Stand up!リリカルプリキュア   作:電動ガン

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さよなら魔法!決意の固結び!

「覚悟しろ人間!!ここから先は人の踏み入れてはならぬ領域だ!!!」

 

「うぞ…でかっ…!!」

 

「ヨシコちゃん…!」

 

骨の塊のような巨大な牛車と化した朧車。辺りの瓦礫や車の残骸を巻き込み、さらに大きくなる。レストランがあった建物はもう影も形もない。周辺は撤退したクロノさんの仕業か一般人はおろか魔導士の姿もない。夜の闇の様な謎の結界もなく、戦闘の音以外はなにもしない。

 

「行くぞ人間!!!うおおおお!!!」

 

「させないっ!ディバインバスター!!!」

 

なのはさんの魔法は朧車にではなく、地面に向かって放たれている。地面を抉り、朧車の車輪を走行出来ないよう妨げている。

 

「でやあああ!!」

 

「んぐぉっ!?」

 

あたしはというとなのはさんの魔法で体勢を崩された朧車をひたすら殴り続けている。この光輝くフォーム、トゥルヌソルの拳は金色の粒子を撒き散らしながら放たれて当たると凄まじい衝撃波が起こる。というかそれしか出来なかった。マクリルはだんまりで技があるのかすらわからない。

 

「ふぅ…はぁっ…!徒手空拳だけは…すごくきつい…!なんだか…消耗もさっきよりひどい気がする…!」

 

「ぐぬぬ…プリキュア…よいパワーだがそれしか芸がないなら我々を倒すなど夢のまた夢だ。」

 

「うるさい…!あたしは…!諦めない…!」

 

「ヨシコちゃん!大丈夫なの!?顔色が…!」

 

「うぅ…!」

 

「ふん…!プリキュア…もっとだ!!もっと思いの丈を込め立ち向かってこい!!そうでなければ誰かを守る等不可能だ!!」

 

「なにを…!」

 

朧車の体が変形し始め、無数の骨の腕が伸び、瓦礫を掴んで投げつけてくる。なんとか避けながらも突貫する。既に戦い始めて何時間たったのか、金色のドレスは泥だらけだ。体中から金色の粒子が溢れてまるで異常を伝えているようだ。

 

「動いて…!あたしの体…!ここで動かないと大好きな人達を守れないのよ…!」

 

「くっ…リングバインド…!」

 

「むっ!?やるな人間!!」

 

「効いた…?なら!!ヨシコちゃん!私に続いて!」

 

「はい!」

 

「ディバインバスター!!!」

 

「ぐおおおおっ!?なにぃぃぃぃ!?」

 

「これでぇぇぇぇぇ!!!」

 

牛車の正面に付いた朧車の大きな顔面を渾身の力で殴る。金色の拳は朧車の顔を歪ませて巨体を構成する骨を吹き飛ばす。少しずつだけど…攻撃が効いてきている。朧車が弱っているのか…はたまたあたしの力が強くなってきたのかはわからない。でも、このまま行けば勝てる!

 

「なのはさん!!」

 

「うん!バインドで縛るからその隙に!」

 

「はい!!」

 

体をバネのように使い空中に飛び跳ねる。空に浮かぶなのはさんまで届き、合図を送る。

 

「レストリクトロック!!!」

 

「・・・!?なんとぉ!!」

 

「くらえええぇぇぇぇ!!!!」

 

朧車の巨体にドロップキックを繰り出し、木っ端微塵に破壊する。骨の残骸や瓦礫が散らばり、最後にカツン…と朧車の車輪が落ちる。

 

「うっ…ぐっ…!?」

 

倒した、と思った次の瞬間体に激痛が走る。体から漏れ出す光の粒子が増え始めて力が入らなくなり、思わず膝をついた。

 

「うぎっ…!?なに…これ…!?」

 

「ヨシコちゃん!大丈夫!?どうしたの!?」

 

