最強問題児の妹も異世界から来るそうですよ?―しっかり者だけど兄好き(ブラコン)!?   作:問題児愛

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あれ?第二ラウンドが消失してしまった‥‥‥


第十五話 誘拐と魔王の姫君

 ギフトゲーム終了後、()()はいきなり現れた。

 

『―――――ったく。何処までも使えん奴だなあ?ゴミ坊っちゃん?』

 

「え?―――うわっ!」

 

「じ、ジン―――うにゃ!?」

 

「な、ジン坊っちゃん!?」

 

 不意に現れた黒フード男―――サタンが影を操りジンを弾き飛ばす。

 そして、空中に取り残された亜夜を抱き抱えてサタンは浮遊した。

 それを見た十六夜が第三宇宙速度以上の速度でサタンに肉薄して殴りかかる―――が、

 

「おっと。相変わらず野蛮だな、逆廻」

 

 フワリと更に上空に逃げ込み躱すサタン。

 十六夜は舌打ちして激怒しながら言う。

 

「な、チッ。クソ悪魔!妹を何処に連れていく気だ!?」

 

「んなこと言うかよ。貴様でつきとめろ」

 

「―――――っ!テメェ!」

 

 十六夜は怒りに任せて地面を踏み砕く勢いで跳躍。そのままサタンに第三宇宙速度以上の速度で肉薄、殴りかかる。

 だが、今度はサタンに腕を掴まれ、十六夜は下に投げつけられた。

 

「―――ッ!!」

 

「‥‥‥面倒臭い奴だな貴様は。―――ふん!」

 

 サタンは右手を振るうと、影の斬撃が十六夜に襲いかかる。

 体制を立て直した十六夜は、その斬撃を真正面から捉え、

 

「しゃらくせえ!」

 

 右拳で殴りつけて影のギフトを砕いた。

 そしてすぐさまサタンを睨みつけ―――ることが出来なかった。

 何故なら、十六夜が影を砕いた隙にサタンは亜夜を抱き抱えたまま姿を眩ましてしまったからである。

 十六夜は、また亜夜を守れなかったことに苛立ち、地面を勢いよく踏みつける。

 

「クソッ!!」

 

 何度も何度も何度も踏みつけて、白亜の宮殿全体を揺らす。

 それを慌てて黒ウサギが止めに入った。

 

「十六夜さん!落ち着いてください!怒ったところで亜夜さんは戻ってきてはくれませんから‥‥‥!」

 

「―――――ハッ!?‥‥‥そう、だったな。悪い黒ウサギ。冷静さを失っちまってた」

 

 黒ウサギの言葉に、正気を取り戻した十六夜はまず―――黒ウサギ達に謝罪した。

 

「皆も悪かった。妹が傷ついた挙げ句、連れ攫われて気が気じゃなかったんだ‥‥‥悪い」

 

 頭を深く下げて謝罪する十六夜。

 それにまず飛鳥が言った。

 

「顔を上げなさい十六夜君。私達も亜夜さんを誘拐したあの男は絶対に許しちゃおけないわ!」

 

「うん。亜夜は私達のもの。あんな男に渡すわけにはいかない!」

 

「我が主の妹君の危機だ。微力ながらお力添えを―――ではなく、あの悪魔は絞める!」

 

「ヤ、ハハ‥‥‥そいつは心強いな」

 

 亜夜を誘拐されて怒り心頭の女性陣に、苦笑いを浮かべる十六夜。

 一方、飛鳥がカツカツとルイオスに近づいて訊ねた。

 

「外道。貴方ならあの悪魔の男が何処へ言ったのか、分かるわよね?」

 

「はあ?僕は知らないよ、そんなこと。―――つうかお前らの眼は節穴か?」

 

「は?」

 

「あそこに見える―――()()()()()白亜の宮殿にいるんじゃないの?」

 

「「「「「「―――――うわお」」」」」」

 

 ルイオスが指さす方向には―――まるで複製したとばかりに同じ白亜の宮殿が聳え立っていた。

 十六夜達はすぐさま亜夜を救出しに、二つ目の白亜の宮殿に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 一方、サタンに誘拐された亜夜は、

 

「うにゃぁぁぁぁ‥‥‥‥‥」

 

 ()()()()()

 目の前に呪いをかけた大悪魔(げんきょう)がいるのだから、怯えるのは無理もない。

 更に、状況が―――酷い。

 それは―――――

 

「うにゃ‥‥‥‥()()()?」

 

()()()()!」

 

 ベッドの上に亜夜は組み敷かれていた。サタンに。

 サタンにしっかりと両手首を掴まれて亜夜は身動きが取れないのである。

 

「うぅ‥‥‥‥‥」

 

「しっかし、逆廻の妹がロリメイドと化してるとはなあ?しかも涙目+助けを求める上目遣い‥‥‥ああ、いい!()得じゃねえかッ!!」

 

「―――――ひっ!?」

 

 サタンは好色の笑みを浮かべると、亜夜の足首から大腿へ手を這わせる。

 そしてメイドスカートの裾を徐々に捲っていき―――

 

「いやっ!やめて、放‥‥‥して!!」

 

「くっくっく、断ると言って―――」

 

