子狐幻想記   作:d.c.2隊長

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射命丸 文 承

 あれからあの青い妖怪と接触しようとすること早5日……私は一度たりともあの妖怪と話すことが出来ずにいた。

 

 接触すること自体は簡単だった。あの妖怪はどうやら人里によく来ているようなので、人里の中に居れば高い確率で出会うことができたから。しかし、そこからが問題だった。

 

 

 

 『ちょっとすみま』

 

 『氷狐ー、団子食べに行きましょ』

 

 『うー♪』

 

 『いや、あの……』

 

 

 

 という感じで博麗の巫女に見計らったように邪魔されたり。

 

 

 

 『今度こそ……ちょっとすみ』

 

 『氷狐!』

 

 『がはぁ!?』

 

 『う? えーり!』

 

 『ええ、えーりよ。今からお昼にするのだけれど、一緒にどうかしら?』

 

 『あーうー♪』

 

 『い……いったい何が……?』

 

 

 

 という感じで訳もわからないまま吹っ飛ばされて地面に倒れ伏したり。その時、私が遠くなる意識の中で最後に見たのは赤と青の左右非対称の奇抜な服でした。

 

 そのほかにも時に白黒の魔法使いに先を越され、時に賢者と共に買い物をしていたので近づくことすらできず、風見 幽香と一緒に歩いていた時は全力で逃げた。ていうかなんで幻想郷最強の一角である二人と仲良く歩いているのかあの妖怪は。

 

 とまあこんな感じで発見は出来ても話すことは出来ていないのが私の現状である。どう考えても邪魔されてるとしか思えない。しかし邪魔をしている相手が私よりも強いのでどうにもできない。白黒はすぐに巫女と接触するので近づこうにも近づけないし。

 

 今日も今日とて私は人里の入口の前に居る。今日こそはあの妖怪と……と思う反面今日も無理だろうな、という諦めの感情もある。

 

 「今日は誰に邪魔されるのやら……ハア……ん?」

 

 悲観してため息を1つ吐くと、不意に私のスカートの裾が誰かに引っ張られた。いったい誰だ……と鬱陶しく思いながらそちらに目を向けてみる。

 

 青い毛色の獣の耳と青い髪。お尻から生えているであろう同色の尻尾はゆらゆらと揺れており、私を見上げるその綺麗な青というよりは蒼と言うべき瞳。その瞳、はどこか心配そうに私の姿を映している。その姿は紛れもなく、私が会おうとしていた妖怪だった。

 

 「うー? あーう、あー?」

 

 「……えっと……」

 

 マズイ、何を言っているのか全く分からない。恐らく私のことを心配してくれているのだろう、という予想は出来るものの確証があるわけでもない。それに、こうもあっさりと接触できてしまったことに少し混乱してしまっているので言葉が出てこない。

 

 取材しようにも言葉が通じない、分からないのであればやりようもない。記事にしても「うーあー」ばかりになってしまう。

 

 「文様? こんなところで何をしているんですか?」

 

 「あや、椛じゃないですか」

 

 どうしようかと思っていた時、私の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。声のした方向に顔を向けてみれば、そこにいたのは私の予想通り、部下である犬走 椛の姿があった。

 

 白狼天狗であり、妖怪の山の巡回が仕事である椛が人里にいるなんて珍しい。というか、なぜこの部下は仕事もせずにこんなところにいるのかしら。

 

 「椛じゃないですか、じゃありません。なぜあなたがここにいるのですか。仕事してください」

 

 「失礼な、今から取材という名の仕事をしようとしていたところです」

 

 「それしかしてないでしょう。文様が必要な書類を提出していないと大天狗様がお怒りでしたよ」

 

 「私よりも弱い奴の言うことなど聞く耳持ちません♪ ところで、椛はなぜここに? あなたこそ仕事を……」

 

 「私は休憩時間です。今から氷狐と一緒に甘味を食べに行くので……行くよ氷狐」

 

 「うー♪」

 

 むう、椛が可愛くないです。昔はあんなに文様文様と私の後ろをついてきてくれたというのに……時間の流れは速いんですね。あんなにも生意気……もとい、成長しちゃって。

 