「あ…だ、大丈夫です…さっきのダメージがきたみたいで…それよりあいつは!」

 

なのはさんに体を支えられて朧車に近づく。そこには最初より小さくなった車輪。弱々しい朧車がいた。

 

「・・・。」

 

「とどめ…だよ…!マクリル!ねぇマクリル!!聞いてるの!?」

 

「ヨシコちゃん。マクリルってさっきのぬいぐるみ?」

 

「はい…なんか妖精?らしくって…でもさっきから返事がなくて…」

 

「おい、プリキュア。」

 

朧車が弱々しく呼んできた。戦っていた時の覇気はなく、今にも消えてしまいそうな声だった。

 

「なによ…!まだやるき!?」

 

「プリキュア、お前は本気じゃなかったみたいだが良い喧嘩だった。」

 

「はぁ!?」

 

「喧嘩!?その喧嘩で何人の人が犠牲になったと思ってるの・・・!」

 

なのはさんがレイジングハートを朧車に向けて威嚇する。朧車はどこ吹く風であたしに話しかけてくる。

 

「はは…もうこんなことすることもないのか。プリキュア、聞け。我が名はカッシャ、妖怪朧車のカッシャだ。」

 

「妖怪…?」

 

「ふざけて・・・!」

 

「ふざけるもなにも我々は存在する。それを忘れた人間達は信じないだろうがな。そのせいで我々がどれ程苦しめられているかも知らずに…」

 

「どういうこと…えっ!?」

 

話している途中でカッシャの車輪が腐り崩れていく。カッシャが苦しそうに顔を歪めてもがく。

 

「これだけ暴れても畏れは得られないか…やはり我々はもう存在すら許されないのか…」

 

「あなた何を言っているの?!」

 

「聞け、プリキュア、人間。我々を畏れよ。我々は人間のいるところのすぐ側にいるぞ。いつでも人間を攫い食ってやる。怖いだろう?」

 

「ちょっと!こっちの話も聞きなさいよ!あなた達はいったい何者なの!?どうして人間を襲うの!!」

 

「妖怪に何故人を襲うのか聞くのか…やはり、もう、妖怪の時代は終わったのか…もっと生きていたかった。ならば…散り際くらいは思い出させてみせよう!!!」

 

カッシャから炎が渦巻き巨大な炎の玉が出来上がる、辺りを熱波が吹きすさび怨念の籠もった叫びような音がオオオォォォ・・・と鳴り響く。

 

「畏れぬならば!!!畏れの力がどういうものか見せつけてくれるわぁぁぁ!!!!」

 

「最後の最後まで・・・!」

 

炎の玉の表面には恐怖に歪んだ人の顔のような模様が這い回り、熱風が地面を焼いていく。

 

「なのはさん!!あたしが浄化技であいつごと!!!下がってください!!!」

 

「くっ・・・そうだね・・・あれは魔法で相殺出来そうにない・・・それならヨシコちゃんは私が守るから!遠慮無くやって!!!全力全開で!!」

 

「マクリル!!起きて!なにしてるの!?」

 

コミューンはうんともすんとも言わず、火球は膨らみ続ける。

 

「・・・ど、どうすれば・・・!そういえばマクリルは気合いを溜めて出すって・・・!よぉぉぉぉぉぉしっ!!!!わあああああああああっ!!!!」

 

気合いが溜まり始めたのかポーチの中で暴れるコミューンに大きなひびが入りポーチがはじけ飛ぶ、すると勢いよく金色の光の粒子が吹き出し始める。

 

「うそ・・・コミューンが・・・!マクリル、ゴメン!でも頑張って耐えてぇぇぇぇ!!!!!」

 

「うおおおおおおおッ!!!うらめしやぁぁぁぁぁぁああああッ!!!!」

 

「プリキュア!!!!」

 

体中やコミューンから吹き出した光の粒子が球体にまとまり、あたしの足下にひまわりの魔方陣が現れる。

 

「ソレイユ!エクス!プロージョーッン!!!!」

 