 サタンは続きを言うのをやめた。

 その隙をついて、亜夜は双眸を真紅に染め上げると、サタンの額に触れて告げた。

 

「―――――消去(デリート)!」

 

「―――――何?‥‥‥()()だと!?」

 

「―――え?‥‥‥()()しない!?どうして!?」

 

「‥‥‥‥‥ッ!!」

 

 驚愕の声を上げる亜夜。

 一方、サタンは―――()()の表情を浮かべ亜夜を睨んだ。

 その鬼のような形相に、ビクッと肩を震わせる亜夜。

 そして、サタンは亜夜を手放し無言で睨みつける。

 亜夜は、拘束が解けたのを確認するや否や、立ち上がって逃げようとした。

 ―――だが、それをサタンは許すはずもなく‥‥‥亜夜に()()()()を下した。

 

「―――やめた。俺は貴様を手に入れるのを諦める。―――――逆廻亜夜‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥()()

 

 パチンッ!

 

「え?―――――く、あ‥‥‥!?!?」

 

 途端、亜夜は胸を押さえて苦しみ出すと―――昏倒した。

 サタンは指を鳴らして、亜夜にかけた呪いの力を最大にして解放した。

復元(レストア)〟のギフト使用後の副作用とは比べ物にならない〝呪詛(じゅそ)〟が、亜夜の身体を蝕み始めたのだ。

 

「―――――ぅあ!!?―――――――っ!??」

 

「‥‥‥フン!」

 

 ドズンッ!!

 

「ぐ、あっ!!?」

 

 サタンは憤怒の表情のまま、容赦なく呪詛に苦しむ亜夜の胸部を蹴り抜く。

 吹き飛ばされた亜夜は、近くにあった白亜の宮殿の白い柱に強く背中を打ちつけた。

 その際にアメジストのギフトカードが、亜夜のギフトカードがメイド服の裾から零れ落ち、サタンの足元に落ちた。

 

「‥‥‥‥‥」

 

 サタンはそのカードを拾って亜夜のギフトネームを見て―――更に憤怒の色を深めた。

 

「〝消去〟だけでなく、〝複製〟に〝復元〟まで‥‥‥!?貴様―――!」

 

 サタンは仰向けに転がっている亜夜にズカズカと歩み寄り、彼女に止めを刺そうとして―――固まった。

 

「‥‥‥‥‥胸元から―――血が滲んでいる?」

 

 サタンは一旦亜夜を殺すことをやめて、彼女の顔を凝視する。

 

 金髪紫眼お姫様風の髪型の幼い少女。

 ギフトは〝消去〟〝複製〟〝復元〟〝魔王の呪い〟。

 胸元に()()があり、それが開いたのか血が滲んでいる。

 

 ―――似ている。かつて失ったはずの姫君に。

 ―――与えた。かつて失ったはずの姫君に。

 そして、姫君は―――魔王を庇って()()()()()、聖剣で刺し貫かれた。

 

 魔王は。サタンは。気づいてしまった。

 十六夜の義妹・亜夜こそが―――――ずっと捜し求めていた、〝魔王(サタン)の娘〟なのだと‥‥‥。

 

「亜夜!何処に―――――ッ!?」

 

「どうしたの!?十六夜く―――!?」

 

「亜、夜‥‥‥!?」

 

「逆廻の妹君!?」

 

「あ、亜夜さん!?」

 

「―――――‥‥‥亜夜さんッ!!」

 

 十六夜・飛鳥・耀・白雪姫・黒ウサギ・ジンの順に驚愕の声を上げる。

 亜夜は仰向けにぐったりと倒れ込み、胸元からは血が滲んでいた。

 その隣には―――蒼白していたサタンの姿があった。

 

「さ、サタンッ!テメェ!!」

 

 瀕死の亜夜を見て、十六夜は我を忘れてサタンに殴りかかった。

 だがどうせ躱される、そう思った十六夜の第三宇宙速度以上の速度で繰り出した拳は―――呆気なくサタンを()()()()()()

 

「は?」

 

「‥‥‥‥‥ぐ、」

 

 サタンは後方に軽く吹き飛び、十六夜に殴られた頬を擦る。

 十六夜は当たるとは思っていなかったのか、眼を丸くしてサタンを見る。

 一方、サタンは一瞬で亜夜の側に現れると、彼女の額に触れて告げた。

 

「―――〝復元(レストア)〟」

 

 そしてあっという間に亜夜の傷を癒したサタンは―――闇に解けるように去っていった。

 十六夜はすぐさま亜夜に駆け寄り、抱き上げると、

 

「すー‥‥‥すー‥‥‥」

 

 と規則正しい寝息を立てる、可愛らしい寝顔の亜夜。

 それを見た十六夜達六人は、安堵と苦笑するのだった。




亜夜の三つのギフトは魔王から与えられたものでした。
満足にギフトが使用出来なかったのは、これが理由です。

正直の所、どちらを本命にしようか決めてなかったりします←

十六夜の義妹でサタンの実娘にするか。

十六夜の実妹でサタンの義娘にするか。

両方とも義理で別の霊格(そんざい)にするか。

突然ですが、アンケートを取ろうかなと思います!

本当に唐突ですね~♪
選んだ理由とかは特にいらないのでドシドシどうぞ!

あ、活動報告にて募集中です。
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