問題児たちが特異吸血鬼と共に箱庭に召喚されるそうですよ?―終焉なる真祖は月神の末裔!?―   作:問題児愛

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衛の父親登場ッ!!
え?だから需要ない?YES!需要はないのでございますよ!


第八話 狩りの少年の父親は超がつくほどの変態!?―――復活!そして月の真祖は料理上手

 ―――時は少し遡り。

 

「ライムの奴、何処行ったんだよ………。流石は吸血鬼の真祖………見事に見失ったな」

 

 剣咲衛(けんざきまもる)は絶賛、吸血鬼、ライム・ストーン・クイーンの行方を捜していた。開始僅か数秒後には疾風の如き速さで駆けた彼女を見失うという事態である。

〝吸血鬼の真祖ってホント出鱈目だな〟と衛は思わず苦笑を零した。

 

「……………こっちか」

 

 衛はライムが逃げたであろう方向に曲がり走っていると―――

 

 ズガァンッ!!

 

「!?銃声―――!」

 

 衛は何者かが撃った銃声を聞き、音のした方向に身体を捻って向き、そのまま駆ける。

 

「(まさかライムの奴………〝ジョーカー〟の連中に見つかって撃たれちまったのか!?)」

 

 もしそうならば彼女の命が危ない。嫌な予感がした衛は、駆ける速度を加速させ急いで向かった。

 

「……………銃声が聞こえたのは―――確かここだ!」

 

 夜の街を駆ける衛は、十字路を左折。暫く真っ直ぐ走って右折―――

 

「うおっ!?」

 

 何かに躓いた衛は、綺麗に転け―――

 

「っ!―――っぶねえ!!」

 

 ―――なかった。咄嗟に受け身をとって擦り傷を一つも作らずに凌ぎきったのだ。

 

「なんだよクソッ!!―――――って、え?」

 

 衛は躓いた原因の何かを見て―――青ざめた。

 そう。その何か(・・)とは―――

 

「嘘………だろ!?」

 

 ―――――血溜まりにうつ伏せで倒れていた金髪の少女―――衛が捜していた吸血鬼の真祖・ライム。

 彼女の小柄な身体は完全に血の池に浸かっていたのだった。

 

「―――――っ!冗談じゃねえぞ!?何で逢ってすぐにお別れみてえな展開になってやがるんだよ―――!?」

「…………………………」

 

 衛は悲痛に叫ぶが、彼女からの返答はない。

 衛は彼女の肩を揺すって生死の確認をする。

 

「おい!しっかりしろ!おいっ!!」

「…………………………」

「っ!クソがッ!」

 

 衛は彼女を抱き上げて顔を覗き込み、耳を彼女の口元に近づけて息があるのか確認する。

 

「――――――――――」

「…………………………………………………………………ぅ」

「!!まだ息はあるみたいだな!よかった!―――――って安心してる場合じゃねえ!救急車は駄目だから………一先ず俺の家に連れていくしかねえな―――!」

 

 衛は彼女を抱き上げ(もといお姫様だっこ)たまま急いで家路に帰すのだった。

 

――――――――――

 

 とある一軒家。衛は其処のドアを開け駆け足で中に入っていった。どうやら彼の住む家のようだ。

 ドタドタと騒がしい衛に、ボサボサ茶髪頭の眼鏡男が頭を掻きながら出てきた。

 

「―――どうした衛?そんな慌てて」

「あ、親父!緊急事態だ!助けてくれっ!!」

「何!?ってうお!?衛!血まみれじゃないか!?」

「俺じゃない!この子のだ!頼む!この子を助けてくれっ!!」

「この子?―――――!?その子、吸血鬼の真祖じゃねえか!?何処で拾った!?」

「あ?今それどころじゃ―――って何で知ってんだ!?」

 

 親父と呼ばれたボサボサ眼鏡男の発言に、驚愕する衛。初見で見抜いたのだからそう思うのは当然だろう。

 衛の父親は眼鏡をクイッと一度上げてニヤリと笑って告げる。

 

「何故ってそりゃあ―――――金髪ロリ巨乳の吸血鬼は!その子しかいないからだッ!!」

「ああ悪かった。親父に、真剣に訊いた俺が馬鹿だったわ」

 

 ドォオオオオオンッ!!!

 宣言する衛の父親。それを冷ややかな瞳で見る衛。終いには頭を抱えた。

 だが、衛の父親はスッと真剣な表情になり、

 

「まあ、冗談だが」

「冗談かよ!?ってかコッチは一刻の猶予もねえってのに悪ふざけすんじゃねえよクソ親父ッ!!」

「すまんすまん。ああ、その子についてだが―――――なにもしなくても一日経てば復活するよ」

「―――――………は?」

 

 今度は素っ頓狂な声を上げた衛。まあ〝一日放置で復活する〟と言われれば誰だって、は?となるだろう。

 衛の父親は笑って続ける。

 

「ああ。何せその子は―――不老不死(・・・・)の吸血鬼だからな」

「は?不老不死(・・・・)だと!?」

 

