「これより、標的Aスパイダー討伐作戦を開始する。みんな!刀は持っとるな!?」
「はい!」
熱病にうなされる子供の病室で、反りのある片刃のブレード、通称日本刀と呼ばれる武器を構えたはやてとザフィーラ、通信の向こうには同じく刀を構えたなのはとヴィータ、別の画面でもシグナムとシャマルが刀を持って返事をする。
「ええな!足や。スパイダーの足を狙うんやで。こっちの予想が正しければそれで一撃で倒せる。プリキュアじゃあなくてもや。」
『しかし主・・・奥様方にまでも刀を渡すのは・・・』
「それは仕方ない・・・大蜘蛛の伝承では母親がキーになっとる。魔法が効かないから用心の質量兵器やと言っとき。部長が地球出身だからとかなんとか言ってお守りやーみたいな」
『はぁ・・・』
「なのはちゃんも同じや。これがうまくいくならばきっとこれから好転する。頼むで!」
『わかった。』
「それぞれ病院の熱病患者のいる病室周辺をパトロールや・・・一応施設周辺にも検問はしいてあるけどな・・・」
『そんなんじゃ止められないしね。』
「せや。」
『しっかしよく考えついたなはやて。妖怪退治には手順があるなんて。』
「妖怪っちゅーのを未確認生物だと決めつけてたのが悪かった・・・ミッドに染まっとるやなぁ・・・
。。。
。。
。
「クロノ君!クロノ君待ってーな!」
「な、なんだはやて・・・」
「スパイダーやボアをやっつける方法思いついたで!」
「なんだと!?それは!!」
「地球には大昔に妖怪退治を生業にしとる人がおってな・・・それで・・・」
「地球にも妖怪がいたのか・・・!?何故其れを早く言わないんだ!」
「ちゃうんや!地球での妖怪の扱いは物語の中だけなんや!せやからどうやって現れるとかどういう悪さするかとか、どうやって退治するか、弱点なんかも書いてある!」
「物語の中の存在なのに討伐する人間がいたのか・・・?はやて・・・もうちょっとまとめてから言ってくれ・・・」
「だからぁ!大昔過ぎるからぁ!実際にあったことも物語として伝わってるかもしれないやろ!?そこで退治する方法とかを調べて試していくんや!!!今新しい力を模索するよりも先人の知恵を借りた方が圧倒的にはやいやろ!?」
「なるほど・・・すぐ、ユーノに地球の資料を調べさせる。はやて、スパイダーはどうやって?」
「そこでやクロノ君。ちょっとお願いが・・・」
。。。
。。
。
『ウラメシーナにそんなのが本当に効果有るかわからないリル・・・でも一番有力そうリルね。』
「せやろー?はい!妖精にお墨付きもらった!仕事に戻ってな-!」
ウィンドウが閉じると病室には静けさがもどった。あれだけ豪語したけど・・・不安が無いわけではない。
「(・・・これが失敗したら間違いなく子供達はお陀仏や・・・子供達から引き離すだけでもせぇへんと・・・)」
「あの・・・主、ウラメシーナとやらは人間が変身してるのですよね?剣で斬ってしまって大丈夫でしょうか?」
「・・・もう、そいつは一人子供を確実にやっとる。どのみち力尽くしかないんや。」
「・・・御意。」
「さぁ!どっからでもかかってこんかーい!!!」
「病院では静かにしてください!」
「あ、すみません・・・」
「申し訳ありませんでした・・・」
看護師さんに怒られてしまった・・・それより気を引き締めんとな。
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「うわああああああああ!!!!」
あたしは今暗闇の中を猛烈な勢いで落っこちている。いや上も下もわからないから落っこちてるのか飛んでいるのかわからない。
「しろかねぇぇぇぇどうなってるのぉぉぉぉぉぉ」
「もうすぐ到着するカル~」
「あああああああああ!!!!」
かれこれ20分以上は落っこちているだろうか。一向に暗闇が晴れる様子は無く、光はない。
「ひぃぃぃぃぃ!ミッドとは全然違うんだねやっぱりぃぃぃぃぃぃぃ」
「着くカル!」