火球と光球がぶつかり合い、炎と光の粒子が撒き散らされる。辺りはあっという間に破壊されて戦場の様な風景が広がっていく・・・夜なのに昼のように明るくて・・・とても不気味だ。

 

「ぐ・・・馬鹿なぁッ・・・!?」

 

「ヨシコちゃんッ!オーバルプロテクションッ!」

 

「やああああぁぁぁぁぁッ!!!フィナァァァァァァッレェェェェェッ!!!!」

 

「うあああぁぁぁぁぁ!?南無・・・三・・・ッ!!!」

 

火球が金色の光球に飲み込まれ、まばゆい光が辺りを照らす。光が収まると・・・瓦礫の上に小さな車輪が落ちてくると、ぐしゃり…崩れた車輪にカッシャの顔は無く、静けさだけが残った。

 

「ハァッ…ハァッ…結局、なにもわからなかった・・・」

 

あたしは地面に降り立つと、変身が溶けて倒れ込む。体は尋常ではない疲労感が襲い、頭はガンガンと鳴り物を鳴らされているようにうるさく右も左もわからない。

 

「うげっ・・・ぐ・・・はぁ・・・うえぇ・・・」

 

「ヨシコちゃん!!ヨシコちゃん大丈夫!!!」

 

「あ、あははは・・・ちょっと・・・疲れちゃいました・・・そえより・・・あいつは・・・」

 

「倒した!倒したよ!しっかりして!!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・それよりも・・・戻らないと・・・あたしはヴィヴィオに・・・転移魔法で・・・家に帰ったことになってるので・・・」

 

「わかった・・・家に着いたらお話を・・・ヨシコちゃん?ヨシコちゃん!!しっかりして!ヨシコちゃん!!!」

 

 

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嘘リル。信じたくないリル。

 

「本当のことです。残念ながら。助けられなくてもうしわけありませんマクリル・・・」

 

女王様、ずっと見ていることしかできなかったリル?

 

「はい・・・こうしてコミューンの中に宿ってから私はどうすることも出来ず、ヨシコさんの苦しむ姿を・・・」

 

・・・女王様は悪くないリル。これも・・・

 

「マクリル、もうヨシコさんもコミューンも限界です。光の力・・・プリキュアの力は戦うべき相手ではないときヨシコさんに強い負荷をかけ続けます。・・・踊らされている彼らは討つべき相手ではないと。」

 

わかりましたリル。他に・・・何かわかったことは有りますかリル?

 

「・・・私が、先代のプリキュアです。」

 

・・・!!どうりでメグメルにプリキュアの伝説が伝わるのに滅びの危機の記録が無いわけリル。女王様が伝説でメグメルの始まりだったリルね・・・

 

「今・・・わかったのはこれだけです。・・・それとマクリル、外に出るときは気を付けてくださいね・・・コミューンが負荷のかかりすぎで破損したようです。」

 

!!?ヨシコが危ないリル!!!

 

「ですが・・・頼りになるひとがいるようですね・・・マクリル・・・あとは・・・頼みますよ・・・」

 

「わかりましたリル!女王様、きっと、世界を救って見せるリル!!!」

 

「マクリル・・・彼らも、メグメルも人間の世界もマクリルにかかっています。」

 

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「落ち着いた?ヨシコちゃん。」

 

「はい・・・ありがとうございました。あの・・・」

 

夜も明けようとする時間にあたしたちは帰ってきて、ベッドに寝かされたあたしはなのはさんにヒーリングを掛けられて治療された・・・なんとか意識は投げ出さずに済んだが体は指いっぽん動かない。

 

「ヴィヴィオ達は・・・」

 

「ヴィヴィオやフェイトちゃん達は病院だって。ヴィヴィオは二、三日入院。フェイトちゃんとリンディさんはちょっとどれくらいになるかわからないかな・・・クロノ君は・・・まだ何にも言ってない。」

 

「そう・・・ですか・・・」

 

