天野夕麻に命を奪われた兵藤一誠。
彼はそのまま行けば原作通り死に、そしてリアス・グレモリーに助けられるはずであった。
しかし、そうはならなかった。
彼は何も見えず、薄れいく意識の中、彼の者の声を聞いた。

『〇〇殺すべしッ!!』

これは死なずに復活した一誠が人ではない何かになった、そんな話。

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試しで投稿してみました。
見切りでだしたので続きません。


さらばイッセー、ようこそ〇〇サン

(あぁ…………何でこんな事になっちまったんだろ………)

 

少年は薄れ行く意識の中、そう考えずにはいられなかった。

彼の名は兵藤一誠。駒王学園に通う、ごく普通の高校二年生……いや、普通と言うには少しばかり語弊があるだろうか。

十代の後半という思春期真っ盛りな、言い替えるなら途轍もなくスケベな少年であった。

ただ興味があるなら男として正常だが、学園で悪友と共に毎度の如く起こす覗き騒動に周りの女生徒がいようと気にせずに猥談をするなど、犯罪スレスレなところがあるなど、行き過ぎた性への情動に溢れている。

まぁ、覗きなどは毎回見つかって女子の集団に袋叩きに遭っているのだが、全く懲りずに繰り返すその不屈の精神は素晴らしいとも言えなくもない。

彼は高校生らしく、恋人が欲しいと常に悪友達と叫んでいた。

見た目は別に悪く無いのだから、出来てもおかしくない。

だが、持ち前のスケベ心が溢れすぎて女子達からは気嫌われる始末。

その事に悔やみ悲しむもそれを押さえるということをしないのだから、出来るわけがない。

それは彼が通う学園の全女子は勿論、同じ男子でさえも分かりきっていたことであった。

だが、そんな彼にも、何と……………。

 

恋人が出来た。

 

ある日の夕方、その少女は現れた。

その日も少女達から嫌われ、自身の彼女が出来ない事への不安から歩道橋の上で項垂れている一誠に彼女は声をかけたのだ。

一誠はいきなり話しかけられたことに驚きつつも彼女を真っ直ぐと見て、彼女は恥じらいに顔を赤く染めつつも懸命な様子で一誠に想いを告げた。

 

『わ、私と………付き合って下さい!』

 

これが一誠にとって、初めてされた告白。

今まで彼女居ない歴=年齢の少年にとって、彼女の告白は天にも昇る気持ちだった。

それも彼女は一誠の好みにどストライクだったため、その嬉しさも凄まじいものである。常におっぱいおっぱいと言っている一誠にとって、彼女『天野夕麻』はまさに理想の女の子と言えた。細い線の身体にしっかりと存在を主張する膨らみは一誠を見事に射止めたのだ。

その日から一誠の生活はバラ色へと変わり、毎日が有頂天だった。

告白された翌日には悪友達に恋人を紹介し、悪友達を絶望へと叩き落として妬まれたが、それでも彼は幸せだった。

そして約一週間が経ち、夕麻からデートに行かないかと誘われる一誠。

一誠はその誘いを受けて、かなり浮かれて妄想に妄想を重ねる。高校生がどこまで許されるのか、その境界線を挑戦するかのように。

初めてのデートで夕麻を楽しませたいと、頭を全開に使ってデートプランを練っていき、デートへと備えた。

そしてデート当日になり、そのプランの通りに一誠はデートを行っていく。

彼なりに必死に考え抜き、夕麻を退屈させないよう頑張った。

その甲斐あってか、デートは上手くいき夕麻は終始笑顔で楽しんでくれたようだった。その笑顔に一誠の緊張も解れ、同時に幸せを感じていた。

そしてデートの最後、夕方の公園の噴水前へと一誠は夕麻を連れて行った。

夕陽が噴水の水に当たり、より幻想的な雰囲気を作り出すこの場所は、一誠が考えた最高のポイントだった。出来ればここでキスしたいと妄想しながら考えたのは言うまでもない。

その思いが通じたのか夕麻は噴水を背にして一誠を見つめ、そして口を開いた。

 

