ようやく続きを書けましたので、更新いたします。
発電設備の防衛から数日後、一同は指令室に集まっていた。
「こちらが、改造が完了したギアペンダントです」
エルフナインが直人、響、翼、クリスの四人に、ギアペンダントを差し出す。
他のギアはまだ終わっていないため、引き続き改造を行っている。
キャロルがいちごミルクを飲みながら、少しゲンナリとした表情で言う。
「機能向上に加え、イグナイトモジュールも組み込んだんだ。
手伝ってきたナイトとポーンの二人が余計な改造をしようとして止めた功績を称えてほしい位だ・・・」
「あぁ、あの二人は余計な改造をする事があるからね。洗濯板に手裏剣モードとか、歩行補助の杖にビーム機能とか・・・」
キャロルに同意する様に言う直人。
気を取り直した直人を含む四人が同時に手を伸ばし、ギアペンダントを受け取る。
弦十郎が言う。
「皆。新たな力の投入に伴い、ここらで一つ特訓を課す!
オートスコアラー、レジェンドルガとの再戦へ向け強化型シンフォギアと、イグナイトモジュールを使いこなす事は急務である!
近く、筑波の異端技術研究機構に向かう。諸君等はそこで心身の訓練に励むと良いだろう!」
「特訓と言えばこの私!立花 響に任せてください!」
時は過ぎ、更に三日後・・・・・・。
「水攻撃デス!えい!」
「切ちゃんと一緒なので、攻撃力二倍」
「きゃあ!?クロード君、一緒に反撃しようね!」
「未来お姉ちゃんと一緒に、えーい!」
「うぉぉぉぉ!水の元素を利用した錬金術で海水を纏めてぶつければぁぁ!」
「落ち着いてお姉ちゃん!それはやり過ぎです!」
「海テンション舐めるなぁ!ってあヤベ──」
「暴発して自分にかかった・・・・・・」
「それ、それ!」
「やったわね!お返しよぉ!」
「わぷっ!?やりましたね!それではこっちも!あっ・・・」
「ぶふぁっ!?・・・やりやがってな!持ってけオラァ!!」
「ちょっ!?クリスちゃん、何で水鉄砲を持ってぶべらばっ!?わあぁ!?やめてとめて・・・アッー!!」
「クリスさんの撃った水が、響さんのお尻に直撃しました!」
「ナイスですねぇ」
「ね、狙ってねぇぞ!?」
装者達+ディーンハイム姉妹+未来とクロードは水着を着て筑波にある政府保有のビーチに赴いて特訓…とは名ばかりのバカンスを楽しんでいた。
海で水遊びを堪能しているのは響、クリス、未来、調、切歌、セレナ、クロード、キャロル、エルフナイン、キバット、タツロット。
直人、翼、マリア、奏は砂浜でゆったりと寛いでいる。
「はしゃいでいるな、立花達は・・・」
「本当にね。まぁ、私達はゆったり楽しみましょう」
「なぁ直人、私に日焼け止め塗ってくれるか?」
「あれ、まだ塗って無かったの?」
「うっかり塗り忘れてさぁ。直人の手で隅々まで・・・な?」
「「それはダメー!」」
奏は直人に日焼け止め塗りという名のお色気作戦をしようとして、翼とマリアに止められそのまま二人の手で塗られていく・・・。
「解せぬ」
「失敗だね」
装者達が海を楽しんでいる一方で、緒川と藤尭は筑波の異端技術研究機構に赴いていた。
二人の目の前には、研究室の機械によって部屋の中央に光の球体が表示されていた。
それはフロンティア事変後、アメリカに戻ったナスターシャが纏め上げた「あるもの」に関するデータである。
「これが、ナスターシャ教授から受け取ったデータですか・・・」
「はい、宇宙に飛ばされたフロンティアの重要区画。国連がそこから手に入れたデータをナスターシャ教授が纏めた物です」
ナスターシャが解析したのは、国連にこれを解析出来る頭脳を持つ者がおらず、S.O.N.G.を通じてナスターシャに依頼。
