Stand up!リリカルプリキュア   作:電動ガン

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キツい表現があります。注意してください。


ありえなーい!恐怖の黄泉帰り!

船の事件から数週間。怪物が出現したという報告は無い。それもそうだろう。あれだけ強力な力だ、制御して運用するには時間がかかるのは明白だ。

 

「ここもハズレ…施設は無かった…」

 

プリキュアという少女もそうだ。全力に近い戦いをして連続で戦えるわけがない。

 

「ここは無い…遠すぎる…」

 

恐らく私の予想は当たっているだろう。今回の事件は二つの組織の抗争だ。怪物とプリキュア、お互いの行動や性質が違い過ぎる。怪物の方は人間の力の昇華だと思う。巨大化、影響範囲、効果時間・・・まさしく兵器だ。精神面での汚染もあるとわかっている。人道も何もあったものではない。

 

「やはりミッドチルダの中にセーフハウスがあると考えるのが…妥当かな。」

 

「なるほどなぁ…報告ありがとう。」

 

プリキュアの方は純粋な強化…共闘…と言えるかはわからないが一緒に戦ったからわかる。人間のままで攻撃の強化…いや、あれはもはや超絶強化とも言えるだろう。しかしあれだけの強化だ。心身に異常が無いなんてありえない。意識ははっきりしていたがいつまで保つのだろうか…まだ少女なのに。

 

「フェイトちゃんは…どこに見当付ける予定?」

 

「私は…エルセアか…一番ありそうなのは…アルトセイム。」

 

「なるほど…わかった。フェイトちゃんはアルトセイムの方調べて貰ってもええかな?西部は私達が調べてみる。」

 

「わかった。」

 

「未確認生物対策本部が発足するまでもう時間はかからんと思う。それまでにもう少し情報を集めておきたいな。怪物もプリキュアも。」

 

「うん。被害を抑えないと、どんなことになるかわからないしね。」

 

はやてと話をしたのが昨日。今はアルトセイムにいる。ここは…よく覚えている。よく覚えているといっても…それは私ではなくアリシアの記憶のもの…

 

「あるなら地下…これだけ辺境なら研究施設を隠すなら楽だろうしね。バルディッシュ」

 

《yes sir》

 

サーチャーを飛ばして洞窟や地下の入り口を探す。

 

「一番近いのはどこ?」

 

《200yard this 》

 

「ありがとう。行こう。」

 

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「マクリル…最近はウラメシーナ出ないね?」

 

「リルゥ…邪悪な気配は感じないリル。」

 

あたしは退院して家でゆっくりしていた。フェイトさんはなのはさんに魔法の練習はダメだとぷんぷんしていたので魔法はお休み。

 

「ヨシコー!チーズケーキ作ってみた!」

 

「チーズケーキって作るものだっけ。」

 

「わーいリルゥ!チーズケーキ大好きリルゥ!」

 

「なのはママも忙しそうだし。なんか部署が変わったって言ってたよ。」

 

「へー…時空管理局って大変だね…」

 

「ヨシコは魔導士になりたいんだよね。魔導士になってなにするの?」

 

「うーん…そこはまだ考え中なんだ。管理局員になるっていうのが普通って聞くけど、この間の船で見たアクターさんもいいなって思ったの。人を笑顔に出来る方法はいっぱいあるんだね。」

 

「ミュージカルだっけ?いいなー私はストライクアーツの選手かな。一番になりたい!」

 

「流石ヴィヴィオ…武闘派だね。」

 

もーもー言いながらポコポコ殴ってくるヴィヴィオを躱しながら。応戦する。そこへヴィヴィオのデバイス、クリスに通信がきた。

 

「なのはママ?」

 

『あ、ヴィヴィオ?あのね、私とフェイトちゃん、ちょっとしばらく帰れそうにないの…』

 

「え、そうなの?」

 

「何かあったんですか?」

 

『ごめんねヨシコちゃん…ちょっと忙しくなっちゃって…』

 

「そうなんですか…」

 

「ママ、アイナさんは?」

 

『アイナさんも忙しいみたいで…行けないみたいなの…ごめんね…』

 

「え…じゃ、じゃあどうすればいいの?」

 

『一応ヴィヴィオなら大丈夫だとは思ってるんだけど…リンディさんとアルフが来てくれることになってるよ。クロノ君も様子を見に来るって行ってくれてるし。』

 

「リンディさん達がですか!」

 

『うん。ヨシコちゃんは久しぶりだよね。』

 

「はい!」

 

「リンディママ達はいつ来るの?」

 

『到着する前に連絡するって言ってたから…うちに来たら失礼の無いようにね!』

 

「はーい。」

 