 衛は驚愕に目を見開いた。不老不死とは、呼んで字の如く〝老け不(ず)死な不(ず)〟の怪物のことである。

 幾ら吸血鬼でも、人間より歳をとるのは遅いが、老いない(・・・・)のは普通ではない。

 それに不死でも活動根源である心臓を撃たれれば復活するなどまず、有り得ない(・・・・・)。

 だが彼女は不死性も、生態も『異常(・・)』なつくりであるが為、不老不死の吸血鬼として君臨しているのである。

 即ち彼女は〝吸血鬼にして吸血鬼に非ず(・・・・・・・・・・・・)〟といった存在なのだ。

 

「その子を殺せた〝ジョーカー〟の連中は誰一人いないって報告を耳にしたからな。まあ、〝完全なる不死の王(パーフェクト・ノーライフ・キング)〟とまで言われてる存在だ!そのおかげで連中はその子を殺す方法を試行錯誤しているって話らしいぜ」

「な、」

 

 衛は絶句した。そんな怪物クラスの吸血鬼が存在していて―――自分がお姫様だっこしてるこの子が〝不老不死〟の吸血鬼の真祖ということに。

 

「え?じゃあつまり―――この子は死ぬことはない、のか?」

「おう。だから取り敢えずその子の服を取り替えて、身体拭いて、胸を揉んで寝かせとくといい」

「いや待てクソ親父!胸を揉む必要性はねえだろ!?ってかそれ親父のヤりてえことだろっ!!」

「ガッハッハ!大正解ッ!!」

「―――ああクソ。頭痛になる。クソ親父のせいで」

 

 衛は片腕で少女を抱え、もう片方の手で頭を抱えながら風呂場に向かった。

 

――――――――――

 

 脱衣所に来た衛は、

 

「………失礼する」

 

 恐らく丸一日は気を失っているであろうライムの漆黒ドレスを脱がす。

 次に、お湯で温められたおしぼりで彼女の身体を拭いていく―――

 

 ムニュッ!

 

「―――――ッ!?!?す、済まねえ!!胸触っちまった………!不可抗力だから許してくれっ!!」

 

 咄嗟に謝る衛。だが―――ライムからの返答はない。

 

「…………………………」

「………そういやコイツ、今気を失って無防備なんだったよな―――」

 

 ゴクリ、と唾を呑み込む衛。二人っきりで彼女は気を失って完全無防備状態。

 ちょっとくらい揉んでもいいんじゃないか?と衛は、彼女の豊胸に手を伸ばし―――

 

「ほほう!どさくさに紛れてイタイケな金髪美少女吸血鬼の胸を揉もうとするとは―――流石は俺の息子だッ!!」

「―――――ッ!?!?てめぇは入ってくんな!クソ親父ぃいいいいいいいいいいッ!!!」

 

 ドゴッ!!

 

「グガハッ!?」

 

 衛はニヤニヤ面した彼の父親の顔面に容赦ない拳の一撃を打ち抜くのだった。

 

――――――――――

 

 衛は身体を拭き終えたライムに母親のワンピースを着せ、自室のベッドに寝かす。

 衛の母親は現在行方不明となっていて警察に届け出たが、未だに見つかっていない。

 

「み………見てしまった……………。ライムの―――――産まれたままの姿を―――っ!!!」

 

 衛は、脱衣所の時の出来事を思い出して鼻を押さえる。鼻から鮮血(ち)でも出てしまうのだろうか。

 一方、そうとも知らずに、心無しか気持ち良さそうに眠っている―――ように見えるライム。

 衛はそんな彼女の顔を見て、ホッと息を吐いた。これなら大丈夫だな、と思ったからなのだろう。

 

「―――――……………マ、モル」

「え?ライム!?」

 

 ライムに名前を呼ばれてハッとして彼女の顔を見る衛。

 

「………………………………………………………………すぅ」

「寝言かよっ!?」

 

 まさかの寝言にツッコミを入れ、ガクリと肩を落とす衛。

 まあ別にいっか、とライムの金髪頭を優しく撫でて―――――そのまま衛も眠りに就いたのだった。

 

――――――――――

 

 カツン、とヒールの靴音を鳴らして歩く蒼い長髪をカールさせた女性―――――コーデリア・フリード・ジョーカーは、クスリと笑って『剣咲家』の前で立ち止まり、その表札を撫でる。

 

「―――ふふ、まさか真祖(クイーン)がこの家の厄介になるなんて、ね」

 

 コーデリアは二階を見上げる。衛の寝室を。

 

「………真祖の事は、私の主様(・・・・)のことは任せたわよ。私の可愛い息子(・・・・・・・)―――衛♪」

 

 コーデリア―――否。衛の母親・剣咲――は、それだけを言い残すと―――――夜の闇に溶け込んでいったのだった。

 

――――――――――

 

 翌日。強い日差しと共に、衛は目を覚ます。

 

「―――――ん」

 

 衛はベッドから起き上がって、ふわぁとアクビをした。

 

「―――――ん!?ベッド!?」

 

 ガバッ!と掛け布団を引っ剥いで隣を見る。

 

「………あれ?ライムがいない」

 

 そう。昨夜までは気持ち良さそうに眠っていたライムの姿が確かにあった。

 

「―――――っ!?」

 

 衛は嫌な予感がして、ドアを荒く開け階段を慌ただしく下りてキッチンに顔を―――

 

「―――――ん?おお、マモル!御早うであるぞ」

「……………何やってんの?」

「何ってそれはな―――朝食の準備なのだよ!」

「―――――……………ハア!?」

 

 ―――出すとそこには、エプロンを身につけ料理をしていた金髪ツインテールの吸血鬼の真祖・ライムがいたのだ―――!!!

