本気禁止制限決闘   作:阿音

28 / 28
遅くなりすぎてしまってすみません。
ようやく、ようやく終わりました。
なんか、十代戦が終わったのでやりきったというか達成感というかで気が抜けてしまいました。
……ちょっと疲れたので次の投稿は来月の10倍日になると思います。


今回から書き方を変えた事が1つ。
カテゴリ名指定の書き方を『』に入れる事にしました。
『E・HERO』『D・HERO』という感じです。
名前指定もこれにしようかと思いましたが、それもすると若干過剰かと思ったのでカテゴリだけにしました。


22話【総当り戦①→総当り戦②】

 十代VS瑞貴、十代は楽しみにしているわ。

廃寮で決闘はしたけど、3VS3の戦いだったわね。

つまりあの2人が1VS1で決闘するのは初めてという事になるわ。

 それにしても、あの瑞貴のやる気の無さ……本当に十代との決闘が嫌なのね。

どうしてあんなに嫌がるのかしら?

 そんな事を考えていると、先程瑞貴と決闘をしていた三沢君がやってきた。

瑞貴と親しい私と恵の話を聞きに来たという感じかしら?

 

「やぁ、天上院君

見事に負けてしまったよ」

 

「お疲れ様ね、三沢君

初めての瑞貴との決闘、どうだった?」

 

「対策をしたつもりだったけど、その対策をされたのには参ったよ

だけど次に決闘をする時はそれも考えてデッキを組むさ」

 

「…………完全に無関係のデッキを使われたら空回りになる」

 

「ははは、それを言ってくれるな

彼がどんなデッキを使ってきても対応できるようにはするさ

だが、その為にも次の十代との決闘はしっかりと見させてもらう」

 

 三沢君は真剣な顔をし、決闘場の十代と瑞貴を見る。

私と恵も、三沢君と同じように決闘場に注目した。

 

「へへっ、やっとお前と決闘できるな」

 

「俺はお断りなんだけど……決闘始まったら即棄権してもいいよな?」

 

「せっかくの決闘なんだからそりゃないだろ!?」

 

「……まぁ、いいけど」

 

 すっごく嫌そうね、瑞貴は。

対する十代がやる気満々だから更に温度差が酷い。

これってまともな決闘になるのかしら?

 

「仕方ない、嫌だけど始めるか」

 

「そこまで言わなくてもいいんじゃないか?

とにかく決闘だ! さっさと始めようぜ!」

 

「決闘!」「…………決闘」

 

 やる気の温度差が凄い。

酷い内容にならないといいんだけど……

 

「俺の先行だ!

俺はE・HERO バブルマンを召喚し、効果を発動!

自分の場にカードが1枚も存在しない場合、デッキからカードを2枚ドローする!

更に装備魔法、バブル・ショットをバブルマンに装備!

このカードはバブルマン専用の装備魔法、攻撃力を800アップさせるぜ!

更にカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

 

「俺のターン、ドロー

バブルマンを対象にし、手札の地帝家臣ランドローブの効果を発動する

地帝家臣ランドローブを特殊召喚し、バブルマンを裏側守備表示に変更する

バブルマンが裏側守備表示になった事により、装備カードとなっているバブル・ショットは破壊される」

 

「ぐっ……だけど守備表示だったら俺は戦闘でダメージを受けないぜ!

それに、そいつの攻撃力は800、バブルマンの守備力は1200だから倒せない!」

 

「それはこのまま戦闘すればの話だ

そもそも殴ろうだなんて思ってもいないしな

地帝家臣ランドローブは自身の効果で特殊召喚した場合、このターン中に俺はEXデッキからモンスターの特殊召喚を封じられる

俺は永続魔法、アドバンス・ゾーンを発動する

1ターンに1度、自分がモンスターのアドバンス召喚に成功したターンのエンドフェイズ時に効果が発動する

詳しくは後でも別に構わんだろう?

俺は地帝家臣ランドローブをリリース、雷帝ザボルグをアドバンス召喚だ」

 

 攻撃力2400の上級モンスターね。

アドバンス・ゾーンの存在から考えると、今回の瑞貴のデッキはアドバンス召喚に特化した感じかしら?

上級モンスターとしての攻撃力は普通だけど、十代のバブルマンを倒すには十分過ぎるわね。

 

「アドバンス召喚に成功した雷帝ザボルグの効果、そしてアドバンス召喚の為にリリースされた地帝家臣ラングローブの効果が発動

地帝家臣ラングローブは同名モンスター以外の攻撃力800・守備力1000のモンスター1体を墓地から手札に加える

……が、現在俺の墓地には地帝家臣ラングローブしか存在していない為に不発になる

なので雷帝ザボルグの効果が発動

アドバンス召喚に成功した場合、場のモンスター1体を選択、そのモンスターを破壊する

俺が選択するモンスターは当然、お前の場に裏側守備表示になっているバブルマンだ」

 

 ザボルグは手の平から雷を飛ばし、バブルマンを破壊した。

これで十代の場にモンスターは存在しないわね。

十代の伏せカードは1枚だけど、この攻撃が通ればダメージは大きい。

 

「バトルフェイズだ、雷帝ザボルグで直接攻撃」

 

「なら俺はリバースカードを発動させる! 罠カード、戦線復帰を発動!

自分の墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!

この効果により、俺はバブルマンを守備表示で特殊召喚だ!

更に、俺の場に他のカードが無い事でバブルマンの効果を発動、俺は2枚ドローする!」

 

「(こいつ、最初からバブルマンが破壊される前提だったな

バブル・ショットを装備させていたが……それでも破壊されると思ったかな?)

ならバブルマンに攻撃をする」

 

 ザボルグはバブルマンを両手で掴み、持ち上げると全身から電流を迸らせる。

バブルマンは電撃で黒焦げになりながら破壊された。

守備表示だったから十代にダメージは無い、バブルマンでドローもできたからこの攻防は十代の勝ちかしらね。

 

「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ

エンドフェイズにアドバンス・ゾーンの効果が発動する

アドバンス召喚の為にリリースしたモンスターの数が1体以上の場合、相手の場にセットされているカードを1枚破壊する

だが、残念ながら遊城の場にセットカードは無いので効果は不発だ」

 

 場は瑞貴が勝っているけど、十代は次のドローで手札が7枚になる。

そうなると互角になるのかしら?

 

「俺のターン、ドロー!

俺は魔法カード、戦士の生還を発動する!

自分の墓地の戦士族モンスター1体を手札に加える、俺はこの効果でバブルマンを手札に加える!

そしてバブルマンを召喚し、場に他のカードが無いから2枚ドローする!」

 

「バブルマン3回目って……そのドローにより、俺は永続罠を発動、便乗だ

相手がドローフェイズ以外でドローした時に発動できるカードだ

このカードが発動後、相手がドローフェイズ以外でドローする度に俺は2枚ドローする」

 

「つまり、俺がドローすればドローする程、瑞貴もドローできるって事か」

 

「その通りだ、だが名前で呼ぶな」

 

 これは十代がドローカードを多用しているから、かしらね。

十代のデッキはドロー効果のカードが多いから、これでせめてドローだけでも同等になろうというつもりね。

完全に十代を意識したデッキみたいだけど、ドローが互角になるだけじゃ意味は無いわ。

 

「名前はともかく、もう十分ドローできた!

俺は手札から……」

 

「待て、そのドローが終わった瞬間に俺は永続罠を発動させる」

 

「また永続罠か?」

 

「永続罠、連撃の帝王を発動

1ターンに1度、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにこの効果を発動できる

俺はモンスター1体をアドバンス召喚できる」

 

 アドバンス召喚? 十代ドローしたこのタイミングで?

またザボルグ? バブルマンはもう効果を発動したし、今破壊しても意味は無いわよね?

強いて言うなら、十代がバブルマンを融合の素材に使った時ぐらいかしら?

 

「このモンスターは最上級モンスターだが、アドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚ができる

アドバンス召喚された雷帝ザボルグをリリースし、轟雷帝ザボルグをアドバンス召喚する」

 

 元々大きな体をしていたさっきのザボルグが、更に大きな体になったモンスターが召喚された。

攻撃力は2800、もしかしてさっきのザボルグと似たような効果を持っているのかしら?

 

「轟雷帝ザボルグの効果を発動

こいつがアドバンス召喚に成功した場合、場のモンスター1体を破壊する

そして破壊したモンスターが光属性だった場合、その元々のLVと同じ数だけお互いのプレイヤーは自分のEXデッキからカードを選んで墓地へ送る」

 

「EXデッキからモンスターを?

だけど俺の場に光属性モンスターは存在していない、だったらただモンスターを1体破壊するだけの効果になるな」

 

「何を言っているんだ?