承諾したナスターシャの手によって、解析され形になってきたのを受け取ったのだ。
「光の球体ですね・・・」
「はい、教授はこれを”フォトスフィア”と名付けています。実物はこれよりも大きく、約四千万倍の大きさとなります」
「そんなに・・・」
「教授はまだ完全に解析出来ておらず、これはいわば中間報告・・・より詳しい事が分かり次第、順次データを送って下さるとの事です」
話を聞き終えた緒川は一度外に出て、翼へと通信を繋いだ。
「データの受領任務は順調です。そちらの特訓は進んでいますか?」
『くっ!なかなかどうして、タフなメニューの連続です!』
「?」
「後でまた連絡します!詳しい話はその時に!」
そう言って、翼は話を切り上げて通信を切った。
翼達が何をしているかというと、ビーチバレーである。
翼とクリス、響と切歌のチームに別れて戦い僅差で翼とクリスのチームが勝利。
そしてビーチバレー未経験のキャロルとエルフナインが、未来と調のチームと対決。
ディーンハイム姉妹が負けたものの、初めてのビーチバレーに終始笑顔で楽しんでいた。
そして時は過ぎてお昼頃。ビーチバレーを終えてお昼を買いに行こうというところで・・・・・・。
「なら、昼食の買い出しはじゃんけんで決めてしまおう。負けた者が買い出し係って事で」
「良いですね!それじゃあ、行きますよ!」
『コンビニ買い出しジャンケン───』
「ま、待って!」
急に大声でジャンケンを止める響。皆は驚いて止まってしまう。
「っておい!何で急に待ったかけるんだよ響!?」
「何か・・・寒くないですか?」
真夏の暑さの中なのに、急に寒さを感じる響。それは次第に他の皆にも伝わっていく。
「本当だ・・・急に寒さが・・・」
「どうして・・・」
「水着だから余計に寒く感じる・・・?」
「・・・・・・!あそこ、何かいる!」
調がもしかして、と思い魔皇力の流れを読み取って見ると、海の方に氷の魔術を放っている人物がいるのを見つけた。
調にはその人物が氷の魔術を放つため、冷気として響達に向かって魔皇力が流れているのが見える。
しかし、人物自体は透明になっているのか姿が見えない。
直人が足元に落ちていた貝殻を拾い、それを投げる。貝殻はまっすぐその人物に向かって飛んでいき直撃。
すると透明化が解けて、冷気を放った人物が姿を現した。
「ちょっとしたご挨拶でしたが、熱い今日には丁度良かったですか?魔皇様」
「アルロン・カール・・・!」
カール家現当主にして、3WA代表のアルロンだ。
初めて会った時と違い不敵な笑みを浮かべる姿は、見る者に不気味さを与える。
直人から3WAやアルロンについて情報を共有されているので、装者達も警戒する。
この時、響はすぐに動き更衣室にある分のギアペンダントを取りに行こうとしたが、見えない壁に阻まれたようにぶつかってしまった。
アルロンによる結界が貼られ、中にいる者を逃げられなしていたのだ。
「ブヘッ!?な、何ですかこれぇ!?」
「結界か・・・いつの間に」
「では・・・・・・魔皇様との戦いに相応しい3WAの新兵器を紹介しましょう!レイキバット!」
「行こうか・・・華麗に激しく!」
「な、何だそいつはぁ!?」
「キバットにそっくりデス!」
アルロンの背後から、キバットにそっくりなコウモリ・・・レイキバットが特徴的な声で話しながら現れた。
キバット達の驚く声をよそに、アルロンはニヤリと笑う。
「変身」
「変身!」
レイキバットを掴み取り、バックルに留める。
二人が交互に変身と言うと巨大な氷の結晶が出現し、アルロンの体に当たった直後に拡散。
飛散した破片がアルロンを中心に再集結し、包むようにしてスーツに変化。
これにより、アルロンは仮面ライダーレイに変身した!
