muv-luv the ∞ loop  『世界の負』と『狂戦士』の分岐点   作:光影陽炎

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その心に

月詠さん――――紛らわしいから真那さんと呼ぶが、彼女から朝食があるので持ってきますねと言われて最初は遠慮をしたのだが、遠慮したら何かめちゃくちゃキツイ威圧感が体中を襲い、再度真那さんに食べますよね・・・?と聞かれたときは、ただ上下に首を振ることしかできなかった。

 

そして部屋に取り残された俺は、新たなる来訪者を迎えることになった。しかも二人。

 

「おぉ、体は無事なのかね?」

「あまり無理はするなよ?」

 

巌谷中佐と萩閣の二人だった。

巌谷中佐は分からないが、帝国陸軍の准将はそう気軽に動ける身ではないと思うんだが。

その事を質問してみると。

 

「ん?心配ない。殺してはいないさ。」

「・・・・・サラッと物騒な事をよく簡単に言えるな。」

「照れるな~」

「褒めてねぇよ!」

 

毎度のテンションで返された。まぁ、実際付けられているのは()()だけじゃなく米国とかもいそうだからな。あそこは上が汚いだけあって、道徳的な人間が幹部になっても不都合起こしそうだから殺しましょうみたいな国家みたいで怖いし。実際訓練と称して洗脳していると聞くし・・・・・最近なんか失敗したみたいだけどな。

 

「・・・・・准将、そろそろ本題に。」

 

巌谷中佐の言葉で萩閣の顔が少しだけ険しくなる。これから何が始まるっていうんだ?

 

「そうだったな。克影、二期編成戦でのテストの後のBETA戦だが・・・・・あれは実践だ。」

「・・・・・はい?」

 

多少の覚悟をしてはいたけど、まさかこの前のテストの事で少しがっくりと来たが、すぐに今の言葉を再度思い出してよく考えてみると、おかしい点が一つある。

それは、あの戦闘が実践であるという事である。

BETAは大陸に現れる時は、海から陸に上がってくる時と地中から現れる二つのパターンが確かあったはずだ。

しかも地中からの侵攻だった場合は、音によって発見されやすく、レーダーにも移るはずである。

 

「これがどういう意味か、分かるか?」

「・・・・・・・・」

 

アクティヴソナーと同じ要領で設置された探査機は、地下3千mまでの敵の場所を的確に発見できる。前の世界では航空技術が発展していたが、この世界では地上と地中に関して地上は戦闘、地下は探査の面でまた別のベクトルに発展している。

そのぐらい性能があっても発見されなかった。なぜか?

 

「BETAが学習しつつある?」

「学習、というか進化しているのだよ、BETAは」

「進化・・・?」

「・・・・・・巌谷中佐、少し席を外してくれ。」

「・・・・はっ」

 

中佐が部屋から出ていくと、萩閣は鞄から大きめの封筒を取り出して封筒の中から3枚の写真と書類を取り出した。書類には『因果導体によるBETAの突然変異』と、書いてあった。3枚の写真には前回の戦闘に現れた空母級の最大の特徴ともいえる気持ち悪い口のような何かが、その大きい壁というか、これはBETAの体の側面に4つあった。

もう一枚には、戦術機より巨大な2足歩行の化け物がニタァと笑ってこちらを見ているものだった。

最後の一枚は伏せられていて、何が移っているのかが分からない。

 

「最初の一枚は、昨日の戦闘と同時に宇宙から降ってきたハイヴから出現したと思われるBETAの一部だ」

「ハイヴが降ってきた!?」

 

昨日の戦闘の時にハイヴは落ちてきたようには見えなかったが。

 

「まぁ落ち着け、とりあえずこの新型BETAを今後国連は()()認大()()()01と呼称している。特徴はBETAの中でも抜きんでいるその大きさだ。今までの中でも全長が最大級のBETA、先の光州作戦にて新たに発見された母艦(キャリアー)と呼ばれるBETAの全長を10倍以上のデカさを誇る。」

「・・・・なんだよ、それ?」

 

写真を見る限り確かに大きいのは分かる。母艦(キャリアー)級の胴体直径170mの口が4つあるだけで、700mは優に超えていることはすぐに分かる。だが、あれの10倍――つまり18㎞はあるわけだ。搭載数と言うか、体内保存数は一体で1万を想定すればバケモン中のバケモンと言うものなのか。いや、それ以上だろう。こんなのが世界にいることを考えただけで生きる希望が一瞬にして削がれそうな気がする。