 衛が瞳を丸くして驚いていると、新聞を開いて見ていたボサボサ眼鏡男―――もとい衛の父親が挨拶した。

 

「おう衛。おはよう。朝飯ならもうすぐ出来るから椅子に座って待っとけ」

「いやちょっと待てクソ親父!」

「なんだ?」

「なんだ?じゃねえだろ!?これはどういうことだ!?何でライムが起きて!エプロン身につけて!料理なんかしてんだよっ!?」

 

 すかさず可笑しな点をズバズバとツッコミをしていく衛。

 それに衛の父親はヘラッと笑って返した。

 

「いいじゃねえか衛。ライムちゃんは俺達が保護することになったんだからよ。なあ?」

「うむ。ユズル殿の言う通りであるぞ?マモル。厄介者として我は御主達の役に立ちたいのだよ」

「………そうか。ライムがそうしたいならすればいい。だが―――親父に襲われそうになったら俺に言え。整形しないといけないくらいボコボコに顔をタコ殴りしてやるからよ」

「う、うむ。頼りにしておるぞ?マモル」

「任せときな!」

 

 クハハ!と怪しく笑う衛。ユズル―――譲と呼ばれた衛の父親は冷や汗をダラダラと掻いていた。

 そしてライムは思い出したように呟く。

 

「―――そういえばマモル」

「なんだ、ライム?」

「早速だが、先程ユズル殿にエプロンを着せると言いながら背後に回って胸を揉みしだかれたのだが―――」

「―――――おけ。歯ぁ喰いシバんな!クッソ親父ッ!!!」

「ま、待て!?まも―――」

「問答無用ッ!!」

 

 ゴギッ!!

 

「シビアッ!?」

 

 衛の鋭い拳の一撃は、綺麗に譲の顔面を打ち抜いた。

 ライムは〝マモルは怒らせては駄目だな〟と密かに身震いしていた。

 

「―――へぇー。これはかなり期待出来そうな出来映えじゃねえか!」

「ふふ。お口に合えば良いのだがな」

 

 ライムが作った料理は、ツヤのある白いご飯。ワカメの味噌汁。秋刀魚の塩焼きに大根おろし。と至って普通の、ごく普通の料理が並んでいるのだが―――

 

「―――――っ!!!なんだこの絶妙な焼き加減は………!」

 

 秋刀魚の塩焼きを口にした衛が驚嘆の声を上げる。

 外の皮は、パリッ中はホクホクでジューシーな仕上がり。まるで肉を食べているような錯覚を起こさせ、大根おろしが更に旨みを引き立てている。

 

「お味噌汁は―――――っ!!?味噌と出汁が見事にマッチしてやがるッ!!!」

「飯の炊き加減なんかもパーフェクトだぞ!?やはり俺の目に狂いはなかったッ!!!」

 

 衛と譲はガツガツとよそわれたご飯にありつく。

〝豪快な食べっぷりだな〟とライムは苦笑を零した。

 

「おかわり貰うぜ!」

「ふふ。承知したぞマモル」

「んじゃ俺も!」

「うむ。ユズル殿も承知―――」

「ついでに特別コースでおつぱい様揉み揉みご奉仕をッ!!!」

「……………マモル」

「―――――んなコースあるかっ!?こんのクッソエロ親父がッ!!!」

 

 ズドゴッ!!!

 

「ジャーマンポテトッ!?」

 

 衛の〝必殺・変態殺しの鉄拳〟が譲の顔面を打ち抜く。相も変わらず容赦ない一撃である。

 ライムはその光景に苦笑を零す。

 

 

 そして騒がしい一日の始まりであったのだった。




密かに感想お待ちしております☆←

衛はツッコミキャラ!
月夜(ライム)は安定のボケ(お馬鹿)キャラでいきますよぉ!

衛の父親・譲曰く

『俺の辞書に〝エロ〟の二文字しかないッ!!!』

はい。馬鹿ですね♪もはや辞書じゃないわよっ

次話はいよいよお待ちかねの月夜(ライム)が衛の○○に○○○として来るそうですよ!?(待ちかねてません)




それはそうと、ルシファーちゃん(堕天使~)のもいい加減に進めないといけない気がしてきた………
―――――明日は久しぶりにそっちを書こうかな?




そして昨日の某アニメを見て〝ロキ〟を主人公にした『問題児シリーズ』を書きたくなってしまいました!
まあ、私が書くと―――〝女主人公〟確定なんですが。
堕天使→吸血鬼→邪神
共通点は………〝魔王〟。魔王好き堕天使は伊達じゃないのですッ!!(五月蝿い)
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