12月21日は瑞希の誕生日。明久は瑞希へのプレゼントのために必死だが・・・。

瑞希の誕生日記念、明久×瑞希の要素しかほとんどない短編です。

もしかすると続きを書く可能性もあり。

1 / 1
お待たせしました。瑞希の誕生日特別短編です。


僕と姫路さんと大事な1日

今年の文月学園は、冬休みに入るタイミングが変だ。

 

なぜか終業式が12月18日、火曜日なのだ。

 

そして、今は12月15日、土曜日。僕はあるファミレスに向かっていた。

 

何か食べるためではなく、バイトをするためだ。

 

今、僕はどうしてもお金をためなければいけない。そこで、バイトを探していたのだが、意外とあっさり見つかった。

 

【ファミリーレストラン『にちりん』2日間(研修含め3日間)のアルバイト募集中!日程は12月15日午後:研修、16日:バイト初日、19日:バイト2日目】

 

明らかに文月学園の生徒を狙っているようなバイトを見つけたからだ。

 

ちなみに文月学園の日程は、15日は土曜日で午前授業、16日は日曜日で休み、17日は普通に授業をやって、18日の午前に終業式である。

 

これ、どう考えても狙っているとしか思えなかった。

 

でも、狙っているなら歓迎してくれるはずだと思い、申し込んだらOKだった。

 

今日は実際にバイトを始めるに当たっての研修だ。がんばろう。

 

 

 

姫路さんへの誕生日プレゼントのために。

 

 

 

 

「皆さん、今度の金曜日、私の家に来てください。」

 

月曜日、今度の金曜日に姫路さんの家に誘われた。その金曜日というのは日付を言うと12月21日、姫路さんの誕生日だ。

 

どうやらいつものメンバーで集まるらしい。

 

「うん、絶対行くよ。」

 

姫路さんにはそう返答しておいた。

 

それよりも、今すごく眠い。バイトってけっこうきついなぁ。

 

「大丈夫か明久、そんなんで当日行けないなんてことになるなよ。」

 

本当に、それだけは避けたい。でも、金欠状態である僕が姫路さんへのプレゼントを買うにはこうするしかないんだ。

 

姫路さんへのプレゼント、もうすでに何にするのかは決めている。

 

姫路さんってどうしてもウサギっていうイメージがあるから、ウサギの何かにしようといろいろ探していたところ、ウサギのポーチを見つけたのだった。

 

絶対手に入れてやる、そして、姫路さんにプレゼントする。そう決めたから、バイトだってがんばれる。

 

 

 

だから、今は寝かせてほしい。

 

もちろん鉄人に怒られた。

 

 

 

 

そして12月19日、水曜日。今日が終わればまとまったお金が手に入る。

 

「吉井君はかなりはりきってるね。失敗しないようにがんばってね。」

 

応援の言葉をもらったので、今日もがんばれそうだ。

 

 

 

 

しかし、こういう日に限ってアクシデントというものは起こる。

 

現在は12時10分、ちょうど1番混む時間だ。今日も例外ではなく、待ち客ができるほど混んでいた。

 

この店はけっこうな人気店らしく、バイト初日も相当混んでいて注文が殺到し、かなり疲れたのだった。

 

それでも、今日さえやれば姫路さんへのプレゼントが買えると思うとがんばれる。

 

僕は入口付近のテーブルの注文を聞き、メモを取ったあとのことだった。

 

「おい、そこの店員、5人だ。」

 

明らかにチンピラっぽい人が入ってきた。

 

おかしいな、別にチンピラ出入り禁止って訳じゃないけど、こんな人達並んでなかったような・・・。

 

「お客様、お越しの方は、ここに名前を書いて、列にお並びください。」

 

だから、並ぶように案内したのだった。

 

「アァン?せっかく来たのに入れねぇってのか?」

 

「ただいま満席ですので、列に並んでお待ちください。」

 

「ほぉ、俺を待たせるとは・・・ふざけた野郎だっ!」

 

「ガァッ!」

 

突然殴られた。頭をやられ、相当な怪我をした。

 

僕は一旦逃げ、店長に報告することにする。

 

「店長・・・。」

 

「あぁ、騒ぎでわかる。厄介なのが来た。俺が行くから、お前は待機していろ。」

 

僕はこことに留まり、店長が向かった。

 

 

 

 

店長がなんとかしてくれた後、僕は必死で頑張った。もし、僕が店を騒がせたのが原因でバイト代を減らされたら、そして姫路さんへの誕生日プレゼントを買えなかったら、と思うと今まで以上に必死にならなければいけなかった。

 

けっこう疲れたな。

 

 

 

 

結果として、なんとかウサギのポーチを買えるだけのお金はたまった。

 

今日は12月20日、木曜日。姫路さんの誕生日は明日だ。

 

僕は以前ウサギのポーチを見つけた店に向かった。

 

 

 

 

「えっ!?売り切れ!?」

 

そのポーチは売り切れていた。

 

そんな・・・。

 

これでは姫路さんへの誕生日プレゼントがない。

 

そういう訳にはいかないんだ。

 

僕の大好きな姫路さんだから・・・。

 

誕生日プレゼントをあげないなんて・・・。

 

いや、そんなことにはさせない。

 

僕が狙っていたウサギのポーチが、ここしかない訳じゃない。

 

きっと、他のどこかにもある!