こいつの効果は、場のモンスターを1体破壊する効果だ

自分の場か相手の場かは問わない、つまり……俺は轟雷帝ザボルグの効果で轟雷帝ザボルグ自身を破壊する」

 

「自分のモンスターを破壊するだと!?」

 

 ザボルグは自分の体に電流を流し、破壊された。

轟雷帝ザボルグのLVは8だったから、お互いに自分のEXデッキからカードを8枚墓地へ?

 

「轟雷帝ザボルグには更に効果が有る

轟雷帝ザボルグが光属性モンスターをリリースし、アドバンス召喚に成功した場合は更に効果が追加される

その効果は、このカードの効果でEXデッキからモンスターを墓地へ送る効果で墓地へ送る相手のカードは俺が選べる効果だ」

 

「って事は……」

 

「遊城のEXデッキを俺は全て確認し、その中から8枚を選んで墓地へ送る

さぁ、お前のEXデッキを全て見せてもらおうか」

 

 十代は悔しそうな顔をしながら、瑞貴にEXデッキを渡す。

瑞貴は十代のEXデッキをよく確認し、順番に墓地へ送るカードを選んでいる。

 

 

「……どうやら俺とは違う方法で十代の融合を封じる戦法らしいな」

 

「そうね、まさか普通のデッキ破壊じゃなくてEXデッキ破壊をするなんて思わなかったわ

これで十代のEXデッキは穴だらけ、融合召喚先がかなり制限されるわね」

 

「…………2回、轟雷帝ザボルグの効果を発動したらEXデッキが尽きる」

 

「このタイミングで轟雷帝ザボルグをアドバンス召喚したのは融合をさせない為か

おそらくバブルマンの融合召喚先のモンスターを全て墓地へ送るつもりなのだろう

バブルマンの直接攻撃は受けるが、融合されるよりダメージは確実に少ないはずだしな」

 

 

 私と恵、三沢君でそんな話をしている間に、瑞貴がカードを選び終えた。

結構悩んでいたみたいだけど、十代の手札を予想していたのかしら?

 

「俺が決めた遊城の墓地へ送るモンスターは……

エリクシーラー、テンペスター、マッドボールマン、スチーム・ヒーラー、セイラーマン、シャイニング・フレア・ウィングマン、ネクロイド・シャーマン、プラズマヴァイスマンの8体だ

そして俺のEXデッキからだが……元々EXデッキは0枚なので関係無いな」

 

 まだ十代が召喚した事の無いモンスターの名前も入っているけど、バブルマンの融合体は全て墓地へ送られたでしょうね。

残りのモンスターは……破壊効果とかかしら?

 

「ぐっ……(手札のクレイマンと場のバブルマンを融合させるつもりだったのに、これじゃあ融合できない)

バブルマンで直接攻撃だ!」

 

 瑞貴は800のダメージを受けたけど、融合される事に比べたら大したダメージじゃないわね。

それよりも十代の8枚もの手札、このターンもアドバンス召喚をしたからアドバンス・ゾーンの効果でセットカードが破壊されてしまうわ。

これじゃあカードを伏せたくても、伏せるには勇気が必要ね。

 

「俺は……カードを3枚伏せて、ターンエンドだ!」

 

「アドバンス召喚に成功し、モンスターを1体リリースしたのでアドバンス・ゾーンの効果が発動する

セットカードを1枚……真ん中でいいか、そいつを破壊する」

 

「だが、破壊されたのはヒーロー・メダルだ!

相手のカードの効果によってセットされたこのカードが破壊されて墓地へ送られた時、このカードをデッキに戻してシャッフルする!

その後、俺はデッキからカードを1枚ドローする!」

 

「しかしドローフェイズ以外でのドローだ

それにより便乗の効果が発動、俺はデッキからカードを2枚ドローする

そして俺のターン、ドロー」

 

 ヒーロー・メダルで被害は殆ど無いけど、瑞貴に便乗の効果でドローされたのは痛いわね。

これで瑞貴の手札は3枚、ライフは3200で十代は勝っているけどバブルマンの攻撃力は僅か800。

瑞貴の召喚したモンスターは攻撃力2400と2800だから少し怖いわね。

 

「相手の魔法・罠ゾーンにカードが2枚以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる

氷帝家臣エッシャーを特殊召喚し、更に氷帝家臣エッシャーをリリース

光帝クライスをアドバンス召喚し、光帝クライスの効果を発動

こいつは召喚・特殊召喚したターンに攻撃できないという問題が有るが……

こいつが召喚・特殊召喚に成功した時、場のカードを2枚まで選択して破壊できる

ただし、破壊されたカードのコントローラーは破壊されたカードの枚数分だけデッキからカードをドローできる

このドローは任意だ、ドローしてもしなくてもどちらでも良い

俺は光帝クライスの効果により、遊城のバブルマンと俺の場の……勿体無いが、連撃の帝王を破壊する

光帝クライスの効果でお互いに1枚自分の場のカードが破壊された、よってお互いに1枚ドローできる

俺はドローするが……どうする?」

 

 これは悩むわね。

瑞貴の場には便乗のカード、このカードの効果を無理矢理使う為にあんなカードを使うだなんてね。

十代の手札はヒーロー・メダルの効果でドローしたカードも含めて既に6枚。

これ以上ドローする必要はあまり無いかもしれない。

 十代は融合使い、E・HEROの個々の能力はお世辞にも高いとは言えないわ。

融合を半ば封じられたのだから、ドローをしたい気持ちは有るはず。

 それに、十代は自分のドローに強い自信を持っている。

どんな逆境でも、絶対に諦めない強い心も持っている。

例え相手にドローされるとしても、自分のデッキとドローを信じてドローする可能性は高い。

 

「…………俺は、クライスの効果でドローする、ドローだ!」

 

「俺も光帝クライスの効果で1枚ドロー、更に相手がドローフェイズ以外でドローしたので便乗の効果で更に2枚ドローする

魔法カード、帝王の凍気を発動する

自分の場に攻撃力2400以上で守備力1000のモンスターが存在している場合に発動できる

場にセットされているカードを1枚破壊する

この効果により、遊城の伏せカードを1枚破壊だ」

 

「うぐっ……だけど、今破壊されたカードはコーリング・マジックだ!

このカードが効果で破壊された時、デッキから魔法・罠カードを2枚選択し、セットする!

俺がセットするカードは強欲な壺と神の宣告だ!」

 

「(原作効果のコーリング・マジックって、どっちが破壊しても効果が発動する上に2枚セットで魔法・罠の制限も無いとか卑怯過ぎるだろ……

唯一の救いは、セットしたターンに発動できるって効果が無いぐらいか?)」

 

 セットしたカードはそのターン中に発動できない。

でも瑞貴の光帝クライスはこのターン中に攻撃できないから次のターン用でしょうね。

 

「攻撃できない光帝クライスを場に残しておいても仕方ないな

俺は場に表側表示で存在するLV6の光帝クライスを選択し、星呼びの天儀台を発動

このカード名は1ターンに1度しか発動できない

先程言ったが、手札及び自分の場の表側表示のLV6のモンスターを1体選択、光帝クライスをデッキの一番下に戻してこのカードは発動

俺はデッキからカードを2枚ドローする」

 

 なるほど、攻撃できないクライスを自身の効果で破壊しなかったのはこのカードが手札に有ったからね。

連撃の帝王を残すよりもドローを優先したみたいね。

 

「次は墓地の帝王の凍気の効果を発動する

墓地のこのカードと、『帝王』魔法・罠カード1枚を除外……俺は連撃の帝王を除外する

そして場にセットされたカード1枚を破壊する

破壊対象はコーリング・マジックでセットされていない、前のターンにセットされたカードだ」

 

「ならセットされているこのカードを発動、クリボーを呼ぶ笛!

自分のデッキからクリボー、またはハネクリボー1体を手札に加えるか自分の場に特殊召喚する事ができる!

俺はこの効果でデッキからハネクリボーを守備表示で特殊召喚だ!」

 

 確かハネクリボーの効果は破壊されて墓地へ送られたターン、自分が受ける戦闘ダメージを0にする効果だったわね。

つまり瑞貴がハネクリボーを破壊すれば十代にダメージは与えられない……と。

というか十代凄いわね、瑞貴の伏せ破壊を全て回避したわよ。

 

「…………手札を1枚捨て、手札の炎帝家臣ベルリネスを特殊召喚する

このターン、俺はEXデッキからの特殊召喚を封じられる

そして墓地へ送った天帝従騎イデアの効果が発動される

このカードが墓地へ送られた場合、除外されている自分の『帝王』魔法・罠カード1枚を手札に加える

俺が手札に加えるのは先程帝王の凍気と共に除外された連撃の帝王だ」

 

 さっきのクライスのって、もしかしてあのモンスターが居たから連撃の帝王を破壊したのかしら?