キバの研究データに、3WAが捕獲したギガント族の力が転用されて開発されている。
両肩に備わった大型の爪、両腕に過剰に巻かれた人工カテナが目立つその姿は、”人造のキバの鎧”という表現が近いだろう。
「直人ぉ!あのニセキバットをぶっ倒せ!タダでさえ変態ドクターという偽杉◯がいるのに、これ以上増えてたまるか!」
「う、うん・・・」
キバットの怒りに戸惑いながらも、直人もキバに変身する。
「姉さん、他の皆を下がらせて」
「あぁ、任せろ。飛び火から守るのはオレの役目だ」
シンフォギアを纏えない中、キャロルは現状キバ以外で唯一戦えるので、万が一に備えての皆の警護を担当し後ろに下がらせた。
そして両者は同時に走り出し、お互いの拳をぶつける!
その衝撃を利用してレイは後方に飛び、冷気を放って海を凍らせて着地。
しかも、その足場の氷の床をそのままキックでキバの元まで蹴り飛ばす!
キバは慌てず氷の床を蹴り壊すが、その隙をつくようにレイも急速接近して殴りかかる。
しかし、それを読んでいたキバはジャンプしてパンチを外して伸び切った腕を足場にして更にジャンプ。
高所から姿勢を変えて回転し、その勢いを乗せたかかと落としを叩き込む!
レイも即座にカテナが巻かれた両腕を交差させ、盾代わりにして受け止める。
その衝撃によって砂が舞い波が荒れる。着地するキバとレイが数秒睨み合う。
先に動き出したのはレイの方。
手部の無数の放出口からレイキバットが生成した絶対零度に近い冷気を放出、それを砂浜に付けると氷の太い棘を何本も生やしキバを串刺しにしようとする。
それをキバが避けながら接近して行く一方・・・。
「さ・・・寒い・・・」
「未来、調ちゃん、切歌ちゃん!」
「「「了解!」」」
レイが放つ冷気によって寒がるクロードに響、未来、調、切歌が抱きついて暖める。
「あ・・・お姉ちゃん・・・あったかぁい・・・」
「クロード君のおかげで、お姉ちゃん達もあったかいよ〜♪」
水着であるが故にほぼ素肌同士がくっつき、クロードを温めていくと共に、響達もクロードによって温まる。
「まさか、真夏の海でこんなに寒い思いをするとは・・・」
「季節感バグるっつーの」
翼やクリスの言葉に同意するように頷く一同。
場面はキバとレイに戻る。キバはレイが作り出した氷の棘をすれ違いざまに折って武器のように持ちそれを突き刺そうとする。
レイは即座にキバの腕を掴み取って防御し、膝蹴りを当ててキバを離してから右ストレートパンチを繰り出す。
しかし、キバはレイのパンチを受け流し軽くジャンプしてレイの胸元に連続キックを叩き込む。
理論上は、対戦車砲が直撃しても破壊不能とされる強度を誇るレイの装甲だが対戦車砲を超える威力を持つキバの蹴りを連続で受けては流石にダメージを受ける。
「お見事ですね、このシステムも問題無し・・・ここまでにしておきましょう」
レイは僅かによろめいたが、戦闘続行に支障は無い。
だが戦闘テストは合格と判断し、両手から冷気を放ち砂と混ぜて目眩ましとする。
そしてレイが消えると結界も壊れて消え、寒さも無くなり元の温度に戻った。
変身を解いた直人は駆け寄って来た皆に自分の無事を伝えてから、キバットと話す。
「キバット」
「あぁ。お互い手加減していたとはいえ、まだ向こうも余裕あったよな」
「直人・・・ごめんなさい。力になれなくて・・・」
「タイミング的に仕方ない事さ。敵はこっちの事情はお構いなしだろうし・・・」
直人に加勢できなかった事を謝罪する翼達に、直人は本当に気にしていない事を伝える。
こうして、夏の海での一時に起こった戦いは終わった・・・。
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「起きろ、人間。お前にはまだやるべき事がある」
「・・・・・・何を、言っている・・・?俺はもう、役目を終えた・・・・・・」
「戦士としては・・・な。だが
「・・・・・・・・・いいぜ、やってやるよ」
「ふっ・・・では、始めよう」
次回予告。
久々に話す、風鳴の父と娘。不器用だけど少しずつ歩み寄れるのは、繋いでくれる貴方がいるから・・・。
【第九話 風鳴る親子、風と蛇の混絡】
人形と蛇。それは親子を引き裂かんとする悪意の刃か、親子への試練か・・・。
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次回はGX編9話の話です。