 という感じに私が感慨深く思っていると、不意に右手が引かれた。今度は何だと思って手の先を見てみると、犯人はあの妖怪だった。その妖怪は椛とも手を繋いでおり、楽しげにニッコリと笑って私たちの手を引いたまま歩き出した。

 

 「な、なんですか?」

 

 「うー♪ あーうー、うー♪」

 

 「文様も一緒に甘味処に行こう、と言っています」

 

 「あ、いいですね……ではなくて! 椛!」

 

 「はい」

 

 「あなた、この妖怪が何を言っているか分かるんですか!?」

 

 「はい」

 

 あっさりと頷かれてしまい、私は二の句を告げることができなくなった。半ば呆然としていると腕を強く引かれ、こけそうになるも何とか体勢を整えることに成功する。強く引いたのもやはりあの妖怪。早く行こうとばかりに少し不満そうな顔で私と椛の手を一生懸命引く姿は非常に微笑ましい。

 

 そんな妖怪を見た椛は私が見たことのないような優しい笑みを浮かべ、妖怪と並んで歩き出した。同時に私に顔を向け、早く行きましょうと視線で訴えかけてきた。目は口ほどにものを言うとはまさにこのことだと思う。

 

 渋々……というほどではないが少し納得がいかないまま一緒に歩いて行くとすぐに目的の甘味処に辿り着いた。椛と妖怪はすぐに私から離れ、あっという間に外に出ている椅子を陣取ってしまった。……妖怪の手が離れたことを少し寂しく思ったのは内緒です。

 

 「あら、子狐ちゃんに椛さん。いらっしゃい」

 

 「こんにちは。みたらし3つで」

 

 「うーあーうー」

 

 「はい、みたらし団子3つに3色団子とみたらし団子を1つずつね」

 

 「お願いします」

 

 「うー♪」

 

 なぜあの人間はあの妖怪の言っていることが分かるんですか!? しかも椛とも仲がよさそうです……というより椛が常連っぽいのはなぜでしょうか。もしや、休憩時間の合間にここに食べに来ているのでしょうか……だとすれば、最近中々椛と会えなかったのは椛が人里に来ていたから?

 

 てっきり椛は他の山の住人と同じく余所者に排他的だと思っていたんですが……違ったようですね。そうでなければわざわざ人里に来ることはないでしょうし。

 

 「あーうー」

 

 「文様、何をそんなところで突っ立っているんですか。団子、いらないんですか?」

 

 「いります!」

 

 慌てて妖怪の隣に座り、先の店員が来るのを待つ。人間の作る甘味は本当に美味しいので私も大好物だ。

 

 お品書きに目を通してみれば、なかなか種類が豊富である。みたらしと3色団子、黄粉餅に餡子餅にわらび餅、水羊羹に芋羊羹、栗金団、豆大福に苺大福なんてものまである。姿かたちを知っているのでどれもこれも美味しそうだ。昔に数回来たことがありますが、その時よりも品物が増えているのでどれにしようかと目移りしてしまう。

 

 「文様、みたらし団子がお勧めですよ」

 

 「そうですね……では私もみたらしに」

 

 「いえ、3色団子こそ至高だわ」

 

 「はえ?」

 

 聞き覚えのない声と感じたことのある妖気に間の抜けた声をだしてしまった。恐る恐る声のした方……上に顔を向けてみて、見なきゃよかったと酷く後悔した。

 

 白い服の上に羽織った赤い袖のない服に同じ色の赤いスカート……そして、鮮やかな緑色の髪と好戦的な笑み。どうみてもフラワーマスターの風見 幽香です。会いたくありませんでした。

 

 「幽香……あなたはまだそんなことを言っているんですか。みたらしの方が美味しいと何度言えば」

 

 「あなたこそ気付きなさい椛……3色の方が美味しいと」

 

 「みたらし4つと3色1つお待ちどう様です」

 

 って椛は何を風見 幽香と張り合っているんですかこの命知らずがああああ!? いくら人里の中では殺生を禁じられているとはいえ、彼女がそれを守るかどうかも分からないというのにいいいい!!

