とある転生者の二次元旅行   作:ルルの鈴

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元人魚と俺

「想像……大原大次郎……」

 

 

さやかの救出から1週間がたった。俺が倒れたあとすぐにさやかは目を覚ましたそうだ。さやかにはマミさんとまどかが付いて家に帰ったそうだ。

俺はというと、佐倉がほむらの家に運んだそうだ。

そこから丸1日、俺は寝ていたようだ。起きてすぐほむらに抱きつかれたのは記憶に新しい。

 

 

「……失敗か」

 

あの時、何が起こったのかを説明したが、あまり理解されなかったようで、みんな「あっ、ハイ……」ってなっていた。

そりゃ、影分身が消えた後のフィードバックのこととか、旅の鏡について聞かされても、普通はわからないよな。

 

そして現在、俺は河川敷に来ている。

 

「想像……海野イルカ……」

 

 

今までの想像から見つけた課題のひとつーー想像するとその人の姿格好になるのを抑制する、というものだ。

 

「……また失敗か」

 

変装する分には便利なのだが、戦闘中は切り替えのタイミングが分かる、この世界では認知されてしまったから仕方ないが、別の世界に行った時にしばらくは隠さないと異世界人というのがバレる、など色々問題があるのだ。

 

 

「まだまだ……想像……磯野波平」

 

 

そこで今は色んな人を想像して、抑制の練習をしている。

 

あれから3日目なんだけど……今回も失敗だ。つむじに一本の髪が生えた波平スタイルになっている。

 

 

「今日はこんなところか……」

 

 

とりあえず3人目で一旦終え、土手に腰掛ける。この後に強い魔女なんかが来たら困るからね。まぁ、その時は上条さんなり管理局の白い悪魔さんなり、鏡花水月なり使えばいいか。

 

それよりも……

 

「そんなところで立ってないで、こっちに来なよ、さやか」

 

 

さ「……バレてたんだね」

 

橋の柱の陰から、さやかがずっと見ていたから、ちょっと声をかけてみた。

 

「そりゃもう見られて2日になるもの、流石に気付くよ」

 

尤も、人避けの結界は張ってあるから、それを通り抜けた時点で誰かいることはわかってたんだけどね。

 

さ「……そう、なんだ」

 

「ああ」

 

さ「…………」

 

「…………」

 

 

やばい、話が広がらない。

ほむらや佐倉に対しては、そこまで気を使わないし、普段のさやかにならなんとなくで話せるんだけど……。

 

 

 

さ「……なんで、アタシを助けたの?」

 

 

隣、いい?と言われ、返事もしないうちに隣に座り、一声。

 

さ「好きな人のために、って思って魔法少女になったと思ったら、仁美に先を越されて……。杏子とはぶつかったまま……。まどかにも酷いこと言っちゃったし、挙句にはアタシは魔女になってみんなを傷つけて……そんなアタシを、なんで……」

 

間違ったことは言ってないな、うん。まどかに酷いこと言ってたのはリアルには知らないけど。

 

さ「しかも、今のアタシは何の能力もない、ただのさやかちゃんになって戦線離脱。情けないよね……魔法少女になったのに、何一つできたことなく終わるなんtーーQ『それなら、もう一度、ボクとk 『ブラストファイアー!』って、あっちゃん!?」

 

さやかが弱音を吐いてるところにキュウべぇ。即座に【星光の殲滅者】(シュテル・ザ・デストラクター)を想像、加えて同時に彼女の愛機【ルシフェリオン】を具現。キュウべぇを跡形もなく消す。

 

「うむ、これでよし」

 

さ「良くないよ!?アタシに甘い囁きが来なくなったのはいいと思うけど、出てきて数秒で消滅は良くないでしょ!?」

 

「おっ、少しは気力が戻ったか」

 

別にいつものさやかに戻す為にキュウべぇを燃やしたんじゃないのだが、結果オーライってとこだろう。ちなみに燃やしたのは、ほむらからの指示。容赦なく斬って燃やして食べていいそうだ。

 

「さてと、話を戻そう。俺がさやかを助けたのは、なんとなく、だな」

 

嘘です、転生前から助けたいと思ってました。まぁ、半分はほむらからの依頼や佐倉の期待に応えて、だけど。

 

「それと、何一つできなかったーーって言ってるけど、助けたんだろ?まどかと……上条を」

 

さ「う、うん……って、なんで知ってるの!?」

 

「さぁな」

 

前世の知識です、はい。

 

さ「でも、アタシはもう、魔法を使えない……みんなとは戦えないんだよ……」

 

「……戦いたいのか?平穏な生活の方が良くないか?」

 

この質問にさやかは黙る。そりゃそうだろう。数週間前までは普通の女の子だったのに、ひょんなことから魔法少女になり、先日、死にかけた。

 

「ちなみに言っておくと、お菓子の魔女ーーマミさんが死にかけたときに相手していた魔女は、普通の生活に戻ったぞ」

 

お菓子の魔女ーーシャルロッテは、実はなんと小学生。目が覚めた彼女を家に送り届けた際、母親は娘の帰りを泣いて喜んでいた。ちなみに俺は警察のお世話になったのだが、まぁそれはいいだろう。

 

俺の言葉を聞き、目を閉じるさやか。ふぅ、と一息ついたところで目を開く。

 

 

さ「それでも……みんなが戦ってるのに、1人安全なところにいるのは嫌!それに、まどかと二人きりの時に何かあったら、アタシが守らなきゃ……ううん、守ってみせる!」

 

 

そう言うさやかの目は、1剣士の、覚悟を決めた人の目をしていた。

 

さ「だけど、今のアタシは何の力も持っていない。だから……私に剣を教えて下さい!私に誰かを守る力を下さい!私の……師匠になって下さい!八神師匠!」

 

 

……諦めるものだと思ってたんだけどなぁ……予想外の方向に行ってしまったなぁ。

 

 




今回の想像&具現

大原大次郎……こち亀より。「ばっかもーん」要員その1。責任感の強い部長。

海野イルカ……NARUTOより。「ばっかもーん」要員その2。カッコイイ先生です。

磯野波平……サザエさんより。「ばっかもーん」要員その3。海平という兄がいるが、見分け方はてっぺんの毛の本数。

星光の殲滅者……リリカルなのはGODより。シュテル・ザ・デストラクターと読む。高町なのはをモデルとしたマテリアル。ブラストファイアーはシュテル版ディバインバスター。

ルシフェリオン……シュテルの愛機。レイジングハートポジション。
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