最強問題児の妹も異世界から来るそうですよ?―しっかり者だけど兄好き(ブラコン)!?   作:問題児愛

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今回は後回しになった年長組に紹介とガルド戦後の話です。
あと例の謎の男。


第八話 亜夜は義妹or実妹?復元とお仕置きタイム

 大広間に集まった亜夜達七名と年長組の子供達のうち、十六夜・亜夜・飛鳥・耀・白雪姫の五名は〝ノーネーム〟の新しい同士として黒ウサギが紹介した。

 

「右から逆廻十六夜さん、逆廻亜夜さん、久遠飛鳥さん、春日部耀さん、白雪姫さんです」

「え?黒ウサギのお姉ちゃん!」

「はい?何ですかリリ?」

「十六夜様と亜夜様の苗字が一緒ということは―――!?」

 

 パタパタと二本の狐尻尾を動かしながら狐耳をピンと立てて質問する割烹着を着た狐娘のリリ。

 黒ウサギは笑顔で答える。

 

「YES!十六夜さんと亜夜さん兄妹なのでございますよ」

「わあ!ほ、本物ですか!?」

「ん?どっちだと思う?お嬢ちゃん」

「え?えーと‥‥‥実妹!」

 

 十六夜の問いに、自信満々に答えるリリ。

 だが、十六夜はニヤニヤと笑って、

 

「正解は―――内緒だ!」

「ええ!?」

 

 聞いておいて内緒とは意地悪にも程がある。

 リリが狐耳を萎れさせていると、亜夜が近づいて小声で言う。

 

「意地悪なお兄ちゃんの代わりに私が教えますね」

「!!お願いします、亜夜様!」

「うにゃ‥‥‥様付けじゃなくて普通に接してほしいですよリリちゃん」

「え?で、ですが」

「む。様付け止めないなら教えませんよ?」

「そ、それは!‥‥‥教えてください亜夜ちゃん!」

「ふふ。良くできました♪」

 

 リリの頭をナデナデする亜夜。まるでお姉さんのようだ。

 リリは頬を赤らめて気持ち良さそうに目を細める。

 暫くして、亜夜はリリの狐耳に口を近づけて、

 

「私とお兄ちゃんは―――」

()()♪」

「うにゃっ!?」

 

 ズビシッ!

 十六夜の手刀が亜夜の金髪頭を強襲。割と本気の一撃である。

 亜夜は短い悲鳴を上げると、頭を抱えてその場に蹲った。―――涙目で。

 その隙に十六夜は亜夜の首根っこを摘まんで持ち上げ引き寄せる。

 

「亜夜?俺が敢えて内緒にして楽しんでるってのに、バラそうとするのはどういう了見だ?」

「う、うにゃぁぁぁぁ‥‥‥ごめんなさい、お兄ちゃん」

 

 十六夜に捕まった亜夜は、宙ぶらりんの状態でシュン、と落ち込む。

 それを確認した十六夜は、亜夜を下ろしてポンポンと頭を叩いて、

 

「―――今度バラそうとしたらどうなるか、()()()()()()()()()()?」

「―――――ッ!!?」

 

 十六夜の脅迫じみた発言と、いい笑顔を見て、ガクガクブルブルと震える亜夜。

 瞳には溢れんばかりの涙が溜まっており、今にも泣き出しそうな表情だった。

 その表情に三日月の笑みを浮かべて、

 

「―――ってのは冗談だ」

「‥‥‥ふぇ?」

 

 ポンと亜夜の頭に手を乗せて撫で始める。

 亜夜はキョトンとした表情で十六夜を見つめる。

 十六夜はそれに気づくと、ヤハハと笑って言う。

 

「亜夜は俺の可愛い妹だ。流石に酷いことはしねえよ」

「お、お兄ちゃん―――!」

 

 亜夜はパアッと明るい表情になると、十六夜に抱きついて猫のように鳴く。

 

