オバケパニック!私が大変身!?
「ほら。索敵が甘いよ。」
「はい!」
「今度はスピードが落ちてる。的になるよ?」
「っぐ!はい!!」
「いい調子。でも撃墜。」
「はい…はっ!?」
汗だくで走りまわっていたあたしの頭上から光の柱が降り注いだ。
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・・・・・・・
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・・・
・・
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まぶしい…冷たい地面の感覚が気持ちいい…地面!?
「っは!?」
「大丈夫?」
「た、高町教官・・・」
「ごめんね…ちょっと力が入りすぎちゃった。頑張ってる子を見てると答えて挙げたくて…」
「いえ!高町教官!あたしもすぐ熱くなっちゃって…」
「でもすごいね。ヨシコちゃん、でもまだランクはもらえてないんだよね・・・?」
「あはは・・・仕方ないですよ・・・じつりょくを発揮出来ないあたしが悪いんです・・・」
自己紹介が遅れました。あたしは結目芳子。14才。出身世界は第97管理外世界。自分の住む永友町から海鳴市へ遊びに行ったとき喫茶店でご飯食べてたら・・・ロストロギア?の暴走に巻き込まれちゃった・・・
そんなところを高町なのはさんが助けてくれたの!
自分の住む世界以外に世界があって・・・それだけじゃなくて魔法もあってあたしも使えるなんて夢みたい!でも漫画みたいにはいかなくて…絶賛なのはさんと訓練中。これがもー大変!!あたしの魔力は普通じゃないらしく魔法を使うのはすごく体力勝負。
メルヘンなものだ思ったら大分スポ根だったよ・・・
「それじゃあ帰ろうか。今日はフェイトちゃん帰ってくるって。」
「はい!」
このミッドチルダではあたしはなのはさんのお宅にお世話になっている。驚きなのはなのはさん、子持ち。ヴィヴィオちゃんっていうとっても可愛い娘さん!どうやらなにやらいろいろ事情があるらしく…まぁそういうの聞くのは野暮だよね。もう一人のママさんのフェイトさんもとっても美人だった。いろいろ出るとこ出ていて…あたしも将来は!
「ヨシコちゃん。立てる?」
「あ、大丈夫…」
(うらめしぃ…)
「!!?」
なに…いまの?嫌な感じ、背骨につららを突っ込まれたみたいな…
「ヨシコちゃん?」
「あ、なんでもないです!お腹すきました!」
「うん!フェイトちゃんが作るって言ってたから期待しといて!」
「えへへ…」
「・・・。」
なんだったんだろう…さっきのは。よくわからないけどすごく怖かった…
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「うわあああああ!!!」
「いひっ…いひひひひ!!!」
「や、やめろ!許して!許してくれ!!」
クラナガンのどこか・・・薄暗い路地裏で男が追い詰められている
「いひひひひ…」
「ひぃぃぃぃ!!」
男の前にいる女は緑と赤の柄の着物を着ていて…首が異様な程長かった。首の先にある頭には顔がなく、髪を振り乱しながら狂ったように笑っている。
「おい、程ほどにしておけよ。」
「ワレラ…使命…ワスレルナ…」
「いーひっひっひ…わかってるよぉ」
「あなたは…いつもそれ…」
着物の女の近くにふよふよと燃え盛る車輪と白い装束で頭に天冠付けた薄く透けた女が寄ってくる。その後ろに5mはあろうか牛の頭を持つ巨人が現れた。
「ひぇっ…ひ…ひぃいいああああああああ!!!!!」
「いひひ…うるさいねぇ…すぐ終わるから黙っておれぇ…」
「な、なんだお前ら!何が目的なんだ!金なら出す!だから見逃してくれ!!頼む。娘が…娘が帰りを…」
着物の女が自分の首を男に巻き付け押さえると懐から不気味な木の面を取りだし男に被せた。
「おごっ!?う…うぎぎぎきギギギィィィィ!!!!」
面を被せられた男がボコボコと変形し、変貌する。
「いーひっひっひ!!!お行きウラメシーナ!ヨウカイの世を取り戻すのよ!!!」
「ウラメシヤァァァァァァ!!!!」
男は面を被り金棒を持った赤黒い肌の巨大な鬼に変貌した。
「人間共に・・・思い出させる…」
「ワレラ…スグチカクニ…イルコト…」
「いーひっひっひ!!!怖い怖いよ!!」
「三大妖怪さえ蘇ればこっちのものさ…」
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・・・・
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「ヨシコー!おかえりー!」
「ヴィヴィオ!今日はストライクアーツの練習おやすみ?」
「うん。ノーヴェが急にお仕事入ったって…」