 

 しかも運の悪いことに店員さんまで来たし! 店員さん逃げて! 超逃げて! ってああもう混乱して何が何やら!

 

 「あら、幽香さん。3色団子ですか?」

 

 「ええ、3つでお願いね」

 

 「かしこまりましたー♪」

 

 なんでそんなにも仲良しこよしいいいい!? 思わずカメラで撮ってしまいました……人間とにこやかに会話する風見 幽香とか一体どういうことですか……実は偽物と言われた方が納得と理解ができますよ。

 

 しかし椛も店員さんも幽香と呼んでましたし……感じられる妖気の量から考えても風見 幽香本人であるのは疑いようのない事実。実は友好的な妖怪だったのでしょうか?

 

 「あなた……今何をしたのかしら? 言いようによっては……殺すわよ?」

 

 「ひいいい! すみませんすみません! ただカメラであなたを撮っただけです! あなたには何も影響も悪いこともないですから!」

 

 「カメラねえ……そういえば、あなたは誰なのかしら?」

 

 「あ、私はブン屋をやっている清く正しい射命丸です。これが私が書いている文々。新聞です」

 

 「ブン屋……ねえ」

 

 怯えながらも新聞を渡すことができた私を褒めてやりたい気分です。今渡した新聞は前に見た妖怪と人間が一緒に遊んでいたという現実を少し誇張して書いたもの。他の鴉天狗を驚愕させた逸品です。

 

 これを見せれば購読者も増えるはず……という私の予想は見事に裏切られ、購読者は全く増えていない。本当に、なぜ増えないのでしょう。

 

 「……あんまり面白くないわね」

 

 「え!? だっ、だってこんなこと今までありえなかったでしょう!? 妖怪と人間が一緒になって遊んだり笑っていたりするのは……」

 

 「今さっきありえたじゃない。私とあの店員が笑い合っていたでしょう」

 

 「あ……?」

 

 言われてみれば、と素直に思う。しかし、それはあくまでも店員とお客という形だからなのでは? とも思う。確かに信じられないことではあるが、確かな事実。

 

 でも、面白くないというのは納得できない。折角撮れたすくーぷで折角書いた記事だというのに、そんな言い方をされては不満に思うのも仕方ない。私にだって、ブン屋にだって、矜持というものはあるのだから。

 

 「……」

 

 「不満そうね。私を睨みつけるなんて、中々いい度胸してるじゃない」

 

 「別に……そういうわけでは……」

 

 「ま、面白くないなんて言われれば当然か……かといって正直に感想を述べたのにそんな表情をされては不愉快だわ」

 

 「ゆーか」

 

 どんどん不機嫌になっていく風見 幽香を前にして恐怖を感じていた私と彼女の前に現れた……というか間に入ってきたのは、あの青い妖怪だった。私のせいとはいえ不機嫌な彼女の前に出るとは、なんて命知らずなのだろうか。

 

 しかし、その行動はありがたい。彼女の怒りの矛先がこの妖怪に向いた瞬間にとんずらさせてもらおう。

 

 「なにかしら? 氷狐」

 

 「うーあーうー、めっ」

 

 右手の人差指を立てて何かをのたまう妖怪。いきなり何を言っているんだと思ってしまった私はおかしくないはず。

 

 同時に、あ、この妖怪死んだなと思った。いや、風見 幽香を知るものなら普通そう思いますって。加虐趣味で戦闘狂で情け容赦を知らない幻想郷最強の一角である風見 幽香を知る者なら。ほら、今まさに彼女が妖怪の頭に手を置いて握りつぶそうと……。

 

 「……そうね、こんなところで怒りを振りまくのは無粋だわ。ごめんなさいね、氷狐」

 

 「うー♪」

 

 握りつぶすどころか謝った上に笑いながら妖怪の頭を撫で始めましたよ彼女。誰ですかこの人、絶対風見 幽香じゃないですよ。ていうかあなたもこの妖怪が何を言っているのか分かるんですか。私は全く分からないのに。

 

 ハッ、これもかなりのすくーぷでは? いえ、かなりどころか最上級に位置するほどのすくーぷです。他の鴉天狗に記事にして見せれば再び驚愕の表情を見ることが出来るでしょう。このまま無事に帰ることが出来たらの話ですが。

 

 それにしても……この妖怪は何者でしょうか?

