さ「私の師匠になって下さい!」
俺でも流石にこの展開は予想外だ。師匠?いやいや、無理だろ。
「あー……さやかさん?俺は大したことは何も出来ないぞ?」
さ「嘘ね!魔女化してたとはいえアタシは知ってるもの、あっちゃんが色々出来るってこと!」
「あはは……所詮、猿真似だよ、俺の能力は」
どこまでいっても他人の能力であることには変わりないのが『想像』という能力。二番煎じ、ってのが近いかな?
その後も口論が続くが、水掛け論状態である。
さ「むー……」
そんな状況を不満に感じたのか、さやかはふくれっ面になった。諦めたかな、と思ったが何かを閃いたようで、思案顔で俯きブツブツ言い始めた。
そして考えがまとまったのか、目を輝かせ、俺に対してビシッと指をさしてきた。
さ「それなら!あっちゃん、アタシと勝負だよ!」
……what?
さ「これからあっちゃんには3つ、何かお題をアタシに出してもらいます」
いやいや、話の流れが掴めないんだけど?!
さ「アタシがそのお題を全部こなせたらアタシの勝ち。練習見てもらうね」
「……俺が勝ったら?」
さ「その時は……アタシは戦線復帰を諦めるよ」
そう来ましたか……。
そこまでしてでも前に出たいわけだ、そこが絶望の場所だと言うのに……。
「だぁっ!もう、わかったわかった!その覚悟、試させてもらうぞ!」
さ「うん……!ありがとう!」
さやかは素直だな。だからって勿論容赦はしないけど。
「お題は3つだな(想像……黒ウサギ)さてと……じゃ、黒ウサギの権限を使って契約書類【ギアスロール】を用意、っと」
さ「えっ……何これ!?ギアス……ロール?あっちゃん、どこから出したのそれ!」
驚いてる驚いてる……まぁこの世界にはないものだし。
「こんなギスギスした状態でやるのもなんだし、ちょっとしたゲーム形式にしようと思ってね。それに使う契約書、ってとこかな。出所は秘密」
本来は箱庭で行われる、恩恵【ギフト】を用いた神魔の遊戯……とかなんとかなんだけど、この際は気にしない気にしない。だってこの世界のものじゃないからね!神格とかいないし、恩恵なんてキュウべえのアレくらいだし。
そんなことはさておき、ギアスロールに参加者名や勝利条件などのルールをさらさらっと書き上げる。
「よし、さやか。これを読んで同意したらゲームスタートだ」
『 ギフトゲーム名 ”魔法少女復帰への試練”
・プレイヤー 美樹 さやか
・クリア条件 1週間以内に自身の魔力で剣を作り、それを使用し八神 敦也と剣を交える。
・敗北条件 諦める、あるいは1週間以内に上記の内容を満たせない場合。また、戦闘中に剣が欠けた際に再構築できない場合。
宣誓 上記を尊重し、誇りと 信念の下、”ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット”はギフトゲームに参加します。』
さ「一ついい?最後のピュエラ・マギ〜ってのは?」
「あー……ま、今は気にするな。一応、まどか・ほむら・マミさん・佐倉から助言を貰ってもいいぞってことの証明みたいなもんだ」
ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット……マミさんがそのうち名付けるであろう魔法少女5人組ユニット(?)の名前だが、今のさやかが知っているわけがない。それでも書いたのは、やっぱり契約書にコミュニティ名が欲しかったからだ。
さ「よし、やってやろうじゃないですか!ゲームスタート、だね!」
こうして、さやかの命運を賭けたゲームが幕を開けた。
今回の想像
黒ウサギ……問題児たちが異世界から来るそうですよ? より。審判権限(ジャッジマスター)という特権を持つウサギ。髪が青いから青ウサギじゃね?と思ったりする今日この頃