「そっかー。あ、フェイトさんは?」
「今ごはん作ってる!」
「今日の晩御飯なんだろうねー」
「えっとね。確かボルシチ…?だとかなんとか。」
・・・ぞわり
「!!?」
背中に何か不気味なものを感じて振り替える・・・うう気味悪いなぁ…ミッドチルダでもオバケとかいるのかな…
「ヨシコ?」
「え?ああなんでもないよ。ご飯作るの手伝いに行こうか?」
「おっけー!」
二人でキッチンに向かおうとするとフェイトさんがエプロンをつけたまま険しい顔で出てきた…うひゃーなんかヤバイ事件でも起きたのかな…
「あ…二人ともごめん…仕事が入っちゃって…たぶんなのはも出ると思うからご飯は二人で食べて。」
「なのはママも?」
「もしかしてテロ…とか…はは」
「!」
フェイトさん固まっちゃった…わかりやすいなぁ・・・
「うん…そう。テレビで情報確認しながら家にいてね。絶対に出ちゃダメだよ!わかった?」
「わかりました!」
「はーい!」
あたしもそうだがヴィヴィオも実は前衛向きの魔導師ではないのだ。ストライクアーツは強いんだけどね
フェイトさんが玄関から飛び出していく。そのときチラッとだけどバリアジャケットを着たなのはさんが見えた。
「とりあえず…ごはんたべちゃおう。ヴィヴィオテレビ着けてー。」
「はーい。」
キッチンにはいいにおいが立ち込めていてお皿にボルシチをよそって…ああーいいにおいー
「うわぁ…なにあれ・・・」
「どったのー?それなんの映画?」
テレビには色とりどりの光線をものともせず町を破壊する鬼が写っている。
《ご覧ください!陸士隊と航空隊の決死の攻撃ですが怪物はびくともしません!ああ!航空魔導師の一人が捕まってしまいました!》
「なんだこれ…」
「あ、ママ達だ。」
ピンクも黄色の光が飛んで行って…なのはさんのディバインバスターが出た!
「流石だねーもう終わったかな?」
「終わってないリル。」
「「へ?」」
誰だ今の。ヴィヴィオ?あれ?ヴィヴィオじゃない?
「ヨシコ、こっちだリル。」
こっち?リュック背負った犬みたいなぬいぐるみがふんぞり返ってる…なんだこれ…
「うわぁー!ヨシコ見て!ぬいぐるみがしゃべってる!ヨシコのデバイス?」
「い、いやあたしデバイス持ってないし・・・」
「マクリルはぬいぐるみじゃ…まぁいいリル。ヨシコ、君にお願いがあるリル。」
犬のぬいぐるみがふわりと浮かんで顔の前に・・・キター!?
「マクリルの名前はマクリルって言うリル。よろしくヨシコ。」
「へ、あぁうん。よろ、しく?」
「ヴィヴィオって言います。はじめまして・・・」
「うむ。ヴィヴィオもよろしくリル。」
「時間が無いから簡単に説明するリル。マクリルはメグメルというこの人間界とは別な世界から来たリル。マクリルはそのメグメルで常夜の住人を見張る仕事をしているリル。」
「はぁ…」
「そして、この人間界で悪意ある魔の力が溢れるのを観測したリル。それがあれリル。」
マクリルが指差したのはテレビに映る鬼。ウラメシヤーーー!と叫びながら暴れている。
「あ、あれ!?」
「あれを倒すのにヨシコの力を貸して欲しいリル。」
「えぇ!?無理無理無理!!だめだよぉ!あたし魔導士ランクの試験も落ちてばっかでダメダメだから・・・役には立てないよ・・・」
「それなら私が行く!!!私の方が戦い慣れてるよ!」
「ヴィヴィオじゃダメリル。魔力の影響が強すぎるリル。」
「どうして!?」
「この人間界でいう魔力は、魔の力なんだリル。だから同じ魔の力の塊であるウラメシーナには勝てないリル。」
「ウラメシーナ…ってあの怪物のこと?」
「そうリル。あれを…あいつらを倒すには光の力に溢れる伝説の戦士プリキュアじゃないと倒せないリル。頼むヨシコ!プリキュアになれる可能性があるのはヨシコだけリル!」
「あ、あたししか…」
「このままだとこの人間界は悪意ある魔の力に蹂躙されてしまうリル…豊かなこの世界に常夜の住人を跋扈させるわけには行かないリル…ヨシコ…お願いリル…!」
「ヨシコ…」
「で、でもフェイトさんに家にいろって…言われたし?それにあたしは飛べないし足手まといになるだけだよ…」
「ヨシコッ!!!」
「ッ!」
ヴィヴィオが立ち上がってあたしを睨む。いつもの顔とは違い、何か風格がある真剣な顔だった。
「あのねヨシコ…なのはママが言ってたよ。困っている人がいて、助けてあげられる力が自分にあるなら、
そのときは迷っちゃいけないって・・・言い付けを守らなかったらすごく怒られると思う。ここで行かなかったら怒られないけどすごく後悔する!」
「ヴィヴィオ…」
「大丈夫!ママ達にはちゃんとお家にいたって言うから!」
「ヴィヴィオ…」
《大変です!陸士隊の防衛戦を怪物が突破しました!!住宅街までさほど距離がありません!管理局は巡洋艦の使用を決定したようです!》
