最強問題児の妹も異世界から来るそうですよ?―しっかり者だけど兄好き(ブラコン)!?   作:問題児愛

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今回は白夜叉登場までです。


第三話 新たな仲間と白夜叉

 蛇神戦を終えた十六夜は、

 

「‥‥‥へえ?まさかあの白ヘビがこんな美人だったとは驚きだ」

「白ヘビではない!蛇神だと言っているだろう!」

 

 艶のある長い黒髪を三色の花の(かんざし)で纏め、白い生地に(みやび)な花柄を施した着物を着た美しい女性―――白雪姫を見て驚嘆の声を上げる。

 白雪姫はそんな彼にヘビヘビと言われて怒っていた。

 一方、黒ウサギと亜夜も蛇神の正体がこんなにも美女だったことに驚愕の表情を隠せないでいた。

 亜夜はムッとむくれながら白雪姫に近づいて小さな声で言う。

 

「白雪ちゃん」

「‥‥‥白雪ちゃん?」

「お兄ちゃんは―――()()()()()()()!」

「む?‥‥‥う、うむ。安心しろ小僧の妹。我はあの小僧には手は出さんからな」

「ホントですか?」

「ああ。本当だとも」

 

 暫く白雪姫を睨みつける亜夜。

 それに苦笑しながら彼女を見る白雪姫。

 そして、

 

「うん。分かりました。私は亜夜。それではよろしくお願いしますね、白雪ちゃん!」

「ああ。こちらこそよろしく、亜夜」

「はい!」

 

 兄を狙う()ではないと分かった亜夜は、白雪姫と握手を交わした。

 それに黒ウサギは、

『相変わらず亜夜さんは十六夜さんに一途な妹さんですね』

 とクスクス笑った。

 一方、十六夜は黒ウサギに歩み寄り、

 

「‥‥‥なあ、黒ウサギ」

「はい?何でございましょう」

「‥‥オマエ、何か隠してんだろ。俺達に」

「!?」

 

 唐突な質問を投げかけた。

 それに黒ウサギはドキリとして固まる。

 その様子に十六夜は怪しく思い畳み掛ける。

 

「やっぱりな。その様子からすると、俺達にバレては不味いことなんだな?」

「な、なんのことでしょうか?黒ウサギにはさっぱり―――」

「とばけないで正直に話した方がいいぞ〝月の兎〟。大事な戦力を失いたくないであろう?」

「っ!」

 

 黒ウサギに忠告する白雪姫。

 それにぐっと黙り込む黒ウサギ。

 一方、白雪姫の言葉を聞いて、十六夜が問いかける。

 

「へえ?白雪は黒ウサギのコミュニティの現状を知ってるのか?」

「ああ。詳しくは知らないが間接的聞き及んでいる」

「そうか。んじゃ黒ウサギは黙りだし白雪にでも―――」

「ま、待ってください!」

 

 十六夜の言葉を遮るように、待ったをかける黒ウサギ。

 それに十六夜は振り返り、

 

「何だ?話す気になったか?」

「‥‥‥話せば、協力していただけるんですね?」

「んーそうだな。()()()()()、かな」

「‥‥‥‥‥分かりました。この黒ウサギが精々オモシロオカシク、我々の悲惨なコミュニティを語らせて頂きますよ」

 

 こうして黒ウサギは、十六夜と小首を傾げていた亜夜、興味のある白雪姫に、コミュニティの現状を話し始めた。

 

 

 

 

 

《見飽きてると思うので割愛》

 

 

 

 

 

「魔王に誇りと仲間を取り返す‥‥‥か」

「黒ウサちゃんのコミュニティが可哀想です‥‥‥私で宜しければ協力させてください!」

 

 黒ウサギの話を聞いて、考え込む十六夜。

 一方、亜夜は即答して黒ウサギの手を握る。

 それに黒ウサギは嬉し泣きしながら、

 

「あ、ありがとうございます亜夜さん!」

「う、うにゃぁぁぁぁ‥‥‥苦しいです」

 

 亜夜を抱きしめながらお礼を言う。

 かなり強めの抱擁に顔を顰める亜夜。

 一方、十六夜はたっぷり五分間黙り込んだ後、

 

「俺は―――()()()()

「え?」

 

 首を横に振って拒否した。

 それに黒ウサギが泣きそうな表情で問う。

 

「な、何でなのですか十六夜さん!?魔王に興味津々だったじゃないですか!」

「あー、それな。確かに魔王には興味あるが―――()()()のいるコミュニティには入らねえよ」

「う、そんなぁ‥‥‥!」

 

 泣き崩れる黒ウサギ。

 それを一瞥した十六夜は、身を翻して、

 

「それじゃ行くか、白雪」

「う、うむ。だがよかったのか?このままだと妹と離ればなれに―――」

 

 白雪姫を連れて去ろうとする。

 それに白雪姫は『後悔はないのか?』と十六夜に問いかけた―――その時。

 亜夜が十六夜の制服を引っ張って引き止める。

 

