もう、ボク、言い訳、しない。
ええ白状しますとも。旅行の疲れでベットから動けなかったり模試があったりとしましたんです投稿できずに申し訳ございませんでした!!!!!
その代わり今回は少し文字数多いから許してちょんまげ。誠意が感じられないィ!?そこは脳内補完するんだよあくするんだよ。
け、決して黒猫のウィズやってたりグダグタオーダーまだかなー、なんてことはなかったんだからね!勘違いしないでよね、フン!!!!
「いや、今日は助かった。必ず礼はする、何かあったら遠慮なく言ってくれ」
「そうだな、何かあったら頼らせてくれ。まぁ、そんなことはないと思うが」
毎回律儀に礼を言ってくる親友の申し出を丁重に躱す。
別に礼や見返りが欲しいわけじゃない、ただの友達のよしみというやつだ。
「……ふむ、お前はちと人が良すぎる気がするぞ」
「ちゃんと相手は選んでるから大丈夫さ。オレもそんなに節操なしじゃない」
あの頃とは違いなりふり構わず、といった人助けはもうあまりしてはいない。最初はこの手伝いもは拒もうか、と考えたほどだった。
前にあの小僧にも言ったように、一人を救ってしまうとそこから視野は広がってしまう。
1人の次は10人、100人の次は1000人、その次はーーーーさて何人だったか。
そうやって加速度的に増えていく人々を、オレはついぞ守りきることが出来なかったのを知っている。
あの人を助けたから、今度はあの人も助けよう、ということがどれほど愚かなことか痛いほど理解している。
だからこそ、今では穂群原のブラウニーや偽用用務員、ばかスパナなどという大変不名誉な渾名も付けられてはいないし、手伝いをするのも本当に偶にだけだ。
というか本当に失礼な呼び名だな。
と、そう思っているのだがどうやらこの友人はオレのことを心配してくれているらしい。
そういうところも昔と変わってはいないんだな、と心の中で苦笑する。
「あんまり心配するようなことじゃないさ。それに自分のことは自分が一番よくわかってる」
「……そうか。衛宮がそう言うのならもう心配はしないでおこう」
「あぁ、そうするといい。それじゃまた明日」
「うむ、それではまた明日学校でな」
少し憑き物の取れたような顔をして一成は去っていった。
一成の家である柳堂寺は、この十字路からお山に向かわなければいけない。というわけで、帰り道は別々だ。
今一成と別れたこの十字路は、冬木市の主要な地区に繋がっている。
オフィスビルが建ち並ぶ新都にも繋がっているし、間桐の家がある西洋建築物が多い住宅街にも歩いていける。
無論オレが住む武家屋敷にも近いし店が立ち並ぶマウント深山にも気軽に行けるというなかなか便利な場所だ。
さてオレも帰ろうとして、ふと意識を住宅街の方に向けた。
目を向けた方にはポツポツと星のように光る家々の営みの光。
その中には当然、以前オレが住んでいた家もあるのだろう。
「………イリヤは、元気にしているだろうか…」
そんなことをボソリと呟いた。
最近イリヤとは滅多に顔を合わせなくなってしまった。前にも言った通り、オレはイリヤを避けているしイリヤも俺を避けている節がある。
帰る時刻をわざと遅らせたり、初等部の方を通らないようにするのもイリヤに余計な気苦労をかけさせたくないからしているものだ。
だが、それはイリヤのことを気にかけていないのではない。
これは今年のことだが、一成が生徒会室で昼食を食べているときに愚痴を漏らしたことがあった。
『これはこの前のことなんだがな、衛宮は知っているかはわからないが遠坂凛という古い馴染みが突然ロンドンに留学をすると言って日本を出て行ってしまったんだ。その為俺はこれから先生たちと書類整理だ、まったく何を考えているのやら………。あ、衛宮その唐揚げをくれないか?』
眉を寄せて如何にも不機嫌ですと言わんばかりの一成に聞くのも躊躇われたが、ロンドンへの留学と聞いて少しばかり思い当たるところがあったので、詳しい学校名を聞いてみたところ学校名が書かれた書類を見せられたが、
『あの女狐めがいくにはどうにも不自然な学校でな、まったく名前が心当たりがないのだ』
言うには『派手さと知名度が足りない』とのことだったので調べてみると、やはりと言ってはなんだが書類に書いてあるような学校など存在はしなかった。
魔術師最高峰の学問所、ロンドンの時計塔。
そこに留学したとみて間違いはないだろう。以前オレが遠坂に連れられていった時も偽の学校名をカモフラージュとして使った覚えがある。
そのときカモフラージュとして使った学校名が、書類に書かれているような名前だったのだ。
