問題児たちが特異吸血鬼と共に箱庭に召喚されるそうですよ?―終焉なる真祖は月神の末裔!?―   作:問題児愛

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今回の話は女性陣営風呂騒動とやっぱり十六夜は変態だった!でお送りします。


第五話 風呂騒動―――やはり真祖(われ)も変態か!?変態組織(コミュニティ)に怒れるお嬢様とウサギだそうだ!

 飛鳥は現在、湯船に浸かっていた。とある事情で泥と鮮血で汚れた飛鳥を見た女性店員が八重歯を剥いて大一喝すると、問答無用に湯殿に引き摺りこまれたのである。

 とある事情というのは、飛鳥が尖り帽子の小さな精霊を匿っていたときに何千何万のネズミの群体に襲撃を受けたこと。

 その際にネズミに噛まれたり引っ掻かれたりして手足に怪我を負い、『白銀の十字剣』で果敢に戦うが数が多すぎたため捌ききれず、あわや大惨事と言ったところに大人化したレティシアの介入により大事には至らなかった。

 だがネズミ風情に飛鳥の異能(ギフト)『威光』が通じなかったことで心に深い傷を負ってしまった。

 

「(あの幼い精霊がいる限り、また襲ってくるはず。その時に決着をつけてみせるわ………!)」

 

 飛鳥はそう決意を胸に秘め、湯船から上がり湯殿から出ようとした―――その時。

 

「飛鳥さん!お怪我の程は大丈夫でございますか!?」

 

 手拭いで身体を隠した黒ウサギが勢い良く飛び込んできた。

 

「待て待て待て黒ウサギ!!家主より先に入浴とはどういう了見だいやっほおおおおお!」

「きゃああああああ!!」

 

 バシャン、ズゴン!!

 素っ裸な白夜叉に背後から強襲された黒ウサギは、二人共にくっついたままトリプルアクセルで湯船にダイブ。特に黒ウサギは頭から飛び込んだように見えた。

 致命的な音を聞いた飛鳥は、慌てて黒ウサギに駆け寄る。

 

「ちょ、ちょっと黒ウサギ!大丈夫!?湯船の底に頭が突き刺さってるわよ貴女!」

「だ、だびぼぶでごばいばぶ!(だ、大丈夫でございます!)あぶばばんごどきぶはだいぼうぶでぶが!?(飛鳥さんこそ大丈夫ですか!?)」

 

 湯船の底に頭を突っ込んだ黒ウサギは、その状態でも飛鳥の心配をする。

 白夜叉ははしゃぎながらも黒ウサギのウサ耳を掴んで勢い良く、

 

「てい!」

「フギャア!!」

 

 湯船から引き抜いた。

 黒ウサギは半泣き状態になるも、飛鳥の肩を掴んでボディチェックを始める。

 

「き、傷は大丈夫でございますか?細菌は問題ないですか?乙女の肌に痕が残るようなものは御座いませんか?痩せ我慢していませんか?本当に大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫よ。湯船に浸かったらすぐ治ったわ」

 

 黒ウサギに無遠慮な程に身体をまさぐられるが、疚しい気持ちが無いので突き放せない。

 困惑する飛鳥の素肌を、白夜叉がまじまじと上下に見つめる。

 

「………ふむ。飛鳥は十五歳とは思えん肉付きだの」

「は?」

「飛鳥の身体は鎖骨から乳房まで豊かな発育をしているのに乳房から臍のボディラインには一切の崩れが無くされど触れば女人の肉であることは間違いなくしかも臀部から腿への素晴らしい脾肉を揉みほぐせば指と指の間に瑞々しい少女の柔肌が食い込むのは確定的に

 

 スパァアンッ!!

