最強問題児の妹も異世界から来るそうですよ?―しっかり者だけど兄好き(ブラコン)!?   作:問題児愛

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謎の男の正体が明らかになります!
サブタイに書いてますが←

あと、飛鳥×黒ウサギの回になってしまった‥‥‥どうしてこうなった!?


第十一話 最凶最悪の大悪魔〝魔王〟サタン

 気を失ったレティシアを脇に抱えた黒いフードの男は、亜夜達七名を見回して一言。

 

「ほう?美少女率(たけ)えな!」

「―――――‥‥‥は?」

 

 謎の男が発した不明言語に全員が素っ頓狂な声を上げた。

 男は構わず十六夜に視線を向けて言う。

 

「おい逆廻。美少女独り占めたあどういう了見だ?()()()()とは羨ましいにも程がある!」

「‥‥‥おい、クソ悪魔」

「あ?」

「ソコの緑頭の御チビは―――()だぜ?」

「は?」

 

 十六夜の言葉に、今度はフード男が素っ頓狂な声を上げる。

 そしてジンをまじまじと見つめてフード男は言った。

 

「はあ?女顔のコイツが男だあ?悪い冗談はよせよ逆廻」

「僕は男です!失礼なヒトですね貴方は!?」

 

 勘違い悪魔に怒るジン。

 フード男は三日月の笑みをつくり言う。

 

「ほほう?なら、()()()()()()見せてみろよガキ」

「え?」

「「「「「なっ!?」」」」」

 

 とんでもない発言をしたフード男に、ジンは硬直。女性陣は顔を真っ赤にして声を上げた。

 そしてあの十六夜までもが頭を抱えてしまう始末。

 フード男は行動に移さないジンを見て嗤う。

 

「なんだよ、やらないってことはやっぱ貴様ついてねえんだな?」

「あ・り・ま・す!分かりましたよ!見せればいいんでしょ!?見せれば―――!」

「「「「「やめなさい!」」」」」

 

 スパァアン!

 女性陣の平手打ち×5がジンの頭を強襲。

 ジンはその衝撃で気を失った。

 フード男は舌打ちして言う。

 

「チッ、邪魔すんなよ美少女集団」

「「「「「黙れこの変態ッ!!!」」」」」

 

 悪魔(へんたい)にピシャリと言い放つ女性陣。

 十六夜は頭を抱えて、

『なに敵と呑気に漫才してんだよコイツら』

 と溜め息を吐いた。

 フード男はゲラゲラと下品な笑い声を上げて言う。

 

「クッハハハハハハ!まあ美少女集団との戯れはオシマイにして―――目標のお姫様は回収したし、ゴミ坊っちゃんにでも渡しにいくか」

「―――――ッ!レティシア様をどうするつもりですか!?」

 

 フード男の言葉に怒りの声を上げる黒ウサギ。

 フード男はニヤッと笑って言う。

 

「なんだ?〝箱庭の貴族〟ともあろうウサギが知らねえのか?このお姫様はゴミ坊っちゃんが箱庭の外に売っ払う取引品な」

「なっ!?箱庭の外ですって!!?」

 

 刹那、黒ウサギは艶のある黒髪を緋色に染めて激怒した。

 

「一体どういうことです!彼らヴァンパイアは―――〝箱庭の騎士〟は箱庭の中でしか太陽の光を受けられないのですよ!?そのヴァンパイアを箱庭の外に連れ出すなんて‥‥‥!」

「あ?んなこと知るか!あのゴミ坊っちゃんの取り決めだ。我はそれに協力してるだけにすぎんがな」

「―――――っ!」

 

 ギリッと歯噛みする黒ウサギ。

 一方、十六夜はスッと目を細めて言う。

 

()()?ハッ、つまらねえ嘘をつくなよクソ悪魔。テメェは逆に〝ペルセウス〟を()()してるだけだろ?レティシアを取り返す代わりに、何か条件をつけてな」

「え?」

 

 十六夜の言葉に驚く黒ウサギ。

 フード男はクックッと笑って返す。

 

「おう。流石は賢い人間だな逆廻!その通りだ。我が五桁のゴミコミュニティに無償で手を貸すかよ。詳細は〝サウザンドアイズ〟で待機してるゴミ坊っちゃんから聞いとけ」

「あん?五桁がゴミってことは、オマエは相当上の外門にいるってことか?クソ悪魔」

「当然だ。なんていったって我は()()()()悪魔だからよ」

 

 三日月の笑みを浮かべながら告げるフード男。

 黒ウサギは血相を変えて震えた声を上げる。

 

()()()()()()!?まさか貴方は一度箱庭を去った最凶最悪の大悪魔―――箱庭第666外門のコミュニティ〝六百六十六の獣〟の元・魔王『()()()』‥‥‥!!?」

