最強問題児の妹も異世界から来るそうですよ?―しっかり者だけど兄好き(ブラコン)!? 作:問題児愛
『ギフトゲーム名〝FAIRYTALE in PERSEUS〟
・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜
逆廻 亜夜
久遠 飛鳥
春日部 耀
白雪姫
・〝ノーネーム〟ゲームマスター ジン=ラッセル
・〝ペルセウス〟ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒
・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。
プレイヤー側のゲームマスターの失格。
プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・舞台詳細・ルール
*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。
*ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。
*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に
*姿をみられたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。
*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行する事はできる。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、〝ノーネーム〟はギフトゲームに参加します。
〝ペルセウス〟印』
「姿を見られれば失格。ようはペルセウス暗殺ってところか?」
「それならルイオスも伝説通りに睡眠中ですね。そこまで甘くは無いと思いますが」
「YES。そのルイオスは最奥にいるはずデス。ですが宮殿の攻略が先でございます。伝説と違い、黒ウサギ達は不可視のギフトを持ってませんので、綿密な作戦が必要です」
十六夜の呟きにジンが答え、黒ウサギが説明する。
その説明に、十六夜は首を振って言う。
「その必要はないぜ、黒ウサギ」
「え?それはどういう―――」
「亜夜」
「うん。お兄ちゃん」
刹那、亜夜の瞳が真紅に染まり十六夜に触れて告げる。
「―――
「―――――‥‥‥は?」
途端、十六夜はフッと消えたのを見た飛鳥達五名は素っ頓狂な声を上げた。
まあ、いきなり人が目の前から消えれば驚くのは当然のことだ。
飛鳥達はキョロキョロと十六夜が何処に行ったか捜していると、
「うにゃ?」
「ヤハハ。俺は此処だ。我が妹を抱き上げている」
と言って亜夜をまるでお姫さま抱っこしているかのような形で不意に浮き上がった。
それに気がついた飛鳥達が驚きの声を上げた。
「え?亜夜さんってモノを消失させるギフトじゃなかったかしら?」
「違うぜ、お嬢様。亜夜のギフトは何もモノだけじゃない。〝消去〟は触れたものの事象だけを消失させることも出来るんだよ」
「‥‥‥それってつまり?」
「ああ。俺達に作戦は不要だ。亜夜に姿を消失してもらえば、姿を見られる心配はなくなる」
十六夜の言葉に歓喜する飛鳥達。
だが、十六夜の表情は優れず、重く口を開いた。
「
「‥‥‥え?それは何故ですか!?」
十六夜の言葉に、黒ウサギはすかさず訊ねる。
それに、亜夜は自分の胸に手を当てて言う。
「私の三つのギフトは、何れも私には使用しても効果が発揮されないんです」
「な、それは矛盾しています!強力なギフトがあるのに自身には使用不可なギフトが存在するなんて―――」
「う、うにゃぁぁぁぁ‥‥‥」
ジンの指摘に項垂れる亜夜。
簡単に説明すると、
〝消去〟で自身を消失出来ない。
〝複製〟で自身を創造出来ない。
〝復元〟で自身を治癒出来ない。
強力なギフトを持っていようと、自身の強化が出来ない仕様になっているのだ。
「―――ん?待てよ。我が主の妹君が姿を消失出来ないということは、」
「ああ。亜夜を囮にしながら奴等を叩いて進むしかねえ」
「っ!そ、そうか‥‥‥」
白雪姫はグッと唇を噛む。
亜夜だけ危険な目に遭わせてしまうのがいたたまれないのだろう。
それに気づいた亜夜は、白雪姫の肩を叩いて励ます。
「心配してくれてありがとう白雪ちゃん。でも私は大丈夫!―――お兄ちゃんが守ってくれるから」
「おう。任せとけ!俺の可愛い妹には―――指一本触れさせやしねえよ!」
ヤハハと豪快に笑う十六夜。
それに亜夜が頬を染めながら十六夜に抱きつ―――
ビッターン!