リンディさんは海鳴で事故に巻き込まれた時にお母さんと一緒に保護してもらった人だ。お母さんと一緒にすごくお世話になった。クロノさんはリンディさんの息子さんで今は艦隊を指揮する提督さん。娘のフェイトさんは執務官でスーパーエリートなお家。

 

「じゃあママ、お仕事頑張ってね。」

 

『うん、ありがとうヴィヴィオ。もう切るね。』

 

通信が切れて静寂が訪れる。

 

「・・・ママ、帰ってこれないんだって。」

 

「そんなに忙しいのかな新しい部署。」

 

「そうなのかな…それにしてもリンディさんだけじゃなくてクロノさんも様子を見に来るって…何かあったのかな?」

 

少し…少しぞわぞわと嫌な予感がする。

 

「あ、通信来たよ。」

 

『もしもし?ヴィヴィオー?』

 

「リンディママ!」

 

『今ミッドチルダに着いたからこれから向かうわね。』

 

「はーい!」

 

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「ずっと洞窟…ここはハズレかな。」

 

《Don't worry sir》

 

「ありがとうバルディッシュ…じゃあ次に」

 

「うらめしや…」

 

「ッ!誰!!」

 

サイズフォームのバルディッシュを暗闇に向ける。分かる…誰か…誰か…いる!!!

 

「うらめしや…」

 

「時空管理局です!姿を現しなさい!」

 

サクッ…サクッ…と土を踏む音が近づき、徐々に姿を現す。

 

「そ、そんな・・・!!」

 

《Why・・・》

 

「うらめしや…」

 

「うらめしや…」

 

暗闇から現れたのは二人だった…忘れるはずがない。私の記憶に焼き付く虚数空間に落ちていった顔。私を大嫌いだと言った顔。そして私そっくりの顔。母さんの優しい笑顔を向けられていた顔。

 

「フェイト…」

 

「フェイト…!」

 

「あ…ああ…!」

 

暗闇から現れたのは…母さんと姉さん…プレシア・テスタロッサとアリシア・テスタロッサだった。

 

「フェイト…フェイト…!」

 

「フェイト…」

 

サーチャーには異常はない。間違いなく二人を捉えているし目の前にいる二人が幻だとは思えない。

 

「ば、バルディッシュ・・・幻惑魔法は…」

 

《No sir》

 

「そんなバカな!」

 

「フェイト…何故なの…」

 

「フェイト…フェイト…」

 

「あ、う…いや…そんなバカな…そんな…」

 

もうてを伸ばせば触れられる距離、私は動けずに立ち尽くすことしか出来ない

 

「フェイト…」

 

「フェイト…!」

 

偽者じゃ…ないの…なんだか…頭が…

 

「母さん…!姉さん…!」

 

二人に触れたくて…足を踏み出した…その時だった。

 

「フェイト…何故あなたが生きているの。」

 

「!?」

 

「う、ああ…うあ゛あ゛あ゛」

 

母さんの顔は憎悪に歪み、目は黒く窪んで光が見えない。美しかった髪はボサボサに荒れている。 アリシアは…見ていられない。体が腐り落ち、金糸の様な髪はどす黒い液体で汚れ、至るところからウジがわいている。嫌だ、来ないで…来ないで!

 

「ひっ…あ、い…や…やだ…!」

 

《Sir!!!sir!!!》

 

「フェイト…何故あなたが生きているの…何故私が、アリシアが死ななければならないの…」

 

「ごぼ…フ゛ェ゛イ゛ト゛ぉぉぉぉ…ぐる゛じい゛よ゛ぉぉぉ」

 

母さんの荒れた手が私の首の首にかかり、力強く絞め始める。

 

「どうして…どうしてアリシアが苦しんでいるのに…あなは幸せなぉぉぉぉぉぉぉ」

 

「フ゛ェ゛イ゛ト゛ぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

腐ったアリシアが私の体をよじ登り始める…ウジがボロボロと落ちて、腐った肉が体に張り付く。

 

「あ、う…いやぁぁぁぁぁぁ!!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!」

 

「うらめしや…うらめしや…」

 

「フ゛ェ゛イ゛ト゛ぉぉぉぉく゛る゛し゛い゛よ゛ぉぉぉ痛゛い゛よ゛ぉぉぉぉ」

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!怖いぃぃぃ!!!やだ!やだ!助けて…助けてなのは!!お兄ちゃん!!!助けてぇ!!!!」

 

《Sir!!!》

 

べしゃり。アリシア、の頭が私の体に張り付いて潰れている。それを見てなのか母さんの首を絞める力が強まる。

 

「死ね!」

 

「し゛ね゛!」

 

母さんのの口から、潰れたアリシアの頭が私を追い詰める。

 

「ぐ…げ…げぼ…」

 

「死ね!死ねフェイト!!」

 

「し゛ね゛…し゛ね゛…!」

 