時計塔のことを思い出して、少しばかり真冬のテムズ川の寒さが肌を這う。
それはともかく、この冬木には
今では腹黒シスターが代わりにその任をしてくれているらしいが。近いうちに近事報告でも聞きに行こうか。
セカンドオーナーの不在などで、少しばかり心配になったオレは、前に聖杯戦争を引き起こす元凶となっていた柳堂寺の裏手にある地下洞窟に存在する大聖杯の様子を見に行こうとしたことがあった。
だが、生前地下洞窟の入り口となっていた細い入り口は岩の崩落により塞がっており、結局中に入ることはできなかった。
十中八九、切嗣の仕業と見るのが妥当だろう。
だがもしも。
大聖杯が機能停止になっているだけであり、破壊されていないとしたらーーーー。
第5次聖杯戦争が、この冬木でまた起こるハメになる。
そうなればやっと夢にまで見た、当たり前の幸福を手に入れた少女がまた死ぬことになる。
それだけは阻止しなければならない。
ーーーーオレが奪ってしまった
例え、世界と天秤にかけたとしても。きっとーーーーーー。
瞬間、大気が大きく震えた。
「ーーーーーーッ!?」
思考の海に沈んでいた意識を急浮上させ、コンマ秒前の異常に向ける。
再三に渡り空気を揺らす衝撃波。常人には感じられないこのぶつかり合いは………魔力の衝突による振動だろうか?
だが今この町に魔術師などオレとあのシスターしかいない。ということはーーーー
「聖杯でも盗りにきたのか、
外来の魔術師以外ありえない。それも聖杯戦争の噂を嗅ぎつけてやってきたタチの悪いハイエナ共だろう。
普段日本のことを極東だの島国だの散々揶揄しておいてこういう時だけは、手のひらを返すのだから随分と都合のいい連中だと、憎々しげに毒を吐いて、衝突源を探知する。
「ーーーー河川敷、未遠川のあたりか」
未遠川とは、この冬木市を中央で深山町と新都に分割する細長い河の名称だ。
……ふむ、幸いにもここから河川敷まではあの海浜公園を通れば最短5分もかからない。
交渉で『この地の聖杯はもう機能していない』と言って帰ってもらえればそれに越したことないのだが、わざわざこんな遠い地にくるのであればそこまで物分りがいい、という希望的観測は捨て置いていた方がいいだろう。
最悪魔術戦になることもあるだろうが、その場合は話し合いよりもやりやすい。
敵を一矢の元に葬り去る。
ーーーー本当に。こんな異国の地ですら手を取り合うことすらできない協調性のない人間だから魔術師などやっているのだろうな。
最早息をするように自然と成功した強化の魔術を足に叩き込んで、河川敷へと疾走した。
☆★☆
その頃、未遠川上空ーーーーーー。
いつもならば闇の中にポツリと浮かぶ月が静けさ漂わせる水面に映っている時間帯。
だが今日ばかりは勝手が違った。
静寂を保っていた水面は荒々しく波紋を残し、激震する空気に恐れ慄いている。
そして、普段白で彩られた星の緞帳は赤と青の光が入り乱れる非現実的な光景を写していた。
空を見上げると、赤と青の光がまるでダンスを踊っているかのように夜空を右へ左へ入り乱れている。
赤の光は右手にステッキを持ち、赤を基調とする奇怪な格好をした猫耳を生やした黒髪の少女。
対して青の光は、その格好を赤から青に染め直したような狐耳を生やした金髪の少女。
どちらも魔術の秘匿などいざ知らず、怒りで我を忘れて目を血走らせながら魔力弾をお互いに向けて発射していた。
その片方、遠坂凛は歯を憎々しげに食いしばりながら自身の怨敵とも言える相手に魔力弾を放っていた。
「だぁーーーーーーーッッッ!!!
なんで攻撃してくんのよコイツは!共同任務ってこと忘れてんじゃないの!?」
常に余裕を持って優雅たれ。
そんな遠坂家代々伝わる家訓が、音を立てて崩れ落ちるような絶叫を上げて空を飛び交う魔力弾をよけ回る。
その格好は、平行世界の凛が見たら噴死しかねないようなこっ恥ずかしいコスプレ衣装。
そんな格好をしながら、その手にある対象年齢5~10歳程度のプラスチック玩具に見えるステッキを振り回し魔力弾をうち放つ。
『まったく困ったチャンですねー、結構な本気弾ですよアレ』
「そう思うならどうにかしなさいよルビー!!」
ルビーと呼ばれたステッキはリングの縁についてある羽をヤレヤレ、と肩をすくめるように縮めさせると、ですがねと続けた。
『アレはもう完全にイっちゃってますよ。言うなればキメちゃってますね、アドレナリン出まくりですよ』
そう言ってカラカラと笑うルビーにそんなこと言ってる場合か!、とツッコミつつ前方に目を向けた。
「ホーーーーッホッホッホッホ!!