「マクリル…後であたしより強い人が出てきても途中で変わったりしないんだからね!あたしの決意は固結びで絶対ほどけないんだから!!」
「ヨシコ…ありがとうリル!」
「ヴィヴィオ!あたし行ってくる!!」
「うん…気を付けてね。」
ヴィヴィオ…あたしちゃんと帰ってくるからそんな悲しそうな顔しないでね。
「あ!ボルシチ全部食べないでね!」
「わ、私そんなに食いしん坊じゃないよ!」
あたしはコートを取ってマクリルを抱え玄関から飛び出した。
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「くっ…全然効いてない…!!」
「なのは!危ない!」
フェイトがなのはを抱えて振り回される金棒を避ける。
「フェイトちゃんありがとう!」
「陸士隊は壊滅したって…アイツはいったいなんなんだ。どこかの実験施設から逃げたの…?」
『違うで。』
「はやて!」
フェイトとなのはの前に空間モニターが浮かび、焦燥しきった顔のはやてから通信が届く。
『目撃証言やと突然出現したらしいで。転移魔法の痕跡も無し。ものの見事に突然出現しおったんや。』
「あれだけの質量のあるものをどこに…」
「とにかく!このままだと住宅区に入っちゃう!ダメージが通らないなら足止めだけでもしなくちゃ!」
「ウラメシヤアアアアア!!!」
「きゃあっ」
鬼の金棒が二人のすぐ前を通りすぎて空間モニターを砕く。すぐさま体勢を立て直した二人は残りの局員に指示をだす。
「みんな聞いて!防衛線が突破された今このままだとクラナガンの被害が増えるばかりで住宅区にも被害が出かねない!バインドで動きを止めます!!」
指示が飛ぶと直ぐ様様々な箇所からバインドが伸び怪物を縛って行く。
「ウラメシヤーーー!?」
「よし!動きは止められる…でもこれからどうしよう…」
「私が!このまま砲撃で港まで吹き飛ばす!」
「で、出来るの!?」
『やってもらうしかあらへんな。』
再び空間モニターが現れはやてから指示が届く。
『なのはちゃん、こっちで管制するから余計なこと考えずに遠慮なくぶっぱなしてええで。全力全開や。』
「わかった!行くよレイジングハート!!」
《All right.》
「カートリッジロード!!」
《cartridge load.》
煙を吹き出しながらカートリッジを3発ロードする。
ピンク色の魔力が収束されている。
「アンカー接地!」
なのはが地面に足を付けると腰と足首からバインドが射出され体が固定される。
「はやてちゃん!」
『角度修正…風向き…重力計算…おっけーや!!レイジングハート!』
《complete.》
「みんな対ショック防御!」
「「「「了解」」」」
「ディバインバスター!」
《Divine Buster Extension》
地響きと共に光の奔流がレイジングハートから放出され怪物をバインドごと根こそぎ吹っ飛ばす。
「ウラ!?ウラメシヤァァァァァァァァァ!!!」
『ええで!なのはちゃん!計算通りぶっ飛んでくれとる!』
「それはいいけど…これは…」
なのはの周辺は砲撃の衝撃波で道路は砕け、ビルの窓は吹き飛ばされ、車は大破して転がっている。
しばらくすると怪物が落下したのであろう轟音が聞こえてきた。
「私は飛んだ向こうを見てくる!」
「お願い!」
フェイトが港の方へ吹き飛んだ怪物を追おうと魔法を使おうとしたその時。
『待った!フェイトちゃん!』
怪物が 落下した場所で光の柱が上がる
「こ、今度はなに!?」
『わからん…魔力とは違う高エネルギー反応…まさかあの怪物が…!?』
「・・・違うと思う。」
「なのは?」
『なんでや?』
「あの光からは…あの怪物から感じた背筋が凍るような感じはしない…それよりも優しくて…暖かい光…」
『とにかく…こっちは私らに任せて航空隊率いて急行して!』
「了解!」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
・
「だめだよぉ!マクリル!規制線張られてて近寄れないよ!」
「なんとか入るリル!」
「そんなこと言ってもぉ!」
勢いよく出てきたけど心折れそう…局員の人いっぱい見張ってるし。走って走って…どこに行こう…
「もっと速く走れないリル?」
「そうしたら局員にバレちゃうよ、戦うどころじゃなくなるけど…」
「ウラメシヤァァァァァァ」
「きゃああああ!」
「リルゥゥゥゥ!?」
すっごい衝撃波…なのはさんのディバインバスターでウラメシーナが港の方まで吹き飛んでる。
「あっちなら早い!いちかばちか・・・行くよマクリル!」
「うごご…はっ!待つリル!待っt」
辺りは衝撃波でパニックになってる一般人が多い…これなら唯一使えるブリッツアクションで走ってもバレないしすぐ行ける!水路を行けばもっと早い!