一瞬であたりが眩しく光ったかと思うと・・・あたしはミッドのどこかのビルの屋上にいた。
「あれ・・・?あたし落っこちてたんじゃ・・・」
「次元の狭間を通ってるだけだから落っこちる分けないカル。」
「あー・・・そころへんはもう考えないことにする・・・」
「顔色悪いカル?大丈夫芳子?」
「うん大丈夫・・・それよりここは病院・・・?とりあえずなのはさんと・・・ッ!?」
不意に身の毛のよだつ気配を感じ振り返るとそこには・・・
「ウラメシーナ・・・!」
「・・・あれがカル?」
「ウララララララ・・・」
大きさは二メートルほど・・・あまり大きくない・・・?でも腕は三対で体は毛むくじゃら、顔はもう蜘蛛そのものである。気持ち悪いの言葉以外が出てこない様な容姿だ。
「ギチギチギチ・・・!」
「やば!こっち気づいた!しろかね!どこかに隠れてて!」
「わかったカル!芳子、あいつなんかヤバイ感じカル!もう人間を食べたのかもしれないカル!それならもうほとんどしろかね達と一緒の存在リル!」
「すごい成長してるってわけね・・・わかった、ありがとうしろかね!」
リリカルコミューンを取り出してこちらにゆっくり迫る蜘蛛のウラメシーナを睨む。
「ゴホホホホ・・・ニンゲン・・・ウマソウナニンゲン・・・!」
「この・・・!あたしは美味しくないったら!」
《Lock and Load!!!!》
コミューンが放射状に展開し、内部の蕾の形のカートリッジが露わになる。辺りにはコミューンの中を満たしていた粒子が桜の花びらの形に変化して漂っている。
「ウラメシーナって人を食べるんだ・・・それも全部本当は必要の無いことなのに・・・!そんなことさせないッ!プリキュア!スタンドアーップ!!!」
《ready Go!!! Stand up precure!!cure ribbon!!!》
蕾が開き桜のような花の形に・・・以前とは違う一つだけになったピンクの宝石が強く輝いて桃色の光がコミューンから溢れだし屋上に光の柱を作り出す。すごい、前の変身とは違う・・・体の中を暖かい光が満たしていくような・・・
「ウラメシヤ・・・!?」
ショートの髪はブラウンから明るい輝く金色に変わり、瞳は翡翠色に。桃色の光の帯が体に巻き付きドレスを形成していく。セパレートされてお腹が露出したピンクに金のラインの入ったワンピースドレス。袖にはフリルが付き、オーバーウェストスカートとアームカバーが形作られ、編み込みの白いロングブーツが穿かされる。
「やぁぁっ!」
手を打ち鳴らすと胸にリボンのブローチ、腰に大きなリボン、頭にリボンの付いたカチューチャが装着され、ポーチに収まったコミューンがベルトで腰に固定される。
「もう・・・顔を隠す物はいらない!!」
光が弾け、柱が消える。辺りにはより一層輝く花びらが舞い散っていく。
「紡げや生命の縁!!合縁奇縁の出会いの魔法!キュアリボン!!!」
「ウラララ・・・!?プリ・・・キュア・・・!?」
「貴方の暴悪の縁!今すぐ断ち斬って差し上げます!!」
ウラメシーナを指刺して喝を入れる。たじろぐウラメシーナは唸るばかりだった。そこへ屋上へ通ずる扉を開けて二つの影が突入してきた・・・
「なんや!!!なにごとや・・・うぉお!?なんやこの花びら・・・」
「主!危険です!!ここは私が先に・・・む、あの黒いのと・・・もう一方は・・・?」
「は、はやてさん!?なんで病院に・・・?」
「んんん!?噂のプリキュアか!!!それにしても誰かに似てるような・・・?」
「主!騎士甲冑を!!!」
「せやった!プリキュアさんでええな!あいつはぎょーさん悪い事してる虫や!悪いけどやっつけるの協力してくれへん!?」
「こちらこそ!願ってもありません!!!」
「よっしゃ!いくでぇザフィーラ!!」
「御意!!!」
「ウラァァァアアアアアア!!!!メシヤァァァアアアアアア!!!!!」
「(なんで日本刀持ってるんだろう!?)」
つづく