 

外は雨が降り始めたが関係無い!

 

たとえ傘がなくても、行ってやるっ!!

 

 

 

 

現在時刻は19:00。結局、見つけることはできなかった。

 

どうすればいい?このままじゃ姫路さんへのプレゼントが・・・。

 

もうどうしようもない。姫路さんへのプレゼントは無しだ。

 

マイナス思考に歯止めがかからない。

 

もうこれ以上考えるのはもうやめにした。

 

明日までにどうにかしないといけないのに・・・。

 

 

 

 

翌日、僕は熱を出した。39.1°C。とても今は動けそうにない。

 

姫路さんの誕生日パーティーは女の子、特に葉月ちゃんの帰りが遅くなることを考慮してか、16:00に始まり、19:30くらいには終わるような時間にしたらしい。

 

その分僕に残された時間はないっていうのに・・・。

 

それでも、熱くらいは下げよう。夕方までに熱を下げて、姫路さんの誕生日パーティーに行くんだ!

 

プレゼントをあげられなくても、せめて好きな人の誕生日パーティーには行きたいから・・・。

 

熱なんて、下げてやるっ!!

 

そういうわけで、僕は眠りについた。

 

 

 

 

結論を言おう。熱は下がった。

 

 

 

ただし、時間は19:30。たぶんもうパーティーは終わっているだろう。

 

それでも、僕は姫路さんのところに行きたいと思った。

 

せめて、おめでとうくらいは言っておきたいと、そう思った。

 

気温は昨日よりさらに低い、僕の熱も下がったばかりで、完全復活とは言えない。

 

でも、僕が行きたいから、姫路さんのところに行きたいから、僕は行くことにした。

 

 

 

 

僕が姫路さんの家の呼び鈴を押した時には、ずいぶん驚かれたものだ。

 

そりゃ、姫路さんからしてみれば、僕は約束を破ったのに、今さら来ても遅かったのだろうか。

 

「あ、明久君・・・。」

 

それでも、僕を迎え入れてくれる姫路さんがすごく優しかった。

 

「姫路さん、誕生日おめでとう。」

 

 

 

 

「明久君、どうたんですか?」

 

「実は朝に熱出しちゃって、ついさっきやっと熱下げたばかりだったからね。」

 

「えっ、大丈夫なんですか?」

 

「僕は大丈夫だよ。それよりごめんね。姫路さんにプレゼントあげられなくて。」

 

わざわざ来たのにプレゼントがない。本当に、僕はなんのために来たんだろうな・・・。

 

 

 

 

「いいじゃないですか。」

 

「えっ?」

 

「もうプレゼントはいいんです。だって・・・。」

 

そして姫路さんは、今の僕達の状況を示すように言った。

 

 

 

 

 

 

「今、こうして2人きりでいるじゃないですか。」

 

突然、僕は今、姫路さんと2人きりでいることを意識してしまった。

 

「たとえプレゼントがなくても、熱を出してしまっても、時間に遅れてしまっても、明久君は私のところに来てくれたじゃないですか。私はそれが、1番嬉しいです。」

 

誕生日は、1人が1年に1日しかない『大事な1日』だ。

 

それを僕と一緒にいられて嬉しいなんてまるで姫路さんが・・・。

 

 

 

「どうしました明久君?」

 

「えっ!?あぁ、僕もつい、姫路さんと2人きりであることを考えちゃってね。僕だって今この時間を、すごく大切な時間だと思ってるよ。」

 

ヤバイ!そんなこと言って、もしかして僕が姫路さんを好きであることばれちゃったかな?

 

「これで明久君も嬉しいって言ってくれたので、さらに嬉しいです。」

 

一応ばれてはいない様子、だけど、僕は姫路さんが一緒にいられる分だけ、一緒にいようと思う。

 

だって、ばれても、そうでなくても、僕が姫路さんを好きであることは変わらないし、僕が一緒にいたいと思っていることだって変わらないのだから。

 

 

 

 

「明久君、雪降ってきましたよ!」

 

昨日より気温が低いからか、雨ではなく雪がふり始めた。

 

雨のようにすぐ落ちるのではなく、ふわふわとゆっくり落ちていく雪の姿は、僕達が2人きりであるということをより強調させるものとなった。

 

「明久君・・・。」

 

寄り添って来る姫路さんを、僕は無意識に受け止めてあげることができた。

 

もしかして、姫路さんも・・・。という淡い希望を抱きながら。




21:00よりチャットやります。ぜひ来てください。

さらに、この話には続きの構想があります。ある程度の人気と作者のやる気と時間的余裕があれば書きます。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。