「水路に出るよ!」
「は、早い!早いリル!うわぁー!」
ビュンビュン壁やライトが通りすぎて行く。あたしが思ってた魔法っていうのは暖かい太陽の光が降り注ぐ青空を雲と一緒に空を飛んだりとかお花を出したりとか…うう…
「うう…」
「・・・ごめんリル…」
「マクリル?」
「ヨシコ…泣くほど怖がってるリル…ヨシコには大変なことを任せてしまったリル…戦いは大人の仕事のはずリル…」
「今さら辞めらんないよ!戦うのは怖いけどね…さっきも言ったけどあたしの決意はもう絶対ほどけないの!固結びで結んじゃったんだから!」
「・・・本当にありがとうリル。」
「そろそろ着くよ!」
水路を抜けると…ウラメシーナのすぐ近くだった。大きなクレーターの中で蠢く赤鬼は近くで見るとすごく大きい…怖い…
「ヨシコ、これを使うリル!」
「え?」
脇に抱えたマクリルのリュックから小さな光の塊がふわふわと出てきて…これは…?
「これはリリカルコミューン。プリキュアになるための変身アイテムリル!」
「こ、これを使えばいいのね!マクリル危ないから離れてて!」
「わ、わかったリル!」
怖い!怖い!
「ウラメシヤァァァァァァァァァ!!!」
穴から出てきた…立ち上がったらもっと大きい…!怖い!怖い!怖い!
「ここここの赤鬼!!あたしが相手よ!!!」
「ウラァァァ!?」
「ひぃっ…!」
なのはさんやフェイトさんの魔法は効いてなかった…厳しい訓練をしている局員さんも勝てなかった…
「ウラァァァメシィィィヤァァァ!!!」
金棒が降ってくる!でも逃げない!涙流してカッコ悪くても立ち向かわなきゃ!一度決めたあたしの心はほどけない!
「だぁぁぁぁぁ!!!」
《break open!》
リリカルコミューンが開いて…!?体が浮き上がるような感覚がして…いつのまにか光に包まれている…リリカルコミューンが開いて…これは、宝石?ピンクと緑と黄色と青の宝石のうちピンクの宝石が光って?!
「プリキュア!スタンドアップ!」
《reload!》
口ががが、勝手に喋った!?というかリリカルコミューンの声もあたしの声!?
《Go!Go!stand up precure!》
自分の体が光に包まれ外巻きショートの頭と腰に大きなリボンが結ばれる。すごい勢いで服が切り替わっていって…デニムはフレアスカートにシャツはブローチの付いた白にピンクの差し色の意匠のドレスは動きやすく体の動きを全く邪魔しない。
「やッ!」
手を打ち鳴らすと顔にバイザーが装着され腰にポーチの付いたベルトが巻かれる。ポーチにリリカルコミューンがすっぽり収まり。ヒールのあるブーツでも着地はばっちり!
光の渦が晴れると変身が終わり先程の港のウラメシーナの前に戻る。
「温良篤厚、春香る優しさの魔法!キュアリボン プリム!!!」
ビシッと決めポーズと名乗り!決まった。
「ウグググ!?」
ウラメシーナがたじろいでる!ということは成功なんだ!
「他所のお家を荒らす悪漢!一罰百戒、恥を知れ!!!」
決め台詞終わってなかった。グサッとウラメシーナを指差して追い討ちかぁ…
「せ、成功リル!ヨシコやったリル!」
「マ、マクリル!なんか身体が勝手に動いて勝手に喋ってるけど・・・!?」
「大丈夫リル!名乗りはやっぱり大事リル。名乗ってる間は強固に守られているから・・・」
「時空管理局です!あなたは何者・・・!?」
マクリルのいる方へ振り向いたら上空にフェイトさんが!?変身見られた…?バレてないよね!?ね!?
No.1オニウラメシーナ