「うにゃあ♪うにゃあ♪」

「おお、よしよし」

 

 それに十六夜は亜夜の頭を優しく撫でてやる。

 すると亜夜は、十六夜に身体を預けて気持ち良さそうに目を細めながら抱きしめる。

 亜夜に猫尻尾がついていたら、物凄い勢いで左右に振っていたことだろう。

 そして飛鳥と耀は顔を見合わせて、

『今度白夜叉に、猫尻尾造ってもらわないとね』

 うんうん、と頷いた。

 一方、黒ウサギはオホン!とわざとらしく咳払いして言う。

 

「十六夜さん!亜夜さん!イチャつくのに黒ウサギはとやかく言うつもりはありません。ですが―――」

 

 スウッと息を吸い込んだ黒ウサギは大声で叫んだ。

 

「子供達の前でイチャつくのはやめなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

「「「五月蝿い」」」

 

 大音声で告げる黒ウサギに、ピシャリと言い放つ十六夜・飛鳥・耀。

 それに痛い頭を抱えるジンと白雪姫。

 亜夜は苦笑いを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 その後、亜夜達七名はギフトゲームをしに本拠を後にした。

 

『ギフトゲーム名〝ハンティング〟』

 これに飛鳥・耀・ジンが挑み、勝利を収めた。

 だが、その際に耀が致命的な怪我を負ってしまった。

 

「ジン坊っちゃん!耀さんの容体は!?」

「出血が酷くてかなり危険な状態だ!」

「‥‥‥ッ!」

 

 黒ウサギがグッと唇を噛みしめる。

 十六夜達が緊迫の表情を見せるなか、亜夜はスッとしゃがんで耀の右肩に触れる。

 

「―――復元(レストア)モード開始」

 

 そう告げた途端。亜夜の紫の瞳は、翠の瞳には変わり、耀の全身が翠の光に包まれた。

 それに気がついた黒ウサギ達は目を見開いて驚きの声を上げた。

 

「なっ!?」

 

 それもそのはず、傷が塞がっただけでなく―――――()()も良くなっていったからである。

 つまり、()()()()()()()()()()()ことを意味する。

 

「―――――復元(レストア)完了」

 

 そう言った亜夜の翠の瞳は紫の瞳に戻り、耀を包んでいた翠の光も消滅した。

 そして―――

 

「‥‥‥‥‥ん、ここは?」

「よ、耀さぁぁぁぁん!」

「え?―――わっ!」

 

 耀が起き上がると、それを確認するや否やで黒ウサギが彼女に抱きついた。

 

「心配したのですよ耀さん!もう大丈夫なのですか!?」

「え?あ、うん。亜夜のギフトのお陰でこの通り」

 

 耀は元気よく腕を振り回して完全復活のアピールをする。

 それを見た黒ウサギ・ジン・白雪姫はホッと安堵の息を吐く。

 だが、ふと嫌な予感がした。

 そう。亜夜がギフトを、復元(レストア)のギフトを使用してしまったことだ。

 そして、そのことに気がついた黒ウサギ達は、ハッとして亜夜の方に振り向くと、

 

「うにゃぁぁぁぁ‥‥‥痛い!痛いよお兄ちゃん―――!」

「五月蝿い!昨日倒れたばかりだというのに復元(レストア)モードになるたぁどういう了見だ駄妹!!」

「イダダダダダダダッ!?」

 

 グリグリ、グリグリ。

 十六夜は亜夜の背後に回って、彼女のこめかみを両拳で挟んでグリグリこね回す。

 それに亜夜は半泣きしながら絶叫を上げていた。

 過保護のシスコン兄・十六夜による、約束破りの不良妹・亜夜に制裁を加えていたのだ。

 それを見た黒ウサギ達は、亜夜の無事を喜びつつ苦笑いを浮かべるのだった。

 

「春日部さん!?」

「あ、飛鳥」

 