「行かないでお兄ちゃん!一緒に黒ウサちゃんのコミュニティを助けようよ!」

「嫌だね。幾ら妹の頼みでも、そいつは聞けないな」

 

 だが十六夜は妹の手を振り払って再び歩き始める。

 それでも再び兄の制服を引っ張る亜夜。

 

「今度はなん―――!?」

「‥‥‥お兄ちゃん!私を―――()()()()()()()!」

 

 十六夜は振り返ると、泣きながら懇願する亜夜の姿があった。

 それに十六夜は『待っていた』とばかりの笑みを浮かべて、

 

()()()()()

「‥‥‥ふぇ?」

 

 キョトンとする亜夜の金髪頭を優しく撫でながら言う。

 

「俺が―――()()()()を置いて、もうどっかに行ったりはしねえよ。バーカ」

「!!お兄ちゃん!」

 

 途端、パアッと明るい表情になった亜夜は、

 

「だーいすき!!」

「うおっ!‥‥‥ったく、甘えん坊だな、亜夜は」

「えへへ♪」

 

 嬉し泣きしながら大好きな兄に抱きつく。

 それに十六夜は苦笑して妹の頭を優しく撫でる。

 一方、その一部始終を見ていた黒ウサギはポカーンと口を開けて呆けていると、

 

「フフ、よかったな〝月の兎〟。我が主も協力してくれるそうだ」

「え?」

「E?ではない。喜べ駄ウサギ。そんなことでは兄妹揃って逃げられるぞ?」

「は、はい白雪姫さん!―――って、誰が駄ウサギですか!?」

 

 白雪姫が歩み寄り、報告兼ね黒ウサギを弄る。

 それに黒ウサギは前者に驚愕し、後者にウサ耳を逆立てて怒るのだった。

 

 

 

 

 

「な、なんであの短時間に〝フォレス・ガロ〟のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」

「しかもゲームの日取りは明日!?」

「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」

「準備している時間もお金もありません!」

「一体どういう心算(つもり)があってのことです!」

「聞いているのですか三人とも!!」

 

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

 

 

「黙らっしゃい!!!」

 

 黒ウサギは飛鳥達と合流するや否や、とんでもない話を聞いてウサ耳を逆立てて怒っていた。

 嵐のような質問が飛び交う中、口裏を合わせたような言い訳をする飛鳥達。

 それに激怒する黒ウサギを、ニヤニヤと笑う十六夜が止めに入る。

 

「別にいいんじゃねえか?相手を選ばず適当に喧嘩売ったじゃねえんだ許してやれって」

「い、十六夜さんは面白ければいいと思っているかもですが‥‥‥はぁ。まあいいデス。彼ら程度の相手は十六夜さんか亜夜さんが一人入れば十分でしょう」

「あん?(わり)いが俺も妹も参加しねえよ?」

「当然ね。あなた達なんか参加させるつもりないわ」

「うにゃ?お兄―――むぐっ!?」

 

 黒ウサギの言葉を蹴る十六夜。

 それに飛鳥は

『参加させるつもりは毛頭ない』

 と拒絶。

 亜夜は何か言おうとして、十六夜に口を塞がれる始末。

 それに黒ウサギは食ってかかる。

 

「だ、駄目です!お二人はコミュニティの仲間なのですよ!?ちゃんと協力しませんと」

「そういうことじゃねえよ駄ウサギ」

「え?―――って、誰が駄ウサギですか!?」

 

 怒る黒ウサギを無視して、十六夜は続ける。

 

「いいか?この喧嘩は、お嬢様達が()()、ヤツらが()()()んだ。それなのに、俺や妹が手を出すのは無粋ってもんだろ」

「あら、分かってるじゃない」

「‥‥‥はぁ。ああはいはい、もう好きにしてください」

 

 『何を言っても駄目だ』と悟った黒ウサギは、投げやりに呟いて肩を落とすのだった。

 

 

 

 

 

「それでは皆さん!ギフトゲームが明日ですし〝サウザンドアイズ〟にギフト鑑定をお願いしませんと。白雪姫さんの事もありますし」

「〝サウザンドアイズ〟?何だ?コミュニティの名前か?」

「YES。〝サウザンドアイズ〟は特殊な〝瞳〟のギフトを持つ者達の群体コミュニティです。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

「ギフト鑑定というのは?」

「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事デス。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんも自分の力の出処は気になるでしょう?」

 

 同意を求める黒ウサギ。

 それに四人は複雑な表情で返す。

 各々思う事はあるのだろうが、反対はなく、

 

「それでは行きましょう!」

 

 黒ウサギを筆頭に、十六夜・亜夜・飛鳥・耀・ジン・白雪姫の七名と一匹は〝サウザンドアイズ〟に向かうのだった。

 

 

 

 

 

「桜の木‥‥‥ではないわよね?花弁の形が違うし、真夏になっても咲き続けているはずがないもの」

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。気合いの入った桜が残っていてもおかしくないだろ」

「いえ、お兄ちゃん。気合いでどうこうなるお花はないと思いますよ?」

「‥‥‥?今は秋だったと思うけど」

 