「お?ご明察。流石は〝箱庭の貴族〟だなよくわかってんじゃねえか!そうだ。我こそが全ての悪魔の王にして〝魔王〟の大悪魔・サタン様だ!」

 

 ニヤリと笑って告げる魔王・サタン。

 黒ウサギは元・三桁の魔王を前にして戦慄した。

 聞き覚えのあるコミュニティに、飛鳥がサタンを睨んで言った。

 

「貴方があの外道の後見人の魔王!?」

「ああ、そうだが?―――で、それがどうした?」

「‥‥‥そう。なら話が早いわ。―――()()()()()!!」

 

 飛鳥は一喝して、サタンに〝威光〟のギフトを使用して『跪け』と命じる。

 だが―――

 

「‥‥‥‥‥ハア。まさか今のが貴様のギフトか?なんだこのカッスカスの霊格は。くっだらねえ」

「なっ!?」

 

 サタンには1ミリも効いた様子はなく、呆れた表情を浮かべて悠然と立っていた。

 飛鳥は驚愕の表情で固まる。

 サタンはスッと目を細めて鋭い視線で飛鳥を睨み告げる。

 

「その程度で()を支配できるとでも思ったか?思い上がるなよゴミが!」

「きゃあ!」

 

 サタンは一瞬だけ怒りの表情を見せたあと、凄まじい威圧を放った。

 その威圧に、飛鳥は耐えきれずに後ろへ吹き飛び、壁に背中を強く打ち付け床に倒れ落ちた。

 

「‥‥‥う、」

「飛鳥さん!」

 

 すぐさま駆けつけた黒ウサギが飛鳥を抱き上げ、サタンの方へ振り向き睨みつける。

 サタンはニヤッと笑って言う。

 

「なんだ?今度は〝箱庭の貴族〟が我の相手か?帝釈天の眷属だし、ある程度は楽しませてくれるよなあ?」

「―――――このッ!」

 

 黒ウサギは飛鳥をソッと下ろしたあと、怒りのまま立ち上がり、右手にインドラの槍を顕現させ、

 

「ハァアアアッ!!!」

 

 気合い一閃。()()()()をサタン目掛けて投擲した。

 それでもサタンは余裕の笑みを浮かべて嗤う。

 

「必勝の槍とは()ええ怖ええ。―――だが」

 

 三日月の笑みを浮かべたサタンは、右手に魔剣・グラムを顕現させ、

 

「―――()()()()()()()ゴミ同然だ!」

「な―――!?」

 

 金属音が響いたと思ったら、黒ウサギの投擲した必勝の槍は軌道を変えて彼方へと飛んでいった。

 サタンが魔剣で槍を弾いて軌道をずらしたのである。

 絶望の色を見せる黒ウサギに、サタンはクックッと嗤って言う。

 

「さて、切り札(ジョーカー)を失った貴様らに―――もう一つ絶望をくれてやろう!」

「―――――ッ!一体何をすると言うのですか!?」

 

 黒ウサギが声を上げて叫ぶ。

 サタンは三日月の笑みを浮かべながら告げた。

 

 

「我は―――――()()()滅ぼしてやろう!」

「なっ―――――!?」

 

 絶句した。この男は、〝ノーネーム〟を滅ぼすと告げたのだ。

 サタンは嗤いながら続ける。

 

「聞けばこのコミュニティは〝打倒魔王〟を掲げているそうだ」

「―――――あ、」

「つまり、箱庭に跋扈(ばっこ)する魔王の同士達が可哀想だ!嗚呼、可哀想!―――よし!魔王に()()()()()()()()しねえとなあ!」

「―――――っ!!?待っ」

「待たねえよ。貴様らが魔王の力量を見誤り、死を招いたんだからな!―――まあ、せめてもの慈悲として、苦しまずに一瞬で殺してやるよ!!」

「――――――――――っ!!!」

 

 黒ウサギの懇願を無視して、魔剣を彼女に向けるサタン。

 そこへ、

 

「っ!させないわ!」

「―――ッ!飛鳥さん!?」

 

 黒ウサギを庇うように飛鳥が両手を広げて立ち塞がる。

 だが飛鳥の全身は震えていた。あんなことがあったからサタンに恐怖しているのだろう。

 サタンはつまらなさそうな視線で飛鳥を見る。

 

「ケッ。怖えんなら割り込んでくんなゴミが!」

「―――――ひっ!?」

「飛鳥さん!」

 

 サタンの眼力に怯んだ飛鳥は思わず倒れそうになるが、黒ウサギが彼女の背中を支える。

 

「‥‥‥黒ウサギ」

「大丈夫なのです飛鳥さん!黒ウサギが―――()がついていますから」

 

 黒ウサギは飛鳥をギュッと抱きしめて励ます。

 飛鳥は黒ウサギの温もりを感じて思わず笑みが零れた。

 一方、サタンがその光景をニヤニヤと見て笑う。

 