他にもどうにかする手段は有ると思うけど、色々とデッキは考えられているのね。

 

「更に俺は魔法カード、二重召喚を発動

俺はこのターン、2回まで通常召喚を行う事ができる……つまりもう1度通常召喚ができる

俺は炎帝家臣ベルリネスをリリースし、炎帝テスタロスをアドバンス召喚

こいつがアドバンス召喚に成功した場合に発動する効果は、相手の手札をランダムに1枚捨てる効果だ

そして捨てたカードがモンスターだった場合、そのモンスターのLV×100のダメージを与える

俺から見ればどれもランダムだから俺が選ぶぞ、手札の一番右のカードを捨ててもらう」

 

「俺のカードは……E・HERO ネクロダークマンだ!」

 

「墓地発動効果のモンスター……

とりあえず、ネクロダークマンのLVは5、よって500のダメージを受けてもらう

更にアドバンス召喚の為にリリースされた炎帝家臣ベルリネスの効果を発動

相手の手札を確認し、その中の1枚を選んでエンドフェイズまで除外させてもらう

さぁ遊城、お前の手札を見せてもらおうか」

 

 十代の手札は6枚と多いから悩むわね。

融合、スパークマン、騎士道精神、悪夢の蜃気楼、ヒーロー見参、クレイマンの6枚。

さっきまでのドローで融合、スパークマン、クレイマンのどれかをドローしたのね。

ヒーロー見参は微妙ね、クリボーを呼ぶ笛が有ったから伏せなかったのかしら?

 

「どれを除外しても同じか……とりあえず融合を除外させてもらおう

そしてバトルフェイズ、邪魔なのでさっさと潰させてもらう

炎帝テスタロスでハネクリボーを攻撃」

 

 テスタロスは指先を掲げると、その指先から炎が現れる。

そしてテスタロスがその指を振り下ろしてハネクリボーを指差すと、その炎はハネクリボーに飛んでいった。

ハネクリボーはテスタロスの炎で燃やされ、破壊されてしまう。

だけど十代の受けたダメージは0、まだまだ大丈夫そうね。

 

「ハネクリボーが破壊されたターン、俺への戦闘ダメージは0になる!」

 

「もう攻撃しないからどうでも良いよ

俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ

エンドフェイズ時、アドバンス・ゾーンの効果が発動

俺はこのターン、モンスターを2体アドバンス召喚のリリースに使用した

よって1体以上をリリースした場合に相手のセットされたカードを破壊する効果

そして2体以上をリリースした場合にデッキからカードを1枚ドローする効果を発動する

とりあえずドローし、先程コーリング・マジックの効果でセットされた……神の宣告を破壊する

ついでに、炎帝家臣ベルリネスの効果で除外されていた融合は手札に戻る」

 

 強欲な壺でドローされても便乗が有るから残したのかしら?

それとも、ライフを半分払って魔法・罠、モンスターの召喚、反転召喚、特殊召喚を無効にする神の宣告を嫌がったのか……

瑞貴って結構色んなカードを使うし、神の宣告で動きを止められるのは嫌がりそうだからこっちかしらね。

 もしかして十代、強欲な壷を発動する為に神の宣告を囮にした……とか?

可能性は有るわね、瑞貴も神の宣告なんてカードを伏せられたら破壊しないとはいかないし。

例えば他のカード……攻撃の無力化とかだったらどうかしら?

攻撃を1回無効にされるけど、攻撃しなかったり伏せカードを破壊すれば良いんだから後回しにされて強欲な壷を破壊されるかもしれない。

だったらいっそ、重要なカードの方を囮に使う……確かにこっちの方が確実かもしれないわね。

 そして伏せカードの1枚は連撃の帝王なのは確実ね、だけど手札はアドバンス・ゾーンでドローした1枚だけ。

これで上級モンスターをドローできるとは限らない、となると瑞貴の狙いは十代の強欲な壷の効果による便乗の発動でのドローね。

 

「俺のターン、ドロー!

俺はセットされている強欲な壷を発動し、2枚ドローする!」

 

「なら俺も便乗の効果により2枚ドローだ」

 

 これで十代の手札は9枚、凄いわね。

手札消費の激しい十代の手札がこんなに多いなんて初めてじゃないかしら?

 

「行くぜ! 俺は手札から融合を発動!

手札のE・HERO スパークマンとE・HERO クレイマンを融合!

来い! E・HERO サンダー・ジャイアント!」

 

 確かあのモンスターの効果は、元々の攻撃力がサンダー・ジャイアントよりも低いモンスターを破壊する効果だったわね。

だけど場に存在するモンスターは攻撃力2400のサンダー・ジャイアントとテスタロス、どちらも攻撃力は同じ。

つまりサンダー・ジャイアントの効果で瑞貴のモンスターを破壊できない。

 

「サンダー・ジャイアントは自分よりも元々の攻撃力の低いモンスター1体を破壊する効果が有る」

 

「しかし炎帝テスタロスの攻撃力は2400、残念ながらサンダー・ジャイアントでは破壊できない

まさか同じ攻撃力だからって相打ちしようと……そういえばさっき手札にあのカードが有ったな」

 

「その通りだ! 永続魔法、騎士道精神を発動!

このカードが存在している限り、俺のモンスターは同じ攻撃力同士での戦闘では破壊されない!

バトルだ! サンダー・ジャイアントでテスタロスに攻撃!」

 

 サンダー・ジャイアントの雷とテスタロスの炎がお互いにぶつかり合う。

だけど破壊されたのはテスタロスだけ、サンダー・ジャイアントは生き残った。

十代に追撃モンスターはいないけど、少なくともこれで攻撃力2400のモンスターには倒されないわ。

 

「速攻魔法、融合解除を発動!

場に存在する融合モンスターをEXデッキに戻し、融合に使用したモンスターを俺の場に特殊召喚する!

戻ってこいスパークマン! クレイマン!」

 

 2体のモンスターは攻撃表示、ここで攻めるつもりね。

だけどクレイマンの攻撃力は800、いいのかしら?

 

「スパークマンとクレイマンで直接攻撃だ!」

 

「永続罠、始源の帝王を発動

このカードは発動後、攻撃力1000・守備力2400の効果モンスターとなってモンスターゾーンに特殊召喚する

俺は始源の帝王を守備表示で特殊召喚する

そしてこのカードの効果でこのカードが特殊召喚された場合、手札を1枚捨てて属性を1つ宣言できる

このカードは宣言した属性として扱い、更に同じ属性のモンスターをアドバンス召喚する場合2体分のリリースにできる

最後に、このカードの効果で特殊召喚されたこのカードが存在している限り、俺はこのカードと同じ属性のモンスターしか特殊召喚できない

俺は手札を1枚捨て、光属性を宣言し、この始源の帝王を光属性として扱う」

 

「つまりみず……堅守は今は光属性しか特殊召喚できないんだな?

どっちにしても俺のモンスターじゃそいつの守備力は越えられない、だったらバトルフェイズを終了してカードを3枚伏せる!

そして永続魔法、悪夢の蜃気楼を発動してターンエンドだ!」

 

 3枚の伏せカードに悪夢の蜃気楼ね。

悪夢の蜃気楼は相手のスタンバイフェイズ時に手札が4枚になるようにドローするカード。

便乗で瑞貴にもドローされるけど、手札が4枚になるのは大きいわ。

 

「俺のターン、ドロー」

 

「この相手のスタンバイフェイズ時に悪夢の蜃気楼の効果が発動する!

俺は手札が4枚になるようにデッキからカードをドローする!

俺の手札は0枚、よって4枚ドローだ!」

 

「ドローフェイズ以外のドローだ、よって俺は便乗の効果で2枚ドローする

始源の帝王で特殊召喚されたモンスターが存在する限り、俺はこのカードと同じ属性である光属性のモンスターしか特殊召喚できない

装備魔法、再臨の帝王を発動

このカード名は1ターンに1度しか発動できない

自分の墓地の攻撃力2400・守備力1000のモンスターか攻撃力2800・守備力1000のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚し、このカードを装備する

ちなみにこのカードが場から離れた時に特殊召喚されたモンスターは破壊されるがな

まぁそんな事よりも、この効果により効果を無効にして光属性の轟雷帝ザボルグを守備表示で特殊召喚」

 

 攻撃はできないけど、またアドバンス召喚のリリースに使うつもりなんでしょうね。

2体のモンスターだし、最上級のモンスターかしら?

 

「続いて俺は……儀式魔法、原初の叫喚を発動する

手札・場からLV合計が8以上になるようにモンスターをリリースし、手札から輝神鳥ヴェーヌを儀式召喚する

俺は場に存在するLV8の轟雷帝ザボルグをリリースし、手札の光属性の輝神鳥ヴェーヌを儀式召喚」

 

「ぎ、儀式召喚だって!?」

 

 儀式召喚って、あのデッキに入るの?

