」
「うん。だけど強力な
「な………」
唖然とするレティシア。真祖というのだから自分より遥か格上の存在だと思っていたのであろう。
問題児達三人は月夜ににこやかな笑みを浮かべて、
「「「じゃあこれからよろしく、メイド真祖」」」
「…………………………ぬぅ」
これ以上何を言っても無駄だろう、と月夜は唸り声を漏らした。
レティシアはそんな月夜に苦笑して話しかける。
「………君も大変なんだな」
「………うむ。とはいえ根は優しい奴等であるからな。我は嫌いではないぞ」
「ふふ、そうか。私も彼らと仲良くなれるように精進したいな。―――勿論君もだぞ、ライム」
「うむ。我こそ改めてよろしくであるぞ?レティシア」
メイド同士仲良くしよう、と月夜はレティシアに手を差し出す。その手をレティシアが掴んで握手と笑みを交わすのだった。
――――――――――
―――〝ペルセウス〟との決闘から三日後の夜。
子供達を含めた〝ノーネーム〟一同は水樹の貯水池付近に集まっていた。
その数、一二七人+一匹。数字だけを見れば中堅以上のコミュニティとも呼べるだろう。
「えーそれでは!新たな同士を迎えた〝ノーネーム〟の歓迎会を始めます!」
ワッと子供達の歓声が上がる。周囲には運んできた長机の上にささやかながら料理が並んでいる。本当に子供だらけの歓迎会だったが、それでも四人は悪い気はしていなかった。
「だけどどうして屋外の歓迎会なのかしら?」
「うん。私も思った」
「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか?」
「ぬ………歓迎会だというのに
「「「え?月夜は駄真祖メイドだから(よ|だな)」」」
「……………ぬぅ」
金髪豊胸ロリ漆黒メイド吸血鬼こと月夜の現在の格好は―――メイドだった。
金髪頭に漆黒のメイドカチューシャ。
漆黒のフリフリスカートのメイド服に襟元には漆黒のリボンが飾られている。
漆黒のロングソックスと漆黒の靴。
金髪と紅い瞳、色白の肌以外オール漆黒のメイド吸血鬼の真祖だった。ちなみに漆黒で取り揃えてもらったのは、月夜の我が儘だったりする。
問題児達三人に言葉で打ちのめされてガクリと頭を垂れさせる月夜。
一方、〝ノーネーム〟の財政が想像以上に悪いことや、今やっている歓迎会が贅沢なものであることを知っている飛鳥は、苦笑しながら溜め息を吐いた。
「無理しなくていいって言ったのに………馬鹿な子ね」
「そうだね」
耀も苦笑で返す。二人がそんな風に話していると、黒ウサギが大きな声を上げて注目を促す。
「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」
十六夜・飛鳥・耀・月夜を含めたコミュニティの全員が、箱庭の天幕に注目する。
その夜も満天の星空だった。空に輝く星々は今日も燦然と輝きを放っている。
異変が起きたのは、注目を促してから数秒後の事だった。
「………あっ」
星を見上げているコミュニティの誰かが、声を上げた。
それから連続して星が流れた。すぐに全員が流星群だと気が付き、口々に歓声を上げる。
黒ウサギは十六夜達や子供達に聞かせるような口調で語る。
「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの四人がこの流星群のきっかけを作ったのです」
「え?」
子供達の歓声の裏で、十六夜達が驚きの声を上げる。黒ウサギは構わず話を続ける。
「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております。先日、同士が倒した〝ペルセウス〟のコミュニティは、敗北の為に〝サウザンドアイズ〟を追放されたのです。そして彼らは、あの星々からも旗を降ろすことになりました」
十六夜達四人は驚愕し、完全に絶句した。
「―――……なっ……まさか、あの星空から星座を無くすというの………!?」
刹那、一際大きな光が星空を満たした。
そこにあったはずのペルセウス座は、流星群と共に跡形もなく消滅していたのだ。
言葉を失った四人とは裏腹に、黒ウサギは進行を続ける。
「今夜の流星群は〝サウザンドアイズ〟から〝ノーネーム〟への、コミュニティ再出発に対する祝福も兼ねております。星に願いをかけるもよし、皆で観賞するもよし、今日は一杯騒ぎましょう♪」
嬉々として杯を掲げる黒ウサギと子供達。だが四人はそれどころではない。
「星座の存在さえ思うがままにするなんて………ではあの星々の彼方まで、その全てが、箱庭を盛り上げる為の舞台装置という事なの?」
「そういうこと………かな?」
「…………………………」
その絶大ともいえる力を見上げ、三人は茫然としている。
だが十六夜だけは、流星群を見ながら感慨深く溜め息を吐いていた。
「………アルゴルの星が食変光星じゃないところまでは分かったんだがな。まさかこの星空の全てが箱庭の為だけに作られているとは思わなかったぜ………」
星空を見上げ、先ほどまでペルセウス座が輝いていた場所を見る。
感動を補充するように眼を細めると、黒ウサギの元気な声が十六夜を尋ねる。
「ふっふーん。驚きました?」
黒ウサギがピョンと跳んで十六夜の元に来る。十六夜は両手を広げて頷いた。
「やられた、とは思ってる。世界の果てといい水平に廻る太陽といい………色々と馬鹿げたものを見たつもりだったが、まだこれだけのショーが残ってたなんてな。おかげ様、いい個人的な目標もできた」「おや?なんでございます?」