「・・・ねぇヨシコちゃん。あの力はどうやって手に入れたの?」

 

「えっと・・・」

 

「それはマクリルが説明するリル。」

 

「マクリル!」

 

ボロボロのコミューンから光の玉が飛び出してマクリルが現れる。

 

「ごめんヨシコ・・・遅くなったリル。」

 

「あなたが・・・」

 

「マクリルが、ヨシコを・・・プリキュアにしたリル。」

 

なのはさんはマクリルに掴みかかり、強く揺さぶる。

 

「あなたのせいで!ヨシコちゃんはこんな辛い目にあってる!!それがわかってるの!?」

 

「ぐ・・・ぶふぅ・・・」

 

「なのはさん!待って!あたしが!あたしが自分で決めたことなの!マクリルは悪くないんです!」

 

「ヨシコちゃん・・・」

 

「うぐぅ・・・まずは話しをきいて欲しいリル・・・」

 

「わかった・・・しっかりお話しようか。」

 

マクリルはなのはさんに全て話した。プリキュアのこと、プリキュアになれる人間のこと、ウラメシーナのこと、常夜の住人のこと、メグメルのこと、常夜の住人の世界のこと。時折なのはさんはわたしに確認をしながら、飲み物を用意してくれたり体を拭いてくれたりしながらもしっかりと話を聞いていた。

 

「これが、今までわかった事リル。そしてこのことを教えてくれた人はメグメルの女王様、先代のキュアリボンリル。」

 

「先代・・・!?先代のプリキュアがいたの!?」

 

「そうリル。そして今女王様はメグメルの崩壊から逃れる為に命の形を変えて、リリカルコミューンになったリル。マクリルはその女王様から少しずつ話を聞いていたリル。」

 

「あの・・・マクリル?コミューン・・・ボロボロになっちゃったんだけど・・・」

 

「大丈夫リル。中で話を聞いた時は無事だったリル。・・・ただしばらく変身は無理リル・・・本当の敵を探さなければ、ならないリル。」

 

「本当の敵?それはあの妖怪っていた奴や大きな怪物とは違うの?」

 

「女王様がいうにはどうやら違う見たいリル。プリキュアとして戦っているヨシコの負荷がかかりすぎているのはどうやら戦う相手を間違えているから、ということらしいリル。そのせいでプリキュアの力が発揮出来ないらしいリル・・・」

 

「それじゃああたしがこんなになっているのは・・・無駄だったっていうこと・・・?それに全然関係無いのに・・・倒しちゃって・・・そんな・・・ははあたしって、なにしてたの・・・?」

 

「ヨシコちゃん!ヨシコちゃんはちゃんとみんなを守ったよ!大丈夫だよ、無駄何かじゃないよ!」

 

「そうリル。ヨシコは立派にみんなを守ったリル・・・!」

 

「・・・。」

 

「マクリル・・・それで、戦わなきゃならない相手はわかるの?」

 

「・・・わからないリル。でも常夜の住人を人間界に仕向けたやつがいるのは間違いないリル。」

 

「・・・ヨシコちゃん。地球に帰りなさい。ミッドチルダのことは、ミッドチルダで解決するから。」

 

「・・・!?でも!!あいつらには魔法が効かないんですよ!それでどうやって勝つんですか!?あたしがやらないと・・・!またフェイトさんの様に苦しむ人が増えるのは・・・」

 

「・・・ヨシコちゃん。あのね、そうしてこの世界の人達のことを考えてくれるのはとても嬉しいし、他の人をそういう風に思いやれることはとっても尊いことだよ・・・でも、ヨシコちゃんは無茶をしすぎる。それじゃあ自分がダメになっちゃう・・・私も、昔そういう風になって大怪我しちゃって・・・ヨシコちゃんにそんな風になって欲しくない。私と同じ失敗をシテ欲しくない・・・!」

 

なのはさんが優しく動けないあたしを抱きしめて、あたたかいものがあたしの頬に落ちる。あたしも涙がこぼれ始めれる。

 