というか少し意外ね、瑞貴が自分の決めたテーマ以外のカードを使うっていうの。

あのデッキ、多分アドバンス召喚をメインにしているモンスター、○帝ってカードをメインにしているはず。

それなのにそんな感じの名前が全く無い、全然違うモンスターを使うだなんて……儀式も含めて予想外ね。

 

「さて……次は手札の光属性の雷帝家臣ミスラを特殊召喚する

こいつを特殊召喚する場合、相手の場に攻撃力800で守備力1000の家臣トークン1体を守備表示で特殊召喚する

そして俺はこのターン、EXデッキからモンスターを特殊召喚できない」

 

 瑞貴の場には輝神鳥ヴェーヌとミスラ、それにモンスターになっている始源の帝王の3枚ね。

多分ミスラにもアドバンス召喚のリリースに使用したら効果が有るんだと思うけど……

 

「輝神鳥ヴェーヌの効果を発動

1ターンに1度、手札のモンスター1体を相手に見せ、場の表側表示モンスター1体のLVを見せたモンスターと同じにする

俺はこの効果により手札の轟雷帝ザボルグを見せる、そしてこのモンスターのLVは8だ

そして俺の場のモンスター1体のLVを8にする、LVを8にするモンスターは雷帝家臣ミスラだ」

 

 モンスターのLVを変更してなんの意味が有るのかしら?

LVが高いからって……あれ、でも確か轟雷帝ザボルグの効果って……

というか、今手札から見せたザボルグって2体目なのね。

1体目はさっきヴェーヌの儀式召喚の為にリリースされたし。

 

「始源の帝王は自身の効果で属性を変更した場合、同じ属性のモンスターをアドバンス召喚する場合に2体分のリリースとして扱う事ができる

俺はこの効果を使い、始源の帝王を2体分のモンスターとしてリリースして轟雷帝ザボルグをアドバンス召喚する

そして轟雷帝ザボルグが光属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合

自身の効果で破壊したモンスターが光属性だった場合に同じLV分だけEXデッキからカードを選んで墓地へ送る効果で墓地へ送るカードを俺が選ぶ事ができる

轟雷帝ザボルグの効果を発動、こいつがアドバンス召喚に成功した場合、場のモンスター1体を破壊する

俺はこの効果で光属性の雷帝家臣ミスラを破壊

本来雷帝家臣ミスラのLVは2だが、輝神鳥ヴェーヌの効果でこいつはLVが8になっている

よってお互いのEXデッキのモンスターを8体墓地へ送る、遊城は残り全てのEXデッキのカードを墓地へ送ってもらう」

 

 

「そうか! ミスラのLVを変更したのは攻撃力の高いザボルグを場に残す為だったのか!」

 

「しかもまた8枚墓地へ送るって事は2回で最大15枚までしか入れられないEXデッキを全て墓地へ送る事ができるわ

そして瑞貴の場には攻撃力2800のモンスターが2体、融合しようにもEXデッキに融合モンスターが存在しなければ融合はできない」

 

「…………墓地からデッキに戻すカードが有れば融合できる」

 

「とはいえ、例えそれができても再びEXデッキを荒らされるかもしれない

どちらにせよ十代は厳しい戦いを強いられる事になるな」

 

「…………(相手の場に出した家臣トークンを破壊しなかったのはどうして?

ヴェーヌの効果は自分だけじゃなくて相手のモンスターのLVも変えられるはず

…………まぁ、見てれば解るの)」

 

 

 これでさっき融合召喚したサンダー・ジャイアントも出せなくなった。

十代のデッキに他に攻撃力2400のモンスターは入っていたかしら?

無いのなら騎士道精神は殆ど使えない状態になるわね。

 

「輝神鳥ヴェーヌのもう1つの効果を発動

1ターンに1度、自身以外の自分の手札・場のモンスターがリリースされた場合、自分の墓地からモンスター1体を手札に加える

先程、俺の場から始源の帝王がリリースされたので、俺は墓地から光帝クライスを手札に加える」

 

 瑞貴の場には連撃の帝王が伏せられている。

つまり十代は次のターン、瑞貴がいつクライスを召喚してくるかを気をつけて戦わなければならない。

しかも瑞貴がまたアドバンス召喚すればヴェーヌの効果でまたモンスターが手札に戻ってくる。

更にアドバンス・ゾーンの効果でセットカードを破壊されてしまう。

 かなり厳しい状況だけど、十代は大丈夫かしら?

十代の場には伏せカードが3枚もあるけど、あの中に攻撃を防げるカードは……

 

「(なんとなく、攻撃しない方が良い気がするんだよな……

てか、あの伏せカードの中に絶対非常食入ってるだろ、じゃなかったら悪夢の蜃気楼なんて使わないはずだし

となるとあの伏せカードは攻撃を防ぐカード、それにチェーンして非常食をチェーン発動

悪夢の蜃気楼、攻撃を防ぐカード、騎士道精神を墓地へ送ってライフを回復って感じか?

だからって攻撃しないと攻撃を防ぐカードは使わせられない訳で……仕方ない、攻撃するか)

バトルフェイズ、輝神鳥ヴェーヌでクレイマンに攻撃」

 

「なら俺はこのカードを発動だ!

クレイマンが攻撃対象に選択された事により罠カード、クレイ・チャージを発動!

更に攻撃宣言時に罠カード、ヒーロー見参を発動!

最後に速攻魔法、非常食を発動する!

非常食は俺の場の魔法・罠カードを任意の枚数墓地へ送り、墓地へ送ったカードの数×1000ポイントライフを回復する

俺はこの効果で悪夢の蜃気楼、騎士道精神、クレイ・チャージ、ヒーロー見参を墓地へ送ってライフを4000回復する!」

 

 これで十代のライフは7500、これでそう簡単に負けるライフではなくなったわ。

瑞貴もこの状況だと結構辛いんじゃないかしら?

 

「更にヒーロー見参の効果により、俺は自分の手札から1枚をランダムに選ぶ

そのカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターを特殊召喚できる!

さぁ堅守、俺の手札から1枚選んでくれ!」

 

「……一番左のカードだ」

 

「へへ、お前が選んだカードは……モンスター、フレンドッグだ!

選ばれたカードはモンスター、よって俺はフレンドッグを守備表示で特殊召喚する!」

 

 確か、戦闘で破壊されると墓地の『E・HERO』と融合の魔法カードを1枚ずつ手札に加える効果だったわね。

融合はできなくても、手札から捨てる必要とするカードで捨てる事はできるから無駄にはならない。

効果で破壊されるかもしれないけど、十代のE・HEROや伏せカードが破壊されないんだったら囮には十分かもしれないわね。

 

「そして最後にクレイ・チャージの効果だ!

攻撃してきたモンスターと攻撃対象となったクレイマンを破壊し、相手に800のダメージを与える!」

 

 瑞貴のヴェーヌと十代のクレイマンは破壊され、瑞貴に800のダメージ。

これで瑞貴の残りライフは2400、十代は7500だから3分の1以下になったわ。

このまま十代が押し切るのか、それとも瑞貴が十代のあのライフを削りきるのか……

 

「なら、轟雷帝ザボルグでスパークマンに攻撃する」

 

 ザボルグはスパークマンの頭と足を掴み、両手でスパークマンを持ち上げる。

そしてスパークマンに電撃、スパークマンなのに電気で倒されてしまったわね。

十代は1200のダメージを受け、残りライフは6300になったわ。

 

「エンドフェイズに入り、効果を発動する

このターンにアドバンス召喚でリリースしたモンスターは1体、アドバンス・ゾーンは遊城の場にセットカードが無いので不発

そして墓地の儀式魔法、原初の叫喚の効果を発動

自分のエンドフェイズ時にこのカードを除外し、このターンに場から墓地へ送られた自分の墓地の儀式モンスター1体を特殊召喚する

この効果により原初の叫喚を除外し、輝神鳥ヴェーヌを特殊召喚だ」

 

 まさか、十代の伏せカードを読んでいたというの?

それで破壊されても復活できるヴェーヌから攻撃を?

攻撃力2800のモンスターの復活、十代は少し厳しいかもしれないわね。

 瑞貴の場には轟雷帝ザボルグ、輝神鳥ヴェーヌの2体の攻撃力2800のモンスター。

魔法・罠はアドバンス・ゾーン、便乗、そして伏せられたままの連撃の帝王の3枚。

手札は1枚で残りライフは2400ね。

 十代はフレンドッグ、そして瑞貴の特殊召喚した家臣トークンの2体。

魔法・罠は無いけど手札は3枚でライフは6300も有るわ。

 ライフは少ないけど、場の状態では瑞貴がやや有利かしら?

それに十代は融合モンスターが全て墓地へ送られているから融合はできない。

だけど手札は3枚、どうしようも無いという状態ではないわね。

 

「俺のターンだ、ドロー!