こんな任務私ひとりでどうとでもなりますわ!貴女さえいなくなれば全て丸く収まるんですのよ!」
視線の先には高笑いしながら凛に次々と魔力弾を放つ金髪縦ロールの少女がいた。
勿論こちらも類に漏れずコスプレしている、当の本人は凛とは違いそれを恥じてはいなさそうだが。
『マスターは所謂人でなしと評します』
「黙りなさいサファイア!」
その手に持つのは、ルビーと呼ばれたステッキと酷似したモノ。
違う点を列挙するならば、基調が青だったり縁に付属する羽が少し違ったりすることだろうか。
この少女、名をルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト。魔術師の粋を集めた時計塔の今代主席候補の一人である。
もう一人は遠坂凛であり、その事からルヴィアは日頃から凛をライバル視している傾向がある。
しかし勝負する前からある数点では既に決着がついていることは今気にするべきことではないだろう。
「くっ、よくチョコマカと逃げ回りますわね、なら!」
自身の魔力弾が当たらないことに業を煮やしたのか、ルヴィアはサファイアと呼んだステッキを振り上げて魔力を充填させる。
不味い、と凛が危機感を覚えた瞬間にはもう遅かった。
魔力の充填は一瞬で終了し、既にルヴィアは発射態勢だ。
「私の輝かしい未来のためにーーーー」
そして、
「ここで散りなさい!遠坂凛!!」
極大の魔力砲を凛に向けて容赦なく解き放った。
「だーーーーッ!?!?ルビー!障壁張って障壁ーーー!?!?」
『常に張ってありますよー、けどーーーー』
ルビーに障壁を張れとステッキを振り回すが、帰ってきたのは無情の一言。
悪あがき程度に回避運動を取るも虚しく、避けた範囲ごと魔力の奔流が凛を飲み込んだ。
そして直撃の衝撃で発生した煙が晴れた先にはーーーー
『ここまで強力な魔力砲だと、ちょーと相殺しきれませんねー』
額に青筋を浮かべて憤怒を顔に貼り付けた凛がいた。
一応障壁が発動したのか、重症という怪我は負っていないようだが服はボロボロ、身体中煤と擦り傷、軽いやけどが見受けられる。
『まぁ
「いや、治るとかそういう問題じゃなくて。
痛い。
とても痛い」
傍から見るとみすぼらしくも見える凛のその格好に、ルヴィアは笑いを堪え切れなくなり思わず嘲笑がこぼれた。
「まったく、害虫のようにしぶとい女ですこと…。とっとと消えてもらえませんこと?」
その一言で、凛のナニカがキレた。
プルプルと怒りで身体を震わせる凛。その手は胸のカードホルスターに伸ばされている。
「ーーーーそう、あんたの気持ちはよーーーーーくわかったわ。そっちがその気ならーーーー」
『あれ?凛さん?』
そんな凛の様子を怪訝に思ったのか、ルビーが己が主人に話しかけるも悲しいかな、その声は凛の耳には全く届いてはいなかった。
「ーーーーこの場で引導を渡してあげるわ!!!」
ホルスターに仕舞われていた一枚の
カードに描かれていたのは中世の騎士のような格好をし、弓に矢をつがえている男の姿。
その下には英語で『
そのカードを見ると、ルヴィアは驚愕の声を漏らした。
「ーーーーッ!!クラスカードを抜きましたわね…!ならばこちらも………」
凛に対抗するようにルヴィアも懐からカードを取り出す。
此方はつば帽子を目深に被り、槍を持った男が描かれた『
そして両者ともカードを互いのステッキに近づけ、
「手加減はしませんわよ!クラスカード『ランサー』!」
「こっちの台詞よ!クラスカード『アーチャー』!」
「「
なにも、起こらなかった。
「「………………………あれ?」」
一瞬、呆然とする二人。だがすぐに我にかえり、クラスカードと呼ばれたモノをステッキに叩きつけた。
「ちよっとルビー?インクルードよ!インクルード!なんで反応しないのよ!?」
「どうしましたのサファイア!?」
自身のステッキを糾弾する二人。
そんな二人を見るに見かねたようにルビーはやれやれ、とため息をついた。
『やれやれですねー、もうお二人には付き合いきれません』
「「ハァ!?」」
声を重ねて驚く二人を置き去りに、ルビーは言葉を進める。
