とある転生者の二次元旅行   作:ルルの鈴

16 / 16
覚悟と俺

さ「私の師匠になって下さい!」

 

俺でも流石にこの展開は予想外だ。師匠?いやいや、無理だろ。

 

「あー……さやかさん?俺は大したことは何も出来ないぞ?」

 

さ「嘘ね!魔女化してたとはいえアタシは知ってるもの、あっちゃんが色々出来るってこと!」

 

「あはは……所詮、猿真似だよ、俺の能力は」

 

どこまでいっても他人の能力であることには変わりないのが『想像』という能力。二番煎じ、ってのが近いかな?

 

その後も口論が続くが、水掛け論状態である。

 

さ「むー……」

 

そんな状況を不満に感じたのか、さやかはふくれっ面になった。諦めたかな、と思ったが何かを閃いたようで、思案顔で俯きブツブツ言い始めた。

 

そして考えがまとまったのか、目を輝かせ、俺に対してビシッと指をさしてきた。

 

さ「それなら!あっちゃん、アタシと勝負だよ!」

 

……what?

 

さ「これからあっちゃんには3つ、何かお題をアタシに出してもらいます」

 

いやいや、話の流れが掴めないんだけど?!

 

さ「アタシがそのお題を全部こなせたらアタシの勝ち。練習見てもらうね」

 

「……俺が勝ったら?」

 

さ「その時は……アタシは戦線復帰を諦めるよ」

 

そう来ましたか……。

そこまでしてでも前に出たいわけだ、そこが絶望の場所だと言うのに……。

 

「だぁっ!もう、わかったわかった!その覚悟、試させてもらうぞ!」

 

さ「うん……!ありがとう!」

 

さやかは素直だな。だからって勿論容赦はしないけど。

 

「お題は3つだな(想像……黒ウサギ)さてと……じゃ、黒ウサギの権限を使って契約書類【ギアスロール】を用意、っと」

 

さ「えっ……何これ!?ギアス……ロール?あっちゃん、どこから出したのそれ!」

 

驚いてる驚いてる……まぁこの世界にはないものだし。

 

「こんなギスギスした状態でやるのもなんだし、ちょっとしたゲーム形式にしようと思ってね。それに使う契約書、ってとこかな。出所は秘密」

 

本来は箱庭で行われる、恩恵【ギフト】を用いた神魔の遊戯……とかなんとかなんだけど、この際は気にしない気にしない。だってこの世界のものじゃないからね!神格とかいないし、恩恵なんてキュウべえのアレくらいだし。

 

 

そんなことはさておき、ギアスロールに参加者名や勝利条件などのルールをさらさらっと書き上げる。

 

「よし、さやか。これを読んで同意したらゲームスタートだ」

 

『 ギフトゲーム名 ”魔法少女復帰への試練”

 

・プレイヤー 美樹 さやか

 

・クリア条件 1週間以内に自身の魔力で剣を作り、それを使用し八神 敦也と剣を交える。

 

・敗北条件 諦める、あるいは1週間以内に上記の内容を満たせない場合。また、戦闘中に剣が欠けた際に再構築できない場合。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと 信念の下、”ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット”はギフトゲームに参加します。』

 

さ「一ついい?最後のピュエラ・マギ〜ってのは?」

 

「あー……ま、今は気にするな。一応、まどか・ほむら・マミさん・佐倉から助言を貰ってもいいぞってことの証明みたいなもんだ」

 

ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット……マミさんがそのうち名付けるであろう魔法少女5人組ユニット(?)の名前だが、今のさやかが知っているわけがない。それでも書いたのは、やっぱり契約書にコミュニティ名が欲しかったからだ。

 

さ「よし、やってやろうじゃないですか!ゲームスタート、だね!」

 

 

こうして、さやかの命運を賭けたゲームが幕を開けた。

 




今回の想像

黒ウサギ……問題児たちが異世界から来るそうですよ? より。審判権限(ジャッジマスター)という特権を持つウサギ。髪が青いから青ウサギじゃね?と思ったりする今日この頃

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。