俺は魔法カード、貪欲な壷を発動!

墓地のモンスターを5体選択し、デッキに戻しシャッフル、そして2枚ドローする!

俺はバブルマン、テンペスター、プラズマヴァイスマン、フレイム・ウィングマン、シャイニング・フレア・ウィングマンをデッキとEXデッキに戻す!

そして2枚ドローだ!」

 

「なら俺も便乗の効果で2枚ドローさせてもらう」

 

「……よし、俺は魔法カード、融合を発動!

手札のフェザーマンとバーストレディを融合!

来い、マイフェイバリットヒーロー! E・HERO フレイム・ウィングマン!」

 

 来たわね、フレイム・ウィングマン。

だけどフレイム・ウィングマンの攻撃力は2100、瑞貴のモンスターには勝てないわ。

 

「…………ただお気に入りを見せたって訳じゃないんだろう?」

 

「へへ、あったりまえだ!

更にフィールド魔法、摩天楼-スカイスクレイパー-を発動!

E・HEROが戦闘する場合、相手モンスターよりも攻撃力が低い場合は攻撃力が1000ポイントアップする!

バトルだ! フレイム・ウィングマンでヴェーヌに攻撃!」

 

「それを通すと思うか! 永続罠、連撃の帝王を発動する

1ターンに1度、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにモンスター1体をアドバンス召喚する

この効果を発動し、俺は轟雷帝ザボルグをリリースし、手札の光帝クライスをアドバンス召喚

召喚、特殊召喚に成功した光帝クライスの効果により、お前の場の摩天楼-スカイスクレーパー-と俺の場の光帝クライス自身を破壊する」

 

 せっかくのフィールド魔法も、瑞貴はあっさりと破壊した。

その破壊したクライスも破壊されてしまったけど、これで十代はヴェーヌの攻撃力2800を越えられない。

クライスが手札に存在しているのは知っていたけど、やっぱり自分のターンでも相手のターンでも現れるっていうのは強いわね。

 

「光帝クライスの効果でカードを破壊されたカードのコントローラーはドローできる

俺はドローするが、遊城はどうする?」

 

「俺もドローだ、ドロー!」

 

「なら俺は光帝クライスの効果でドローし、便乗の効果でもドローだ

そして輝神鳥ヴェーヌの効果も発動する

1ターンに1度、自身以外の手札・場のモンスターがリリースされた場合に自分の墓地のモンスター1体を手札に加える

俺はこの効果により轟雷帝ザボルグを手札に加える」

 

 確かザボルグは2体共墓地だからその内の1体みたいね、となるとまた十代のEXデッキを破壊するのね。

ただ、瑞貴の場にはヴェーヌだけだから召喚は難しいかもしれないけど。

 

「俺は……バトルフェイズを終了し、カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

「そのエンドフェイズにアドバンス・ゾーンの効果が発動

モンスターを1体、アドバンス召喚の為にリリースしたので相手のセットカードを1枚破壊する

……右のカードだ、それを破壊する」

 

「破壊されたカードはヒーロー・メダルだ!

このカードが破壊されて墓地へ送られた、よってデッキに戻り、俺はデッキからカードを1枚ドローする!」

 

「またそれか……またそれをドローしたのか?

俺も便乗の効果でドローし、俺のターンになりドローする」

 

 変ね、さっき瑞貴のターンが終わった時に手札は1枚だったわ。

なのにどうして今の瑞貴の手札は9枚も有るのかしら?

だけど、これだけ手札が有れば十代も厳しいかもしれないわ。

 

「魔法カード、帝王の深怨を発動

帝王の深怨は1ターンに1枚しか発動できない

手札の攻撃力2400で守備力1000、または攻撃力2800で守備力1000のモンスター1体を相手に見せて発動する

俺は手札の攻撃力2800で守備力1000の轟雷帝ザボルグを見せる

デッキから帝王の深怨以外の『帝王』魔法・罠カード1枚を手札に加える

俺が手札に加えるのは帝王の烈旋だ

魔法カード、死者蘇生を発動する

墓地に存在するモンスター1体を俺の場に特殊召喚する

この効果により光帝クライスを特殊召喚し、特殊召喚成功時の効果の発動にチェーンして速攻魔法、帝王の烈旋を発動

帝王の烈旋は1ターンに1度しか発動できず、このカードを発動するターンに俺はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない

このカードの効果は、このターン中に俺がモンスターをアドバンス召喚する場合に1度だけ、相手の場のモンスター1体をリリースできる効果だ

そして光帝クライスの効果が発動し、光帝クライスの効果で帝王の烈旋とその伏せカードを破壊する」

 

「ただで破壊されてたまるか! 罠カード、ヒーローバリアを発動!

自分の場に『E・HERO』が存在する場合、相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする!

この効果はこのターン中続く、つまり今発動しても攻撃を1度無効にできる!

更にクライスの効果で俺のカードが破壊された、よってドローだ!」

 

「また面倒な……光帝クライスの効果で俺はドローし、便乗の効果で更に2枚ドローする

俺は魔法カード、汎神の帝王を発動する

手札の『帝王』魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動する、俺はこの効果で手札の帝王の轟毅を墓地へ送る

そして汎神の帝王の効果で俺はデッキからカードを2枚ドローだ」

 

 瑞貴の手札が10枚に……というかデッキの枚数も危ないんじゃない?

ちょっとドローし過ぎよ、大丈夫なの?

 

「俺はこのターン、帝王の烈旋の効果で遊城の場のモンスターをリリースしてアドバンス召喚できる

この効果でお前の場のフレンドッグと俺の場の光帝クライスをリリースし、冥帝エレボスをアドバンス召喚する」

 

「ザボルグじゃないのか?」

 

「別に今出す必要は無いからな

冥帝エレボスはアドバンス召喚に成功した場合に効果を発動できる

手札・デッキから『帝王』魔法・罠カード2種類を墓地へ送る

俺は手札の進撃の帝王と帝王の凍志を墓地へ送り、相手の手札・場・墓地の中からカードを1枚選んでデッキに戻す

俺が選ぶのは墓地に存在するネクロダークマンだ

そいつが墓地で長々と存在し続けるとエッジマンが出てきそうで嫌なのでな」

 

「ぐ……わかった、墓地のネクロダークマンをデッキに戻す」

 

「輝神鳥ヴェーヌの効果を発動、モンスターをリリースしたので墓地からモンスター1体を手札に加える

俺が手札に加えるモンスターは光帝クライスだ

魔法カード、貪欲な壷を発動する

墓地のモンスター5体を選択してデッキに戻し、2枚ドローする

俺は地帝家臣ランドローブ、氷帝家臣エッシャー、雷帝家臣ミスラ、天帝従騎イデア、炎帝テスタロスをデッキに戻して2枚ドロー

魔法カード、カード・アドバンスを発動

自分のデッキの上から5枚までを確認し、好きな順番でデッキの上に戻す

そしてこのターン、俺は通常召喚に加えて1度だけモンスター1体をアドバンス召喚できる

上から5枚を確認……(おかしい、ちゃんとシャッフルしたはずなのにさっきデッキに戻した5枚を確認するとはどうなっているんだ?)

……エンドフェイズにアドバンス・ゾーンでドローできるし、天帝従騎イデアをトップにしておくか)」

 

 なんだか凄く微妙そうな顔をしてるけど、どうしたのかしら?

まさかさっき貪欲な壷の効果で戻したモンスター5体を確認したなんて……さすがにそれは無いわね。

いくらデッキの枚数が少ないからっていくらなんでも……

 

「輝神鳥ヴェーヌのもう1つの効果を発動

手札のLV8のモンスター、轟雷帝ザボルグを相手に見せる事で場のモンスター1体のLVを見せたモンスターと同じにする

この効果で遊城の場に特殊召喚した家臣トークンのこのターンの間だけLVを8にする

そして俺はこのターン、カード・アドバンスの効果でもう1度アドバンス召喚できる

この効果により俺は冥帝エレボスをリリースし、轟雷帝ザボルグをアドバンス召喚する

何度もしているが、アドバンス召喚で破壊するモンスターは光属性の家臣トークンだ

現在家臣トークンのLVは8、よってお互いのEXデッキからモンスター8体を墓地へ送る

先程貪欲な壷でEXデッキに戻したモンスターを墓地へ送ってもらう」

 

 え、えげつない……デッキにカードを戻すカードなんて早々無いわ。

それなのに、せっかくEXデッキに戻したカードを再び墓地へ送られるだなんてね。

しかもあのデッキから考えて、何回でもあのザボルグを使いまわせるようにしているはず。

例えもう1回十代がEXデッキを回復させても、また次のターンには墓地へ送られるでしょうね。

 

「バトルフェイズだ、轟雷帝ザボルグでフレイム・ウィングマンに攻撃」

 

「だがその攻撃はヒーローバリアで無効になる!」

 

「しかし2回目の攻撃は防げない

輝神鳥ヴェーヌでフレイム・ウィングマンに攻撃」

 

 ヴェーヌが嘴を大きく開いて……光線を放ったわ。

天使族で鳥獣族じゃないとはいえ、その攻撃はどうなの?