 

「そして二枚目に映っているBETAは、地球に存在するすべてのBETAの原点と言うべきなのか分からないが、あえて言うならば完全な戦闘型BETAだ。」

「完全な戦闘型?」

「ああ、こいつを撮った奴の証言を聞いただけでも鳥肌が止まらんよ・・・今までのBETAがただの採掘員にしか思えなくなった。」

()()()()()()だって?」

 

採掘員といえば、俗に言う炭鉱マンというやつなのだろう。坑道などを掘っている人たちの事を指しているのであれば、奴らはただつるはしで掘っているのと同じ原理で地球を開拓しているだけなのであれば・・・?

 

「・・・そいつの特徴は?」

「・・・・・手の指は要塞級の尾、足の指は要撃級の腕、全身は突撃級の殻で覆われていて、両肩には少し飛び出たドーム型の光線級のような目、片目は重光線級の目を肥大化させた目、もう片目はあるかどうかも分からないほど小さく、歯は母艦級と同じような物。このつぎはぎだらけのBETAを、俺は合成獣(キメラ)と呼んでいる。どうだ?想像するだけでも鳥肌が立ってくるだろ?」

「・・・・・」

 

やはり、と克影は自分の求めたくない答えにたどり着いてしまった事に焦り始めた。

なぜ?今になって現れて来たのか、未だにわからないことだらけだ。

だが現れてしまった事に関してはどうしようもない事である。これの出現をおそらくこの国の上の人間は、所詮BETAだと侮る可能性も無いわけでは無い。早急に手を打つべきであると、克影は心の中で決意をした。

 

「どうした?鳥肌が立ちすぎて声も出ないのか?」

「・・・萩閣、もし俺の立てた仮説が正しければ今まで現れたBETAの正体が分かったかもしれない。」

「BETAの正体が分かっただと!?」

「あぁ・・・だが、現時点では確信があるわけじゃない。それに、そっちの話を最後まで聞いてからでもいいだろ?」

「・・・・・分かった。では、最後の一枚を伏せた理由は今までのBETAの存在を根本から崩していくものであるのと同時に、俺がたどり着いた答えの要因と言ってもいいぐらいのふざけたものだ。」

 

そう言って、萩閣は最後の一枚の写真を表に反した。

そこに映っていたのは、BETAのような不気味な肉体。鎧のようなものを装着している人間のようなものだった。いや、これは人間のようなものではない。二つの足で地面に立ち、両の手をブラリとたらし、その両の瞳でこちらを見据える姿はまさしく

 

TSF(戦術機)・・・F-4(ファントム)だと!?」

「この写真を見た瞬間、BETAはただの採掘員か工作員でしかないと、な」

 

人類最初の戦術機とも言える、F-4ファントムが己の生命は確かにここにあると言わんばかりに、写真でもその存在をありありと示していた。

 

「この写真に写っているのはBETAじゃない。人類と同じく生きる、生命なのかもしれないな」

「生きる、命・・・・」

 

・・・人類は、BETAに対して何か勘違いをしていたのかもしれない。

BETAは尖兵、写真に写る彼らは人類が同じ土俵に立つのを待っていたのかもしれない。

だが、それでもなぜ?可能性の低い道をなぜ彼等は取ったのだろうか?答えは分からない。

 

「なぁ、萩閣。」

「なんだ?」

「世界で突然現れた人間や、死亡と登録されている人間、行方不明になっている人間が現れた事を細かく知っている人間を知らないか?」

「・・・・・当てはある。来られるかは聞いておこう。」

「悪いな。」

 

 

では、探すとしようか。

 

同じく答えを探す者と、答えに辿り着き力無き事を悔やんだ者と、時に流され世界に犠牲にされた者達を。

 

「・・・・どうする気だ?」

「決まっているだろ?」

 

俺は、何度も繰り返す。

そう、定められた人間なのだから。

 

「人類の反撃を始めるんだよ。」

 




どうも、光影陽炎です!
また遅れました・・・申し訳ないです。
vitaでPSO2をやってたり、ほかの作品を書いてたり
台本を書いてたり、バイトしたり、ゲーム作ったり
生徒会の仕事をしたりで大変でした・・・

今日中にもう一話出せるように頑張ります!
では、次回出てくる人達を想像してお待ちください!
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