 木製の桶が二つ、白夜叉の顔面に見事直撃。

 始終一秒と掛からないセクハラ発言。

 飛鳥は頬を紅潮させるが、まるで生ゴミを見る様な冷瞳で白夜叉を見下す。

 

「………え、何?白夜叉ってこんな人だったの?」

「ええ、まあ。凄い人ではあるのですが。それ以上に残念な御方なのでございます」

 

 そう、と冷たく相槌。

 そのまま湯殿から出ようとした飛鳥だが、脱衣場にはまだ人の気配がある。次に入ってきたのは、春日部耀、レティシア、紅月夜、そして尖り帽子の小さな精霊だった。

 

「あすか!」

 

 走り寄った幼い精霊はそのまま飛鳥の身体をよじ登る。

 こそばゆいのを我慢しながら、飛鳥は耀達に振り返る。

 

「どうしたの?皆して入浴?」

「うん」

「たまにはいいと思ってな。せっかく集まったのだから今日の事や明日の予定を話し合っておこうと思い立ったのだが………飛鳥は出るのか?」

「ぬ?それは誠に残念だのぅ。折角真祖たるこの我がメイドとしてお主達の背中を流してやろうと思ったのにな」

 

 わざとらしく残念そうな素振りを見せる月夜。それに飛鳥はニヤリと笑って返した。

 

「そうね。貴女にお背中を流してもらうのも悪くなさそうね。お願い出来るかしら?」

「ふふ、無論だ。それで背中のみで良いのか?今なら後ろ以外にも前と中を隅々まで洗い流してやるぞ?」

「…………………………この変態駄真祖ッ!!!」

 

 ズビシッ!!

 飛鳥の鋭い手刀が、月夜の金髪頭を打ちのめした。

「うぎゃっ!?」と短い悲鳴を上げて月夜はその場で頭を抱えて蹲る。涙目で。

 飛鳥は月夜の表情にニヤニヤと笑うが、先程の変態発言を聞いた為、月夜を冷瞳で見下した後、クルリと身を翻してレティシアに頼み込んだ。

 

「月夜には任せられないから―――レティシア。お願い出来るかしら?」

「ん?ああ。私でよければ喜んでお背中を流させてもらうぞ主殿」

「ええ。お願いするわ」

「ふふ。了解した」

 

 飛鳥はレティシアに背中を流してもらうことになった。

 一方、涙目で蹲る月夜の頭をポンポンと軽く叩いた耀がしゃがみ込んで、月夜の顔を覗き込む。

 

「私なら前くらいなら構わない、かな。流石の私も中は駄目だけど」

「本当か!?」

「う、うん。その代わりまた月夜の胸触らせて?感触がモチモチしてて気持ちいいから」

「うむ。構わぬぞ?耀は我の可愛い眷属だからな!好きなだけ触ると良いぞ!」

 

 月夜は耀の華奢な身体に抱き付く。耀はそのスキンシップと〝可愛い〟と言われてちょっと恥ずかしかったのか、頬を微かに紅潮させた。もし相手が十六夜か白夜叉なら大喜びしていただろう。

 そして月夜は耀の後ろと前を洗い始めた。耀の後ろ首、肩、背中、腰の順に洗い、耀の前に移動。

 耀の前首、両腕、胸部、腹部、両脚の順に洗った後、最後に耀の茶髪頭をマッサージの如く洗うと、後はシャワーでささっと流してあっという間に耀の全身は綺麗になった。

 耀は若干顔を紅潮させていたが、綺麗になった自分の身体を見て目を見開いて驚いた。

 

「凄い………石鹸で洗ってもらったたげなのに肌がスベスベ………!」

「くくく、我は真祖なる吸血鬼であるぞ?この程度朝飯前だ!ふっはははははは!」

「………いや。真祖は関係ないと思うな」

「ぬ………ああいや、まあ………そうだな」

 

 耀に指摘されて勢いを失墜させる月夜。それに耀が苦笑すると、月夜の肩を掴んで一言、

 

「―――うん。じゃあ今度は私が月夜の身体を洗ってあげるね」

「は?………ああいや、別に我は自分で洗うから良いぞ?」

「駄目。私が洗いたいから自分で洗うのは禁止」

「ぬ………そ、そうか。耀がそうしたいなら構わぬよ。好きなだけ洗うが良い!」

「うん。………中も?」

「…………………………………………………………いや、それはやめな?」

 