「なのは・・・マクリルからもお願いリル。マクリルは人間が好きで、人間を守りたくてプリキュアの、光の力ををこの世界に呼び寄せたリル。でも・・・ヨシコも大好きリル。大好きなヨシコが傷つくのは見たく無いリル・・・なのは、酷く辛い道だと思うけどこの世界での常夜の住人は魔導士だけで・・・」

 

「だめだよぉ!」

 

「ヨシコちゃん・・・」

 

「ヨシコ・・・」

 

「マクリル!あたしは、あたしは止めないよ!だって、だってもう知り合っちゃったし!話も聞いちゃったもん!放っておけないよ!あたしが戦えるんでしょ!?お願いなのはさん!無茶はしないから、あたしも、あたしも戦うよ・・・!」

 

「・・・ヨシコちゃん、ヨシコちゃんはプリキュアでしょう?プリキュアにとって、あの怪物たちは戦うべき相手じゃないんでしょう?それならば尚更、戦わせられない。」

 

「そんな、そんなぁ・・・なのはさん・・・」

 

「だめ・・・戦わせられない。」

 

「なのは、マクリルは残るリル。できる限り協力するリル。」

 

「ありがとう・・・あなたも大変なのにごめんなさい・・・」

 

「マクリル・・・!」

 

「ヨシコ・・・全て終わったら、また会えるリル。」

 

「・・・ごめんね、ヨシコちゃん。」

 

なのはさんの手があたしの首筋に触れるとバチンとピンク色の火花が散って、あたしの意識はまどろみに落ちていった。

 

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管理局、地上本部のどこかにある未確認生物対策部の部室。しかめっ面をしたクロノと頭を抱えるはやて。

 

「こんなん報告出来へんやないですか・・・堪忍してつかぁさい・・・」

 

「だがそれを報告するのが君の仕事だ。なのはからの報告では、『ヨウカイ』という組織によるテロだとのことだ。」

 

「あんなクロノ君、妖怪ってのは地球に伝わる伝説みたいなもんなんや。魔法よりファンタジーなものなんや。それが突然現れましたー言うんはちょっと無理がありすぎるかなーって・・・」

 

「『ヨウカイ』についてはユーノに調べてもらっている。」

 

「だからー調べても無理なんやて・・・妖怪の存在を証明するものなんか次元世界のどこをさがしても出て来るわけがないんやて!アレは概念なんや!人間の理解を超えた自然現象を表現したものでしかないんや!生き物でも、何でも無い!」

 

「じゃあ実際現れて暴れ回った奴らはなんだ!人智を越えた力!人を逸脱した容姿!はやて、次元世界は広いんだ。必ずある!しらべて見てくれ。」

 

「フェイトちゃんと同じ事いうけど・・・妖怪を探すより生物兵器の実験所を探した方が絶対早いと思うねん・・・はぁー・・・これが通称『黒の宣告』かぁ・・・私のとこにくるなんて思わなかったわぁ・・・」

 

「それと芳子は地球に送り返すそうだ。レストランでのテロのショックで情緒不安定で家族の元で治療させてやりたいらしい・・・許可は僕が出した。」

 

「ホンマか!?芳子ちゃん・・・お見舞いに行ってあげたいなぁ・・・」

 

「面会謝絶だそうだ。魔法に関わるものには触れさせない。関わらせないで収まるの待つそうだ・・・芳子も、僕の妹のようなものだ。心配だが、魔法に関わる環境でのトラウマだ。しばらくは放っておいてやった方がいい。」

 

「・・・そうか・・・クロノ君は?これからは?」

 

「・・・しばらくはミッドにいる。『ヨウカイ』と接触した数少ない局員だからな・・・情報提供をしろとレティ提督から言われている。クラウディアも停泊して『yヨウカイ』対策に動ける様戦力を出せる。」

 