 

 博麗の巫女を筆頭に幻想郷の強者や重役と知り合いであり、大事にされているこの妖怪。人間と仲良く遊び、危険とされる妖怪を笑顔にさせる。私も気にはなっている。

 

 しかし、見るからに弱者であるこの妖怪にそれほどの価値があるのだろうか? 幻想郷の住人は皆自分勝手な部分があり、自分にとって利益がないのに仲良くするというのはいささか疑問だ。

 

 無償の愛……というものを否定はしませんが、幻想郷でそれはなかなかないでしょう。それが妖怪なら尚更。

 

 つまり、この妖怪と仲良くしている存在にとって、この妖怪は何かしらの利益を生んでくれるのだろう。その利益は何なのかまでは分からないけれど。

 

 この妖怪はよくすくーぷを作り出してくれるし、私も仲良くしておこうか……でも巫女たちが邪魔してきそうですね。

 

 「うー」

 

 「……? なんですか?」

 

 「あーうー」

 

 不意に、妖怪に声をかけられた。そちらに目を向けてみれば、そこにあったのは私に3色団子を差し出している妖怪の姿。先ほども考えたように、ここの甘味処で甘味を食べたのは大分昔になる。あの時に食べた3色団子は、いまでも鮮明に思い出せるほどに美味しかった。

 

 そんなことを考えていると、いつの間にか私の手には団子が握られていた。どうやら無意識のうちに妖怪から受け取っていたらしい。そのまま口に入れ、白の団子を1つ食べる。

 

 ああ、この味だ。妖怪の私にとってはそれほど昔ではないが、どうしようもなく懐かしく感じる。思えば、私がこの里にあまり来なくなってどれだけの時間が流れたのだろうか。

 

 少年が大人になるほどの時間……ざっと見積もって2、30年のいったところだろうか。なんだ、そんなに永くはないじゃないですか。しかし、懐かしいと感じるには十分な時間ですね。

 

 あの時お爺さん、お婆さんというべき見た目だった人間は、もうこの世には存在しないのだろう。人間の生は、ひどく短い。私を知る人間は数を減らし、私が知る人間は違う姿になっている。今まで気にも留めなかったのに、今になってそれを酷く寂しく感じてしまったのはなぜだろうか。

 

 ……なんてね、理由は至って簡単なこと。

 

 

 

 “また人里に来てしまった”から。

 

 

 

 私は、妖怪の中では知り合いや友人といった存在を大切にする方だと思う。だから、私の知らないうちに変わってしまった人間や亡くなってしまった人間を知ってしまって寂しいと感じてしまうのだと思う。人間を襲う妖怪にあるまじき事だとだとは思いますが、元は鴉である私はあまり人間を襲う必要はないのでさほど関係ない。

 

 そうだ、これを機にまた人里で文々。新聞の購読者を増やすために色んな人に話しかけてみようか。おしゃべりは好きだし、こうして甘味があるのだからたまに食べにくるのもいい。

 

 でも1人だと味気ないので、来る時には椛と一緒に来ましょうか。それに、ここに来れば……きっとこの妖怪もいる筈。

 

 この妖怪を見ていれば……一緒に居れば、きっとすくーぷには困らないだろう。その為には、この妖怪と仲良くなっておかないといけない……いえ、違いますね。

 

 「ねえ」

 

 「う?」

 

 私は、この妖怪と仲良くなりたいのです。ですから……。

 

 

 

 「私は射命丸 文って言うんです。あなたのお名前はなんですか?」

 

 

 

 まずは、自己紹介から。

 

 

 

 

 

 

 「今日でこの場所ともおさらば……か」

 

 「あーうー……寂しくなるねえ。早苗、本当にいいのかい?」

 

 「はい。私は、お2人の風祝《かぜはふり》ですから」

 

 遥か昔から建っている神社を見上げ、わたし達3人は周りの光景を目に焼き付ける。

 

 ビルやら家やらが立ち並び、この町はすっかり緑が少なくなってしまった。そのことを少し悲しく思う反面、今まで住んできた場所故にここから“消える”ことを少し寂しく思う。