「ねぇ、一誠君。私達の初デートの記念に…一つだけ私のお願い聞いてくれる?」

 

上目使いに見つめられお願いされる一誠。

そのお願いが何なのか、状況から推察するに一誠の予想が当たるかも知れない。

それを予感し、一誠は生唾を飲み込みつつ夕麻のお願いを聞くことにした。

だが、そのお願いは一誠の求めるものなどではなかった。

夕麻はゆっくりと静かにそのお願いを口にした。

 

「………死んでくれないかな……」

 

その言葉を聞いた時、一誠は何の事か分からなかった。

何故いきなりそんなことを言われたのか、彼の思考は停止してしまい理解が出来なかったのだ。

そんな一誠に夕麻はもう一度、確かに聞こえるようにキス出来るくらい顔を耳に近づけて囁いた……死んでくれと。

二度も言われ、やっと言われたことを理解した一誠は困惑し、その姿を嘲笑うかのように夕麻の姿は変わった。

漆黒の鳥のような翼を背に持ち、露出が多く身体のラインがはっきりと出るボンテージのような衣装を着た姿に。

それを見て一誠は衣服の装着中に見えた生の乳に歓喜するも、それが現実逃避だと分かった上で尚も困惑する。

普通、誰だっていきなり死ねと言われて目の前で人の姿が変わったら誰だって驚くだろう。

夕麻は一誠にデートの感想を述べるて嗤うと、手から光の槍を出現させ、そして一誠の腹部にそれを突き刺した。

いきなり刺された事実に一誠は理解が追いつかない。

だが、槍の消失と共に噴き出した夥しい量の自分の血を見て自分が死に行くことを何処と成しに察した。

このまま死んでしまうことが嫌だった。

消えゆく意識の中、聞こえてきたのは自分を口汚く罵しる彼女の声。

自分が何か危険なモノの可能性があるから殺したと、そう聞こえた。

それすら分からないのに殺された。

一誠はそれが許せなかった。せめて死ぬ前におっぱいを揉みたいとか、そんなことも考えたが、それ以上に自分を殺した彼女が許せなかった。

男の純情を弄んだ、『悪女』が許せなかった。

だが、いくら許せないと思った所でもう死ぬのは分かりきっていた。

何も出来ない。この致命傷では確実に死ぬ。指一本すら動かせない一誠は、いくら彼女を怨もうと、それを叶えることなど出来ないのだから。

ここで原作ならそのまま死に、最後に見た自分の血から学園で見た印象深い上級生を連想し思い出して死に、その最後の願いに応じて召喚された『彼女』によって生き返る。

 

はずだった。

 

だが、そうはならなかった。

一誠はこのまま怨みも晴らせずに死ぬんだと、後悔の念に駆られながら目を瞑る。

悔しい……悔しい……悔しいっ……許せない!

その願いに何かが応えた。

 

『そんなに悔しいか………』

 

その声に一誠は驚く。

消え失せかけていた意識なのに、その声だけはしっかりと聞こえていたから。

そして一誠は動かない口の代わりに強く心の底から念じた。

 

(あぁ、悔しい! あいつは……俺の純情を弄んだんだ! 絶対に許せない!)

 

その叫びにそれは答えた。

 

『よかろう。その怨み、確かに受け取った。ならば我に全てを捧げよ。さすれば貴様に強大な力を与えん!』

 

普通に考えれば明らかにおかしな交渉。どう考えても詐欺にしか思えない話だが、一誠は直ぐに飛びついた。

 

(あぁ、いいぜ! 俺の全部をくれてやるよ! だから寄越せ、その力を!)