「とりあえず、スカリエッティ以来の都市型テロや。市民はテロの恐怖に怯えとるし・・・私もヴォルケンリッターを招集せなあかんかなぁ・・・どうみても過剰戦力やけど。」

 

「いや、許可は大丈夫だろう。それだけの戦力が必要になる事案だと照明する証拠は充分にある。僕もかけあってみる。」

 

「・・・ありがとうクロノ君。フェイトちゃん達の様子は?レストランの事件から三日経つけど。」

 

「・・・フェイトは怪我は少ないが、暴れていた時の記憶はあるらしい。たくさんの人を斬ったことを覚えている。精神状態は著しく良くない。母さんは・・・怪我が大きいだけで命に別状はない。意識もあるし回復に向かっている。時間はかかるみたいだが。ヴィヴィオはもともとほとんど怪我はない。すぐに退院出来るだろう。」

 

「フェイトちゃんが心配やな・・・」

 

二人でうんうんと唸っているところに電子音が響き、通信が来たことを知らせる。

 

「む、席を外そう。」

 

「いや、なのはちゃんや。プライベート回線やけど・・・大丈夫やろ。もしもーし。」

 

《・・・はやてちゃん?今一人?》

 

「いや、クロノ君もおるで。秘密のお話中やった。」

 

《あ、ごめん、かけ直すね。》

 

「平気やで。クロノ君も一緒でええなら。」

 

《ううん大丈夫。ちょうど良かった。》

 

「ちょうど良かった?何か急用?PV回線使うなんて珍しいな。」

 

《うん。さっき地球から帰ってきたんだけど・・・事件解決の糸口になりそうな協力者を見つけたよ。》

 

「ッ!?ホンマか!?なのはちゃん遂に妖怪の域に足を踏みこんでしまったんか!?どないしよクロノ君!!親友がどんどん人外になってまう!!」

 

「小さい頃から化け物なんじゃないかとは思っていたが。」

 

《二人とも・・・お話する?》

 

「冗談や・・・んで協力者っていうのはどういうこっちゃ。まさか妖怪捕まえたとか言い出すちゃうやろな。」

 

《妖怪は・・・捕まえてないけど、妖精には出会ったよ。》

 

「リィンのこと言うとるんやったらしばくでホンマ。こっちは悪名高い『黒の宣告』受けたところなんや。」

 

《ちがうよ!リィンじゃない。あ、ちょ、マクリル待っ》

 

《どうもリルぶちょーさん。メグメルの妖精のマクリルって言うリル。》

 

「・・・ほー。」

 

「お前!!プリキュアと一緒にいたぬいぐるみ!!」

 

《マクリルはぬいぐるみじゃないリル!次は許さないリル!》

 

《マクリル・・・ちょっと待ってって言ったじゃない。》

 

《なのはは話が遅いリル。》

 

「・・・あー、なのはちゃん?私な?ちょっと脳みそが追いつかんねん。なんて?妖精?妖怪じゃなくて?」

 

「・・・はやて、妖精も調べて見よう。」

 

「あああああああ!!!」

 

《は、はやてちゃん!?》

 

「・・・なんでもない。真実より事実が先に出てきてはちゃめちゃが押し寄せてきただけや・・・それで協力者っていうのはその妖精君か?」

 

《マクリルリル。全部、話すリル。プリキュアのことも。常夜の住人のことも。》

 

《プリキュアには逃げられちゃったけど・・・この妖精さんとは合流出来たの。これから向かうから。それじゃ。》

 

通信が切れて部室に静寂が広がる。クロノが腕を組み、少し考えた後口を開いた。

 

「・・・メグメルなんて世界聞いたことないな。」

 

「・・・やめてください。フェイトちゃんが動けなくて動くの誰やと思ってるんですか。人間の腕は二本。持てるのは二つまでです。」

 

「メグメルをこれより第0未確認世界とし捜索の任務を出そう。頼むぞ八神二佐?」

 

「スリィィィィィカードォォォォォォォ!!!!!!うわぁぁぁぁぁん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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