 

 でも、それも仕方のないこと。これ以上この世界にいると、本当にわたし達は早苗を残して消えてしまうのだから。

 

 妖怪や神様はこの世界ではすっかり空想のものとされ、神を敬う人間なんて殆どいやしない。もう、この世界に神はいらないのだろう。

 

 雷や嵐、地震を神の怒りと恐れたのも今は昔の話。科学で全てを解決し、自然に恐怖しても神を恐れることなどなくなってしまった。事実、もう神に地震やら雷やらを起こす力は残っていないのだけれど。

 

 だからわたし達は行くのだ。失われた力を取り戻すために……消えないために……家族を独りにさせないために。

 

 「それにしても、あんたのそのあーだのうーだのの口癖、すっかり板についてきたね」

 

 「そりゃあ1500年以上も続けりゃあ板にもつくさ。この口癖は、わたしの大事な思い出だからね」

 

 「思い出……ですか? その口癖、昔からじゃなかったんですね」

 

 「ああ、これは……わたしの大事な人の口癖さ。今はどこで何してるのかなあ」

 

 「きっと“向こう”で元気にしてるさ。今頃、大好きなりんごでも食ってるんじゃないか?」

 

 「あはは、そうかもね」

 

 神奈子の言ったことが簡単に想像できてしまったので思わず笑ってしまう。そうだ、“向こう”に行けば、きっとあいつとも会えるんだ。いつの間にか居なくなっていた……あいつと。

 

 全く、なんで居なくなってしまったのか……と考え、どう考えても昔に行った戦い……今では“諏訪大戦”なんて呼ばれているもののせいだと気づいてしまった当初は思いっきり泣いたものだ。持ち物とかは何も持っていなかったから、居たという痕跡がなくて長い夢を見ていたんだと思った。でも、記憶は残っていたから……彼の存在を忘れないようにと願って“うーあー”を口癖にしたのだ。

 

 ねえ、お前はわたしのことを覚えてるかな? 本当に……“そっち”にいるのかな? もし居たなら……。

 

 

 

 また、一緒に居られるかな?

 

 

 

 「さあ、行こうか早苗」

 

 「はい」

 

 わたし達の残り少ない“神力”と早苗の能力を借り、目の前の神社ごとわたし達を違う世界へと移動させていく。

 

 そこは、妖怪と人間がいる世界。古き時代の色と匂いを残し、わたし達が消えずに済む楽園。

 

 目指すは“幻想郷”。願うは早苗と神奈子とわたし……3人が過ごす安寧の日々。ただ、この願い《オモイ》が叶う《カタチになる》のならば……彼とも、共に暮らせますように。

 

 「ところで神奈子様。諏訪子様の大事な人って誰ですか? 神様ですか?」

 

 「ん? いや、妖怪さ」

 

 「よ、妖怪!?」

 

 「そうだよ。私の大事な人は、青が特徴の子狐の妖怪」

 

 

 

 その能力故に、神に愛され……そして神を愛した妖怪さ。

 

 

 

 

 

 

 「見ましたか幽香。氷狐は3色を渡しましたよ。これは間違いなく、好きじゃない方を渡しましたね」

 

 「何を言っているのかしら椛。これは間違いなく、美味しい方を渡したに決まってるじゃない」

 

 「いいえ、好きじゃない方です」

 

 「美味しい方よ」

 

 「なんで椛はあんなにも真剣なんですか……たかが団子の好み」

 

 「「たかが団子の好み!? これはお互いの命をかけたまごうことなき聖戦! それをたかがなどと軽く見るなんて言語道断!! そこになおりなさい!!」」

 

 「ひい!? ごめんなさい!!」




何とか書き上げることが出来ましたので投稿します。

今回のお話も楽しんでいただけたら幸いです。

最後の文で分かるかと思いますが、次回は風神録となります。過去の話や細かい部分などの説明は入らない予定なので、気になった単語がありましたらwikiを見てくださいね。調べると面白いですよ?

明後日の30日の金曜日は役員面接。執筆同様にがんばりたいと思います。それでは、また次回!
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