とにかく、フレイム・ウィングマンは破壊され、十代は700のダメージを受けた。

残りライフは5600、大きくじゃないけど確実に十代のライフは減っていっている。

 

「メインフェイズ2に入り、墓地の冥帝エレボスの効果を発動

1ターンに1度、自分か相手のメインフェイズに手札から『帝王』魔法・罠を1枚捨てる事で自分の墓地の攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を手札に加える

俺はこの効果で手札の帝王の帝王の深怨を捨て、轟雷帝ザボルグを手札に加える

そしてカードを2枚伏せ、エンドフェイズ

アドバンス・ゾーンの効果が発動する

このターン、俺はアドバンス召喚の為にモンスターを3体リリースした

よって効果が3種類発動する

1体以上の効果、相手の場のセットカードを1枚破壊する効果は遊城の場にセットカードが無いので不発

2体以上の効果、デッキからカードを1枚ドローする効果によりドロー

3体以上の効果、自分の墓地のモンスター1体を手札に加える効果により雷帝ザボルグを手札に加える

そしてこのエンドフェイズに手札が7枚なので手札が6枚になるように手札を1枚捨てる

俺はこれでターンエンドだ」

 

 ちょっとアドバンス召喚のし過ぎじゃない?

この決闘、瑞貴は何回アドバンス召喚したのよ……

 

「俺のターン、ドロー!

よし、俺はバブルマンを召喚する!

俺の場に他にカードが無い事で、バブルマンの効果で俺はデッキからカードを2枚ドローする!」

 

「お前、何回ドローするつもりだよ……便乗の効果でドローだ

バブルマンは鬱陶しいから破壊させてもらう

連撃の帝王の効果を発動し、轟雷帝ザボルグをリリースして雷帝ザボルグをアドバンス召喚

場のモンスター1体を破壊する効果により、バブルマンを破壊する」

 

「速攻魔法、バブルイリュージョンを発動!

バブルマンが自分の場で表側表示で存在している時にのみ発動できる!

このターン、俺は手札から罠カードを1枚発動できる!」

 

「また面倒な……そんなカードを発動させたくなかったんだが、仕方ないな

だが、雷帝ザボルグの効果によりバブルマンは破壊される

更に輝神鳥ヴェーヌの効果により、墓地の轟雷帝ザボルグを手札に加える」

 

 これで十代は罠カードをこのターン中に手札から発動できるわ。

だけどどんなカードを発動させるつもりかしら?

 

「よし、これが決まれば……行くぜ!

魔法カード、O-オーバーソウルを発動!

自分の墓地の『E・HERO』通常モンスター1体を特殊召喚する!

俺が選ぶモンスターはクレイマンだ! 守備表示で特殊召喚!」

 

 十代の手札は残り2枚。

1枚は罠カードだとして、残り1枚は……

 

「更に魔法カード、ヒーロー・マスクを発動!

自分の場に表側表示で存在するモンスター1体を、エンドフェイズまでこれからデッキから墓地へ送る『E・HERO』1体と同じ名前として扱う!

俺はデッキからエッジマンを墓地へ送り、このターンの間クレイマンをエッジマンとして扱う!」

 

 エッジマン……でも名前を変えても攻撃力も守備力も変わらないわ。

エッジマン専用の装備カードとか、私は知らないんだけど……というか罠カードよね?

 

「なるほど、それを決められたら俺の負けだが……決めさせたりしない

相手メインフェイズ時に、自分の墓地の『帝王』魔法・罠カード1枚を除外……先程手札制限で捨てた帝王の溶撃を除外する

そして手札の天帝アイテールの効果を発動、このカードをアドバンス召喚する

このモンスターはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースする事で、その1体でアドバンス召喚できるがその効果は使わない

俺は俺の場の輝神鳥ヴェーヌと雷帝ザボルグをリリースし、天帝アイテールをアドバンス召喚

そしてアドバンス召喚に成功した天帝アイテールの効果を発動

手札・デッキから『帝王』魔法・罠カード2種類を墓地へ送る……手札の帝王の凍気と汎神の帝王を墓地へ送る

デッキから攻撃力2400以上で守備力1000のモンスター1体を特殊召喚する

ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に手札に戻る

俺がデッキから特殊召喚するモンスターは光帝クライス

そしてこの効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効にされていない

光帝クライスの効果を発動し、俺の場の天帝アイテールと光帝クライスを破壊して俺は2枚ドローする」

 

 瑞貴が自らモンスターを全て破壊した……どういうつもりなの?

十代の最後の手札、あの手札のカードを警戒したんでしょうけど……

 

 

「……なるほど、堅守が警戒したカードが判ったぞ」

 

「三沢君は判ったの?」

 

「ああ、おそらく十代の最後の手札はエッジ・ハンマーだ

自分の場のエッジマンをリリースし、相手の場のモンスター1体を破壊

そしてそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える効果だ

堅守の上級モンスターは全て攻撃力2400以上、残りライフ2400の堅守ではこのダメージを耐えられない」

 

「十代の最後の手札を読んだ瑞貴は、ヴェーヌをリリースしてでも場にモンスターを残さなかったのね

それにしても、なんて乱暴な手段を……でも、本当に十代の手札がエッジ・ハンマーなら最善だったかもしれないわ」

 

「…………違っていても、あまり問題無い」

 

「恵?」

 

「…………E・HEROで融合を使わずに攻撃力2400以上のモンスターはエッジマンだけ

墓地にも送られていない、死者蘇生とかを使わずに手札1枚でエッジマンを出すのは無理」

 

「つまり、例え自分の読みが外れたとしてもライフは残る可能性は高いと考えたのか

十代のデッキ、それにE・HEROの特性を覚えているからこそできる事だな」

 

「逆に言えば、それができなかったら瑞貴は負けていた可能性が高いという事か……」

 

 

「読まれちまったか……どうすっかな

俺はこれでターンエンドだ!」

 

「このエンドフェイズ時にアドバンス・ゾーンの効果が発動する

このターン、俺は3体のモンスターをアドバンス召喚のリリースに使用した

セットカードは無いので不発、そしてドロー、墓地のモンスターは天帝アイテールを手札に加える

この効果に更に永続罠、真源の帝王を発動する

1ターンに1度、自分の墓地の『帝王』魔法・罠カード2枚をデッキに加えてシャッフルし、1枚ドローする

俺は墓地の汎神の帝王と帝王の烈旋をデッキに戻し、ドローする」

 

 色々と凄い決闘になってるわね。

瑞貴の手札はなんと10枚、場にモンスターは存在せずにライフは2400。

魔法・罠カードは便乗、連撃の帝王、真源の帝王、アドバンス・ゾーン、伏せカードの5枚ね。

 対する十代のライフは5600とまだ多い。

だけど場にはクレイマンだけで手札も多分エッジ・ハンマーの1枚のみ。

ライフは瑞貴の方が少ないけど、十代の方が危険な状況ね。

 

「俺のターン、ドローだ」

 

 瑞貴の手札が11枚も有るわ、何回も思うけど明らかに変よね。

というよりも瑞貴のデッキ枚数の方が危ない状況になっているんだけど……

 

「罠カード、貪欲な瓶を発動する

貪欲な瓶以外の墓地のカード5枚を選択し、デッキに加えてシャッフル、その後俺はデッキからカードを1枚ドローする

俺が選択するカードは光帝クライス、貪欲な壷、死者蘇生、二重召喚、帝王の深怨の5枚

これらのカードをデッキに戻し、1枚ドロー」

 

 瑞貴の手札が12枚、どうなってるのよ……

いくらなんでもその手札は使い切れないでしょ?

 

「墓地の真源の帝王の効果を発動し、墓地の『帝王』魔法・罠カードである帝王の轟毅と進撃の帝王をデッキに戻して1枚ドローする」

 

 手札が13枚になったわね。

どう考えても使いきれる気がしないわ。

例え十代でも手札が13枚になっても使い切れないでしょうね……多分。

 

「魔法カード、汎神の帝王を発動

手札の『帝王』魔法・罠カードを1枚墓地へ送る事で俺はデッキからカードを2枚ドローする

手札の帝王の轟毅を墓地へ送り、2枚ドローする

もう1枚、汎神の帝王を発動

手札の進撃の帝王を墓地へ送り、2枚ドローする

魔法カード、帝王の深怨を発動

手札の攻撃力2400で守備力1000、または攻撃力2800で守備力1000のモンスター1体、天帝アイテールを見せる

俺はデッキから帝王の深怨以外の『帝王』魔法・罠カードを1枚手札に加える

俺が手札に加えるのはフィールド魔法、真帝王領域だ」

 

 もしかして、瑞貴がさっきから何度もドローしてたのってあのフィールド魔法を手札に加える為?