 十六夜と亜夜のやり取りを見ていると、飛鳥が『白銀の十字剣』を携えながら耀達の下へ駆け足で現れた。

 そして飛鳥は―――細剣を放り投げて耀に抱きついた。

 

 

「わっ!」

「春日部さん!無事でよかったわ!もう平気なの?」

「う、うん。平気。亜夜のお陰で完全復活したよ」

「そ、そう。それならよかったわ。―――それで十六夜君が亜夜さんに『O・SHI・O・KI☆』してるわけね」

 

 飛鳥も逆廻兄妹のやり取りを見て苦笑していると、

 

「飛鳥さん!」

「え?」

「E?じゃないのですよ!黒ウサギめがけて細剣放り投げてくるとはどういう了見ですか!?」

「‥‥‥偶然の奇跡ってやつかしら?」

 

 飛鳥の返答にガクリと膝をついて項垂れる黒ウサギ。

 それに白雪姫がクックと喉を鳴らしながら笑って言う。

 

 

 

「いや、先程の黒ウサギの悲鳴は中々に可愛かったな。『フギャアアアアア!?』と叫んでおったぞ」

「そんなこと言ってる場合ですか白雪姫さん!?ハッキリ言って僕だったら確実に死んでましたよあの細剣の軌跡に!!」

 

 ふふ、と笑う白雪姫に怒るジン。

 一方、十六夜に『O・SI・O・KI☆』された亜夜は、

 

「うああああああ!お兄ちゃんの馬鹿ぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「おお、よしよし。泣き虫亜夜も可愛いな♪」

 

 大泣きしながら十六夜に抱きついている亜夜。

 それをニヤニヤと楽しみながら泣き虫妹・亜夜の頭を優しく撫でてあやす鬼畜兄・十六夜。

 暫くの間、混沌(カオス)と化した〝ノーネーム〟の面々だった。

 

 その後、亜夜達は十六夜とジンを筆頭に旗印の返還式と、

『ジン=ラッセル率いる〝ノーネーム〟は〝打倒魔王〟を掲げたコミュニティ』

 と宣言して、それから本拠へと帰るのだった。

 

 

 

 

 ―――箱庭2105380外門。ペリベッド通り・噴水広場。

 亜夜達が本拠へ帰っていったその数分後、その黒い影は突如姿を現した。

 姿はやはり黒いフードを被っていて顔はハッキリと見えない。

 

「‥‥‥フン。〝フォレス・ガロ〟は本当に使えん連中だったな。(かつ)て我が与えた力も、ゴミ共には宝の持ち腐れといったところだったか」

 

 〝フォレス・ガロ〟のコミュニティがあった場所を見ながら鼻で嗤う黒いフードの男。

 

「しかも我が所属していたコミュニティ〝六百六十六の獣〟に泥を塗って去っていくとは、とことん使えんゴミ共だった。‥‥‥まあ、我の〝主催者権限(ホストマスター)〟に群がるゴミしかいないコミュニティに戻る気は更々ないしどうでもいい話だがな」

 

 黒いフードの男は上空を見上げながら嗤う。

 

「‥‥‥それよりも、面白いこと言うじゃねえか逆廻!〝魔王を倒すコミュニティ〟だあ?ホント最高だよ貴様は!」

 

 クックックと笑いを噛み殺す黒いフードの男。

 

「―――なら、見せてもらおうじゃねえか!〝打倒魔王〟を掲げし愚かなコミュニティ〝ノーネーム〟!貴様らの力ってヤツを!!」

 

 黒いフードの男は怪しく光らせる紅い双眸と三日月の笑みを見せる。

 そして、夕陽に霞むように再び姿を消すのだった。

 




〝六百六十六の獣〟の元・魔王の大悪魔を○○○としていますが、違ってたらすみません。

次回はいよいよレティシアが登場です。
そして、
耀×レティシアがもう一つの百合計画です。
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