『大師父がをお二人に貸し与えたのはケンカに使わせるため
だというのにこの魔法の力を私闘に使うなんて本末転倒もいいところですねー』
「ぐっ……!ベラベラと正論を…!」
『ルビー姉さんの言う通りです』
「サファイア!?」
貴女まで!?と言いたげなルヴィアの目線をあえて無視して、サファイアは話を続ける。
『大師父のご命令でルヴィア様が私のマスターとなってまだ数日ですが、任務を無視したその傍若無人な振る舞い。恐れながらルヴィア様はマスターには相応しくないと判断しました』
そこで一旦言葉を区切り、
『『ですので、誠に勝手ながら……暫くの間、お暇を取らせていただきます!』』
二つのステッキは、自分の
「待てやコラァ!ステッキの分際で主人に逆らう気!?」
『もっと私たちに相応しいマスターを探してきますよー』
『失礼します"元"マスター』
ガーッ、と怒髪天付く勢いで顔を真っ赤にして怒る凛だが、生憎ルビーには哀れな負け犬の遠吠えとしか聞こえなかったようで飄々とした態度で受け流した。
サファイアに至ってはさりげなく元、などとつけている。
両者共ホトホト愛想が尽きた、といった様子だ。
ヒュー、とまるで風に乗るように飛んで行こうとするルビーが気付いたかのように、置いてけぼりにされている凛とルヴィアに声をかけた。
『あー、それと凛さんルヴィアさん。
もう転身も解いておきましたので、早くなんとかしないとそのまま落下しますよー』
「「………へ?」」
瞬間、強力な浮遊感が二人を襲った。
重力。
それは全人類、いや全物質が受ける共通の力であり、それは魔術師とて例外ではないのだ。
「だぁぁぁぁーーーッ!?落ちるーーーーーッ!?」
「おのれ許しませんわよサファイアーーーーッ!?」
『アハハー、それではこきげんよー』
真下の未遠川に落下する二人の断末魔をBGMに、二つのステッキは空に飛び去っていった。
★☆★
そして、そんな一部始終を遠くから眺めていた者が一人。
言うまでもなく、エミヤシロウその人であった。
「……………何をしているんだあの二人は」
最早呆れて声も出ない、と言いたげにこめかみを抑えてため息をつく。
元からあの二人が絶望的に仲が悪いのは時計塔時代から知ってはいたが、この平行世界までその関係が続いていたとは……。
ハァ、と今日何度目になるかわからないため息。
とりあえず遠坂とルヴィアが来ている、ということがわかっただけでも今日はここに赴いた意味があっただろう。魔術師の闘争よりよっぽど良心的だ、と自身に言い聞かせてアーチャーは今度こそ帰路に着いた。
しかしこの男。いくら重力軽減魔術などがあるからといって、二人の心配を全くと言っていいほどしていないのは薄情ではないだろうか。
それともこれが慣れなのだろうか、判別が難しいところである。
「………………」
ステッキが飛び去った方向に目を向ける。
その先にあるのは住宅街。ちょうどイリヤの家がある周辺だ。
「…………嫌な予感がする」
そう呟いてから、その不安を掻き消すように頭を振って帰り道を急いだ。
ーーーーーーーこれが、すべての始まり。
はいとりあえずこれで終わりです、いやー肩凝った。
次回はイリヤ視点からを予定しております。今後ともこの稚拙な文章にお付き合いくだされば幸いです。
p.s
ところで、皆さん今期アニメなに見ます?とりあえずプリヤヘルツは確定ですよね、見ないとかいう異教徒はいませんね?
後はなんでしょう。GATEもなかなか面白いですね、一話の掴みはOKのような気がします。
シャーロットもいいですね、一話はかなり面白かったと思います。皆さんはどうでしょう、お腹を抱えて残念ルルーシュワロタwwwとか笑いませんでした?え、笑ってない?そりゃ失敬。
あとはゴットイーターですかね、これは少し心配です。ufo得意の作画と戦闘描写が魅せれる作品と思ったのですが一話延期から妙な不安が流れますね、とても怖い。
そしてラスボスがっこうびより。これは見たほうがいいと思います。趣味嗜好はともかく一回見るとハマると思いますね、とんだOP詐欺だぜ!!!!
ニコ動で見る場合は米を消しましょう。
それではまた次回お会いしましょう。グッナイッ!