「あ゛…あ゛…」

 

もう、首が折れそうだ…母さんは、アリシアはこれほどまで私を恨んでいたのか、憎んでいたのか。

 

「死ね!死になさい!フェイトォォォ!!!」

 

「し゛ね゛ぇぇぇぇ」

 

「た゛す゛け゛て゛!!!な゛の゛は゛!!お゛兄゛ち゛ゃ゛ん゛!!!た゛す゛け゛て゛ぇぇぇ」

 

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

 

「しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

おもむろに骨が露出している腐ったアリシアの腕が動き、私の顔に何かを被せた。

 

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-

 

「あああああああああああああああああああああ!!!!」

 

「クロクビーナも…牛鬼も…甘い…我々は怖がられてなんぼたと…いうのに…恐怖以外で…作ったウラメシーナ…弱い…」

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「我々の悲願…達成には三大ヨウカイの復活…まだまだ…かかる…」

 

「ああああああ…ウラメシ…ウラメシャアアアアアアアア!!!!!」

 

「行け…ウラメシーナ…人間の恐怖を…取り戻せ…!!!!」

 

「ウラメッシャアアアアア!!!!」

 

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-

 

「・・・以上がバルディッシュに記録されていた映像の全てや。」

 

「なに…これ…」

 

アルトセイムでフェイトちゃんが行方不明になった。調査中に敵に襲われたとバルディッシュから緊急救助信号があった。現場に残っていたのはバルディッシュだけだった…

 

「敵の拠点がアルトセイムだとは限らん。プレシア・テスタロッサとアリシア・テスタロッサを用意していたことからフェイトちゃんが狙われていたんじゃないかと考えとるけどな。」

 

「・・・ジョークじゃ…ないですよね…」

 

「そんならさっさとフェイトちゃんに帰ってきてもらって別室でみんなの様子見てもらうな。」

 

「敵は何が目的なんでしょうか。フェイトさんをこんな目に合わせて…」

 

「死者が甦るなんて何が…!」

 

「クローンという可能性もあるな。死なせる為にだけ作ったクローン…命をなんと思っとるんや!!!」

 

はやてちゃんが机を殴る。静寂が発足したばかりの未確認生物対策部の会議室を包む。

 

「はやてちゃん…フェイトちゃんの行方は?」

 

「わからん…だけど恐らく、次に会うときはフェイトちゃんは間違いなく敵や…映像にプレシアとアリシア以外の敵が写っていない以上捜索も難しい。怪物化したフェイトちゃんも放っておけんしなぁ。」

 

「今までの怪物の行動を見ると間違いなく人を襲い始めます。しかし情報が少なすぎて対策が取りづらく後手に回って犠牲者を出さないというのはほぼ不可能です。」

 

「なのはちゃん…すまんけど教導部隊から本格的にうちに出向してもらうことになる…」

 

「わかった…フェイトちゃんの為だもん。頑張るよ。」

 

「しばらく出っぱなしになる…ヴィヴィオとヨシコちゃんに連絡してや。リンディさんにも連絡しとくから。」

 

「わかった。」

 

「また・・・プリキュアが出てくるんですかね…」

 

「あんま頼りたくないけどな…来るやろな…」

 

プリキュア…今まで魔導士が歯も立たなかった怪物を退けている存在。何故怪物に立ちはだかっているのか謎が多い存在。

 

「フェイトちゃん…助けてあげる…絶対助けてあげるからね…!」

 

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-

 

「リンディママ!アルフさん!いらっしゃい!」

 

「ヴィヴィオ!芳子ちゃん!久しぶりね。」

 

「お久しぶりです。リンディさん!」

 

「芳子ちゃん。お母さんが心配してたわ。でもその様子だと心配ないみたいね。」

 

綺麗な緑の髪をした女性…リンディさん!この容姿で20才を越える息子さんがいるとはほんとに思えない。ありえない。なのはさんのお母さんといいどうなっているのか…

 

「ヨシコ、久しぶり。元気にしてたかい?」

 

オレンジの髪に露出の高い服。スタイル抜群のこの人はフェイトさんの使い魔のアルフさん。将来はこれぐらいのスタイルになりたいな!

 

「それじゃあしばらくお世話になるわね。」

 

「いえいえこちらこそ!よろしくお願いしますリンディさん!」

 

「よろしくお願いします!」

 

「夕飯くらいにはクロノも来るはずだから一緒にどこかに食べに行きましょうか?あ、でも芳子ちゃんは入院してたんですって?大丈夫?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

「無理しちゃダメよ?」

 

リンディさん達を部屋に案内してリビングでお茶にする。アルフさんが…終始落ち着かない様子だったから気になったけど…それと嫌な胸騒ぎがずっと収まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 




No.3カマイタチウラメシーナ
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