「ほう?最期に素敵な映像が見れるとは嬉しいなオイ!」

「最期ではないわ」

「あ?」

 

 飛鳥の言葉に、サタンは怪訝な瞳を彼女に向ける。

 そして飛鳥は宣言した。

 

 

「私達は―――()()()()()()!」

 

 

「―――――!!!」

 

 刹那、飛鳥の眼前に()()()()()―――()()が顕現した。

 飛鳥はソレの柄を掴むと、より一層輝きが増した。

 サタンはその輝きを見て―――嗤った。

 

「クッハハハハ!何だよ。面白(おもしれ)えじゃないかよクソ!」

 

 嗤うサタンに、聖剣を突きつけて飛鳥は言う。

 

「何がおかしいのかしら?この輝きに敵わないと思ったから?」

「そんなわけねえよ。だが―――まあ、そうだなあ。‥‥‥気が変わった!」

「え?」

「その輝きに免じて―――コミュニティを滅ぼすのはやめよう!()()()()()()()!」

「「―――――‥‥‥は?」」

 

 黒ウサギと飛鳥が素っ頓狂な声を上げる。

 まあ、滅ぼす気満々だったサタンが、手のひらを返したようにあっさり止めたのは不可解なのだろう。

 そして、サタンはレティシアを脇に抱えたまま窓の桟に跳び乗る。

 

「んじゃ、そういう事だから我は帰る。吸血鬼のお姫様を救いたきゃ、〝サウザンドアイズ〟にでも行くことだな!」

「へ?ちょっ!?」

「じゃあな」

 

 そう告げたサタンは、闇に溶けるように消えていった。

 聖剣を消した飛鳥と、彼女を抱きしめたままの黒ウサギがポカーンと口を開けて固まる中、十六夜がヤハハと笑いながら歩み寄る。

 

「まあ、あのクソ悪魔が意味不明なのは前からだから気にすんな」

「‥‥‥そう。―――じゃなくて!十六夜君!?」

「なんだ?」

「なんだ?じゃないわよ!サタンとかいう変態とどういう関係なの!?それにどうして助けてくれなかったのよ!?」

 

 呑気に話しかけてくる十六夜に怒りながら問う飛鳥。

 十六夜は肩を竦めながら言う。

 

「ああ。クソ悪魔との関係は追々話す。後者は―――お前らのムードを壊さないためだ!」

「ムード‥‥‥?」

「なんの話でしょうか?」

 

 飛鳥と黒ウサギは顔を見合わせて首を傾げる。

 耀も気がついたのか、ニヤニヤと笑って言う。

 

「ね、黒ウサギ」

「何ですか?耀さん?」

「―――――何時まで()()()()()()()()?」

「へ?」

 

 耀の言葉に、黒ウサギは疑問符を浮かべながら首を傾げ―――

 

「フギャアアアアアアアア!!?」

 

 大絶叫を上げながら飛鳥を放して勢いよく後ろに下がる。

 その様子にニヤニヤと笑う十六夜と耀。

 一方、飛鳥は頬を紅潮させながら口元に手を持っていき、もう片方の手は真紅のドレススカートを押さえ、チラチラと黒ウサギを見ながら言う。

 

「別に‥‥‥黒ウサギがいいなら―――私は構わない、わよ?」

「―――――へ?」

 

 照れながらいう飛鳥。

 黒ウサギがキョトンとして目をパチクリさせていると、

 

「デレた!?飛鳥がデレたよ十六夜!」

 

「おう。まさかあのお嬢様が‥‥‥ヤハハ、デレ嬢様の誕生だな!」

 

 耀と十六夜がニヤニヤしながら飛鳥を見て呟く。

 飛鳥はキッと二人を睨んで怒りながら言う。

 

「デレてないわよ!?―――って、誰がデレ嬢様よ!?」

「フ、フニャアアアアア‥‥‥」

 

 一方、飛鳥の思わぬ告白に黒ウサギは恥ずかしさのあまりショートしていた。

 飛鳥は急いで黒ウサギに駆け寄り、抱き起こす。

 

「く、黒ウサギ!?しっかりして!」

「フ、フフフ。黒ウサギは―――――幸せなのです‥‥‥‥‥バタリ」

「く、黒ウサギいいいいいいいいッ!!!」

 

 飛鳥は黒ウサギを抱きしめながら絶叫した。

 それを十六夜がヤハハと、耀がクスクス笑って眺める。

 亜夜は開いた口が塞がらない状態で固まっているのだった。

 

 白雪姫に介抱されていた、気絶していたジンが起きたのはそれから数分後の事だった。

 




サタンの容姿はまだ不明にしておきましょう。色々と設定がバレる恐れがありますし。
能力もまだまだ不明で。
影と魔剣が出ましたが―――さて、どうしますか。

あと飛鳥が顕現させた聖剣の名前を決めないとね(笑)
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