 元々この変態発言は月夜が飛鳥と耀をからかう為に言った言葉であり、本気のつもりは更々なかったのだ。それをいざ自分に向けられるとなると急に恥ずかしくなってきたのである。

 月夜が顔を真っ赤にして俯く。耀はそんな月夜の金髪頭に手をおいて優しく撫でて笑いかけた。

 

「自分がやられて恥ずかしいと思うことは言っちゃ駄目だよ、月夜」

「………う、うむ。気を付ける」

 

 耀の言葉に赤面したまま頷く月夜。こうして真祖(こども)眷属(はは)に宥められたのだった。

 その光景を見ていた四人は同時に思った。

 

『どっちが主なんだろう』と。

 

――――――――――

 

「―――開かない仕組みになっておりますので悪しからず」

「あいよ」

「あら、そんなところで歓談中?」

 

 十六夜は女性店員との話が一区切り付くと、湯殿から飛鳥達が来た。

 飛鳥達は備えの薄い布の浴衣を着ており、首筋から上気した桃色の肌を見せている。

 十六夜は椅子からそっくり返って湯上がりの女性陣を眺めた。

 

「………おお?コレはなかなかいい眺めだ。そうは思わないか御チビ様?」

「はい?」

「黒ウサギやお嬢様や月夜の薄い布からでもわかる二の腕から乳房にかけての豊かな発育は扇情的だが相対的にスレンダーながらも健康的な素肌の春日部やレティシアの髪から滴る水が鎖骨のラインをスゥッと流れ落ちる様は視線を自然と慎ましい胸の方へと誘導するのは確定的にあ

 

 スパァアン!!

 本日二度目の速攻ツッコミ。

 勿論、耳まで紅潮した飛鳥と、ウサ耳まで紅潮させた黒ウサギだった。

 

「変態しかいないのこのコミュニティは!?」

「白夜叉様も十六夜さんもみんなお馬鹿様ですッ!!」

「ま、まあ二人とも落ち着いて」

 

 慌てて二人を宥めるレティシア。耀は相変わらず無関心。白夜叉に至ってはケラケラと腹を抱えて笑っている。

 月夜は口元に手を持っていきクスクスと笑って十六夜に言った。

 

「ふふ。お主は相も変わらず健全な男子だのぅ、十六夜」

「ヤハハ。お褒めに与り光栄だぜ真祖様?ならその豊かな胸を健全な男子である俺に揉ませな!」

「な、何を言っちゃってんですかこの人は!?」

「うむ。良いだろう。少しくらいなら揉ませてやる!」

「揉ませてやる!じゃないのですよ!?てか許可しないでくださいこの駄真祖ッ!!!」

 

 ズパァアン!!

 黒ウサギはハリセンを月夜の金髪頭に奔らせる。

 強烈な一撃を見舞われた月夜は「いぎゃっ!?」と短い悲鳴を上げると頭を抱えて蹲る。やはりというべきか涙目で。

 十六夜はしめたと言わんばかりの笑みを浮かべて月夜の背後に回ると、しゃがんで月夜の両脇に両手を伸ばして脇下からその豊胸を揉もうと手を伸ばし―――

 

「させないのですよ!?このお馬鹿様!!!」

 

 スパァアン!!

 黒ウサギはハリセンを十六夜の金髪頭に奔らせる。間一髪で十六夜の魔の手から月夜を守ったのだった。

 チッ、とつまらなそうに舌打ちして立ち上がる十六夜。

 一方、ジンが痛そうな頭を抱えていると、女性店員が同情的な手を置き言葉を投げ掛ける。

 

「………君も大変ですね」

「………はい」

 

 ジンのコミュニティは、組織主力に問題児しかいない。

 女性店員のコミュニティは、組織のトップが最大の問題児。

 そんな虚しい哀愁を分かち合う二人。

 その裏側で、同好の士を得たように握手する十六夜と白夜叉だった。




月夜が変態化していく………
これまでに


黒ウサギのミニスカートを捲ろうとした。

黒ウサギの豊胸を生揉みした。

月夜の変態発言。


うむ。変態だな!
白夜叉と十六夜ってどっちが変態なんでしょう?
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