あれだけドローしてやっと手札に来たのね……瑞貴も運が悪いわね。

 

「フィールド魔法、真帝王領域を発動する

さて……終わらせるか」

 

「終わらせる?」

 

「相手の場に存在する表側表示モンスターを1体、クレイマンを選択

地帝家臣ランドローブを特殊召喚し、クレイマンを裏側守備表示に変更する

相手の場に家臣トークンを1体特殊召喚すると同時に、雷帝家臣ミスラを特殊召喚する

手札を1枚捨て、手札から炎帝家臣ベルリネスを特殊召喚する

そして今捨てた天帝従騎イデアの効果が発動

こいつが墓地へ送られた場合、除外されている自分の『帝王』魔法・罠カード1枚を手札に加える

俺はこの効果で除外されている帝王の凍気を手札に加える」

 

 一気に瑞貴の場に家臣のモンスターが3体揃ったわ。

だけど通常召喚は1ターンに1度だけ、3体もリリースなんて……

あ、でもこの決闘で瑞貴は何度も召喚権を増やすカードを使っていたわね。

となるとまたそれらのカードを使うのかしら?

 

「雷帝家臣ミスラをリリースし、雷帝ザボルグをアドバンス召喚する

そしてアドバンス召喚に成功した雷帝ザボルグの効果発動、場のモンスター1体を破壊する

この効果により家臣トークンを破壊だ

更に雷帝家臣ミスラがアドバンス召喚の為のリリースにされた場合

このターン、俺は通常召喚に加えて1度だけ、自分のメインフェイズにアドバンス召喚ができる

この効果を使用し、俺は地帝家臣ラングローブと炎帝家臣ベルリネスをリリース、天帝アイテールをアドバンス召喚

アドバンス召喚に成功した時に発動する、デッキからの特殊召喚はしない

アドバンス召喚の為にリリースされた地帝家臣ラングローブと炎帝家臣ベルリネスの効果を発動

地帝家臣ラングローブはアドバンス召喚の為にリリースされた場合、地帝家臣ラングローグ以外の自分の墓地の攻撃力800で守備力1000のモンスター1体を手札に加える

俺はこの効果で雷帝家臣ミスラを手札に加える

そして炎帝家臣ベルリネスはアドバンス召喚の為にリリースされた場合、相手の手札を確認し、その中の1枚を選んでエンドフェイズまで除外する

さて……さっき発動させようとしていたその手札を見せてもらおうか?」

 

 次々と召喚される帝達、そして十代の手札は三沢君の予想通りエッジ・ハンマーだった。

十代は悔しそうに、エッジ・ハンマーを除外する。

 だけど十代のライフは5600も残っている。

それに十代の場には裏側守備表示になっているクレイマンも残っている。

クレイマンを破壊されて直接攻撃を受けても、まだ十代のライフは残るわ。

 瑞貴の手札には、場のセットカードを破壊する帝王の凍気が有る。

だけどそのカードで十代のクレイマンを破壊しても、2体の攻撃力の合計は5200よ。

その攻撃を受けても、十代は耐え切れるわ。

 瑞貴がさっきラングローブで手札に加えたミスラは十代の場に家臣トークンを守備表示で特殊召喚する。

つまり瑞貴がミスラを特殊召喚しても、十代に与えられるダメージが減るだけで倒せないわ。

 

「魔法カード、二重召喚を発動

このターン、通常召喚を2回まで行う事ができる」

 

「は? ちょ、ちょっと待ってくれ!

さっきミスラの効果でアドバンス召喚を増やしてただろ!?

なのに通常召喚を2回できるって、もうしたじゃんか!」

 

「あぁ、そのルールな

通常召喚を増やす効果と、効果で召喚権を得る効果って同時にできるんだよ

それに、さっきのはアドバンス召喚をもう1度だけできるという効果だ

二重召喚は通常召喚を2回までできるという効果、似ているようで全く違う

まぁ、アドバンス召喚をもう1度だけできるという効果をもう1度発動する事はできないんだがな」

 

 結構ややこしいのね。

私はあまりそういうカードは使わないけど、使う時は覚えておかないと。

だけど、召喚の回数を増やしても瑞貴の場には……あ!

 

「このモンスターをアドバンス召喚する場合、アドバンス召喚されているモンスターをリリースする場合はリリース1体でアドバンス召喚できる

アドバンス召喚された雷帝ザボルグをリリースし、轟雷帝ザボルグをアドバンス召喚する」

 

 攻撃力2800で、場のモンスターを破壊する効果を持つモンスター。

瑞貴の場に攻撃力2800のモンスターが2体、両方の直接攻撃が通れば……合計ダメージ5600。

そして十代のライフも5600……終わりね。

 

「轟雷帝ザボルグはアドバンス召喚に成功した場合

場のモンスター1体を破壊する

俺は遊城の場で裏側守備表示になっているクレイマンを破壊する」

 

「クレイマンが……っ!」

 

「ライフジャストだな

天帝アイテール、轟雷帝ザボルグで遊城に直接攻撃」

 

「くっぐぅぅああああああああ!」

 

 十代のライフが0になり、仰向けに倒れ込んだ。

瑞貴の勝ちだったけど、長い決闘だった……のかしら?

どっちのデッキも1桁になってたんだけど、どっちもドローが多かったから判らないわ。

 

「だーーーっ! くっそー!

負けたーーーーー!」

 

 十代は寝転びながら瑞貴に負けた事を悔しがっている。

だけど悔しいという気持ちは伝わるけど、それ以外の感情は楽しかったという感じね。

どうやら瑞貴との決闘で満足できたみたい。

 

「ん……よっと」

 

 十代が寝転んだまま足を上げ、勢いよく足を振り下ろして飛び起きる。

十代の身体能力って結構高いのよね、私もあの程度はできるけど体力では勝てないでしょうし。

ちなみに瑞貴は学校内でも下から数えた方が早いぐらいの身体能力、体力も少ないし大丈夫なのかしら?

決闘者って格闘とか運動って必須技術だって誰かが言っていたけど、誰が言ったんだっけ?

 

「負けちまったけど……ガッチャ! 楽しい決闘だったぜ!

また決闘しような!」

 

「……まぁ、俺は遊城とは決闘したくないけどな」

 

「えぇ!? なんでだ!?」

 

 瑞貴は十代の追求を無視して決闘場から降りてきた。

そして校長先生の所に行き、多分学園代表決闘を辞退するって言っているんでしょうね。

元々そう伝わっているだろうから校長先生もあまり気にせずに頷いているわ。

 

「うーむ……次に彼と決闘する時のデッキに悩むな」

 

「三沢君、もう次の決闘の事を考えてるの?」

 

「ああ、だがデッキの傾向はある程度予想できるようになった

問題はそれにどう対処するか、そしてその時にその傾向通りのデッキを使うかどうか……だな」

 

 さすが三沢君ね、瑞貴の使うデッキの傾向に気付くだなんて。

学園一の秀才と呼ばれているだけの事はあるわ。

 

「……ちなみに、瑞貴のデッキの傾向って?」

 

「そうだな……魔法・罠カードを多用し、汎用性の高いカードよりも多少限定的でも効果の高いカードを好んでいるように見えるな

そして最後のトドメに大きな攻撃、または複数モンスターの連続で終わらせる

更に派手さや演出にも多少拘りが有るんだろうな、今回も轟雷帝ザボルグを最初からメインで使って最後のトドメにも使っていたし

最後に特定のカードに依存する傾向が見える、そのカードが無くとも戦えるだろうが戦い方が全く違うだろうな」

 

「え……そんなに解るものなの?」

 

「彼は印象的な決闘が多いからな、自然と気になってしまうんだ

堅守とはデッキ構築で話し合いとかしてみたいものだ」

 

 なんか、瑞貴に変な仲間ができそうね。

この2人で面白デッキ構築とか話し合ったら……凄い変なデッキができそうで嫌ね。

瑞貴と三沢君は会わせないようにしたいわ、変に意気投合とかしたら怖いもの。

 さて置き、学園代表決闘は瑞貴の辞退で十代になるでしょうね。

相手は誰なのか気になるけど、十代ならきっと大丈夫ね。

瑞貴も偶には表に出るぐらいしても良いと思うんだけど、あの性格じゃきっと無理ね。




「今日の最強カードは轟雷……え、違う?
……え、そっち? でもどう考えて……あ、うん……わかったわ
えっと、今日の最強カードは光帝クライスだそうよ
攻撃力2400、守備力1000、光属性の戦士族モンスター
召喚・特殊召喚に成功した時、場のカードを2枚まで破壊できるわ
そして破壊されたカードのコントローラーは破壊されたカードの枚数分だけデッキからカードをドローできるの
ただし、このモンスターは召喚・特殊召喚されたターンに攻撃はできないわ」
「…………召喚されては破壊され、蘇っては破壊される」
「場のカードを荒らしてはドローできるから、瑞貴が使ったみたいに便乗とかが無いと採用は難しいかしら?」
「…………ただ破壊できるだけでも強い
しかも攻撃できなくても召喚・特殊召喚だけでモンスターも魔法・罠もなんでも破壊できる
使いやすいかどうかはともかく、弱いとは言えない」
「え、使いにくいの?」
「…………デッキと使い方で左右される」
「まぁ、当たり前ね」


Q.なんか……長くね?
A.十代戦だから頑張ったら2万字超えてました!
 決闘以外殆ど無いのに、どうしてこうなった……どうして、こうなったんだ!?