黒ウサギの問いに、十六夜は消えたペルセウス座の位置を指さし、
「あそこに、俺達の旗を飾る。………どうだ?面白そうだろ?」
今度は黒ウサギが絶句する。しかし途端に弾けるような笑い声を上げた。
「それは………とてもロマンが御座います」
「だろ?」
「はい♪」
満面の笑みで返す黒ウサギ。
一方、月夜は満天の星空を眺め、ふと自分の
「(………私(・)の可愛い娘、マリアは今ごろ何処で何をしています(・・)か………。どうか無事でいますように………)」
――――――――――
「………チッ。折角見つけた真祖の吸血鬼を見逃すとか………俺は何をやってんだ!!クソッ!!」
拳銃を投げつける男は盛大に舌打ちした。霧化さえさせなければ真祖の捕獲を彼は出来ていたのだろう。
そんな男にある女性が声を掛けた。
「―――あら?また失敗したみたいねえ?だらしない人」
「え?―――――ヒィ!!?じ、ジョーカー様!?」
ジョーカーと呼ばれた蒼色ロングの魔女のような格好をした女性が男に歩み寄る。
「その名で呼ぶの、やめてくれる?ジョーカーって〝
「は、はいッ!―――――様!」
男は言われた通りに従う。すると魔女のような女性はクスリと笑って辺りを見回す。
「結局、
「す、すみません!!俺が真祖に隙を与えなければこんなことには―――」
「………―――――様!!」
男の声を遮るようにまた別の男が魔女のような女性に声を掛けた。
「あら?そんな慌ててどうしたのかしら?」
「は、はい!真祖宛の手紙を拾いまして………これです!」
二人目の男が手紙を差し出す。それは、『ライム・ストーン・クイーン殿へ』と達筆で書かれていた封書だった。
魔女のような女性は目を見開いて驚いた。
「―――――これはこれは、素敵なお届け物をありがとう」
「い、いえ!偶々見つけられただけです!これで真祖の小娘を捕獲―――」
出来ますね!っと二人目の男が言う前に、彼の首が宙に舞った。
それを見た男は、一瞬何が起きたのか理解できなかった。だが理解したと同時に恐怖で全身が金縛りのようなモノに苛まれて動けなかった。
そう。魔女のような女性は冷たい視線を二人目の男に向け、細剣で首をはねたのだ。
夥しい量の鮮血が激しく飛沫、あっという間に二人目の男だったモノの周りは真紅に染まっていった。
死体と化したモノを魔女のような女性が冷めた眼で一瞥して呟く。
「あら駄目よ?真祖を小娘扱いしちゃ。そのせいで貴方は死ぬことになっちゃったのだから………くすくす」
「―――――ッ!?」
目の前の女は狂っていた。しかし男は恐怖で動くことが出来ない。逃げることも叫ぶことも出来ないのだ。
魔女のような女性は手紙の内容を見てほくそ笑んだ。
「―――そう。〝箱庭〟に行ったのね。いえ、連れていかれたといった方が良さそうね。―――あそこに行くなら―――を連れていこうかしら」
手紙を懐に仕舞って―――がいる某所へ向かおうと歩みを進める魔女のような女性。
それを確認した男は安堵の溜め息を―――
「―――ああ、そうそう一つ忘れてたわ」
「―――――ッ!?」
魔女のような女性が歩みを止めて男の方に振り向く。男の全身から嫌な汗が噴き出した。まさか、自分も殺されるのでは、と。
そんな男の予感は―――的中してしまった。
魔女のような女性は冷たい視線で男を睨み一言、
「―――使えない部下は殺さないといけなかったわね♪」
「――――――――――ッ!!!!」
愉しそうに笑った―――否、嗤った魔女のような女性は、問答無用に細剣で男の首をはねた。彼は断末魔を上げる暇さえ与えられずに一瞬で首が宙に舞った。
刹那、その斬り口からは夥しい量の鮮血が飛沫、女性の服に返り血がべっとりとついた。
細剣に付いた男の鮮血をチロリと舌で舐めた女性の顔は不快に歪んだ。
「………不味いわね。男の血は苦すぎて飲めたものじゃないわ」
魔女のような女性―――否、蒼髪ロングの吸血鬼はペッと唾を吐いて不快そうに呟く。
真紅の瞳で死体となった二つのモノを見回し、漆黒の空と紅い月を見上げてスッと目を細めた蒼髪の吸血鬼は美顔を歪ませて呟いた。
「ウフフ。待ってなさい
狂喜に満ちた笑みを見せる蒼髪の吸血鬼は、―――のいる某所へ向かって再び歩みを進めるのだった。
金髪ロリ吸血鬼の月夜とレティシアはメイド姉妹(仮)になりました!どっちが姉に相応しいですかね?
月夜の娘、真祖の姫君はマリア・ストーン・クイーンです。詳細はまだまだ謎ですが。
………あらすじ、書き換えた方がいいかな………天涯孤独が嘘っぱちになってしまったし………
〝組織〟が動き始めましたが、箱庭に登場するのは四巻のラストの予定です。
月夜の〝終焉の真祖〟詳細の異能(ギフト)
『魔眼(まがん)』…見つめられた者は精神を支配される。例外で十六夜や魔王等は操れない。
『紅月(あかつき)の鎌』…あらゆる〝モノ〟を切り裂く鮮血で造られた鎌。最強種に扱えば血は枯渇し戦闘不能に陥る。(死亡するわけではない)
『雷嵐(らいらん)を操りし者』…〝嵐〟と〝雷〟を支配する異能。〝神格〟がなければ最強種には無能。
霧や不死性についてはまた後で詳細を書くつもりです。
『紅月の鎌』で〝造物主達の決闘〟って参加可能ですかね?〝鮮血で造られた鎌〟ではあるけど果たして出場して良いのか悪いのか………