 ん?っと噛み合わない亜夜達は顔を見合わせ首を傾げる。

 それに苦笑したジンが説明する。

 

「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているんですよ。元いた時間軸以外にも歴史や文化、生態系など所々違う箇所があるはずですね」

「うにゃ?私とお兄ちゃんは同じ世界から来てますよ?」

「え!?あ、それもそうですね。―――って初夏にブレザーは暑くないですか!?」

「暑くないです!―――というのは嘘なんですが」

 

 『嘘なんだ!?』

 と十六夜以外の全員が思っていると、十六夜が亜夜の金髪頭に手を置いて言う。

 

「ああ、そうだったな。亜夜は生まれつき身体が弱いんだよ」

「え?とてもそうには見えないのですが」

「ああ。今はだいぶ良くなってるが昔はそれはそれは酷かった。太陽の陽射しを浴びるたんびにぶっ倒れちまってな」

「「「「「え?もしかして十六夜(我が主・さん)君の妹さんって吸血鬼!?」」」」」

「「それは断固違(えよ)います!」」

 

 黒ウサギ達のとんでもない勘違いにつっこむ逆廻兄妹。

 まあ太陽の陽射しを浴びて弱るのは吸血鬼くらいだからそう勘繰るのも無理もない。

 一方、黒ウサギがふと視線を前に戻すと、

 

「あ!皆さん見てください!あちらに見えますのが〝サウザンドアイズ〟の―――」

「黒ウサギィィィ!久しぶりだのぉぉぉぉ!」

「―――へ?きゃぁぁぁぁ!?」

 

 〝サウザンドアイズ〟についたようで、指さして紹介する。

 すると店内から爆走してきたであろう、着物風の服を着た真っ白い髪の少女―――白夜叉(しろやしゃ)空中突撃抱擁(フライングボディーアタック)を食らった黒ウサギ。

 そして二人共々、

 クルクルクルクルク、ボチャン。

 と空中四回転半捻りして水路に落下した。

 

「「‥‥‥‥‥はぁ」」

 

 その光景に、盛大に痛い頭を抱えるジンと白雪姫。

 一方、亜夜達は眼を丸くして固まっていた。

 

「し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろ!フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地が違うのう!ほれ、ここか?ここが良いか!」

 

 スリスリスリスリ。

 と黒ウサギの胸に顔を埋めて幾度なすりつける変態―――ではなく、白夜叉。

 

「し、白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

 あまりに執拗にセクハラ行為に走る白夜叉にイラつき始めた黒ウサギは、

 

「むお?」

「せいやっ!」

 

 彼女を無理矢理引き剥がすと、白髪頭を掴んで店に向かって全力投球。

 くるくる縦回転した白夜叉を、十六夜は、

 

()()

「ゴブハァ!?」

 

 ()()()()()()()()()。容赦ない一撃である。

 それに起き上がった白夜叉が文句を言った。

 

「お、おんし!飛んできた初対面の美少女を遠慮無用の踵落しとは何様だ!」

「十六夜様だぜ。以後よろしく頼むぜ和装ロリ」

 

 ヤハハと笑って自己紹介する十六夜。

 そんな彼の隣で礼儀正しく一礼した亜夜が兄に代わって謝罪する。

 

「すみません!お兄ちゃんが失礼なことをしてしまって」

「お兄ちゃん?―――ほう。これは絵に描いたような美少女妹だのう!‥‥‥うむ。私は決めたぞ。今日からおんしは私の専属メイドになるのだ!」

「はにゃ?」

 

 唐突に意味不明な発言をする白夜叉。

 それに亜夜が小首を傾げていると、

 

「おい待て和装ロリ。俺の妹をメイドにするだと?」

「何だ?小僧」

「―――超グッジョブ!その案は中々素敵だぜ和装ロリ」

「うむ!そうだろそうだろ!?おんしも分かっているではないか!」

「おう!」

 

 ガシッと十六夜と白夜叉は固く握手を交わした。

 その光景にやはりわからないのか、再度小首を傾げる亜夜。

 一方、呆気にとられていた飛鳥は、思い出したように白夜叉に話しかける。

 

「貴女はこの店の人?」

「おお、そうだとも。この〝サウザンドアイズ〟の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢の割に発育がいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けよう」

「我が主神!そんなことをしていると何時まで経っても売上が伸びませんよ!?」

「む?そうだったのぅ。―――って、おんしは白雪か?何故黒ウサギのコミュニティに?‥‥‥まあよいか。その話も含めて店内で聞こうかの」

 

 白夜叉はちょいちょいと亜夜達を店に招こうとすると、

 

「ちょ、ずぶ濡れの黒ウサギを放置なのですか皆さん!」

「何!?黒ウサギが濡れ濡れだと!?」

「黙れこの駄神ッ!!」

 

 黒ウサギは瞬時にインドラの槍を顕現させると、

 

「ゴバァ!?」

 

 幾千の稲妻が白夜叉を貫くのだった。

 




何故かジン君が同行しています←
女性店員は店内で登場予定です。
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