Q.投稿遅くね?
A.対十代のデッキを考えて悩んだ結果、こんなになりました。
 没になった対十代デッキは5つ程になりますが……え、具体的に?
 【指名ハンデス】【除外軸デッキ破壊】【手札破壊ロック】【禁止令】【完全融合メタ】

Q.それらのデッキ詳しく
A.【指名ハンデス】
 十代の手札を公開させて必要そうなカードをピンポイント破壊する。
 水霊術や風霊術、強烈なはたき落とし辺りを多用してとにかく手札に有用なカードを持たせない。
 没理由、なんかつまらない。
 【除外軸デッキ破壊】
 ネクロフェイス、マクロコスモス等で墓地利用をさせない除外でデッキを破壊する。
 没理由、似たようなのと後々十代がアニメで決闘するからパス。
 【手札破壊ロック】
 メタモルポットと神殿を守る者で手札を荒らし、ライオウ等でドローとサーチを封じる。
 没理由、個々が弱いのでフレイム・ウィングマンやエッジマンに皆殺しされる。
 【禁止令】
 【指名ハンデス】の亜種、禁止令や夜霧のスナイパーに特化した形。
 没理由、サイキック・ブロッカーがサイキック族で使えない。
 【完全融合メタ】
 融合をピンポイントでメタしまくるデッキ。
 具体的には融合禁止エリア、成功率0%、ヘル・ポリマー等。
 没理由、エッジマンが倒せない。

Q.それで、どうして【帝王】になったの?
A.後々出るがそこまで重要でもないのが1つ。
 カード移動で適当なカードの束でシュミレーションしている時、光帝クライスが見えたから。
 ……うん、最初の理由はこれだけ。
 すぐに轟雷帝ザボルグの存在に気付き確定。
 ちなみに今回の【帝王】は光属性軸で、それ以外の属性は家臣以外は殆ど入れていません。
 炎帝? 元々使う予定はなかったものの、他の光属性帝出したら十代が負けかねなかったので仕方なく……
 ついでにネクロダークマンを墓地へ送ろうとしてですね、使えませんでしたけど。

Q.原作バブルマン強すぎ……
A.本当に原作バブルマンは強すぎます。
 今回、十代は何回バブルマンでドローしたでしょう。

Q.初手ランドローブってどうなの?
A.他に家臣が手札に無かったので仕方ないんです。

Q.十代が戦線復帰とか使ってるんだけど?
A.瑞貴がカードをばら撒いているので十代も買ったんでしょう。
 ……もしかしたら瑞貴にカードを買わされている誰かさんからのプレゼントかもしれませんけど。

Q.瑞貴が十代のEXデッキから選んだモンスターの理由は?
A.バブルマン融合体、攻撃力を超えられるシャイニング・フレア・ウィングマン。
低ステータスを呼び出されるネクロイド・シャーマン、破壊効果を持つプラズマヴァイスマンです。
 他は攻撃力が低い、効果破壊されにくいという理由で残しました。
 その結果、騎士道精神とサンダー・ジャイアントですが……

Q.十代の伏せカードヤバ過ぎ……特に原作コーリング・マジック!
A.ヒーロー・メダルで何度も伏せ破壊を回避されました。
 問題は原作コーリング・マジック、魔法でも罠でも選べて自分で破壊しても効果を発動できるチートカード。
 今の環境でこんなの出したら最低でも制限に入っても……というか禁止でも不思議じゃない。

Q.騎士道精神って、十代使ってたっけ?
A.初期の頃にVS明日香戦でですね、まさかの有効活用。

Q.悪夢の蜃気楼って……
A.当時は禁止じゃなかったので使用しました。
 今後も……というか十代が使ったカードは十代の決闘に限り全て使います。
 禁止でも制限でも際限なく……まぁ、多分その内使わないようにしますけど。

Q.十代の強欲な壷と神の宣告って、神の宣告で良いの?
A.瑞貴の場合、十代にドローされるよりも魔法・罠を止められる方を嫌います。
 更に今回は便乗も有るので、ドローされてでも神の宣告を封じました。

Q.輝神鳥ヴェーヌ!? 瑞貴がカテゴリやシリーズ以外を使うなんて珍しいな!
A.最初はそうしようかと思ったのですが、試しに使ってみれば案外使いやすかったので採用。
 ただしピン刺し、使えたら使って使えなかったら手札コストにでも程度でした。
 帝は相手ターンでもアドバンス召喚できるカードが豊富なのでヴェーヌが相手のターンでも効果を発動できる事が多く、クライスやザボルグを何度も出す十分な手助けをしてくれました。
 冥帝エレボス? えっと……出番奪ってごめんね?

Q.どうして瑞貴はヴェーヌの効果で家臣トークンではなくミスラをLV8にしたの?
A.自分の場に余計なモンスターを残さない為です。
 具体的には貫通攻撃ができるエッジマン、H-ヒートハート対策です。
 墓地にネクロダークマンが存在するので、エッジマンでミスラを攻撃されていればライフが危ういと感じたからになります。
 ステータスの低い家臣は貫通攻撃が苦手ですからね。

Q.ヒーロー・メダル仕事し過ぎぃ!
A.実際便利なんですよね、デッキに戻るし破壊効果を無駄撃ちさせられるしで……

Q.瑞貴が死者蘇生って、なかなか見ないんじゃない?
A.今回、永続カードが多いので蘇生系のカードを入れる枠がありませんでした。
 なので仕方なく、クライス蘇生用にという感じで死者蘇生を採用。
 え、普通入ってるんだから気にしないでいいんじゃないかって?
 作者が誰でも入れるカードというカードを使うのに若干の拒否感を感じているので仕方ないですね。
 ドローカードは手札の都合上ともかく、蘇生は他でも代用できるカードが多いのであまり使いません。
 実際、リビングデッドの呼び声よりもリミット・リバースの方が好きですし多用しています。
 完全下位互換ではないですが、なんとなく使う気になれないという感じです。

Q.ヒーローバリアって場に『E・HERO』が残ってないと効果が使えないんじゃないの?
A.ヒーローバリアはネクロ・ガードナーと同じような効果です。
 ただ条件が違うだけで、どちらも残存効果になります。
 まぁ……同じ罠だったら大体は和睦使えばってなりますけどね。

Q.瑞貴エッジマン警戒し過ぎだろ……
A.貫通効果怖い……しかも攻撃力を上げられて家臣を狙われたりしたら負けるので警戒は仕方ないでしょう。

Q.そういえば轟雷帝ザボルグとか光帝クライスってデッキに2枚入ってない?
A.どちらも2枚デッキに入っています。
 ちなみに天帝アイテールも2枚、しかしなかなかドローできずに最後の方に出ました。

Q.どうして瑞貴は貪欲な瓶をエンドフェイズじゃなくてドロー後に発動したの?
A.デッキが減ってきたのに天帝アイテールをドローできず、さすがにいい加減ドローできるよな?
 という考えで通常ドローをし、やっとアイテールをドローできたのでデッキ補充と連続ドローの為に発動しました。

Q.最後に真帝王の領域を発動した理由は?
A.演出。

Q.二重召喚とアドバンス召喚権増加のルールって本当なの?
A.本当です、詳しくはWikiの召喚権を参照。

Q.ジャストキルか……
A.全く狙っていなかったのですが、気が付けばなりました。

Q.三沢、まさかのレギュラー化か?
A.残念ながら彼のレギュラー化はしないつもりです。
 ただ、解説役としては半レギュラー化するかもしれませんが……

Q.三沢が瑞貴のデッキ傾向を分析してる……
A.彼ならするでしょうし、研究もするでしょう。
 瑞貴と三沢が決闘すると頭を使うのであまりさせたくはないですね。



Twitter、あまり呟きませんが……
https://twitter.com/KuriaAin

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。