「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
「―――――あ、」
―――けず、そのまま地面に顔からダイブする亜夜。
十六夜の姿が見えないことをすっかり忘れていたのだ。
その結果がコレである。
十六夜達は亜夜のバカっぷりに癒されるのだった。
「いたぞ、名無しの小娘だ!」
「よし。捕らえて他の奴等の居場所を吐かせろ!」
「う、うにゃ!?」
亜夜を見つけるや否やで、〝ペルセウス〟の騎士達は一斉に襲いかかってきた。
亜夜はそれに怯えながら逃げる。
そして一人の騎士が亜夜を捕らえようと手を伸ばし―――
「やらせるかよ!」
「グハッ!?」
十六夜の拳に第三宇宙速度で殴り飛ばされた。
それを見た騎士達は、姿は見えないが誰かがいることを悟って慎重になる―――と思いきや、
「フン。相手は名無しだ!取り囲んでしまえば問題はない!」
「「「オー!!!」」」
亜夜を、正確には亜夜達を取り囲んで逃げ道を塞いだ。
そして、四方八方から騎士達が襲いかかってきた。
「ヤハハ、
「うん」
「わかったわ!ジン君は亜夜さんと一緒にいてね?」
「わかった」
「フッ。名無しだからといって舐めるなよ!」
十六夜の号令の下、一斉に動き出した。
正面から来る騎士達は十六夜が第三宇宙速度で繰り出される拳で脚で薙ぎ払う。
右から来る騎士達は飛鳥が聖剣・カラドボルグを振るって剣圧のみで吹き飛ばす。
カラドボルグとは、ケルト神話のアルスター伝説に登場する剣。カラドコルグとも。
カラドボルグは硬い稲光もしくは硬い鞘、カラドコルグは硬い刃の意。
カラドボルグは、ウェールズの伝説に登場するカレドヴールフ《硬い溝の意》と同一視され、エクスカリバーの原型であるといわれる。
フェルグス・マック・ロイなど、アルスター伝説の英雄が所有している。
三つの丘を切り落としたことから、切れ味は抜群である。
左から来る騎士達は耀が動物達のギフトを借りて、俊敏に動き回り、的確に急所を打ち抜き気絶させていく。
後ろから来る騎士達は白雪姫が発生させた水流で洗い流したり、水柱をぶつけて蹴散らす。
一方、亜夜とジンは十六夜達が次々と騎士達を倒していく光景に、
『何ですか、この無双状態は!?』
と唖然として眺めているのだった。
《数分後》
「‥‥‥‥‥ガクリ」
「ヤハハ、コレで全部だな」
「そうね。名無し風情って言ってた割には呆気なかったわね」
「‥‥‥私たちを舐めた罰」
「フン!当然の報いだな」
最後の一人を打ちのめしてヤハハと笑う十六夜。
拍子抜けしたような表情で聖剣を鞘にしまう飛鳥。
ジト目で気絶した騎士達を見る耀。
胸の下で腕を組んで鼻で嗤う白雪姫。
その声に亜夜とジンが苦笑してルイオスの待つ最上階に行こうと歩みを進め―――
「うにゃっ!?」
「え?」
―――姿が見える亜夜は、突如何か鈍器のようなモノで殴られ吹き飛び、壁に叩きつけられた。
すかさず亜夜へ駆け寄る十六夜。
「亜夜!?」
「‥‥‥う、お兄、ちゃん」
「‥‥‥チッ。本物のハデスのギフトか―――!」
十六夜は亜夜を抱き抱えて一旦離れようとした。
―――が、
「―――うっ!?」
「なっ!?テメェ!」
姿が見えなくても十六夜の場所を特定出来るはずなのに、確実に姿が見える亜夜を狙う不可視の騎士。
十六夜の抱えていた腕ごと亜夜を叩き落とした。
床に叩きつけられ、苦悶の声を漏らして咳き込む亜夜。
最悪なことに、亜夜は後頭部も床に強く打ち付けており、流血し始めて意識も朦朧としている。
十六夜は憤慨して適当に蹴りを繰り出すが、掠りもしなかった。
「チッ、当たらねえか!」
「‥‥‥お、にぃ‥‥ちゃん」
「亜夜‥‥‥すまん。俺が守ってやるって言っときながら―――!」
「おにぃ、ちゃんは‥‥‥悪く、ないよ。本物、の不可、視のギフト‥‥だから、ね」
震える小さな手を十六夜の頬に触れて言う亜夜。
その手を掴んで握りしめる十六夜。
そして、亜夜を叩き潰さんと鈍器を振りかぶった不可視の騎士がすぐ真横に構えていた。
だが、
「十六夜!亜夜の左方向今すぐ!」
『何!?』
「そこ、かああああああ!!!」
『ぐぬぅううううう!!?』
十六夜の遠慮無用の怒りの拳を、不可視の騎士に叩き込む。
容赦ない一撃を受けた不可視の騎士は、吹っ飛んだ先にある壁に叩きつけられ、ハデスの兜がとれると共に、その場に倒れ伏した。
それを確認するや否や、十六夜は亜夜をソッと抱き上げて優しく頭を撫でる。
「亜夜‥‥‥大丈夫か?」
「‥‥‥う、うん。身体中が痛いけど、大丈夫だよ」
「―――――大丈夫じゃねえよ、ソレ!?」
「う、うにゃっ!?」
十六夜は亜夜を胸の中にしっかりと抱きしめる。
それに亜夜は顔を真っ赤に染めるが、骨折していてもおかしくない一撃を二度も受けているせいか、身動きが取れなかった。
一方、十六夜は耀に向けて礼を言った。
「それはそうと、ありがとな春日部。アンタのお陰で助かった」
「うん。亜夜を守れてよかった」
十六夜の言葉に微笑で返す耀。まあ、互いに姿を消失させているから見えないが。
一方、飛鳥が耀に先程のことを問いかけた。
「そういえば春日部さん」
「何?飛鳥」
「どうやって本物のハデスの兜を攻略したの?」
「あ、うん。イルカさんの超音波を出して場所を特定した」
「超音波?それは凄いギフトね」
「そうかな?」
飛鳥の言葉に、照れながら頬を掻く耀。
もう一度言おう。互いに姿は見えていない。
何はともあれ、最大難所は突破した。
亜夜達はルイオスの待つ最上階に向かうのだった。
今回は此処まで。
次回は
十六夜VSアルゴール。
飛鳥・耀・白雪姫VS下種坊っちゃん。
あれ?ルイルイが美少女達に蹂躙される未来が見えてきた‥‥‥(苦笑)
亜夜は姿を見られてる+重傷なのでジンと黒ウサギと一緒に観戦です。