『承知した』

 

その返答と共に、さっきまで死にかけていた一誠は覚醒する。

意識が一気に広がり、肉体の傷が瞬く間に修復されていく。

その光景を目の当たりにした夕麻は驚愕する。

当たり前だ。殺したはずのものがいきなり息を吹き返し、あまつさえその傷が修復されていくところを見たのだから。

 

「なっ、何でいきなりっ!? 確かに殺したはずなのに!」

 

戸惑う夕麻を尻目に、一誠はゆっくりと起き上がる。

まるでゾンビのように起き上がる一誠に、堕天使であるはずの彼女でさえ恐怖を感じてしまう。それぐらい不気味に一誠は映っていた。

一誠はそのまま夕麻に向かって歩き始める。ゆらりと幽鬼の如く近づいてくる一誠を見て夕麻は恐怖に駆られ、再び光の槍を作り出し一誠に向かって放った。

 

「もう一度死になさい!」

 

一誠に向かって放たれた槍はそのまま行けば再び一誠を串刺しにしただろう。だが………。

 

「イヤァーーーーーーーーーーーーーッ!!」

 

一誠の口から放たれたシャウトと共に放たれた手刀によって、その光の槍は粉砕された。

 

「何ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

目の前で起こった事実に再び驚愕する夕麻。

ただの人間が堕天使の光の槍を粉砕したことなど、これまでなかった。それが目の前で行われたのだ。驚くなと言う方が無理なのかも知れない。悪魔でも天使でもないただの人間が、である。

そしてその槍を粉砕したと共に、一誠の目に復讐の火が灯った。

顔をがっと上げるとその身は突如として赤黒いニンジャ装束に包まれ、顔も覆面に包まれた。いや、これは覆面ではない。『メンポ』と呼ばれる物だ。

その姿は誰がどう見てもニンジャであった。

その姿に夕麻は目を剝いた。

神器と呼ばれる特殊なものを持っているということは調べで知っていた。だが、少なくとも彼女が知る限り、このようなニンジャになるようなものではないはずなのだ。

そんな彼女にう向かって一誠は両手を合わせ、そしてお辞儀をした。

 

『ドーモ、アマノユウマ=サン。イッセー改め……ヴァイスイレイサー(悪を消す者)デス』

 

その礼と共に一誠は、もといヴァイスイレイサーは夕麻を睨み付けた。

 

「男の純情な恋心を弄び貴様は許されない悪だ。天に替わってこのヴァイスイレイサーが貴様をネギトロに変えてやる! 悪女、殺すべし!!」

「何を言っているのか分からないけど、今度こそ死になさい!」

 

彼が言っていることが理解出来ずに叫ぶ夕麻。

まぁ、誰だっていきなり挨拶されてからネギトロにしてやるなどと言われても、意味など理解出来ないだろう。

これ以上は付き合ってられないと夕麻は空へと飛び上がり、再び光の槍を生成。

それを一誠に向かって放った。

だが、その攻撃はもう通用しない。

 

「イヤァーーーーーッ!!!!」

 

シャウトと共に振るわれた手刀によって槍は粉微塵に粉砕され、粒子へと変わる。

そして彼は瞬時に間合いを詰め、夕麻の目の前へと瞬時に現れた。

 

「っ!?」

 

目の前に突如として現れた彼に夕麻は言葉を失う。

見えなかった。

堕天使の彼女の目をしても、彼の動きは一切見えなかったのだ。

そんな彼女に、彼は無慈悲に手刀を振るった。

 

「イヤァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 

その攻撃と共に千切れ飛んだ………彼女の両手と翼。

地面に落下するそれらを見て、彼女は激痛に襲われた。

 

「っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!?!?!?」

 

声にならない叫びを上げながら地面へと墜落していく彼女。

硬い地面に叩き着けられた彼女に、彼はすたりと着地する。

そして彼女を見下しつつ、冷酷に告げた。

 

「慈悲はない。ハイクを読め、アマノユウマ=サン」

「な、何がハイクよ………」

 

彼女が最後に口にした言葉はそれだけだった。

 

「イヤァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 

最後に気合いのこもったシャウトと共に放たれたカラテによって、彼女『天野夕麻』は確かに『ネギトロ』へと変貌したのだから。

 

 

 

 

 これ以降、この駒王町では度々彼の目撃例が後を絶えなくなったという。

そして、悪魔や天使、堕天使達はその存在に恐怖する事となった。

 

『ニンジャ』という存在に。

 

 

 




続きなんて考えていませんよ(笑) ただの息抜きですね。スランプ気味なので。

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